仕事も家事も育児も、わたしは全部頑張りたい!その気持ちは素敵です。でも、実際は大変ですよね。仕事を頑張りすぎてしまい家事と育児がおろそかになってしまう人、二人目ができてやむを得ず仕事を辞めたという人、時間がいくらあっても足りないくらい忙しいという人など、働くママさんのお悩みを基に時間の工夫などをまとめました。
ワーキングマザーとは
働くお母さんのことを「ワーキングマザー」といいます。子育てをしながら働きに出るお母さんの割合は年々増加していて、お母さんが働く理由としては、収入面でのサポートや社会と繋がっていたいという精神面での自立などがあります。また、現代が抱える問題として待機児童問題があります。待機児童が減ればワーキングマザーの割合は、さらに増えると考えられます。
ワーキングマザーの悩み
収入面でのサポートのために働いている人、社会の一員として自立を目指して働いている人、理由はそれぞれありますが、自分や家族のために働くと決めたのは自分自身です。それでも働くお母さんは、大変なことがたくさんあります。働くお母さんはどんな悩みを抱えているのでしょうか。
- 子どもが病気をしたときに急な休みをとれない
- 自分の趣味を楽しむ時間をとれない
- 洗濯、掃除、料理などの家事がおろそかになる
- 子どもとの会話が減る
- 残業の時に子どものお迎えに行けない
- 希望の休み申請がしにくく学校・保育園などの行事に参加しづらい
- 夫婦間の会話が少なくなる
- 仕事中心にはいかず現場での出世が遠のく
お子さんの急な用事に対して仕事の予定があるため、自由に動けないことが多いようです。仕事が中心になってしまうと家族との時間も少なくなったり、家の用事ができなくなってストレスを感じる方もいます。仕事も家庭もどちらも大切なお母さんにとって、どうバランスをとるかがワーキングマザーを続けられるかのポイントになります。
ワーキングマザーは辛いって本当?
ワーキングマザーは、仕事の中での悩みと家庭の中での悩みとそれぞれありましたが、その他にも辛さや葛藤も出てきます。例えば、職場で先に退勤しようとしているなか、他の社員さんが残業していると帰りづらいですよね。それを「自分は子どもがいるんだから定時であがるのは当たり前!」という姿勢でいると、表では笑顔でも内心は良く思っていない人もいるかもしれません。
忙しいからといって自分しか見えていないと、周囲との連携も取れず仕事が思うようにできなくなってしまいます。そうなると、職場での居心地が悪くなってしまいますので、「お先に失礼致します。」というようにあくまでも低姿勢でいることは、仕事を続けていくなかで大事な要素となります。そういう配慮ができると職場の方にも「母親って大変だよね。」と理解してもらえる機会が増えるでしょう。家事と育児を両立するのはしんどくて大変であることをわかってくれる、他のワーキングマザーの方もいらっしゃるかもしれません。
そして家族のために頑張って仕事をしている中、家に帰ると家事が待っています。ご主人やお子さんが「手伝ってくれない、私だって働いているんだから」とイライラしていると家庭内はギクシャクしてしまいます。「仕事も辛い」「家庭も辛い」と、自分は何のために頑張っているのか分からなくなってしまいますよね。家族にも家事を一緒に手伝ってほしいと、ヘルプを出すことはとても大切です。お子さんが小さいときこそ大変だということをご主人にも理解してもらい、一緒に家事ができると精神的にも体力的にもそして時間的にも助かるはずです。
家庭でも職場でも、一人でやっているという気持ちになると、私だけが頑張っているということが心を支配してしまい、辛くなってしまいます。そうすると周りの人の大変さや有り難さにも気づきにくくなってしまい、職場でも家庭内でも孤立してしまう可能性があります。そうならないように、自分だけが頑張っている環境づくりをやめて、できないことは周りの人に相談して理解を得て手伝ってもらえると、とても助かりますよね。一人で頑張ることよりも、みんなで協力できた方が負担は減って、笑顔が増える要素に繋がります。
ワーキングマザーの割合
