海外で就職したい!行く前に知っておきたい必要なこと4つと仕事を探す方法3つ

海外に就職して働きたいという場合、どのような方法で仕事を探せばいいのでしょうか。日本と海外の就職活動は違うのか、違った場合はどのようなものなのかを理解しておかなければ、就職活動がうまくいきません。今回は、海外で就職をするために知っておきたいことを解説していきます。

日本の就活と海外の就職活動の違いについて

海外で就職したいと考えた時に、まずは日本と海外の就職活動についての考え方の違いを知っておくことが必要です。日本と同じような考え方で就職活動をすると、うまくいかない場合が多いからです。

日本の就職活動の考え方

日本での就職活動といえば、学校で学んだことを活かすというよりも「自分がやりたい仕事」を探して就職活動をするという場合が多い特徴があります。もちろん、大学で学んだ知識や技術を活かした仕事を目指している人もいますが、多くの人は何をやりたいかどんな仕事がしたいのかで仕事を選びます。そして、日本では卒業する学生に向けて就職活動を一斉にスタートさせるシステムがあります。

就職活動を同じ日にスタートさせて、新年度からの新入社員を一括で採用するのが日本の就職活動の特徴です。また、日本の企業はどんなことを学んできたのかというよりも、その人がどんな人なのかを見ることが多いため、人間性を重要視した採用をするというのも特徴の一つです。新入社員は、4月に会社に入社して研修を受けて仕事を覚えていく方法で成長していきます。

アメリカの就職活動の考え方

アメリカの就職活動の特徴は、学生時代にインターンシップへ参加することから始まります。企業も学生も、インターンシップへの参加を大切にしています。アメリカでは仕事の経験がない人が採用されるのが難しい傾向があります。

そこで学生は、インターシップで仕事を経験してさまざまなことを学びます。日本では就職活動をするときに学校で説明会があったり、就職課などという就職をサポートしてくれるところがあります。就職課などが中心になって、学生に向けてどのように就職活動をしていくかを一から指導してくれます。履歴書の書き方や写真はどのようなものがいいのかなど、細かい所まで丁寧に教えてくれます。面接を受ける際も面接の練習をしてくれる学校があるほど、手厚いサポートがあります。

それに比べてアメリカでは、履歴書の書き方を学校で教えてもらうのではなく、インターンシップの時に学びます。学生は学校が休みの時にインターンシップへ参加し、仕事を経験して就職へつなげようと努力します。インターンシップをしている学生と企業の相性が良かった場合、その企業へそのまま就職が決まることもあります。

ヨーロッパの就職活動の考え方

ヨーロッパの就職活動もアメリカ同様、日本のように新卒一括採用という就職活動の仕方をしません。学生は就職するとき、学校で学んだことを生かした職業に就く人が多く、もしも転職をすることになっても、同じ業種に転職することがほとんどです。

ヨーロッパの人たちは、職種を変えないで働き続けるのです。そして、ヨーロッパも新卒で人を採用することにはメリットを感じていません。アメリカと同じように、学生のうちにスキルを積んで就職するケースが多いのです。

海外に就職するときに必要なことは大きく4つ

最低限の英語力があること

海外に就職する時に必要なものは、語学力です。仕事をする上で意思疎通は大切です。英語を話せるようになることは大事ですが、会話ができるようになるというよりも、大事なのは相手に自分の気持ちを伝えて、相手の話していることを理解しようとする気持ちです。英語が話せるようになるために、色々な方法がありますが、インターネットでのスクールがたくさんあります。

また、実際に英語教室に入って学ぶ方法もあります。ビジネス英語に特化したカリキュラム、教師が外国人で生の英語が学べるクラスなどさまざまなスクールがありますので、自分に合ったところを探してみましょう。ちなみに、日本では有名なTOEICという英語の実力を判断する資格があります。高い点数をとっておくと就職の時に有利に働くとして、この試験に臨んで点数を取っておく人も多いです。

しかし、このTOEICは日本と韓国では有名なのですが、アメリカやヨーロッパなどではあまり影響を与えません。海外への就職を考えている人は、TOEICの勉強よりも基礎英語をしっかり学び、スピーチ・リスニング・リーディングに磨きをかけるほうがいいでしょう。

