日本はストレス社会といわれていますが、働いている限り誰しも仕事の悩みはつきないものです。仕事が辛くなったとき、どのような悩みを抱えていて、どんな風に解決をしているのでしょうか。今回は年代別に分けて、悩みと解決方法をご紹介いたします。
20代の仕事の悩みと解決方法
仕事内容が覚えられない
20代は仕事を始めたばかりの人が多く、知識や経験が浅いため、なかなか仕事が覚えられないという悩みを抱えている人が多いようです。何度同じことを言われても失敗をして、自己嫌悪に陥るという人もいるのではないでしょうか。
解決方法として、まずは自分の字でメモを細かく取る習慣をつけましょう。メモを取らないと、その場では覚えていても、時間が経つと忘れてしまいます。走り書きでよいので、どんな些細なことでもメモを取るようにすれば、あとでわからなくなった時に役に立ちます。また、生活習慣が乱れていると仕事に集中できずにミスが増えてしまうことがあります。食生活や起床、就寝の時間など、生活習慣を見直して規則正しい生活を送ることを心掛けましょう。
先輩や同僚との人間関係がうまくいかない
仕事では、さまざまな価値観の人と接するため、人間関係の悩みは必ずでてくるものです。相手を変えるのは簡単なことではありません。どちらが正しいかを判断する前に、まずは相手の立場になって、自分の考え方を変えてみましょう。柔軟に対応することによって、解決方法が見つかるかもしれません。
しかし、中にはパワハラやいじめなど、深刻なトラブルに巻き込まれることもあります。そのような場合には自分だけで解決しようとせずに、上司や会社、家族などに相談することが大切です。
給料が低い
働き始めの頃は、思っていたよりも給料が低いことが多いです。このままずっと低いままなのではないかと不安に思うこともあるかもしれません。今すぐに高い収入を得たいのであれば転職することも一つの手ですが、将来的にもっと高い収入を得たいなら、今の自分に何ができるかを具体的に考えましょう。例えば会社が社員に何を求めているのか、評価の制度を一度確認してみることも大事です。また、スキルアップのために資格を取るなど、今できることに力を注ぎましょう。
やりたい仕事ができない
あんな仕事がしたい!と夢を持って入社したのに、実際仕事を始めてみると裏方業務ばかり、という人は多いのではないでしょうか。しかし、20代のうちにやりたいことや得意分野だけを信じて仕事をしていても、仕事の領域は広がりません。長い目で見た時に、人生の可能性を狭めることにも繋がりかねません。
まずは目の前の仕事に前向きに取り組み、100%以上の成果が出せるよう努力をしましょう。そうすると、将来的に自分のキャリアがより豊かになる可能性が出てきます。自分の可能性に限界を作らず、そこから広げていく努力をすることで、40代や50代になった時の武器になるでしょう。
30代の仕事の悩みと解決方法
結婚や出産で今の仕事はどうする?
30代に入ると、結婚や出産によって仕事と家庭の両立で悩む女性が多いのではないでしょうか。両立がうまくいかずに辞めてしまうケースもあります。しかし一度辞めてしまうと、再び正社員として再就職をするのは難しい現実です。ブランクが空けば空くほど、ハードルは高くなってしまいます。
まずはパートナーと話し合い、できるだけ家事や育児を分担して、2人で協力し合える体制を整えましょう。例えば子どもを保育園に送るのは夫、お迎えは妻がするなど、少しでも分担すれば仕事とも両立しやすいでしょう。それでも近年、保育園や学童がなかなか見つからなかったり、パートナーが転勤族で今の仕事を続けるのが難しくなることもありますよね。
そのような場合には、働き方を変える必要が出てきます。会社によっては、正社員から派遣社員、パート社員に変更が可能になることがあるので、今より柔軟な働き方ができるかどうかを確認してみるといいかもしれません。また、在宅勤務ができる会社も増えています。少しでも仕事を続けていれば、将来また働ける状態になった時に、フルタイムとして復帰しやすくなるでしょう。
部下の育成がうまくいかない
何回教えても部下が仕事を覚えてくれなかったり、期待通りの仕事をしてくれなかったりすると、自分もどうしていいかわからなくなることがあります。まず上司と部下はチームなので、チームワークを良くすることを心掛けましょう。そのためには、積極的にコミュニケーションをとって部下のことをよく知ることが大事です。
その部下が、どんなことが苦手でどんなことが得意かを知ることによって、適格に仕事を割り振ることができるからです。その際、雑談も交えながら気さくに話しかけることで、部下からも相談しやすい雰囲気ができ、チームワークの向上にもつながります。また、部下からの信頼を得るためにも、誰にでも平等に接することを心掛けましょう。
転職をするなら早い方がいい?
