介護福祉士の資格取得のための3つの方法をご紹介!手続きの際に大切なことも知っておこう

介護福祉士になるためには、国家試験を受験しなければなりません。その受験資格を取得する方法は、いくつかの種類があります。また、2017年1月実施の試験から試験制度に変更があるため、その点を確認しながら資格取得までのルートを詳しくみていきましょう。資格を取得するメリットなども含め、お話していきます。

介護福祉士の資格を取得する方法

実務経験を経てから資格試験を受験する方法

実務経験ルートと呼ばれる方法とは、対象となる施設および職種で3年以上かつ540日以上の従事日時の実務経験を積んでから、国家試験を受験する方法です。2016年度からは(2017年1月から)「介護職員実務者研修」を受講することが義務付けられています。

福祉系高校を卒業してから資格試験を受験する方法

福祉系高校ルートと呼ばれるこの方法は、福祉系高校か福祉系特例高等学校で学び、この学校を卒業して介護福祉士の国家試験を受験します。平成21年度以降に福祉系高校に入学した人は、卒業してから筆記試験に合格することで介護福祉士の資格が取得できます。平成20年度以前に福祉系高校に入学した人は、卒業してから筆記試験と実技試験に合格する必要があります。もしも介護技術講習を受けていたら、実技試験は免除となります。

養成施設を卒業してから資格試験を受験する方法

養成施設ルートと呼ばれる方法は、2017年1月の試験までは「指定の介護福祉養成施設を卒業すれば介護福祉士の資格が取得できる」というものでした。しかし、2018年1月からは「指定の介護福祉士養成施設を卒業しても、国家試験を受けて合格しなければ資格は取得できない」という方法に変更になります。介護福祉養成施設というのは、4年制大学や短期大学、専門学校など厚生労働大臣指定の学校のことをいいます。

2017年4月1日から2022年3月31日までに養成施設を卒業する人に限っては、「国家試験を受けて合格しなくても卒業後5年間は介護福祉士資格取得者と見なされる」(登録申請が必要)という経過措置があります。卒業後に5年間介護の業務に従事するか、卒業後の5年間のどこかに介護福祉士の筆記試験を受けて合格すれば、継続して資格が有効になります。

介護福祉士の国家試験について

介護福祉士の国家試験の日程

介護福祉士の国家試験は、年1回実施されます。例年、筆記試験が1月の下旬、実技試験は3月の下旬に実施されています。受験申込は、試験の前年の8月上旬から9月上旬になる予定ですので、試験を受ける予定の人は忘れないようにしましょう。

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試験内容は筆記試験と実技試験

  • 筆記試験
  • 介護福祉士の第一次試験は筆記試験です。介護福祉士として働くために必要な最低限の知識を、この試験で問われます。筆記試験は、3分野(人間と社会・介護・こころと身体の仕組み)で12科目あります。1問1点で120満点60%以上の正解で、合格点ラインとなります。そして、12科目すべての科目で得点がないといけません。1科目でも0点があると、他の科目が合計60点以上取れていても合格にはなりません。

  • 実技試験
  • 筆記試験に合格すると、「実技試験」か「介護技術講習会」のどちらかを選びます。筆記試験は1月に行われる事が多く、実技試験はその後の3月に実施されます。介護福祉士になるためには、筆記試験で介護における専門的な知識を持っているかを判断されますが、実技試験では介護に関する技術力が問われます。試験官の前で、利用者のモデルにに対して課題の開度を行います。その課題には採点ポイントが設けてあって、60%以上のポイントを取得することができたら合格になります。

介護技術講習会を修了していると実技試験免除?

2016年より、実務経験ルートで必要な介護福祉実務研修が義務化されることになりました。このことから、2017年度からは介護福祉実技試験が廃止になりました。また、「平成20年度以前に福祉系高校に入学して介護技術講習会を修了している人」「福祉系特例高等学校を卒業、介護技術講習会を修了していて、実務経験が9ヶ月以上ある人」「経済連携協定ルートで実務経験が3年以上ある人」は、実務試験が免除されます。

介護福祉士の国家試験の難易度とは

介護福祉士の国家試験の合格率はどのくらい?

