【最新版】育児休業給付金とはどんな制度?計算方法から申請方法・支給日まで気になる疑問を全て解説

育児休業給付金という制度を詳しく知っていますか?政府が推し進める「働き方改革」の中には、女性が働きやすい環境を整備することがあります。働く女性が子育てをしながら働くの職場だけではなく、政府の関わりも大切です。今回は育児休業給付金について解説します。

育児休業給付金の基本知識を知っておこう

育児休業給付金とはどんな制度?

「育児休業給付金」は、育児をするために働けない期間をサポートするための制度のことです。この制度は出産後、最長1歳6ヶ月まで生活をサポートしてくれます。子どもを生み、育児をする職場に復帰できない期間、会社からは給料が出ません。その間のサポートを本人が加入している雇用保険がしてくれます。

育児休業給付金が受けられるための条件とはどんなもの?

  • 育児休業給付金が受けられるための条件
  • 1. 雇用保険に加入していること
    2. 育児休暇を取る前の2年間のうち、1ヶ月に11日以上働いたという月が12ヶ月以上あること
    3. 育児休業期間中のそれぞれ1ヶ月ごとに、自分が働いている勤務先からお金を8割以上もらっていないこと
    4. 休業日数が各支給対象期間ごと、20日以上あること(終了日を含む月の場合は、月に1日でもあればよい)
    5. 育児休業後に働く意思があること

  • 育児休業給付金がもえらない場合とは?
  • 育児休業給付金とは、本人が雇用保険に加入していることが条件にあります。しかし、以下に当てはまっている場合も、もらえない可能性があります。

【雇用保険に加入してももらえない場合】
1.  妊娠中に会社を辞める人
2. 育児休業後に会社を辞める予定がある場合
3. 育児休業を取らないで仕事に復帰する場合

【雇用保険に入っていない場合】
1. 専業主婦(夫)
2. 自営業や自由業の場合
3. パートタイマー・アルバイトで雇用保険に加入していない場合

育児休業給付金がもらえるのはいつからいつまで?

育児休業給付金が支給されるのは、子どもが1歳になるまでの育児休業期間中であり、育児休業が終了する月はその育児休業の終了日までです。この場合、産後8週間の産後休業の場合は育児休業期間には含まれないので気をつけましょう。また、父親の場合は母親の出産日当日から支給対象になります。

パパママ育休プラス制度とは?

平成22年6月30日より「パパママ育児休業プラス」という制度が始まりました。この制度によって父親が育児休業を取りやすくしようという制度です。そして、今まで1年だった育児休業を更に2ヶ月延長できるようになりました。

今まで子育ては女性が育児休業を取得して行なっていましたが、男性も積極的に参加していくことが推進されてきています。核家族の家庭が多くなっている近年、出産したばかりの妻の身体が回復するまでの間、夫が育児に取り組む必要があります。パパが育児休業を取得するためには、以下の条件を満たしている場合です。

  • 今働いている会社で雇用されてから1年以上たっていること
  • 子どもが1歳になる日以降も同じ会社で雇用されることが決まっていること

この条件を満たしていれば育児休業を取ることができます。取得することを決めたら会社に1ヶ月前までには申請し、申請書をもらって提出します。この制度は会社に規定がなくても法律で決まっている制度なので、会社側は申請を拒否することはできません。

男性の育児休業取得率はどのくらい?厚生労働省によるアンケート調査

男性にも育児休業を取得してもらい、育児休業給付金を給付するというパパママ育休プラス制度ですが、実際に男性はどのくらいの人が育児休業を取得しているのでしょうか。

厚生労働省が行なった、平成27年度の「雇用均等基本調査」の中で、男性が育児休業を取得している割合は2.65%でした。このような制度があっても男性の取得率がとても低いことが分かります。

なぜ取得する人が少ないのか、ユーキャンが行なったアンケートがあります。これによると、育児休業を取得した男性の83.9%が「もう一度育児休業を取得したい」と答えています。
メリットについては「家族の時間が取れる」「子どもとの絆が深まる」としています。その一方で、取得していない人の57.7%が「職場の理解が足りない」ので取得できないとしています。

男性が育児休業を取得することを会社は拒否できませんが、まだ多くの人が「男性は仕事を優先すべきだ」との意識があり、男性の育児休業の取得を妨げているのが現実です。



出典:厚生労働省「雇用均等基本調査の概要」

これを見れば完璧!育児休業給付金の支給日や申請方法

育児休業給付金の申請方法

  • 勤務先が手続きをしてくれる場合
  • 1. 自分に育児休業給付金の受給資格があるのか勤務先に確認しましょう。
    2. 育児休業の開始の申し出は休業開始の予定1ヶ月前までにしましょう。育児休業をいつからいつまで取得したいのか、勤務先に伝えます。
    3. 申請に必要な書類をもらって、産休前だった場合はやりとりが郵送で良いかを確認しましょう。必要事項に記入し、会社に提出します。
    4. 提出してから2~5ヶ月程してから最初の給付金が振り込まれ、2ヶ月ごとに給付金が振り込まれます。そして2ヶ月ごとに追加申請が必要です。この追加申請は会社がやってくれるはずですが、念のため確認しておくことが必要です。

