フリーターの平均年収を正社員と比べたら驚くべき結果に!非正規雇用者が気を付けるべき税金と保険についても解説

現代は、正社員だけでなく多様な働き方を自分で選べる時代になりました。しかし、正社員として働く人とフリーターとの間には、保証や賃金に違いが生まれます。そこで、今回はフリーターの年収の推移や生涯賃金についてご説明します。

フリーターとは?

正社員として働かず、パートタイマーやアルバイトで生計を立てている人のことを「フリーター」と言います。そのうち、学生と主婦は含まれません。フリーターとは、フリーのアルバイターという意味で作られた造語です。

昔は自分の趣味を続けるために、決まった仕事に就かずに仕事を何度も変える若者のことをフリーターと定義づけていました。しかし、その後に不景気で正社員として働くのが難しく、仕方なくアルバイトで生計を立てている人のことを意味するように変わってきました。

フリーターの平均年収

フリーターの年収ってどのくらい?年齢別で見るフリーターの年収と推移を知ろう

年齢別で見るフリーターの平均年収

フリーターの平均年収を厚生労働省の調査で見てみると、

  • 20歳~24歳 173,400円
  • 25歳~29歳 192,400円
  • 30歳~34歳 200,600円
  • 35歳~39歳 204,800円

このデータは、非正規社員の月収なので派遣社員や契約社員も含まれていますが、「正社員以外の雇用形態で生計を立てている」点では、フリーターに含めて考えてもいいのではないかと思われます。単純計算で年収を考えると、約240万円ほどがフリーターの年収だと考えられます。ここから税金が引かれたり、健康保険や年金を払うことになると約200万円ほどが20歳から39歳までのフリーターの年収です。

出典:厚生労働省「平成27年賃金構造基本統計調査」

年齢別で見る年収の推移

総務省が調査した調査によると、正社員とフリーターの年齢別に見る年収の推移は明らかに正社員のほうが高く、年齢が上がるとともに確実に上がっていくのが分かります。それに比べて、フリーターの年収はほとんど上がることがありません。
労働時間は正社員のほうが週に10時間ほど多いのですが、フリーターと正社員の年収の差は20代で140万円ほど、30代後半になると245万円ほど正社員のほうが高くなります。正社員は年齢とともに年収も上がっていくのですが、フリーターはほとんど上がらずに、むしろ40代になると30代後半のときよりも年収が低くなるのです。

こうした結果から見ても、フリーターの年収は年齢に比例して上がらないことが分かります。労働時間が少ししか変わらないのに、年収は一番差がある年代では300万円ほど差がついてしまうという現状がデータから分かります。

出典:総務省統計局「平成24年就業構造基本調査の概要,結果」

驚くべき結果!フリーターと正社員の年収格差

フリーターの年収ってどのくらい?年齢別で見るフリーターの年収と推移を知ろう

フリーターと正社員の年収の格差

  • フリーターと正社員の生涯賃金の差
  • 新入社員として会社に入ってから定年するまでに一人の人が取得する賃金(生涯賃金)を、東洋経済オンラインが調査したところ、一人あたり平均2億1,765万円でした。フリーターの年収を約150万円として、22歳から60歳まで38年間フリーターとして働いた場合、生涯賃金は5,700万円です。

    そうなると、フリーターと正社員の生涯年収は1億6,000万円ほどにもあるのです。フリーターと正社員とでは年収に差があるのは先に書いた内容で分かりましたが、まさかここまでの差があるとは驚きです。

  • フリーターと正社員の老齢年金の差
  • フリーターと正社員の賃金の差は年収だけではありません。多くの会社員は、会社に勤めている時に厚生年金保険料を給料から支払います。それは65歳になると、老齢厚生年金がもらえるためのものです。夫が会社員として働き、40年間社会保険を支払った場合と、国民年金のみを40年間支払った場合では夫婦でもらえる年金は月額10万円ほど違います。この差は年間で120万円になり、もしも85歳まで年金をもらうとして単純に計算すると2,400万円も差が出てきます。

  • フリーターと正社員の退職金の差
  • そして収入の差は退職金にも及びます。退職金制度は必ずなければならない制度ではないので、会社によっては退職金が出ない会社もありますが、退職金制度がある会社と比較してみます。厚生労働省によると、大学卒の人が定年で退職した場合は平均2,280万円です。フリーターは退職金がもらえない場合がほとんどです。アルバイトやパートタイマーの人に退職金を支払う会社はほとんどないためです。

出典:厚生労働省「退職給付の支給実態」

フリーターと正社員の年収はどんなところが違うの?

