現役の管理栄養士さんが語る!具体的な仕事内容や気になるお給料・就職先について

あやか

テレビや雑誌でよく見る「管理栄養士」という仕事。実際は何をする仕事なのでしょうか?今回は、児童養護施設と保育園、社員食堂に勤務したことのある管理栄養士の橋本がこの仕事を紹介します。

管理栄養士とは?どんな仕事をするの?

管理栄養士は、最近になってメディアへの露出が増え認知度が増してきた職業のように思います。しかし、「栄養士と何が違うの?」「そもそも何を管理する仕事の?」と色々な疑問がまだ多くあるとも感じています。今回は、そういった疑問に具体例をまじえながらお答えします。

管理栄養士と栄養士の違いは?

管理栄養士と栄養士はどのような違いがあるのでしょうか。

まず、栄養士は所定の訓練学校を卒業すると得られる資格です。栄養士は都道府県知事に免許を受け、主に「健康な方」を対象に栄養指導や給食の運営を行います。
一方、管理栄養士は栄養士資格を持ち、なおかつ国家試験に合格しないと得られない資格です。管理栄養士は、厚生労働大臣の免許を受けた国家資格であり、個人のニーズに合わせた専門的な栄養管理をします。例えば、病気を患っている方や高齢で食事がとりづらくなっている方、健康な方一人ひとりに栄養指導や給食管理を行います。

管理栄養士のお給料や待遇面

管理栄養士の就職先別のお給料

管理栄養士のお給料は就職先によってかなり差が出てきますが、平均すると30.6万円の給与になります。また、各年代の平均は20代では25万円、30代では31万円、40代では36万円になります。
病院はやはり高めで、老人福祉施設など社会福祉法人はその法人のそれぞれの規定に従ってお給料がでます。また、企業もその企業の業績によるので資格職といえどサラリーマンと同じ扱いになるでしょう。

実際に私が感じたのは、給食産業はお給料が安めなところが多いということです。調理師さんと大差ないところもあるそうなので、仕事は調理師さんとは全然違うのに、ということは多く聞きます。

管理栄養士の休日や待遇面は?

休日は就職先によってかなり変わってきます。市町村や学校勤務、企業勤務はほとんど土日が休みと言っていいでしょう。病院や老人福祉施設、給食産業はシフト勤務が多いです。

管理栄養士になるにはどうすればいい?

管理栄養士になるには4年生の大学が最短の道

管理栄養士になるには、まず栄養士免許を取得しなければなりません。栄養士免許を取るには、高校を卒業して栄養士養成課程のある大学、短期大学、専門学校に入学し、所定の専門課程を修得して卒業することが必要です。
学校の授業では臨地実習も含め、様々な実習があることなどから、夜間の学校や通信教育は無く、必ず昼間の学校に通う必要があります。それに加え、栄養士免許を取得してから、それぞれ実務経験を2年制の学校なら3年、3年制の学校なら2年、4年制の学校なら1年を積まなければ管理栄養士試験を受けられません。

しかし、管理栄養士養成過程のある4年生の大学に進学すれば、卒業時に栄養士免許を取得し、その年の管理栄養士試験をストレートに受けることが出来ます。最短で管理栄養士になりたいのであれば、4年制の管理栄養士養成過程のある学校に進むのかベストといえるでしょう。

管理栄養士の国家試験を受験する

栄養士の資格を取得したら管理栄養士の国家試験を受けられます。試験は年に1回、3月のみです。

国家試験の内容は9科目あり、午前と午後に分かれてマークシートの筆記試験になります。試験内容は9つあり、社会・環境と健康、人体の構造と機能及び疾病の成り立ち、食べ物と健康、基礎栄養学、応用栄養学、栄養教育論、臨床栄養学、公衆栄養学、給食経営管理論です。現代の栄養・健康の知識から、人体の成り立ち、栄養の代謝、年代別・病態別の栄養代謝、保健指導のテクニック、集団給食、給食経営管理など食に関することは幅広くなんでも学びます。

社会人では難しい?管理栄養士の合格率

厚生労働省が発表した、平成27年度の四年制大学を卒業した後すぐの受験では、合格率は92.4%でした。
一方、短大卒で社会人経験を経てからの受験では、管理栄養士養成過程卒の人で18.4%、栄養士養成過程卒の人で19.3%の合格率でした。やはり、とても差があるので仕事をしながら勉強をして試験に受かるには相当な努力が必要なようです。

管理栄養士に向いている人の特徴・適正

管理栄養士は対象者を多角的な目線から評価し、栄養管理の指示を的確に伝える必要があります。また、伝える力(コミュニケーション力)も重要になってきます。献立を立てる際には、料理をたくさん知っていなくてはならないので食べることが好きな人、また、実際に献立として指示を出すときは分量を決めないといけないので料理も好きな人が向いていると言えるでしょう。

管理栄養士の求人先や就職状況・就職先別の仕事内容

それでは、ここからは管理栄養士の免許がどんな仕事に役に立つのか具体的にみていきましょう。
管理栄養士の特徴であるのが「個人に合わせた栄養管理ができる」という点です。それを生かす場としては、やはり病院勤務での栄養指導や会社の健康診断の後に行なう保険指導が多いです。
しかし、その他にも近年の少子高齢化の影響も受けてか老人福祉施設である特別養護老人ホームや介護老人福祉施設(通称、老健)などでの栄養管理のニーズも増えています。

