夜勤の仕事はつらくて睡眠を取ることができない?夜勤のある職種と気をつけること4つ

私たちが暮らしている日常の中で、夜働いている人がいるから便利な生活ができます。夜勤の仕事をしてくれる人がいるからこそ、スーパーなどで新鮮な野菜や肉が買えたり、病気やケガで入院するときに安心して病院にいることができるのです。今回は夜勤の仕事について解説していきます。

夜勤とはどんな仕事内容なの?

夜勤とは

夜勤とは、昼間ではなく夜に働く時間のことをいい、厳密に何時から何時が夜勤という定義はありません。ですから、勤務先の規定で22時から6時までを深夜勤務と呼んだり、24時から9時までを深夜勤務と設定するところなどがあります。

労働基準法における夜勤の考え方

労働基準法では夜の22時から朝の5時までを深夜労働として、賃金の設定は昼間とは異なるとして定められています。また、深夜時間(22時から5時までの時間のこと)には18歳未満の就労を禁止していること、妊婦が求めた場合は深夜勤務をさせてはいけないという法律が労働基準法に定められています。

夜勤手当はどんなものどれくらい付くの?

労働基準法第37条3項では、22時から5時までの時間に労働する場合は、この時間に対して25%以上割増した賃金を支払わなければならない、との定めがあります。人の身体は基本的に、昼間起きていて夜眠るようになっています。深夜勤務をするということは、その生活を逆転させることになります。

また、深夜の時間帯は飲食店などではお客様が少なくなる時間帯なので、昼間できない掃除を深夜に重点的にやることがあります。食材や商品の配送を深夜に設定しているところも多く、お客様が開店時間に買い物に来た時に品揃えが豊富であるようにという配慮です。深夜に届いた食材や商品を店内に運び込み、陳列したり仕込みをするのは重労働です。

全ての深夜勤務がこのような仕事をするわけではありませんが、深夜でしかできないこと、生活の逆転をして仕事をするということで深夜の時給が高いと考えられます。

夜勤の仕事はどんなものがある?

夜勤の仕事はとても多くの種類の仕事がありますが、ここではその中からいくつか取り上げて解説していきます。

  • 入院病棟などで働く【看護師】
  • 看護師の勤務は病院・診療所によって異なりますが、2交代制や3交代制で働く場合が多く、24時間を2等分や3等分に分けてシフトします。2交代制の場合は、8時半から17時半までが日勤で17時から9時までを夜勤などと分けます。夜勤の場合は、間に2時間仮眠をとるという決まりがあるものの、慣れないうちは眠ることもできないようです。

    3交代の場合は、日勤の他に16時半から1時半までの準夜勤、0時半から9時までの夜勤があり、日勤を終えた後に深夜勤をするというシフトが組まれる場合があるため、日勤後に帰宅しても睡眠を取るだけで深夜勤をこなすということもあります。

    夜勤の看護師の仕事は、夕食の支度や介助、食後の薬を配り歯磨きが必要な患者さんの手伝い、バイタルチェック・点滴のチェックをして、就寝前に薬が必要な患者さんに薬を配ります。そして、病棟が消灯時間になってから看護師は食事を摂ります。その後は病棟を見回ります。

    順番で仮眠を取り、巡視をしながら点滴の交換があれば対応します。朝の薬を用意して食事の支度もします。起床時間になると採血・バイタルチェックなどをして、食事の介助や食後の薬の準備をします。そして、日勤の看護師に申し送りをして退勤します。仕事の合間に事務作業をして、患者さんの様子などをしっかり記録します。

  • 夜中にもいてくれ安心【介護士】
  • 介護士も看護師同様、2交代、3交代での施設が多く、中には時間帯を細かく分けた4交代勤務のところもあります。17時から翌朝の10時までの勤務の中で2時間の休憩があり、仮眠をとることができます。仕事内容は、夕飯や朝ごはんの準備や介助、薬の服用補助、おむつ交換や排泄介助、就寝準備の手伝いをします。夜中は変わったことがないか見回りをします。ナースコールで呼ばれたら対応をします。合間に事務仕事をして、日勤の職員に引き継ぎをします。

  • 私たちの安全を守ってくれる【警察官】
  • 警察官は2交代制の勤務をしている場合が多く、日勤(朝から夕方まで)→夜勤(昼過ぎから翌日の昼間まで)→非番(夜勤明けで昼過ぎに帰宅する)→休みというサイクルで勤務することが多いです。夜勤の場合は休憩時間もありますが、事件や事故が起こったら現場へ駆けつけないといけませんので、休みもなくなってしまうこともあります。

    非番の日は午後は休みのように感じられますが、緊急事態が発生したらすぐに出勤しなければなりません。「待機」する日のことで、もしも出かける場合は許可を得る必要があります。

  • 近くにあると嬉しい【牛丼屋】
  • 飲食店の中にも24時間営業をやっている店が多く、店を開けられるということは深夜勤務をする従業員がいるということです。飲食店は深夜の時間はそれほど入客がありません。そのため、昼間にはできない掃除を集中的に深夜に行うお店が多いのです。昼間はお客様の接客で時間をかける掃除はできません。トイレ掃除などは1日のうちに時間を設定して取り組む店が多いのですが、徹底した掃除は昼間にはできません。深夜でお客様が少ない時間帯で徹底的に行います。

