履歴書の資格欄の正しい書き方を知っていますか?実は、履歴書の資格欄には記載のルールがあります。意外と知られていない履歴書の資格欄の記載ルール。そのルールを守りながら、あなたのスキルや能力をアピールすることで、他の応募者と差をつけることができる効果的な書き方を紹介します。
履歴書の資格欄はなんのために書く?
履歴書の資格欄は自己PRの場
履歴書の資格欄、特に何も気にせず、とりあえず埋めていませんか?
履歴書の資格欄はあなたが今まで努力してきたことを証明し、転職先の企業で活躍することができることを客観的に自己PRできる場です。とりあえず自分が持っている資格をただ書くだけではもったいないです。履歴書の資格欄は自己PRや志望動機と同じように考えて書くことで他の応募者と差をつけることができます。
採用担当者が見ている履歴書の資格欄のポイント3つ
採用担当者は履歴書の資格欄の記載内容から、以下の3つを確認しています。
- 仕事に必要な知識やスキルを身につけているか
- どのようなキャリアを積み重ね、目指しているのか
- 向上心や成長意欲がどのくらいあるのか
資格欄を上手に利用することで、あなたの能力やスキルをアピールして、今後会社で活躍することができる人材であることを伝えることができます。だからこそ応募職種と関係ない資格まで全て書いてしまうと、採用担当者にうちの会社でなくていいのではと思われてしまう可能性があります。
そのため、あなたが持っている資格の中から応募する会社に合った記載すべき資格を選択することが重要です。
履歴書の資格欄の書き方
まず募集要項を確認しよう
資格欄を記載する前に、まず応募要項を確認しましょう。例えば応募要項の欄に日商簿記2級以上とあるのに、3級の資格しか記載していなければ、採用担当者はきちんと応募要項を読んでいないと、あなたに対してマイナスの評価を持ちます。もし応募要項に必須と書かれている資格を持っていない時は、いつ受験予定、勉強中など書いておくことで意欲をアピールすることが可能です。
正しい資格欄の書き方
資格欄に記載すべき資格が決まったら、実際に履歴書に記入していきましょう。履歴書の資格欄には正しい記入の仕方があります。
- 取得年日順に記入する
- 正式名称で書く
- 応募先の業務に関する資格を書く
取得した資格は取得年月の順に記載しましょう。この時に注意したい点は、試験を受験した月ではなく、免許証や合格証明書を取得した月を記入することと、取得年の西暦や元号は学歴や職歴などの項目と同じにすることです。
特に運転免許証の場合は、交付日と取得日の両方が記載されているため取得日を記載しましょう。
資格名を書く時は正式名称を記載します。英検や簿記検定などは略語です。また、民間資格の場合は資格名と合わせて実施団体を記入します。
履歴書の資格欄は、たくさん資格を持っていることをアピールする場ではありません。目的は応募する仕事に活かせるスキルや知識を持っていることを採用担当者に伝えることです。
特に履歴書の資格欄に書ききれないくらい資格を持っている人は、つい持っている資格を全て書きたくなってしまいますが、資格欄には応募する仕事に生かすことのできる資格のみを記入しましょう。また、企業によっては語学力が評価の対象になるため、TOEICやTOEFLなど語学力をアピールできるスコアであれば記入しておきましょう。
主な資格の正式名称一覧
ここでは主な資格の正式名称を紹介します。
- MOS:Microsoft Office Specialist 民間資格 実施団体マイクロソフト
- 漢検:日本漢字能力検定 民間資格 公益財団法人 日本漢字能力検定協会
- 英検:実用英語技能検定 民間資格 公益財団法人 日本英語検定協会
- 秘書検:秘書技能検定 民間資格 公益財団法人 実務技能検定協会
- 宅建:宅地建物取引主任者 国家資格
- 普通自動車免許:普通自動車第一種運転免許
- 大型免許:大型自動車免許
また簿記の資格の場合は主催団体によって名称が異なります。
日商簿記検定=日本商工会議所
全経簿記検定=(社)全国経理学校協会
全商簿記検定=(財)全国商業高等学校協会
(他、県商などもあります)
日商簿記検定の人が多いですが、念のため履歴書に記載する場合は確認をしておきましょう。また、名称変更があった時も必ず新しい名称で書くよう注意しましょう。
資格欄に書くべき資格と書かなくてもいい資格の見分け方
履歴書の資格欄に書くべき有利な資格
持っているという理由で全ての資格を書いても採用担当者にアピールできるとは限りません。履歴書の資格欄には、書くべき資格と書かなくていい資格があります。
- 国家資格
- TOEICなど語学系の資格
- 普通自動車免許証
- MOS などのパソコン資格
国家資格は応募職種に直接関係なくても書きましょう。国家資格を書く事で今までの業務経験や専門的知識があることを証明することができます。資格欄に記載する時、資格の場合は「◯◯試験合格」と記載します。免許の場合は「◯◯免許を取得」と記載しましょう。複数の級を持っている資格に関しては下の級の記載は不要です。