社員食堂

大きな会社や工場の中にある社員食堂で、献立を立て発注や調理をしたり、社員向けに健康指導の講習をひらいたりすることもあります。

病院

患者一人ひとりの病状に合わせて、病気の治療や予防を目指し、食事提供や栄養指導を通して栄養管理をします。医師や看護師、薬剤師などの他職種と連携して働きます。

老人福祉施設

入所者の方を一人ひとりアセスメントし、個人に合った食事目標を立ててそれに合った食事を提供します。また、施設で最期を迎えることのできる所では、食が人に与える楽しみと口腔機能の衰えを考える終末期の栄養が大きなテーマにもなります。

市町村

その市町村の3歳児検診の時に離乳食の指導をしたり、衛生管理者講習会の時に公演をしたり、地域の栄養管理を包括的に支援します。

小中学校

その小中学校の給食献立を立て、発注したり、子供たち向けに食育を行ったりします。

食品企業

その企業の製品を研究し、改良したり品質管理などを行います。お弁当やお惣菜などを作っている企業だと、新メニューの開発なども行ないます。

管理栄養士さんの本音!やりがいや大変なこと・実体験

管理栄養士のやりがい

  • 顧客と触れ合って美味しいと言ってもらえる
  • 社員食堂などでは、テーブルに意見書などを置き、サービスの向上に役立てていました。その意見書に「この定食は美味しかった。またやって欲しい」など書いてあることがあり、やりがいを感じました。

  • 利用者さんに感謝される
  • 保育園の管理栄養士をしていたときは、子供たちから卒園式の時に「いつもご飯を作ってくれてありがとう」の手紙をもらったりして心温がまりました。子どもたちのために頑張ってきて良かったと思える瞬間でした。

  • スキルアップして一生働ける
  • 資格職なので、転病院から小学校など異業種間の転職も比較的しやすいのではないでしょうか。また、同じ理由で転勤しても職が見つかりやすいです。

管理栄養士の大変なこと

  • 正確性が求められる
  • 管理栄養士の仕事は常に正確性と責任が求められます。アレルギーや失病の方への栄養指導や食事の提供では、誤ってしまうとその人の命に関わることなので、ほかの人にも確認してもらったり自分でチェックを工夫するなど徹底しなくてはなりません。

  • ひとり職場で相談相手がいない
  • 病院や老人福祉施設は違うかもしれませんが、それ以外の職場は管理栄養士は1人ということが多いです。管理栄養士が正職員でパートの調理師さんに調理の指示を出すというパターンが多いでしょう。悩みがあっても同じ立場の人がいないので、相談しづらいかもしれません。

  • 自分で学ぶ姿勢が重要
  • 管理栄養士になると日々ひとり職場で仕事をして、法改正や厚生労働省からの通達などのチェックがおざなりになりがちです。そこで、市町村の栄養士達の集まりや会に入っておくといいでしょう。講習会の情報なども得られて、常に最新の情報を知り学ぶことができます。役立つことはすぐに仕事に反映させられます。

現役管理栄養士さんの体験談

  • 児童養護施設での食育活動について
  • 児童養護施設では、子どもはまだミルクを飲んでいる子も多く、また何日〜何年の滞在になる施設なので全体のカロリーバランスを把握し、献立も飽きのこないようバリエーションを付けることに気を配っていました。一人ひとり離乳の進み方も個人差が大きいので、その子に合った食形態で提供しています。家庭の雰囲気を大切にしているところだったので、行事の時には行事食を出したり、冬は鍋をみんなで囲んだりという献立も提供していました。

  • 保育園での給食提供について
  • 保育園で食事提供の際、アレルギー児の食事にアレルゲンが含まれていないかということや、離乳食の食事提供の柔らかさや形態、薄い味付けなどに特に気を配っていました。献立では、季節の行事や旬の食材をたくさん使うように心がけていました。
    保育園へ通っている児は朝食と夕食はお家で食べますが、午前と午後のおやつと昼食という1日の食事の大きな割合を保育園で食べるので、成長期に栄養が足りないということがないように、おかわりもできるよう十分な量を用意しました。
    また、行事で芋掘りに行った際は一緒に大学芋を作ったり、夏にはトウモロコシの皮むきを手伝ってもらったりといった、生の食材に触れる食育も行ない、園児の笑顔に触れるのがやりがいでもありました。

管理栄養士は食のスペシャリストであり、多くのやりがいを感じられる仕事

私は管理栄養士という免許を取得してよかったと思っています。なぜなら、私は食べることが大好きで、食に関わって働くというときに管理栄養士という肩書きがあるととても有利だと感じることが多かったからです。
私は管理栄養士過程のある4年制の大学に通ったので試験も1回で通ることができました。試験内容はマークシートといえど、やはり国家試験なので社会人で働きながら受けるのでは難しく感じます。

管理栄養士という職業は、病院のお医者さんや保育園の保育士さんのように直接的に対象者と関わることは少ないです。しかし、提供した料理などを通じて陰ながら人の役に立つ職業です。対象者を想い、その人の立場に立って考えることで喜んでもらえることも多く、それがやりがいにもなります。この記事で管理栄養士に興味をもってもらえたら幸いです。

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