30代も半ばになると、新しいことを覚えるスピードが遅くなったり、自分の年齢が上司よりも年上になってしまったりするなど、転職のハードルが高くなります。年収を維持、もしくはアップさせたいなら、なおさら早い方がよいでしょう。
しかし、すでに身につけた専門性やスキルを生かして転職をするなら、あまり年齢を気にすることはないでしょう。経験豊富な30代・40代の中途採用をターゲットにしている会社もあるので、自分の強みを活かせる会社を探すのも一つの方法です。
40代の仕事の悩みと解決方法
出世が遅い
40代になると、同期や後輩が先に役職に就くことがあります。そうなると、焦りも出てきてしまいますよね。自分がなぜ評価されないのか、悩むことも多くなります。
そこで、自分は役職者になる視点を持っているか、考えてみましょう。上の立場に立つためには、常に全体を見渡して適切に判断をしなければなりません。今の立場で物事を捉えるのではなく、上の立場であればどうするかということを常に考えて行動することで、視野を広く持つことができるでしょう。
モチベーションが上がらない
何年も同じ職場にいると、新しいことが少なくなってきて、日々がマンネリ化してしまうことがあります。目標に向かって何かを成し遂げている間はよいのですが、目標が無くなった途端に、仕事に対するモチベーションは下がってしまいます。そのような場合は、小さな目標を立てて日々達成感を得たり、新しいスキルを身につけて自信を得るなど、新たに何かを見つけることで刺激になるでしょう。
定年後への不安がある
近年は定年が65歳になっている会社も多いですが、中には40代半ばから50代にかけて出向をしなければならない会社もあります。その場合、給料面への不安があったり、出向先の会社の定年は何歳かを調べたりする必要があります。出向先によっては、どこで定年を迎えるかを考えておく必要もあります。
出向の有無に関わらず、安心して定年を迎えることができるよう、早い時期から第二の人生を設計し、地域の行事や趣味の教室など、仕事以外の自分の居場所を育てておくことが大事でしょう。
仕事に悩んだ時はどこに相談すればいい?
市区町村・会社の労働組合を利用する
大企業の場合、労働組合がある可能性が高いので、一人で解決できないような悩みごとがある場合は、市区町村や会社の労働組合に相談してみましょう。内容によっては会社と直接交渉してもらえる可能性もあります。近年は、正社員だけでなくパートタイマーも加入できるところが増えています。
会社に労働組合が無い場合は、「ユニオン」と呼ばれる合同労組に加入することができます。会社は、労働者が一人しか加入していなくても団体交渉に応じなくてはならないので、労働組合がない場合はユニオンに加入し、解決していくことも方法の一つでしょう。
また、自ら組合を結成するという方法もあります。労働者が2人以上集まれば、いつでも労働組合を結成できるのです。会社の中で仲間を見つけて結成し、会社に団体交渉を申し入れることができるようなります。詳しい結成の手順は、総合労働相談情報センターに問い合わせてみてくださいね。
ハローワークなどの公的機関
悩みを会社に知られたくない時などは、ハローワークなどの公的機関に相談するのもよいでしょう。ハローワークは求職相談だけでなく、仕事の相談にも親身にのってくれます。ハローワークを通じて労働監督署に連絡することもできますので、どこに相談したらよいかわからない時はハローワークに足を運んでみてはいかがでしょうか。
電話での相談窓口
- こころの耳
- 働く人の悩みホットライン
厚生労働省が委託しているサイトです。ホームページには
こころの不調や不安に悩む働く方や、手助けをするご家族の方、職場のメンタルヘルス対策に取り組む事業者の方などの支援や、役立つ情報の提供を目的に作られた、働く人のメンタルヘルス・ポータルサイトです。
引用:こころの耳
と記されています。無料で電話相談やメール相談も行なっているので、忙しくて外に相談に行くことができない方は一度相談をしてみるといいかもしれません。
一般社団法人日本産業カウンセラー協会が監修しており、無料で産業カウンセラーに電話相談ができます。有料ですが、全国の相談室でカウンセリングも行なっています。
ひとりで抱え込む前に
仕事の悩みは、働いている限りなくなることはないでしょう。しかし、悩んだ時に誰にも頼らずにひとりで抱え込んでしまうと、いつかパンクしてしまいます。パンクをしてしまうと、胃が痛くなったり食欲がなくなったりと、ストレス反応が出ます。人によってストレス反応が出る場所はさまざまですので、自分のストレス反応を知ることが大事です。
そのような時は決して無理をせず、十分な睡眠を摂ったり、好きなことをして発散してください。誰かに話を聞いてもらったり、体を動かしたり、自分に適したストレス解消法を知り、少しでも一人で抱え込む時間を減らすように心がけましょう。