田舎暮らしの仕事探しはどうすればいい?急増している田舎への移住後に働く道7選!

少し前までは、田舎暮らしをする人は会社を定年した夫婦などが多く、「老後を自然に囲まれて暮らしたい」との理由で移住していました。しかし、最近では年齢関係なく、都会から田舎に引っ越して子育てをする人が増えてきています。生活をするためには「仕事探し」が大切です。ここでは、田舎暮らしでの仕事探しについて解説していきます。

田舎暮らしをする人が急増

田舎暮らしについて、国土交通省が「農山漁村地域に関する都市住民アンケート(インターネット調査)の結果について」を発表しています。この中では農山漁村地域(田舎)に関しての意識調査や交流の状況、活動などについて意識が分かります。対象は、ネットリサーチ会社に登録している東京23区在住の人、また人口30万人以上の都市に住んでいる20歳から70歳未満の男女です。

田舎が大切と感じる理由と田舎との関わり方

  • 田舎が大切だと考える人の割合
  • アンケート調査の結果、年齢が上がるほどに農山漁村地域があることを「非常に大切」だと思っていることが分かります。その中でも約4割の人が、東日本大震災の発生をきっかけにそう感じているようです。また、「以前よりも大切に思うようになった」と答えています。

  • 田舎と関わりを持ちたいと考えている人の割合
  • 全体の3割の人は、東日本大震災を機に今までよりも農山漁村地域と関わりを求めるようになっています。その関わり方は、半数弱の人が「滞在する・訪問する」ことで関わりたい、約3割の人は「訪問や居住以外の方法」で関わりたいと考えています。

    そして、約1割の人が「移住またはニ地域居住」を希望しています。移住またはニ地域居住の希望者の男女の割合ですが、男性が12.5%で女性は5.5%となっています。農山漁村地域に住むという希望は女性が男性よりも少なく、半数以下だという結果が出ました。

田舎に移住したいと思う人の割合とその理由とは

  • 田舎への移住を希望する人の割合
  • 農山漁村地域への移住またはニ地域居住を希望している人は、約7割が男性でニ地域居住希望している人の約半数は50代以上でした。そのうち、約6割の人が農山漁村地域で生活をしたことがあって、移住希望者の約4割、ニ地域居住希望者の約35%ほどが農山漁村地域で育った人でした。そして、約7割の人が農山漁村地域に友人や親族が住んでいるということがわかりました。田舎への居住を希望する人は、田舎との関わりが何かしらの形であったことが分かりました。

  • 移住希望者の希望理由とは
  • 農山漁村地域への移住または二地域居住を希望している人の希望理由で最も多いのは、「自然の中での暮らしが豊かである」ことです。他には「都会ではできない農作業などの経験ができる」「環境に優しい生活ができる」との理由がありました。

  • 田舎への移住を希望するも難しいと思う理由
  • 農山漁村地域への移住を希望するも、「現実的には難しい」と考えるのは男性は35.6%で女性は41.8%でした。女性の方が居住希望者が少なく、希望しても難しいと考える人の割合が高いことが分かります。全体的に見る「移住が難しい」と思う理由は、「実現させるきっかけがない」と答える人が45.7%で最も多くて、次に多かったのは仕事に関する理由でした。「仕事をする場が少ない」「自分に合った仕事を選ぶことができない」次は「住まいの確保に関する経済的なコスト」を理由に挙げています。

田舎暮らしをする時に重視することとは

仕事があるかどうか

田舎暮らしに憧れて、いつかは田舎に住んでみたいと考えている人が、まず一番最初に気がかりに思うことは「仕事があるか」ということです。定年をして田舎へ移住する人でなければ、生活をするために仕事をしなければなりません。子どもを自然豊かな環境の中で育てたいと、若い家族が田舎に移住するということも増えてきているようですが、収入がなければ家族を養うことができません。

住居をどうするか

次に住む場所をどうするかです。知り合いがいる、親戚がいるなどで住居を紹介してくれるならともかく、自分たちで一から探さなければならない場合は大変です。どこに住むかということも決める必要があります。