社会経験があること

海外での企業は新卒の採用よりも、経験を積んだ人を優先する傾向があります。仕事に対してのスキルを積んだ人のほうが採用される確率が高くなります。そのために、アメリカやヨーロッパの学生は学校が休みの時に、インターンシップを獲得しようと必死になります。海外で就職することを目指している人は、日本でできるだけ色々な経験を積んでおくことが大切です。

強い精神力を持っていること

海外で働くということは、言葉や風習が違うほか、考え方自体が驚くほど違うことがあります。違う国で働くということはそれだけでストレスです。そして、仕事をしている時にトラブルが起こることもあるでしょう。その時に落ち込んで挫折していては、精神的に参ってしまうばかりです。何があっても乗り越えようとする、前向きな気持ちがあることが大事です。

上手に気分転換をして、気持ちを切り替えていくように心がけましょう。真面目な人ほど、家に帰ってからも仕事でのミスを悩んでしまったり、休日なのに仕事のことを考えて頭がいっぱいになってしまいます。意識して、会社以外では仕事のことを考えないようにしないと気持ちが参ってしまいます。

体調管理がしっかりできること

海外で生活をすると、日本とは違った気候で体調を崩す人がいます。食べ物や飲み物も慣れていないものばかりで、食欲が落ちてしまう人もいるでしょう。海外に住み始めたばかりの頃は、仕事での緊張や生活リズムや気候などの違いで、風邪をひきやすくなったり具合が悪くなってしまう人もいます。

海外で病院にかかることは不安もあるでしょう。医療関連の言葉や、自分の体調をうまく伝えることは難しいので、体調管理をしっかりしておくことが必要です。食事をしっかり食べて、睡眠を充分に取るようにして健康に気をつけましょう。

海外に就職する場合どんな職種があるのか

日本料理屋で日本食を提供する

海外では日本料理がブームになってからすでに定着しているのですが、ヘルシーな和食は人気です。日本食を提供する店では日本人客も多く、日本語ができるスタッフがいることで店も客が増えます。そのために日本人スタッフを募集している日本食店がありますので、探してみるのもいいのではないでしょうか。

ツアーコンダクターとして日本人を案内

海外旅行のツアーに添乗員として、同行して働くという方法もあります。ツアーコンダクターになって仕事をするためには、「旅程管理主任者」という資格を持っている必要があります。資格を取得するために、研修を受けて実際にツアーに参加して実務を積まなければなりません。ツアーコンダクターとして働くというのも、経験がとても重要です。

そのために日本でも経験を積んでおくことが大切になります。日本の旅行会社に就職するか、もしくはツアーコンダクター専門の派遣会社に登録するなどして、たくさん経験をしておきましょう。日本の会社でも、海外旅行のツアーに添乗することができます。その経験は海外で働く上で大切なものになるでしょう。

日本語を学びたい人に教える日本語教師

海外で日本語を学びたいという人に、日本語を教える「日本語教師」の仕事もあります。日本語を教えるという仕事ではありますが、英語もできないと難しいため、英語力もつけておかなければなりません。日本語教師になるためには、養成講座を受講し日本語教育能力検定試験を受けて合格するということが必要です。

日本語教師に資格は必要ありませんが、この検定試験を受けて合格しているという実績があることで、採用される確率はあがる可能性があります。ただ、就職となると海外では経験が物を言うので、日本で何年か日本語教師として働いておくことは、海外で就職する時に有利になることが多いです。

海外赴任している日本人に向けての幼稚園教師・家庭教師

海外に赴任している家族の子どもが通う、幼稚園の教師なども就職先としてあります。幼稚園内では外国語ではなく、日本語を使って保育しますので海外で外国語を勉強しながら仕事をすることも可能です。日本人相手ですので、親とのコミュニケーションも安心です。

