寿司職人は日本の伝統料理を扱う仕事!修行期間・年収・海外求人など徹底解説

日本を代表する郷土料理である「寿司」。寿司が苦手だという人は少ないのではないでしょうか。美味しい寿司を上手に握ってくれるのが「寿司職人」です。寿司職人と呼ばれる人の仕事内容を、詳しく知らない方も多いと思います。今回は、寿司職人の年収や仕事をしていく上で必要になるスキル、適正について紹介していきます。

寿司職人の仕事内容・見習い期間とは

寿司職人の仕事内容

寿司職人と聞くと、寿司を握ることだけが仕事だと思っていませんか?お客さんから見えていない裏側でも、しっかりと仕事をしています。例えば、ネタの仕込みや調達です。お客さんが美味しく安心して食べることができるネタを提供しなければなりません。目利きがとても大切になってきます。また、寿司職人は立ち仕事であり、朝早く競りにも出掛けなければならないため、体力的に消耗が激しいです。

見習い期間はどのくらい?

魚をきれいに捌き両手で握る寿司職人の姿は、誰しもマネをしたことがあるのではないでしょうか。一見華やかなイメージのある寿司職人ですが、一流の職人になるまでは経験や実績が必要とされるため見習い期間が設けられます。

お店にもよりますが、一流の職人になるまで平均で約10年間のキャリアを積む必要があると言われています。シャリの握り方や仕入れをする際の目利き、仕込みなどの技術が一人前になるまでは見習い期間です。輝かしい寿司職人になるためには、懸命な努力が必要とされるのです。

お寿司は日本文化の象徴

1000年前の奈良時代に誕生した日本の寿司。その中でも、握り寿司は江戸時代から始まりました。日本文化になった寿司は徐々に知名度を上げ、世界でも認知されるようになったのです。海外の日本料理店の多くは寿司屋で、現地の人も日本の寿司料理に携わりたいと自らお店を出す人がいるようです。寿司は、世界に通用する日本文化を象徴する料理となりました。

女性の寿司職人がいる!

寿司業界における男女比に関しては、男性が多い傾向にあり男性社会とも言われています。しかし、中には女性が活躍するお店もあります。最近では、女性の職人さんにとって働きやすい職場環境の見直しが行われていることから、今後は女性の数が増えていくかもしれません。男性ではなく女性の寿司職人が増えると、女性客が一人でも気軽に入店することができるでしょう。

寿司職人の年収はお店によって変わる?

専門店や自営の場合の年収

専門店や自営業の場合、回転寿司のようなチェーン店よりも年収が高くなります。しかし、そのお店の人気度や実力によって変動するのが一般的です。将来的に寿司料理店の開業を視野に入れている人は、実力に見合った年収を貰うことができると考えられます。もし、寿司職人を目指す上で高い年収を望むのであれば、一流の人気店などで就職活動する必要があるでしょう。

回転寿司などのチェーン店における年収

回転寿司などを扱うチェーン店の場合は、自営業でお店を開いている人よりも平均年収が低くなる傾向があります。また年功序列があることから、年収アップを見込める時期が遅くなるのも給与が低い理由の一つです。ビズリーチが運営しているスタンバイに掲載中の寿司職人求人情報によると、実際の年収額に関しては、300万円から500万円となっており、他の仕事の平均年収と同じくらいと考えられます。寿司業界全体の年収で見ると、日本の平均年収額を受け取っていることがわかります。

海外へお店を出す際の年収

日本文化を象徴する料理であるため、海外で寿司料理店が人気を集めることも考えられます。売上額に関しては、客層やお店の人気などによって変化がありますが、基本年収は、現地の平均年収額と同じくらいです。物価が日本と同じくらいのヨーロッパやアメリカなどの欧米諸国でお店を出す場合は、日本の平均年収と同じくらいになるでしょう。一方で、東南アジアの場合は日本よりも物価が低くなることから、年収が低くなる傾向があります。

一流の寿司職人の年収

テレビの特集番組やメディアで報道されるような一流の寿司職人が握っているお店の場合だと、年収は700万~1,500万円相当です。また、どこよりも美味しい一流の寿司屋さんの場合、美味しい寿司料理店を求めた富裕層のお客さんが常連客になるケースも考えられることから、年収2,000万円以上のお店もあります。

見習い中でも給与は受け取れる

見習い期間中の場合は、上述した年収程の給与はもらえない可能性がありますが、これはどこで働こうと同じことが言えるでしょう。見習い期間中は寮が設けられていたり、住み込みで働くことができたりする場合もあります。

寿司職人に向いている3つの特徴とは?