先にも述べましたが、正社員は年齢が上がっていくにつれて年収が上がっていく傾向があります。しかし、フリーターは年齢が上がっても年収はほとんど上がりません。また、年収の中には各種の手当なども含まれています。手当は役職手当などですが、フリーターの場合は手当がついている場合が少ないため、収入のプラスにはなりません。

そして、この年収の差は車や家などの大きな買い物をする時に、ローンを組めるかどうかに関わってきます。銀行にとって多額の融資をするためには信頼が必要です。フリーターが信用がないというわけではなく、「収入」に信用がないのです。なので、フリーターだとローンを組めない場合が多いのです。

フリーターの年収で気をつけるべきポイントとは

フリーターの年収ってどのくらい?年齢別で見るフリーターの年収と推移を知ろう

年収によって税金で損をしてしまう

年収によって、親や配偶者の扶養家族として働く場合が損をしない場合と、扶養を抜けて会社の社会保険に加入したほうがよい場合があります。会社によって社会保険に加入するための月収が違うので、社会保険の加入を考える場合は勤務先に問い合わせましょう。

年収が130万円をほんの少し超えるくらいなら、シフトを少し控えて130万円未満に抑えたほうがいいということもあります。反対に、もっと働けるならシフトを増やして会社の社会保険と厚生年金に加入しておくと将来の年金が増える可能性があります。

国民健康保険に入るか社会保険に入るか

前の項でも書きましたが、収入によっては社会保険に加入することができます。できるなら社会保険に加入して働くことをおすすめします。その理由は、老後の年金の額ともう一つは退職した時に失業保険が給付されるからです。雇用保険に一定期間加入していれば、会社を辞めた時に失業保険がもらえます。もしも会社都合での退職だった時は、自己都合での退職のときよりも早くもらえます。

そして、社会保険は半額を会社が負担してくれるので自己負担が減ります。社会保険に加入していると、出産一時金や育児休業給付金が給付されるなどの制度があります。また、厚生年金も会社が半分負担してくれます。総合的に考えて、社会保険に加入できるなら入ったほうが現在も将来も得になります。

確定申告はしたほうがいいの?

働いて給料をもらうと、明細書の中に「源泉徴収」と書かれた欄があります。給料から税金が引かれているということです。会社によっては「給与所得者の扶養控除申請書」というものを書いて、まとめて確定申告をしてくれるところがあります。しかし、全部の会社がそうしてくれるわけではなく、個人で確定申告をしなければならない場合もあります。年末調整をすると払いすぎた税金が戻ってくる場合があります。

フリーターで年収を上げる方法

フリーターの年収を上げるためには、時給が高い所で働くか勤務時間を増やすという方法があります。時給を上げるためには、時給が高い時間帯を選ぶか時給が高い仕事を選ぶ必要があります。時給が高い時間帯というと、深夜帯の時間です。深夜時間も時給が高い仕事も、時給が高いということはそれなりに仕事がきつい、身体に負担があることを覚悟しておかなければいけません。その他には仕事を増やして掛け持ちでいくつかの仕事をするという方法でも収入が増やせます。

しかし、この方法は自分の時間がなくなったり、身体がきつくなるのでおすすめできません。その他には、専門的な知識を身につけて時給を上げるという方法があります。簿記の資格を取ったり、勉強が得意な人は家庭教師なども時給が良いアルバイトです。

年収の壁を考えて働き方を選ぼう!

フリーターの年収ってどのくらい?年齢別で見るフリーターの年収と推移を知ろう

これまでフリーターの年収について色々解説してきましたが、働き方は色々あります。税金のことを考えて、本当はもっと働けるのに抑えているのでしたら思い切って社会保険に加入する方法もあります。年収のことをじっくり考えて、このままでいいのか働き方を変えるのか今一度考えてみてもいいのではないでしょうか。

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