    また、お店で提供する商品の食材が深夜にきます。その食材を受け取って、冷蔵庫の中に保管する仕事もあります。食材ごとに決められた場所に入れておきます。そして、朝から昼間に来店するお客様のために仕込みをして朝を迎えます。

  • つい寄ってしまう【コンビニ】
  • コンビニの夜勤も、飲食店のように昼間よりもお客様が少なくなりますので、その時間を利用してしっかり掃除をします。床のワックスがけやエアコンのフィルターの掃除など、お客様が多いとなかなかできないことを夜勤のスタッフがやります。また、配送されてきた商品を店内に運び込み、陳列します。季節に合わせて売れ筋商品のコーナーの棚を作ったり、大きな配置替えなどもお客様が少ない時間にやることが多いのです。

以上の職業の他にも、消防士、工場、トラックの運転手など多くの職業の人が深夜勤務をしています。夜中に働いている人のおかげで、私たちが便利な生活ができるのですね。

夜勤をしていて4つの辛いことはどんなこと?

とにかく眠い

人の身体は昼間起きていて夜に眠るようになっていますので、慣れないうちは睡魔に襲われることもあるでしょう。昼間に眠ることができるようになるまでは、眠くてたまらないという場合があります。眠気を我慢する、やり過ごすのはきついものです。

身体がきつい

夜勤が続くことで、生活のリズムが崩れて自律神経のバランスが崩れてきてしまいます。年齢を重ねるごとに体力も落ちてきますので、どんどん体力的にきつくなります。そのために普段から生活リズムを整えるような努力が必要です。夜勤明けの日は時間があると思って出かけることなどはせず、ゆっくり身体を休めるなど、意識して休むようにしましょう。

生活リズムが友達と違うため予定が合わない

夜勤がある仕事をしていると、シフトによっては友達との予定が合わず一緒に食事に行ったりすることができません。学生時代の友人たちとの旅行なども、他の人たちとの予定が合わずに一人だけ参加できなかったということも。

時間がたつのが遅く感じる

夜勤の時間中、とても忙しくて動き回っているような仕事でしたら感じることがないかもしれませんが、接客業でお客様が来なければ仕事がないという場合、暇なときは時間がたつのを遅く感じます。眠気と戦いながら、「早く時間がたたないかな」と思ってしまうこともあるでしょう。

夜勤をしていく上で気をつけるべきこと4つ

仮眠が取れる場合はしっかり取る

夜中に休憩時間があって仮眠が取れる場合、眠るようにしましょう。夜勤や環境に慣れるまでは眠ることができないかもしれませんが、そんな時でも部屋を暗くして目を閉じて布団に入りましょう。アイマスクをしてみたり、耳栓を使用して気になる音を遮断することもおすすめです。静かな暗い部屋で目を閉じることで、眠る体勢を作るのです。そうしているうちに、眠れるようになっていくでしょう。眠れないからと起きていては身体が休まりません。

食事をしっかり摂る

夜勤明けで疲れているので、食べないで寝てしまうなどは厳禁です。食事をしっかり摂ることが体調を整えることにもなりますし、精神的にも安定します。食事は心身共に健康でいるために重要です。

夜勤明けの睡眠は短時間にする

身体のリズムを整えるために、夜勤明けの睡眠時間は3時間程にしましょう。夜中に起きていて3時間だけでは疲れは取れませんが、夜勤が開けた朝から夕方まで眠ってしまうと、夜に眠れなくなり体調を崩す原因になってしまいます。次の日が夜勤ではないときは、眠る時間に注意が必要です。夜勤と日勤を両方勤務するためには、身体のリズムを整える必要があります。

昼間に太陽の光を浴びる

夜勤が終わって少し睡眠を取ったら、太陽の光を浴びることが大切です。太陽の光を浴びることは体内時計を整える効果があります。太陽の光を浴びることで、脳内物質であるセロトニンが分泌されるのを促されます。セロトニンが足りなくなると、精神のバランスが崩れてきてしまいます。夜勤が続くとセロトニンが少なくなってしまいますので、夜勤明けに太陽を浴びて心の安定を保つように意識しましょう。

軽い運動をする

夜勤明けで少し眠り、次の日は日勤というリズムですと、運動をする時間などないと思われるでしょうが、身体のためにも軽い運動は重要です。夜勤中の眠気を払うという意味でも、身体を動かすことは有効です。夜勤明けの日には、次の日のためにも軽くストレッチをしたりラジオ体操をしたりして、気分転換をするのは心身共に重要なことです。

夜勤は体調管理が重要です!

夜勤をする場合は、自分の身体を意識して整えることが重要です。若いうちは夜勤明けに遊びに行ったり、友人と食事に出かけたりしがちです。友人との付き合いも大切なので、仕事を優先にということではありませんが、程々にして体調を整えることに集中することも必要です。無理を続ければ必ず身体が悲鳴を上げてきます。自分の身体は自分にしか分かりません。無理せず体調管理をして夜勤を乗り切りましょう!

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