介護福祉士の受験者数は、だいたい例年15万人ほどいます。その中で9~10万人程の人が合格しています。ここ数年の合格率は、平均で65%くらいです。

介護福祉士の合格ラインはどのくらい?

介護福祉士の試験は、筆記試験も実技試験も合格基準は「問題の総得点の60%程度」が基準となっています。そして、問題の難易度で補正された点数よりも高い点数を取った場合が合格となります。筆記試験は全部で10科目あり、全てにおいて点数を取っておかなければなりません。

介護福祉士の試験に合格したらやるべきこと

介護福祉士登録申請が必要

介護福祉士の試験に合格したらそれで終わり、ではありません。試験に合格したら登録申請をしなければなりません。登録し、受理されて介護福祉士として働くことができます。

  • 介護福祉士の試験に合格する
  • 介護福祉士の試験に合格したら、合格証と「介護福祉士 新規登録の手引き」が送られてきます。これに必要な書類や提出期限などが書いてあります。登録の流れも詳しく書かれていますので、よく読みましょう。

  • 必要書類を揃えて簡易書留で提出する
  • 手引に書かれている書類を揃えます。「登録申請書」「登録免許税(9,000円の収入印紙)」「登録手数料(振替振込受付証明書)3,320円の振込が必要)」「戸籍抄本(本籍地が記載された住民票でも可)」以上のものが必要になります。介護福祉士養成施設卒業の者は、卒業書証明書も必要になります。

  • 試験センターで審査・登録される
  • 必要書類が受理されたら登録簿に登録されます。その後、1ヶ月程で登録証が送られてきます。3月から5月は登録申請が増える時期なので、1ヶ月以上かかる場合もあります。

介護福祉士の資格を取得するメリットとはどんなこと?

一生通用する資格である

介護福祉士の資格は、国に認められて働くことができる国家資格です。介護の資格の中にはケアマネージャーがありますが、これは都道府県知事から与えられる資格であって、国家資格ではありません。介護福祉士の資格は試験に合格して取得すれば、更新の必要もありません。引っ越しなどをしたとしても、住所変更の届け出は不要なためどこでも働くことができます。

給与の待遇がよくなる

資格を持っている場合、収入に影響がある場合があります。資格がある人は資格を持っていない人と比べて、月収や時給が良くなることが期待できるのです。また、正社員として仕事を探す場合には、資格を持っていることで有利になることも考えられます。事業所には責任者などを置く必要がありますが、介護福祉士の資格を持っている人でなければ責任者にできないということもあるので、転職や就職の際に資格があると仕事が見つかりやすいことが多いです。

現場のリーダーになれる

介護福祉士の資格試験に合格して資格を取得するということは、介護に関する専門的な勉強をたくさんするということです。これは、国に認められた知識と技術を有している証なのです。この資格があることで、施設などの職員をまとめるリーダーになり、現場で活躍することができます。また、介護福祉士の資格を持っている人には「資格手当」がつく事業所もあります。

ステップアップに必要な資格

介護の仕事をしている中で、もっとキャリアアップしたいと考えることがあるかもしれません。その一つとして、「ケアマネージャー」の資格を取得する時には、介護福祉士の資格を有していないといけません。ケアマネージャーの受験資格を得るためには、介護福祉士の試験に合格し、業務に5年以上従事する必要があります。

ちなみに、介護福祉士とケアマネージャーの違いは、介護福祉士は介護業務を施設などで行う、ケアマネージャーは施設所内でのケアプランの作成や利用者の方たちやご家族との相談業務、関係機関との連絡担当業務などを行います。

介護福祉士を取得して次を目指そう!

介護の仕事をしていると、利用者の方たちにより良い介護を提供したいと思うようになるでしょう。どの仕事も同じですが、知識を得ることでできることが多くなっていきます。自分の知識や技術で環境を良くすることができるなら、ステップアップすることも目標となるでしょう。介護福祉士の資格を取得したら、次はケアマネージャーの資格です!日々の努力と勉強を積み重ねていけばきっと叶います。

公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「介護福祉士国家試験」の公式ホームページはこちら

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