また、海外に赴任している日本人の子どもに勉強を教える家庭教師もあります。この場合も日本語を使って勉強を教えるので、言葉の面では安心です。

ホテルで日本人客へ接客

海外のホテルでも日本人が活躍しています。どの国でも日本人観光客は多く、日本語が話せるホテルマンは重宝されます。しかし、お客様は日本人だけではないので、もちろん外国語も必要です。ホテルはお客様へのサービスが第一なので、お客様に満足してもらえるように語学力もあって、接客できる人が求められています。

ホテルに就職するためには、ワーキングホリデーを使いホテルでアルバイトをすること、専門学校でホテルの仕事について学ぶことが挙げられます。海外ではアルバイトも社会経験として認められますので、できるなら経験しておくのがいいでしょう。

海外で就職したい時にどのように仕事を探す方法せばいいの?

転職エージェントに登録する

海外での就職先を紹介してくれるエージェントに登録して、仕事を探す方法があります。初めて海外で働こうとする人は、何から始めたらいいのかわからないでしょう。雇用契約の仕方など、分からなことが多い人には、信頼できるエージェントを通じて探すことをおすすめします。いざ働き始めてから契約とは違うことが起きた、などのトラブルがあった時、エージェントが間に入ってくれると安心です。

海外就職のためのエージェントには2~3社登録をするといいでしょう。海外就職のためのエージェントはとても多く存在します。中には悪質な会社もあり、多額な契約代行の手数料を請求してくることもあるので気をつけてください。自分が海外でどんな仕事がしたいのか、自分にはどんなスキルがあるのか、どの地域で働くのを希望しているかをはっきりと決めて、これを軸に仕事を探します。人材派遣の会社など多数ありますので、利用するのもいいのではないでしょうか。

インターンシップを経験する

海外では、就職の際に経験を積んでいる方が有利だとお話しましたが、そのためにインターンシップを経験することは語学力を磨くためにも、就職に生かすためにも大切です。インターンシップは無給のものと有給なものがあります。無給のものは「語学力をつけるため」「ちょっとした経験をするため」というようなもので、有給のインターンシップは短くても6ヶ月で、だいたい1年~1年半ほどの期間で就労します。

企業の方も、就職する人を探す目的でインターネットでの受け入れている場合が多いのがこちらです。どこの国でどんな仕事がしたいか、など相談に乗ってくれ、インターンシップのサポートをしてくれる会社もありますので、利用するといいでしょう。

ワーキングホリデーでアルバイトをする

ワーキングホリデービザを使い、一定の期間を海外で過ごし、その国の文化や風習などを学びながら就労することができるのが、ワーキングホリデー制度です。ワーキングホリデービザがあると、学校に通ったり仕事をすることも可能ですし、観光もできます。

仕事を主としたビザではないのですが、アルバイトをすることができるのは大きな特徴です。この制度を使って、海外で外国語を学びながらアルバイトをするのもいいのではないでしょうか。自分が将来海外でやりたい仕事に繋がるようなアルバイトを探し、就職に役立てるように働くのは経験を積むという点でも有利になります。

海外で就職することが決まったらやること

海外で働くことになったらやっておけなければならない手続きがあります。3ヶ月以上海外で暮らす場合、1年以上日本を離れる場合にしておくべきことをご紹介いたします。

海外転出届の手続き

1年以上日本を離れる場合はこの手続きが必要です。住民票を抜いて海外転出届を出しておけば、住民税などの支払いが免除されますので、市区町村で申請をするようにしましょう。

在留届・在外選挙の手続き

天災が起きた時、事件や事故にあったときなどに安否確認や緊急で連絡が取れるように、日本を3ヶ月以上離れる場合は在留届を出さなければなりません。また、日本で選挙がある場合に、海外転出届けを出しておけば海外から投票ができます。

スキルを磨いて海外での就職に備えよう!

海外では「経験を積んでいる人」が優遇される傾向が強いため、海外での就職を望む場合は日本で色々な経験を積んでから海外へ行くことをおすすめします。そして、海外でのインターンシップを経験することで、自分に合っているかどうか確認することができます。実際に海外で働くことで見えてくることもあります。まずは自分が何をしたいのか、どんな目的で海外で働きたいのかを明確にして、夢を叶えるために自分のスキルを磨いておきましょう。

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