「さあ、園選びをしよう!」と思っていても、何から始めるべきなのか、いろいろと考えますよね。幼稚園と保育園ではどちらがいいのだろう…と初めから悩みの種が出てきてしまうのも無理ありません。そもそも幼稚園と保育園の違いは何なのか、かかる費用はどのくらいなのか?気になることを解決して、ご家庭に合った園選びをしていきましょう!
幼稚園と保育園の違いを簡単におさらい!
幼稚園と保育園がどう違うのか、わかるようでなかなか理解しがたいですよね。そもそもどこが管轄していて、どういった資格を持った先生がいるのか、違いをおさらいしていきましょう。
▼パッと見られる幼稚園と保育園の違い一覧表
幼稚園 | 保育園 | |
管轄 | 文部科学省 | 厚生労働省 |
法令 | 学校教育法
満3歳児~小学校就学前の子どもが入園可 |
児童福祉法
0歳児~小学校就学前の子どもが入園可 |
費用 | 世帯の収入は関係なく一律の保育料 | 世帯の収入に応じて保育料が変動 |
面接 | 保護者と子どもへ質問がある | 主に保護者へ質問がある |
先生 | 幼稚園教諭資格を持っている | 保育士資格を持っている |
幼稚園と保育園の根本的な違いとして、幼稚園は文部科学省が管轄している学校教育施設となっており、そのため満3歳児~小学校就学前の子どもが入園可能となっています。保育園は厚生労働省が管轄している児童福祉施設となっており、そのため0歳児~小学校就学前の子どもが入園可能となっています。このように幼稚園と保育園とで規則も違ってきます。
幼稚園と保育園の費用の違い
根本的に違うと費用も気になりますよね。幼稚園と保育園にかかる費用の特徴をまとめてみました。
幼稚園 | 保育園 |
・世帯の収入は関係なく一律の保育料である | ・世帯の収入に応じて保育料が変わる |
・入園金がかかる(園によって異なる) | ・子どもが小さいほど高額になる |
・制服や園指定グッズの購入が必要である | ・2人目以降は安くなる |
・オプション料金が高い | ・時間外保育は別料金となる |
幼稚園は、世帯収入関係なく一律保育料となります。入園前には入園金がかかり、さらに送迎バス代金や、学習用品の費用等、オプション料金としてかさんできます。対し保育園は、世帯により保育料が変わります。兄弟姉妹ともに預けることによって割引等もありますが、時間外保育には厳しく、保護者用のタイムカードがある園も。
また幼稚園、保育園ともに、私立であるのか、公立であるのかで金額が変わってきます。公立は自治体が運営しているのに対し、私立は様々な運営団体があるため、入園前にはなるだけ目星を付けている園の見学に行き、見比べてみるといいでしょう。
幼稚園と保育園の面接の違い
幼稚園も保育園も面接がありますが、大きく違うところとして、幼稚園は子どもと保護者の方へ別々に質問事項があるのに対し、保育園は主に保護者の方へ質問をします。幼稚園・保育園で共通して聞かれることは、「この園を選んだ理由」そして「入園するにあったって何か質問はあるか」が多いようです。後は、一体どのようなことを聞かれるのか、大まかに3つ分けてみました。
▼幼稚園
子どもが質問される項目 | 保護者が質問される項目 |
・お名前と年齢 | ・家庭の教育方針 |
・今日は誰と一緒に来たのか | ・子どもの発達の様子₍1人でトイレにいけ るのか、お着替えが出来るのか、など₎ |
・好きなこと、嫌いなこと | ・子どもの長所・短所 |
▼保育園
保護者が質問される項目 |
・子どもの健康状態(アレルギーの有無など) |
・就労状況あるいは就労予定(就労先、就労時間、就労日数など) |
・預けるにあたって保育者が注意することはあるか |
これらの質問内容以外にももちろんいくつか質問されます。そして幼稚園と保育園で聞かれることは似ています。面接時、先生たちが見ているのは『元気よく明るく話せているか』です。根本的なことかもしれませんが、いざ面接となると変に気合いが入ってしまい、リラックスするのは難しいものです。しかし、保護者さんのいつもと違う様子に、子どもも敏感に反応します。気負いすることなく、親子で一緒に普段通りに振舞うことを心掛けるといいですね。
共働き家庭において幼稚園と保育園のメリット、デメリットとは?