田舎といっても、日本全国どこで暮らすかを決めるためには、事前のリサーチが重要です。地域によっては居住するために補助金が支給される自治体や、子育てのために医療費が何歳まで無料になるのか、などしっかり調べてから住む場所を決めることをおすすめします。

  • 岡山県が実施している一例

岡山県備前市 定住支援補助金について

子育てしやすい環境なのか

子どもを自然の中で育てたい、と考えて移住する人もいるでしょう。移住先が子育てをする環境に適しているのかも重要なポイントです。住居から学校まで徒歩では行けず、バスもなく毎日送迎しなければならないという所だとどうでしょう?例えば、自分が病気になって送迎出来ない時は?他の兄弟が高熱を出して寝込んでしまった場合は?などと、さまざまなケースを考えて無理のない生活ができる場所を探すことをおすすめします。

中には、田舎過ぎず都会過ぎない場所で、町の中心地まで片道約1時間ほどで行ける場所を見つけて移住した、という人もいます。いろいろ探していくと子育てしやすく、田舎ならではの環境のいい場所がありそうですよね。

田舎暮らしと仕事について

田舎暮らしをしたいが仕事がない?

生活をしていく上で重要な「仕事」ですが、田舎暮らしをしたいが仕事がないと思っている人は多いでしょう。田舎でも仕事はあります。ただ、その中で自分がやりたいと思えるものがあるかは別としてです。田舎といっても車で行けないと店もないような所と、生活をしていく上であまり不便を感じない程度に店や病院などがある所があります。

ハローワークなどへ積極的に足を運べばできるだけ条件にあった仕事を紹介してくれますし、最近ではインターネットで仕事探しができます。田舎で仕事をする場合は、都会と比べたら職種が限られること、賃金が低くなることを覚悟しておいたほうがいいでしょう。

田舎でできる仕事とは何か

  • インターネットを使った在宅ワーク
  • インターネットの環境があれば、家でも仕事ができます。例えば、WEBデザイナーやSEなどです。専門的な知識があれば、場所に関係なく仕事ができる場合が多く、都会でやっていた仕事を在宅で続けるのも可能なこともあります。

    そのためには、都会にいる時から技術を磨いて仕事をもらっておくことが大切です。月に何度か打ち合わせをする必要がある会社もあるかもしれませんが、在宅である程度の収入が得られるように下地づくりをしておけば、引っ越しをしてからも変わらない収入を得られる可能性もあります。

  • 公共事業関連
  • 公共事業関連の仕事とは、道路やトンネル、運動施設の建設、河川の整備やダムの整備などです。地方では公共事業に関する人材が不足しているため、土建業や電気設備などの知識や経験がある人は採用される確率が高いです。

  • 市からも支援があるかも!自営業・起業
  • 田舎は起業しやすい環境だとされ、近年田舎で仕事を始める人が増えてきました。理由としては、都会に比べて家賃が安いということと、自治体によっては移住者に手厚い支援があるということです。自治体によって条件は異なりますが、過疎化が進む地域では若い人が移住してくることを歓迎し、さまざまな取り組みをしています。

    商店街の店が軒並み閉店していくのを懸念し、空いている店舗を利用する資金として補助金を出してくれる所や、農業や漁業を始めるための資金を援助してくれる自治体もあります。また、伝統工芸士の育成のために援助金を出してくれる自治体などもあり、そのような制度を利用して新しいことを始めるという方法もよいのではないでしょうか。

    参照:JOIN(一般社団法人 移住・交流推進機構)

  • 地域おこし協力隊に参加する
  • 地域おこし協力隊とは、高齢化や過疎化が進む地域が他の地域から人を受け入れて、地域協力活動を行って定住化を図るものです。地域おこし協力隊の仕事をするためには、募集している自治体に申し込みます。書類審査などを経て、住民票をその地域に移して活動をします。自治体によって内容は異なりますが、だいたい1~3年の期間でその地域で生活しながら、自治体の委嘱を受けて活動をします。

    報酬は内容や自治体によって異なりますが、給与は月収16万円の所が多く、福利厚生も自治体によって異なります。どのような雇用形態で働くかにより、福利厚生の内容が変わるので自治体に確認しておくことをおすすめします。活動内容はさまざまで、高齢化の地域ではお年寄りの畑仕事の手伝いや、得意なことを生かして地域の子どもたちに指導したりする活動もあります。

