スポーツトレーナーは4種類ある!その仕事内容と6つの資格となるための方法について

スポーツトレーナーは、プロのスポーツ選手にとって大切な存在です。では、どうしたらスポーツトレーナーになれるのでしょうか。身体のメンテナンスに関わることなため、資格が必要なのではないかと気になることがたくさんあります。今回は、スポーツトレーナーの種類や、その詳しい仕事内容ついてお話したいと思います。

スポーツトレーナーとは

スポーツトレーナーとは、主にスポーツ選手のサポートをメインとする仕事です。トレーニングをする上で重要なのが、最高のパフォーマンスができるように選手の状態を整えることです。トレーニングメニューを考え指導し、選手が怪我をした場合は応急処置、復帰までのリハビリ、健康管理や栄養指導、メンタルケアなど仕事内容は多岐に渡ります。

スポーツトレーナーになるための方法

スポーツトレーナーとして活躍していくためには、人の身体の仕組みや機能、トレーニング理論、医学的な知識、応急処置の方法などの技術を身につけておく必要があります。また、「将来的に資格を取得したい」など、キャリアプランがあるのであれば、進学しておくことが望ましいでしょう。学校によって、学習方法や環境もさまざまです。自分に合う学校選びは時間をかけて行うことをおすすめします。

  • 大学に通ってスポーツをしながら時間をかけて学ぶ
  • 体育学部やスポーツ学科がある大学に進学する場合は、「時間をかけて幅広い知識を得たい」「スポーツをしながら選手側の立場でトレーニング知識を身につけたい」「将来的な選択枠を増やしたい」と考える人におすすめです。大学進学がおすすめです。また、4年間じっくり学ぶことができるため、国家資格や民間資格取得のための試験対策もできることが魅力です。

  • 3年制の短大や専門学校に通って現場に早くでる
  • 「最短で知識を身につけたい」「早く現場に出たい」と考える人には、スポーツトレーナーを目指せる専門学校や短大をおすすめします。座学よりも実技や実習が多く、これらがカリキュラムに組み込まれているのも魅力の1つです。大学よりも在学期間は短いですが、スポーツトレーナーに役立つ国家資格の中には、3年以上学ぶことが定められているものもあります。取得予定の国家資格があるのであれば、3年制の専門学校や短大に進学することが望ましいでしょう。

スポーツトレーナーになるために資格は必要?

スポーツトレーナーになるための資格は特にありません。しかし、スポーツ選手が怪我をした時など、代替医療を行うには資格が必要になります。また、資格を取得していることで仕事の幅も広がり、スポーツに関連する全ての職場で働くこともできます。

多くのスポーツトレーナーが取得している資格とは?

スポーツトレーナーは、医療系の国家資格を取得していなければスポーツ選手の身体に触れることはできません。では、現在活躍しているスポーツトレーナーはどのような国家資格を取得しているのでしょうか。

  • 理学療法士
  • 怪我や事故などで基本動作(歩く・立つ・座るなど)が困難になった場合、理学療法士は、回復を助けリハビリを行います。さらに、動作の改善を目指し、運動機能に働きかける治療法などで能力の向上を目指します。理学療法士は国家資格のため、受験できる資格が定められています。

  • 柔道整復師
  • 骨や筋肉、関節、靭帯などの運動するために重要な場所を痛めた場合、骨折や脱臼、捻挫、打撲、肉ばなれなどを起こします。柔道整復師は手術を行わない「非観血的療法」によって治します。怪我をしてすぐの処置や、時間が経ってから出てきた痛みに対しても自然の治癒力に任せ、テーピングや湿布などで施術します。「整骨院」「接骨院」「ほねつぎ」などの名称で開設しているのが柔道整復師です。

    参考:公益社団法人 大阪府柔道整復師会

  • あん摩マッサージ指圧師
  • 血行の改善や痛みの軽減など、筋肉の緊張を解き全身機能の調整を手技で行うのがあん摩マッサージ指圧師です。器具を一切使わずに、つぼマッサージで神経や筋肉に刺激を与え治療します。

活用できる民間資格

身体の管理やサポート、さまざまな面からアプローチをするためには、幅広い知識が必要です。その中でも、スポーツトレーナーとして役立つ民間資格をご紹介します。

  • 公認アスレティックトレーナー(JATAC-AT)
  • 日本で一番難易度が高く、スポーツトレーナーに関する最も有名な民間資格です。スポーツドクターやコーチと協力し、選手の健康管理から怪我の処置など、さまざまな面からサポートをする資格です。取得方法には2とおりあり、日本体育協会が認定している専門学校での指定カリキュラムを修了し検定試験を受験する方法と、日本体育協会の養成講習会を受講する方法です。