企業によっては語学力を重視します。そのため応募職種の業務で直接的に英語など外国語が必要ない場合でも記載しましょう。TOEICは資格ではありませんが、認知度が高く、語学力を客観的に証明することができます。
ビジネスで活用できると判断される600点以上のスコアを所持しているなら記載しましょう。ただし、外資系企業では700点以上が必要です。TOEICのスコアが500点台以下の場合は、英語力がないと判断されてしまう可能性が高いため、記載しないほうがいいでしょう。英語は使わないとスキルが落ちてしまうため、基本的には2年以内に取得したスコアを記載します。
ペーパードライバーでも運転免許証を持っているなら必ず記載しましょう。最近は運転免許証を持っていない人も多いため、事務職など必要ないと思われる職種でも記載しておくことで優位に働くケースがあります。資格の名称は基本的には取得時の名称で記載しますが、運転免許に関しては普通と準中型では運転できる車が違います。そのため運転免許証は現在の名称で記載します。普通免許を取得していても道路交通法の改正によって、準中型などに変更になっているケースがあるためです。記載前に確認をしておきましょう。
現在は、どんな仕事をするにしてもパソコンを全く使用しない仕事はほとんどありません。そのため、希望職種とは直接関連がないとしても、MOS(Microsoft Office Specialist)などのパソコン関連の認定資格は記載しておきましょう。
履歴書の資格欄に書かなくてもいい資格
- 認知度が高く、比較的簡単に取得できる資格
- 趣味の認定資格
- スポーツの段や級
秘書技能検定3級や日本漢字能力検定3級、実用英語技能検定準2級など認知度が高く、比較的簡単に取得できる資格は書かなくていいでしょう。特に挙げた3つの資格に関しては、最低2級以上でなければ採用担当者にアピールすることは難しいです。希望職種に関係なければ書かない方がいいでしょう。
ただし、経理など募集要項に日商簿記検定3級以上が必須の場合は書く必要があります。
漢字検定や数学検定など趣味の資格に関しては基本的には記載不要です。募集職種によってはこれらの趣味の資格が強みになるケースがあります。例えば、飲食店に応募する場合は日本酒検定、旅行会社に応募する場合は世界遺産検定などは、採用担当者の興味を引くことがあります。これらの資格は資格欄に記載するのではなく、趣味・特技の欄にあえて記載しておくといいでしょう。
柔道や空手などの段や級は資格欄に記載しません。ただし、面接での話題になる可能性があるため趣味や特技の欄に記載しておくといいでしょう。また、書道やそろばんなども同じです。例えば書道の場合、事務職や秘書など手書きをする機会が多い仕事の場合はアピールポイントになるため必ず書きましょう。
こんなときどうしたらいい?資格欄に関するよく質問
今勉強中で、取得予定の資格は書くべき?
まだ取得していない資格でも、応募職種と関連性が高ければ必ず記載しましょう。記載しておくことで向上心や学ぶ意欲をアピールすることができます。
例えば、現在TOEICで800点を目標に勉強中など記載しておきましょう。なんでもかんでも書けばいいものではないので、あくまでも記載することで自己PRになるか冷静に判断した上で記載します。資格は取得していなくても、業務に関するスキルの取得のためにスクールに通っているなら、その旨を書いておくことで高評価に繋がる可能があります。
履歴書に書く資格がない場合はどうしたらいい?
運転免許証や資格欄に記載する資格がなければ、無理して記載する必要はありません。そのため資格欄には「特になし」と記載します。そのぶん志望動機や自己PR欄を充実させるといいでしょう。面接官にあなたがどのような人物なのか人間性を知ってもらうために、趣味や特技の欄は何かしら記載しておくようにしましょう。
資格欄に書ききれないほどたくさんある場合は?
たくさんの資格を持っていることが必ずしも採用担当者に好印象を与えるとは限りません。応募職種と全く関係ない資格ばかり書かれていたとしたら、採用担当者はなぜ応募してきたのか、この仕事を本当にしたいのかと考え、マイナスの評価を受ける可能性もあります。履歴書の資格欄はあなたが持っている資格を書く欄ではなく、あなたの自己PRをする場だと考えることで、どの資格を書くべきなのか判断できます。
資格欄に嘘を書いたらどうなる?
履歴書に嘘の記載をしてはいけません。履歴書に事実でない内容を記載し、それが発覚した場合は採用取り消しや解雇になる可能性もあります。また、嘘を記載した認識がなくても履歴書に記載した資格や免許が失効していたり、スコアや階級を勘違いして記載してしまうこともあります。
そのようなことがないためにも、資格を記載するときは事前に確認をしておきましょう。また、企業によっては記載した資格の証明書の提出が求められるケースがあるため、事前に証明書も準備しておきましょう。
資格欄でもしっかり自己PRして転職を成功させよう
履歴書の資格欄は自己PRの場だと自覚して書くことで、採用担当者に自分を採用した方がいいとアピールすることができます。他の応募者に差をつけるためにも、希望職種に関連性のある資格を記載し、転職を成功させましょう。