通訳案内士は観光で来た外国人に日本の良さを伝える仕事!知っておきたい国家資格の合格率や試験免除のこと

Hiroko

通訳案内士という仕事をご存知ですか?これから東京オリンピックに向けて海外からたくさんの人が日本にやって来ます。日本の魅力や歴史、風習を世界各国の人達に知ってもらういい機会です。その時に海外からの旅行者を案内する人が必要になりますが、そこで活躍するのが通訳案内士です。ここでは、その仕事内容について解説していきます。

通訳案内士の仕事とはどんなもの?

通訳案内士の仕事内容

  • 通訳案内士とはどんな仕事?
  • 通訳案内士の仕事は、海外から来た観光客に日本の文化や伝統を外国語で伝えながら、観光地を案内する仕事です。また、ガイドだけでなくホテルの予約や旅行のスケジュール管理ということもします。日本での生活面をサポートすることもあります。それぞれの国には食べ物や生活、価値観などその国の文化があるので、それを理解しておく必要があります。語学だけできればいいという仕事ではありません。

  • 仕事の流れを知ろう
  • ツアーの日数は数日から数週間までざまざまです。長期のツアーになると日本全国を回るものもあります。仕事の依頼を受けたら、案内する施設などの下見をしたりして土地の情報を収集します。その土地の歴史、名産物や風習、特産品などを下調べして観光の案内に折り込みます。日本の良さを伝えるために下調べは大切な仕事です。ツアー当日はお客様と待ち合わせをしてからツアーに出発します。空港やホテルまでの送迎をしたり、宿泊先の手配をすることもあります。

    通訳案内士の仕事は、ツアーのお客様からの質問や疑問に自分の言葉で答える必要があります。柔軟な語学力が必要であり、お客様に楽しい時間を過ごしてもらうために細かい心遣いも必要となるので、外国語が話せるというだけでは務まらない仕事です。

通訳案内士の活躍の場はどんなところ?

  • フリーランスで働く人が多い
  • 通訳案内士はフリーランスで働く人が多い職業です。国家資格であるのにそれを生かせる会社で正社員として働ける会社がほとんどないのです。日本にやってくる外国人が増えてくる一方で、通訳案内士として働けずにボランティアとして活動したりする人が多いのが現状です。
    フリーランスで働く場合は「一般社団法人 日本観光通訳協会」に通訳案内士として登録し、そこから仕事を紹介してもらって働きます。

  • 旅行会社や代理店に就職
  • 旅行会社や旅行代理店に就職して働く人もいます。旅行会社では海外からのツアー客が増えてきたことにより、通訳ガイドができる通訳案内士の需要が高まってきています。特にアジア圏からの観光客が増えてきているため、旅行会社で通訳案内士の資格を持っている人を雇うようになってきました。
    しかし、旅行会社には繁忙期や閑散期があり、常に観光ツアーがあるわけではないのです。そのため、仕事は総合職のように通訳案内士以外の仕事をすることになります。通訳案内士に専念はできませんが、収入面でいったら旅行会社に就職という方法は安定しています。

通訳案内士の給料

  • フリーランスで働く場合
  • フリーランスで働いている場合はその時のツアー内容や派遣会社によって変わってきます。食事手当などがつくかどうかも会社によります。

    平均的なところでは、1日のガイド料が1~3万円といったところでしょう。数週間のツアーの仕事が入ればまとまった収入が稼げますが、安定した収入が得られにくいというのが現状です。経験がある通訳案内士でも年間に100万円程の収入で、通訳案内士としての仕事は年間30日程だと言われています。ましてや経験が少ない場合はなかなか仕事がもらえず、結果として副業で通訳や翻訳などの仕事を持ちながら通訳案内士をしているという場合がほとんどです。
    通訳案内士の仕事の中には、ホテルや空港までの送迎や宿泊先の手配などをする「斡旋業」が入ることがあります。その際には1日あたり、数千円から20000円程度の収入があります。

  • 旅行会社で働く場合
  • 旅行会社で正社員として働く場合は、一般的な初任給は20万円程です。能力や経験で給与は上がっていきます。通訳案内士だけの仕事はできませんが、安定した収入を望む場合は旅行会社への就職も視野に入れてはいかがでしょうか。