手先が器用な人

私たちの視点からすると、寿司は誰にでも握ることができるのではないか?と思ってしまいますが、寿司職人の裁量によって握られたネタの質は別格です。シャリの扱い方やネタの持ち方と、細かい手さばきが入念に施されています。また、寿司を握ること以外にも、料理の提供やネタの仕込みなどで頻繁に手を使うことが多いです。手先が器用であることは、一人前の寿司職人を目指す上で大切となります。

忍耐力のある人

寿司料理店に就職できたからといって、その時点で一人前とは言い切れません。働き始めてから一人前の寿司職人になれる期間は、平均で約10年と言われており、その間は仕込み、皿洗い、出前などの仕事内容がメインで、なかなか寿司を握らせてもらえない場合もあります。一人前になれるまでは相当な忍耐力が大切です。

丁寧なおもてなしができる人

どんなにシャリの握りや仕込みが上手で、魚への造詣がある人でも、最後はお客さんに料理を提供して喜んでもらうことが寿司職人の仕事です。特に日本人は、どこの国よりも礼儀を大事にする国柄なので、外国人観光客にも丁寧な接客ができる人が寿司職人に向いているでしょう。また、カウンターに座っている人と楽しく会話できたりすることも、常連さんとの交友関係を築く上で大切になります。寿司を握るスキル以外の礼儀・接客マナーも大事です。

寿司職人になる方法は?

弟子入りする

弟子入りでも、給与が発生する形で働かせてくれる場合もあります。昔は弟子入りすることが一般的でしたが、今は回転寿司のようなチェーン店の求人が増えていることもあり、弟子入りすることが一般的ではなくなってきました。弟子入りすると給与が少ない場合が多いです。しかし、師匠から寿司を握る技術を直接学ぶことができ、将来的に寿司屋を開業したいと本気で考えている人におすすめです。

求人からの応募する

就職や転職活動をする際は、回転寿司のようなチェーン店の方が比較的入りやすいと言われています。就職が容易である背景には、会社が人手を必要としていることが考えられます。応募者も多い反面、入れ替わりが多いのがチェーン店の特徴です。高齢になるにつれて体力的に厳しくなることや、土日も営業していることから休日が少ないという理由で転職する人もいるようです。

養成学校へ通う

寿司の握り方を学ぶことができる養成学校があります。そこへ通って寿司について勉強することができます。知識や学びを得られるのはもちろんのことですが、実習として実際に現場で寿司を握る練習をしたり、一流の寿司職人の腕前を見られたりするため、通学して経験を積むことができます。寿司職人を目指す人は、これらのカリキュラムが組み込まれている養成学校へ通うことも良いでしょう。

調理師免許を取得する

寿司職人になる上で資格が必須ということはありません。ただ、就職をするときに取得していると有利になる資格が調理師免許です。寿司屋も「寿司」と言う料理を扱っていることに変わりはありません。調理師免許を取得しておくことによって、料理をすることができると認識されます。就職活動をするにあたり、調理師免許を持っていない人より、取得しておいた方が採用率をあげることに繋がるでしょう。

開業して自分のお店を持つ

すでに修行や経験を積んでおり、寿司職人として一人前の人は開業することもできるでしょう。しかし、全国の寿司屋の店舗数は、およそ35,000店と数が非常に多く、売上競争が激しいのが現状です。お店が多くあるため、お客さんの取り合い状態になっているのです。一流の寿司職人でも売上に繋がるかどうかは、腕前だけで決まるわけではありません。必要経費や立地条件など、ビジネスも並行して学ぶ必要があります。

思っているよりも努力が必要な寿司職人

寿司を握ってお客さんにネタを提供するだけが寿司職人の仕事だと思っていた人も、私たちの知らないところで懸命な努力をしている仕事背景には驚かれのではないでしょうか?寿司職人を目指す上で必要とされるスキルは、長い期間をかけて経験を培う努力が重要です。もし、寿司職人への道を歩んで行きたいと考えている人は、これらの覚悟が必要であるということを知っておくと良いでしょう。

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