    参照:JOIN(一般社団法人 移住・交流推進機構)

  • 農業・農家の手伝い
  • 農業をやりたいという思いで田舎への移住を考える人もいると思いますが、農業で生活をするのはそう簡単なことではありません。田舎では農業で生計を立てている人がたくさんいますし、高齢化で人手が足りないところが多いので、はじめのうちは農家の手伝いをするのがいいかもしれません。人手不足の農家に直接雇用してもらいながら、ノウハウを学んでいくのです。

  • 役場の職員の採用試験を受ける
  • 安定した仕事を探している人におすすめなのは、役場の職員の採用試験を受けてみることです。募集は少ないかもしれませんが、常にアンテナを張って探していれば募集が出るかもしれません。

  • 介護施設の職員
  • 高齢化に伴い、介護施設が増えてきています。介護職員は都会でも人員不足ですので、どこへ行っても就職先はあると考えられます。できれば介護福祉士などの資格を取得しておけば、資格がないよりは待遇がよいので取っておくといいでしょう。

田舎暮らしの仕事の探し方

インターネットの求人サイトで探す

仕事探しに便利なのは、インターネットの求人サイトです。全国の求人が探せるインターネットで、住みたい地域の仕事を探してみましょう。求人サイトは職業別に探すことができますし、待遇や給与ついて詳細も公開されているので探しやすいです。

移住専用のサイトで探す

田舎への移住を考えている人のために、移住専用のサイトがいくつかあります。その中には日本全国でどこに暮せばいいのか、特徴や自治体の援助の内容などが載っています。家にいながら、どこの地域に住むのが自分に合っているのかを探すことができます。体験プログラムや仕事の求人情報、住まいの情報などが詳しく紹介されているので、とても便利です。実際に移住した人の体験談や仕事内容などの紹介もあって、身近に感じることができます。

参照:JOIN(一般社団法人 移住・交流推進機構)

自治体支援制度を利用する

自治体によっては、田舎住まいをする人に住まいを提供してくれたり、仕事を紹介してくれるなどの制度があるところがあります。また、移住してきた人に金銭的な援助がある地域や、審査はあるものの田舎で起業する人に対して支援制度を設けている自治体もあります。このような制度を利用して仕事を探すという方法もあります。

地域おこし協力隊員に応募する

日本全国には「地域おこし協力隊」を募集している地域があります。インターネットのサイトなどで探すことができますので、利用する方法があります。サイトでは活動内容や地域に絞って探すこともできますし、実際に地域おこし協力隊で活動している人たちのアンケートなども見ることができ、参考になります。

以上の職業の他に、都会で就いていた仕事を地方でも生かすという方法もあります。特に、専門職であれば、採用される可能性はあります。医師や看護師、教師などの職業などがそれに当たります。

短期間の仕事をやってみる

田舎で暮らして仕事をすることが自分に合っているのか、本格的に住まいを移す前に短期間試してみるのもいいでしょう。短期滞在型の宿泊施設がある地域もあって、農業をしながら滞在できるところもあります。そのような施設を利用して、体験するのもいいかもしれません。

参照:ゆめ倶楽部21

田舎暮らしのメリット・デメリットを知ろう!

田舎暮らしには、メリットとデメリットがあります。実際に住んでみて、後悔する前に色々な情報を収集して準備することが大切です。メリットは、なんといっても「自然が美しい」ことでしょう。また、人との交流が温かいことや心に余裕を持って暮らせることなどが挙げられます。

デメリットは、田舎は昔からの繋がりが強いため、中にはよそから来た人に厳しい地域もあります。住人として認めてもらえるまで時間がかかることがあるかもしれません。自治会などの集まりも頻繁ですので、人との付き合いが苦手な人には田舎ぐらしは向かないでしょう。

また、交通手段が不便な地域もあって、車がないと移動が大変だということもあります。色々な方面から田舎暮らしについてリサーチしておくことが必要なのです。そのためにも短期滞在などを利用して、自分に合った暮らしや仕事を探してスローライフを満喫してみてはいかがでしょうか。

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