通訳案内士に向いている人

  • 語学力だけでなくコミュニケーション能力も必要
  • ツアー中は外国人から様々な要求や質問があります。通訳案内士はそれに対して分かりやすく親切に対応しなければなりません。通訳案内士は外国人からしたら日本人代表でもあるので、日本のイメージを決める可能性がある仕事です。高い語学力だけではなく、コミュニケーション能力も必要になります。

  • 臨機応変に対抗できる人
  • ツアー中のハプニングはつきものです。荷物が紛失したり、ホテルの鍵をなくしたり、迷子になったりケガをしたりなど、さまざまなことが起こります。外国人は慣れない土地で不安になり、どうしたらいいのかうろたえてしまいます。そんな時こそ通訳案内士は冷静に臨機応変に対応しなければなりません。この対応も語学力に加えて必要な能力です。

    また、時には無理難題を言ってくるお客様もいます。人数が多ければまとめるのは大変ですし、お国柄で時間にルーズな人達もいます。そのような中で、お客様をうまくまとめて安全なツアーにすることが通訳案内士の大切な仕事です。

  • 勉強が好きな人
  • 観光地ではその土地の歴史や文化などの他に、名産物やその土地の風土のことなどをお客様に伝えます。外国人に日本のよさをいかに伝えられるか、そこが通訳案内士の腕の見せ所です。また、日本だけでなく案内する相手の国のことも知っておく必要があります。普段から色々なことに興味を持ち、「知りたい」という探究心を持つ人がこの仕事に向いていると言えるでしょう。

  • 人に喜んでもらうことが好きな人
  • 観光をしてお客様に日本を好きになってもらえるように、細かな気配りをすることが必要です。ツアーではさまざまなことが起こり、色々な人がいます。それぞれの性格や国の人と向き合って、トラブルにも対応しなければならず大変なこともたくさんあります。そんな中で、「お客様に喜んでもらいたい」「旅が楽しい思い出になるようにしたい」と思える気持ちが一番大切なのです。

通訳案内士になるためにはどうしたらいい?

通訳案内士のためのスクールへ通う

通訳案内士になるためには国家試験を受けて合格する必要があります。この試験には受験資格がないため、年齢や学歴、国籍に関わらず誰でも受験することができます。
しかし、試験は高い語学力や日本の地理・歴史・文化・産業に関する幅広い知識が求められる難易度が高い試験内容なので合格するのは大変です。この難関な試験をパスするためには独学では難しく、スクールへ通う人が多くなってきています。

  • スクール
  • 通訳案内士のスクールは全国各地に民間のスクールがあります。その中でも外国語系の学校で通訳案内士関連の講座が開かれています。学校によってカリキュラムが異なり、通学する期間や講義の時間数などが違います。
    通訳案内士の試験は1次試験と2次試験があります。それに合わせて授業を組んでいるという学校もあります。色々な学び方ができるので、自分に合ったスクールを選びましょう。

通訳案内士の国家試験を受ける

  • 外国語(出願者の選択する1ヶ国語)(1次試験)
  • 英語:マークシート方式
    中国語・韓国語:記述式とマークシート方式の両方
    フランス語・スペイン語・ドイツ語・イタリア語・ポルトガル語・ロシア語・タイ語:記述式

  • 一般常識などの日本語による筆記試験 (1次試験)
  • 日本語による筆記試験はマークシート方式です。「日本地理」「日本歴史」「産業・経済・政治及び文化」による一般常識。

  • 口述試験(2次試験)
  • 筆記試験の際に選択した外国語を使って、通訳案内の時に必要とされるコミュニケーションを測るため、実践的な能力を判定します。

通訳案内士の試験を受けるときに免除になる条件

通訳案内士の試験を受ける時に免除になるという条件があります。その条件はさまざまなものがあるので、その中のいくつかをご紹介いたします。

1. 実用英語技能検定1級の合格者は申請によって英語の筆記試験が免除となります。
2. TOEIC®テストで840点以上、もしくはTOIC®SWテストのうちスピーキングテストで150点以上またはTOEIC®SWのうちライティングテストで160点以上を得た者は、申請によって英語の筆記試験が免除になります。
3. 実用フランス語技能検定試験の1級合格者は、申請によってフランス語の筆記試験が免除になります。
4. ドイツ語技能試験の1級の合格者は、申請によってドイツ語の筆記試験が免除されます。
5. 中国語検定試験の1級合格者は、申請によって中国語の筆記試験が免除されます。