    専門学校からの受験は、これからスポーツトレーナーを目指す人を対象としています。講習会受講は現役のスポーツトレーナーを対象とし、体育協会や加盟競技団体からの推薦が必要です。また、推薦を受けるためには、「満20才以上」であることと、スポーツトレーナーとして「実績」があることが条件です。

    参考:公益財団法人日本体育協会 アスレティックトレーナー

  • 認定アスレチック・トレーナー(JATAC-ATC)
  • 公認アスレティックトレーナーよりも、比較的取得しやすいのが認定アスレチック・トレーナーです。取得方法はジャパン・アスレチック・トレーナーズ協会(JATAC)へトレーナー登録をすることが必要です。登録を申請するには、医療系国家資格(柔道整復師・理学療法士など)を取得していること、協会の講習を受講し必要単位を取得していることが条件とされています。講習会は通信教育でも取得可能となっているため、自分のライフスタイルに合わせて勉強することが可能です。

参考:特定非営利活動法人ジャパン・アスレチック・トレーナーズ協会

NATA認定トレーナーとは?

海外で働くスポーツトレーナーは、アメリカの国家資格であるNATA認定トレーナーの資格が必要です。日本に比べてアメリカでのスポーツトレーナーとしての価値は遥か上にあります。語学力も必要とするNATA認定トレーナーの資格は、難易度が高い傾向にありますが、スポーツトレーナーを目指す人にとって、アメリカで活躍することは夢ではないでしょうか。

世界を目指すスポーツトレーナーになるために、この資格の取得を目指してみるのもいいかもしれません。アメリカ国内の大学(4年制)で協会のカリキュラムを受講し、試験に合格することで資格を取得することができます。

スポーツトレーナーに種類はあるの?

スポーツトレーナーと言っても、さまざまな状況に得意とする分野があります。では、その種類と内容はどのようなものなのでしょうか。

チームのサポートをする【アスレティックトレーナー】

スポーツ選手が現場で怪我をした時などに応急処置をし、怪我の具合などから復帰までの方法や、筋力向上のためのプログラムを考えたりします。チームのためにサポートに徹し、今後の予防や対策についても働くのがアスレティックトレーナーです。

怪我からの復帰を応援する【メディカルトレーナー】

選手の怪我からの復帰を手助けするのが、メディカルトレーナーの仕事です。ドクターや理学療法士と協力し、スポーツレベルまで上げるサポートをします。活躍の場はスポーツ業界だけではなく、福祉業界でも活躍の場を広げています。

肉体のパフォーマンス向上をメインとする【ストレングストレーナー】

理想の身体作りを手伝うのがストレングストレーナーです。目的別に合わせたトレーニング方法やプログラムを提案し、目標に向かってサポートします。パーソナルトレーナーのジムやフィットネスクラブでも活躍しています。

身体の調子を整える【コンディショニングトレーナー】

怪我をしている人だけではなく、身体の違和感に対してもメンタル面から改善策を提案します。健康な身体作りへと導くのがコンディショニングトレーナーです。

スポーツトレーナーの年収は?

スポーツトレーナーとして、プロのチームやスポーツ選手との契約した場合、600万円前後からです。ベテランになると1,000万円を超える年収もあります。しかし、選手やチームの成績より、大きく変動があるのが特徴です。整体院やフィットネスクラブなどで働いているスポーツトレーナーの場合、約200~400万円程度でしょう。

また、トレーナーとして人気が出れば給料も上がる傾向にあります。付加価値をつけることで、人気スポーツトレーナへとなれることもあります。他の人にはない、スポーツトレーナーとして差別化するのも年収をあげるポイントの1つです。

スポーツトレーナーの求人状況は?

スポーツトレーナーの求人は決して多いとは言えません。資格を取得していてもすぐに採用されるというわけでもありません。スポーツトレーナーとしてプロの選手のサポートやチームに所属して働くには、経験を必要とします。そのためにも、フィットネスクラブやスポーツジム、整体院などで経験を積むことが大切でしょう。

また、好条件の仕事は、日本だけではなく、世界からエントリーしてくるのがスポーツトレーナーの業界の特徴といえます。高い競争率の仕事を勝ち取るためには、人脈やコネクションも必要です。人間関係の構築も希望する職場に就ける手段の1つなのです。

スポーツトレーナーを目指している人へ

スポーツトレーナーは、スポーツ選手にとって必要不可欠な存在です。しかし、プロの現場で活躍できるスポーツトレーナーは極わずかであり、狭き門なのが現状です。ですが、スポーツトレーナーの活躍の場はプロの世界だけではなく、フィットネスクラブやスポーツジム、福祉業界でも注目され必要とされています。どの現場でも、それぞれの人々に目標があり、達成したいという気持ちは一緒です。そんな人々をサポートできるスポーツトレーナーの仕事は、とてもやりがいのある仕事ではないでしょうか。

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