2015年に厚生労働省が行なった国民生活基礎調査の概況調査によると、18歳未満の子どもを持つ世帯1,181万7,000世帯のうち、ワーキングマザーがいる(正規雇用、非正規雇用合わせて)世帯は68.1%を占めています。過去の調査である2004年の56.7%に比べて11%以上増えています。単純な世帯数で計算すると100万世帯以上も増えていることになります。
少し細分化すると、正規雇用は22.4%、非正規雇用37.2%となっています。断然パートさんの方が多いのかなと思いきや、正社員で働くお母さんも以外に多いですね。さらに、0歳児の母親の就労割合は4割で15歳では8割になっています。子どもの手が離れる時期から働きに出る人が多い傾向にあります。
ワーキングマザーの時間の使い方
フルタイム(8:30~17:30出勤で幼稚園に通う子ども一人の場合)
6:00-起床 携帯やテレビニュースで情報をチェックし着替え・化粧など自分の時間
6:40-お弁当・朝ごはん作り
7:00-子どもを起こして朝食
7:30-子どもの着替え・連絡帳記入
7:45-片づけ・洗濯物を干す
8:00-家を出て保育園へ行く
8:30~17:30-仕事
18:00-保育園へ子どものお迎え
18:20-夕食作り
19:00-夕食
19:30-家事を一気にこなす(洗濯物をたたむ・お風呂掃除・トイレ掃除・掃除機かけ・食器洗いなど)
20:00-子どもとお風呂
20:30-子どもや旦那とまったり過ごす
21:00-子ども寝かしつけ
23:00-就寝
勤務時間や通勤時間などによってスケジュールは大きく違いがあると思いますが、共通しているのは、自分の時間がほとんどないというところです。その他、足りないものの買い物や子どもが体調を崩すなど、予定していないことが起きることは十分考えられます。働くママさんのスケジュールは本当にハードです。隙間時間をどう過ごすかで、精神的負担の量が変わってくるでしょう。
家事育児と仕事の両立のコツ
夫婦間の協力
「給料の割合はご主人の方が多いから偉い」「仕事をしている時間が長いから夫の方が大変だ」「責任のある立場にあるから男は苦労している」そう考えてしまうのは感謝の気持ちがあるからこそ出てくる思いので仕方のないことです。そんな中で、家事は妻がやらなくてはいけないと一人で頑張っていませんか?
しかし、夫と妻のどちらが大変かを量りにかけることはできません。どちらも相応の責任があり、社会人としての務めを果たしています。現代、家事は女性だけの仕事ではありません。一人で頑張ってしまうといつか心や体の負担が増え、耐えられなくなってしまう時が来てもおかしくありません。そうならないように家族が幸せに暮らすためにどうしたら良いか、それは夫婦間の協力です。
協力してほしいと思っていても「夫が何もしてくれない」「わたしの気持ちに気づいてくれない」「仕事仕事と言われると何も言えない」そう考えてしまう人もいるでしょう。それは何かしてもらうための「お願い」や、こういうことが大変で今悩んでいるといった「相談」、仕事への「正確な理解」が足りないことも考えられます。これらを解決するのは夫婦間のコミュニケーションです。
1日があっという間に終わり、気づけば旦那とはすれ違いの日々という方もいますよね。そんなときこそ、コミュニケーションが必要です。時間が無いからコミュニケーションが取れないという考えではなく、家族の幸せのために夫婦の時間を作ると考えて行動した方が、良い方向に向く可能性が高くなります。もちろん、女性だけがコミュニケーションを取る時間を工夫したのでは意味がありません。ご主人にも時間を作ってもらえるよう、事前にお話をしておくと良いでしょう。
家事のどんなことを手伝ってもらいたのか、なぜ手伝ってもらいたいのか、手伝ってもらえると家族にどんなメリットがあるのかなど、しっかり話し合えるとさらに気持ちよく生活できます。下記は、家事分担の一例です。
- 料理-妻(休日は一食分夫)
- 食事の片づけ、洗い物-妻(休日は夫)
- 洗濯、アイロンがけ-妻(休日は夫が洗濯)
- 掃除-妻(休日は夫)
- トイレ掃除-妻(汚れに気付いたら夫も行う)
- ゴミ処理-妻(たまに夫)