その他、試験が免除になる項目はJNTO(日本政府観光局のサイト)を参考にしてください。

通訳案内士の試験に合格したらすること

通訳案内士の2級に合格したら、「通訳案内士登録証」の発行のために、必ず都道府県に名前や住所を登録しましょう。それがないと通訳案内士として仕事ができません。

通訳案内士の試験の難易度と合格率

通訳案内士の試験は国家試験の中でも難易度が高い方です。受験できる言語は、英語・フランス語・ドイツ語・スペイン語・中国語・イタリア語・ロシア語・ポルトガル語・韓国語・タイ語の10ヶ国語です。

平成27年度の試験結果から見てみると、全体の合格率は19.3%でした。受験者数の中で一番多い言語は英語で、次に中国語、韓国語です。通訳案内士の試験には合格基準があり、1次試験は外国語テストで70%以上取る必要があります。日本語の3科目ではそれぞれ60%以上の点数を取る必要があります。

  • 1次試験が重要!
  • 通訳案内士は1次試験で80%もの人が落ちています。二次試験では3分の2以上の人が合格できているので、鍵は1次試験と言えるでしょう。日本語のマークシート方式のテストで点数を取れない人が多いので、しっかり勉強する必要があります。

  • 合格率が高い2次試験
  • 二次試験は口述試験です。合格率は1次試験に比べたら高いのです。この資格を受験する人は日常会話には困らないレベルの会話力がある人が多いので、あらゆる質問に対して自分の言葉で答えられることが大切です。

通訳案内士としての求人について

派遣会社へ登録して働く

通訳案内士として働くためには派遣会社に登録する方法があります。派遣会社によっては研修が必要なところもあるので、登録する時に確認しましょう。仕事を多くこなすためには、何社かの派遣会社に登録するといいでしょう。

旅行会社へ自分自信を売り込む

旅行会社へ営業をかける人もいます。時期は旅行業界の繁忙期である3~11月が狙い目です。インターネットでHPを作ったり、SNSで通訳案内士をやっていることをアピールしたりするなどするのもいいかもしれません。

通訳案内士のやりがいと大変さについて知ろう

通訳案内士のやりがいとはどんなもの?

  • お客様に喜んでもらえる
  • 観光をするお客様が求めるのは「満足感」です。楽しい時間を過ごせたかが旅を終えての満足感に繋がります。特に通訳案内士は海外からのお客様がほとんどなので、できるだけ日本の魅力を伝え、その土地の歴史や名産物などたくさん伝えることがあります。知らなかった日本のことを知ることができ、楽しい時間を過ごせてお客様が満足できれば自分自身のやりがいに繋がります。ツアーが終わり、お客様が笑顔で帰られた時に喜びを感じられるでしょう。

  • 日本の魅力を伝えることができる
  • 外国人は日本の作用や歴史、交通ルールなどたくさんのことが知りたくてツアーに参加します。なので、多くの質問をしてくるでしょう。その質問に適切に答え、日本を知ってもらうことができた時にやりがいを感じられるのではないでしょうか。

通訳案内士の大変さはどんなところ?

  • 下調べが大変なことも
  • 通訳案内士は観光地に関して、さまざまなことを調べる必要があります。外国人のお客様の中には大の日本通で、ご自身で色々と調べて来る人もいます。時には突然思ってもみない質問をされることもあります。その質問に慌てずに答えられるように、ニュースや新聞を常にチェックしなければなりません。ツアーが続いた時は帰ってきてからすぐに次のツアーの準備をしなければなりません。

  • ツアー中は忙しい!
  • 通訳案内士のツアー中はとにかく忙しいのです。時間を組んで回るツアーですが予定通りにいくとは限りません。トラブル対応などにも真摯に向き合わないとなりませんし、1日中歩き回るため足腰はパンパンになります。神経も体力も使うため、大変な仕事です。

これからの課題はどんなことがある?

日本には海外からたくさんの旅行者が来るようになりました。その人達に日本の良さを伝える通訳案内士は国家資格が必要な仕事です。しかし、今はせっかく資格を取っても正社員として就職し、通訳案内士だけの仕事で収入を得ることが難しいのです。東京オリンピックに向けて、この資格をもっと生かせるように活躍できる場所を国が考える時期にきているのではないでしょうか。

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