  • 手続きを自分で行う場合
  • 1. 育児休業給付金の受給資格があるかを勤務先に確認し、育児休業をいつからいつまで取得するかを勤務先に伝えます。
    2. 申請書類に記入したら自身でハローワークに提出します。
    3. 給付金は2~5ヶ月程したら最初に給付金が振り込まれます。2ヶ月ごとに給付金が振り込まれます。その後、2ヶ月ごとに追加申請をしなければなりませんので、申請期限を忘れないようにしましょう。申請期限を忘れてしまうとその後給付金がもらえなくなってしまう可能性があるので注意してください。

育児休業給付金の申請に必要な書類

1. 育児休業給付金支給申請書(必要事項を記入)
2. 育児休業給付金受給資格確認票
3. 記載内容を証明できる書類(賃金台帳、出勤簿など)
4. 母子健康手帳など、育児の事実が確認できるものの写し

育児休業給付金の計算方法と支給日

育児休業開始から180日目までは月給の67%、育児休業開始から181日以降は月給の50%と定められています。月給は各種手当を含んだ金額(残業代などを含む)の休業開始前の6ヶ月の給与の平均額となります。
また、育児休業給付金の支給日の目安は申請してから約2ヶ月後です。会社を通して申請を行う場合、前後する可能性もあります。

育児休業給付金の知っておきたいあれこれ

育児休業給付金は延長することができるの?

育児休業給付金は特別な理由がある場合は延長することができます。該当する場合は子どもが1歳または1歳6ヶ月になる前にハローワークに問い合わせ、延長ができると認められたら早めに手続きをしましょう。

  • 保育所に入れず、待機児童となった場合
  • 認可保育園に申し込んでいるが入所待ちで入園できず、仕事に復帰できないなどのやむを得ない理由がある場合は育児休業給付金の延長が認められます。

  • 配偶者のやむ得ない事情で養育が困難な場合
  • 以下のような理由があり、子どもの養育が困難になった場合でも延長の対象になります。

    1. 子どもを養育していた、する予定の配偶者が死亡した場合
    2. 配偶者の病気やケガ、または精神的の障害により育児が困難になった場合
    3. 離婚などの理由で配偶者と子どもが同居しなくなった場合
    4. 6週間以内に出差予定、もしくは出産後8週間を経過していない場合

パートやアルバイトでも育児休業給付金はもらえるの?

育児休業給付金は、で紹介した、給付の条件が揃っていればパートタイマーやアルバイトでも給付の対象になります。また、平成29年1月より派遣社員・契約社員にも育児休業給付金の条件が緩和されました。今までの条件は、以下の通りでした。

1. 同じ事業主に1年以上引き続き雇用された
2. 子どもが1歳以降も雇用契約が継続され、それが1年以上ある
3. 子どもが2歳になる日まで更新されないことが明らかではない

このうち、2が廃止されて、3の子どもの年齢が2歳から1歳6ヶ月に変更になりました。ですから、育児休業給付金を申請した時に勤務していて雇用保険に加入している期間が1年以上あり、子どもが1歳6ヶ月になる日まで契約が続く場合は給付の対象になるのです。

育児休業給付金は退職する人でももらえる?

育児休業給付金は、もらえる条件として「育児休業を後に働く意志があること」とあります。申請をした時は休業が終わった後に復職するつもりだったとしても、仕事をしながら子育てをすることは難しいと思って考えが変わる可能性もあるでしょう。

育児休業中に退職の意志を会社側に伝えてしまったら、育児休業給付金は給付されなくなります。そのことを考えて退職することを伝えるタイミングを考える必要があります。例えば、育児休業給付金が6月30日までもらえるはずのところを、6月30日で退職すると伝えると、6月いっぱいの支給がされなくなってしまうのです。この場合は、退職日を7月1日付にすると6月30日まで支給されるのです。

育児休暇中は社会保険料が免除?

  • 育児休業中は社会保険料免除になるの?
  • 育児・介護休業法によって、3歳までの子どもを養育するために育児休業を取っている期間は、社会保険の支払いが免除になります。免除になるのは被保険社分と事業主分の両方です。

  • 社会保険料が免除になる期間はどのくらい?
  • 育児休業中の社会保険料の免除期間ですが、育児休業開始の月から終了する日の翌日が属する月の前月までの期間となります。
    (例)育児休業期間が、3月13日~1月31日までの場合は、免除期間は5月分から12月分までになります。

育児休業給付金の申請を忘れずに!

育児休業給付金ですが、雇用保険に加入していたらもらえるお金です。保険に加入していたのにもらえることを知らなかった、忘れていたなどということがないように申請しましょう。万が一、忘れていた場合はハローワークに問い合わせてみてください。自分がどんな保険を支払っていて、その保険を支払っていると受けられる制度についてを知っておくと損をしないで働けるのではないでしょうか。

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