- 子どもの食事担当-平日妻、休日夫
- 子どもの爪を切る-夫
- 子どもとお風呂-夫(たまに妻)
- お風呂掃除-夫
- 洗車-夫
- まとめての買い物-一緒に
この例の場合は、奥様主体の家事分担ですが、休日は1日家事をしてもらったり、子どもと関わる時間を増やしたりするために、ご主人にも担当を振り分けましょう。できない時はできないと相談し、やってもらいたいことがあればお願いをしましょう。頑張りに気づいてほしいときは、思いっきりアピールをすることもいいことです。できる妻として頑張るより、正直な妻でいるよう心がけると気持ちが楽になることでしょう。
優先順位を明確にする
一日のうち必ずやらなくてはいけないこと、ちょっと先延ばしにしてもよいこと、簡単に済ませられること、じっくり時間を取らないといけないこと、まとめてできることなど、一つひとつの家事で重要性がそれぞれあります。どの順番で、どのタイミングで、家事を行うかはだいたい決まっていると思いますが、普段から取捨選択ができると優先順位も明確になりますし、迷ったり悩んだりするストレスや時間を削れます。
料理は、3食分一から作ると大変ですよね。できる時に、作り置きや野菜を調理する前段階までカットしておく、たまにはお弁当をお休みしてランチに出るなど、一回一回の料理の負担を減らせるように自分に合った工夫をすることで毎日の料理も楽になるでしょう。
最近は家電製品の発達により、ロボット掃除機や食洗器、衣類乾燥機、電気調理器など、家事を自動でできることが増えてきました。手伝ってくれない夫よりももしかしたら優秀な仲間になりそうですね。
職場での関わり
法令では、3歳までが時短勤務(働くお母さんは通常の勤務時間より短い勤務時間で仕事ができる制度)が可能ですが、3歳以降も時短勤務を希望する人が増えているので、小学校入学前までは時短延長を認める会社も増えてきているようです。周りに身内がいなくて保育園にお迎えに行けない、自分の両親が近くにいるが家族の介護で孫どころじゃないなど、近くに頼れる人がいない場合は職場内でも「時短延長」は仕方がないよねと納得してもらいやすいでしょう。
しかし、事情をよく知らない人、時短延長ができなかった時代の人、仕事を生活の中心に考えている人などからは「時短延長」で働く人を受け入れにくい可能性もあります。なかには、時短延長を都合よく利用する人もいるかもしれません。上司の顔見る時間が減って嬉しい、仕事嫌だから子どもをダシに使った、など時短延長を都合よくとらえてしまっている人もいます。こういう発言を社内でしてしまうと、批判の対象になってしまいます。
育児をきちんと行うようするための時短勤務制度ですので、会社にも自分が勤務することのメリットを感じてもらったり、利益を出すための努力をしたり、できることはしっかりとやっていかなければなりません。自分の主張ばかり通して仕事をきちんとしない人、などと評価されては居心地が悪くなってしまいます。どういう姿勢で仕事に取り組むかをきちんと考えて自分が居心地の良い会社での関係性を築いていくことが大切です。
ワーキングマザーも一生懸命頑張っています!
「仕事は自分が好きだからやっているんでしょ、大変なのは自分が選んだことじゃない」と言われたことがあるかもしれません。でもたとえそうだったとしても、実際に家事と育児の両立は本当に大変ですよね。周囲に何と言われようと、家事育児と仕事の両立をしている人は一生懸命頑張ってることをしっかりと見てくれている人もいます。職場での立ち回り、家庭での役割などなど…体と心がいくつあっても足りないですよね。
旦那は家事や育児を全然手伝ってくれないし、子どもはエンエンと泣きじゃくるし、もうこの状況から逃げ出したい!となるのもすごくわかります。でも、子どもと一緒に過ごせる時間は、あっという間に終わってしまうんです。「あのときこうしておけば良かった」「このときあのように判断していれば」と、後悔してももう遅いのです。
ワーキングマザーが辛くなったら、自分を見失いそうになったら、仕事を辞めるという判断も必要なときがあります。家族のことばかりではなく、自分のことも大事にしてあげてながら過ごしてください。