共働き世帯が多い中、どちらに入園させればいいのか悩みますよね。共働きといっても、パートで働くのか、フルタイムで働くのか、また近くに頼れる家族がいるのかいないのかでは、入園させる園も変わってきてしまいます。そこで、幼稚園と保育園のメリット、デメリットをまとめてみました。
▼幼稚園
メリット | デメリット |
・保育園と比べて比較的入りやすい園がある | ・行事毎が多く保護者の方の役割が多い |
・送迎バスがある園が多い | ・延長時間が短いため長く預けることができない |
・平日に習い事に通えたり、時間に余裕がある | ・昼食がお弁当の園が多い |
▼保育園
メリット | デメリット |
・保育時間が長い | ・成長を間近で見られないことがある |
・0歳児から預けられる | ・親子で過ごす時間が少ない |
・給食、おやつを完備している | ・平日に習い事などをさせにくい |
幼稚園は3歳から入園ということもあり、とても人気の幼稚園でない限りは比較的入りやすいと思います。幼稚園にいる時間は平均的に4時間で、お昼ご飯を食べた後は、お帰りの会をして降園するというのが園生活の基本の流れなので、午後は時間に余裕があり、平日には習い事も通いやすいですね。お弁当を持参の幼稚園もあるため、保護者さんの作ってくれるお弁当が、子どもの1日の楽しみでもあります。
ただ、延長保育の時間が短く、両親共にフルタイムで働くには少々厳しいかもしれません。近くに頼れる家族がいて、幼稚園から帰って来た子どもを見てもらえる環境が整っていれば幼稚園でも通いやすくはなるかもしれませんが、周りの方々と要相談となりそうですね。
保育園は0歳児から未就学児まで受け入れがあり、1日の保育時間も長いので、共働きのご家庭には比較的預けやすい環境があります。さらに給食、おやつは完備で、栄養士さんや調理師さんが作ってくれる給食を食べられるので、栄養には心配いりません。お家では食べてくれない子どもの苦手なものも、保育園ではペロッと食べてしまう、なんてこともあります。
ただ、乳児期から預けていると、初めて歩いたのを見たのは保育園の先生だった…なんてことも。子どもがやっと出来るようになったことや、日々の成長を1番初めに見るのが保育園の先生では、かなり寂しい気持ちもありますよね。保育時間が長いゆえに間近で成長を見られないこともあります。
フルタイムで働けて長く預かってもらう分、親子の時間は少なくなってしまいます。
また、保育園にいる時間は平均的に8時間で、それから習い事に通うとなると子どもも疲れが出て「もう行きたくない。」となることも考えられますよね。
幼稚園と保育園の教育の仕方とは?
上記でも少し触れましたが、幼稚園は標準4時間以上の保育であり、教育週数は年間39週を下らないことがひとつ決まりとしてあります。そのために長期休みがあり、日数調整をしているのです。法律で幼児を保育し、適当な環境を与えてその心身の発達を助長すること(学校教育法第77条)と定められています。お昼寝もせず、そのまま降園するので、小学校の生活にどこか似ていますよね。
それに対し保育園は、原則8時間以上の保育であり、幼稚園のように保育日数の基準はありません。日曜日、祝日以外は保育園を空けています。法律で日々保護者の委託を受けて、保育に欠けるその乳児又は幼児を保育すること(児童福祉法第39条)と定められています。
知れば知るほど、どこか似ているようでどこかが違う。そんな幼稚園と保育園の生活の流れをわかりやすくしてみました。
【幼稚園1日の流れ】
7:30~ 順次登園・身支度・自由遊び
9:00~ 朝の会(出欠確認・朝の歌・先生のお話)
10:00~ クラス活動(製作・リズム遊びなど)、外遊び
12:00~ 昼食
13:00~ 自由遊び
13:30~ お帰りの会(お帰りの歌・先生のお話)
14:00~ 順次降園(~延長保育)
【保育園1日の流れ】
7:30~ 順次登園・自由遊び
9:00~ 朝の会(出欠確認・朝の歌・先生のお話)
9:30~ おやつ
10:00~ クラス活動(製作・リズム遊びなど)、外遊び
11:30~ 給食準備
12:00~ 給食
13:00~ 午睡準備・午睡
15:00~ 起床・おやつ
16:00~ お帰りの会(お帰りの歌・先生のお話)
16:30~ 順次降園・自由遊び(~延長保育)
園によって異なりますが、だいたいの1日の流れをまとめてみました。行事毎が近付いて来るとクラス活動が行事練習に変わっていきます。また、お誕生日会が月に1回開かれたり、年長さんになるとお泊り保育があったりと、さまざまなイベントに子どもたちはワクワクしています。気になっている園はどのような活動をしているのか、調べておくことも大切です。
自分の家庭に合った園選びをしよう!
子どものための園選びでもありますが、保護者の方のご協力があってこそ。そこで初めて園生活が成り立ちます。今、自分の家庭がどのような状況なのか、明確にするところから始めると、幼稚園がいいのか、それとも保育園がいいのか少しずつ分かるかもしれません。自分たちだけでは厳しい…という状況なのであれば、近くに頼れる家族がいるのかどうかも大切になってきます。
幼稚園、保育園、どちらも子どもを預かってもらう場所です。すぐに「ここにする!」と決めるよりは、気になるところがあれば、見学をしに行くのがいいと思います。見学先でも、気になるところや確かめたいことがあれば質問すると、先生たちは丁寧に答えてくれます。そこの園がご家庭に合っているのか、子どもに合いそうか、実際に目で確かめるのもいいでしょう。
幼稚園と保育園、違いを理解し、親子で楽しく通える良い園を見つけましょう!