和菓子職人は日本の伝統と文化を表現する匠!仕事内容やプロになるための道のりとは

MOMOKO

日本の四季や文化を感じることのできる繊細な和菓子。そんな伝統的で美しいお菓子を作る職人を「和菓子職人」といいます。和菓子職人の仕事内容や、手に職をつけるまでの道のりとはどのようなものなのでしょうか。今回は、和菓子職人についてお話いたします。

和菓子職人の仕事とはどのようなもの?

和菓子職人の仕事内容

和菓子職人のメインの仕事は、もちろん和菓子を作ることです。お店に並べる和菓子だけではなく、ご予約などで多くの注文を受けて作ることもあります。また、新商品を考案して試作品を作ったり、商品化を検討したり、材料の仕入れをしたり、忙しいときには店頭に立って接客や販売をしたりすることもあります。

和菓子職人の一日

働く先によって違いはありますが、仕事の開始は7時頃からということが多いようです。出勤したらまずは、前日までにご予約いただいたお菓子作りから始まります。次に、店頭に並べる生菓子づくりに入り、お店のオープン後も生菓子を作りながら、接客を行います。

午後からは、焼き菓子やようかんなど、日持ちする和菓子作りを行い、翌日の予約分の和菓子の仕込みや準備を行います。職場にもよりますが、夕方5時頃に仕事が終わることが多いようです。帰宅後も、新しい和菓子を考えたりなど勉強される方もいます。

和菓子職人の給料は?

働く先によって多少の差はありますが、和菓子店で修行するために見習いをしながら働く場合のお給料の平均は、月給が約12、13万円ほどになっています。修行を積んで、将来的に独立して店を構えるとなった場合、人気店ともなれば月収500万円ほどになるようです。熟練して立派な一人前の和菓子職人になるまでは、余裕がある生活は難しそうです。

和菓子職人に向いている人はどんな人?

体力がある人

和菓子職人は、重い材料や調理器具を抱えたりすることも多くあります。また、たくさんの受注を受けた場合、長時間の間、立ちっぱなしで和菓子作りを行います。とてもハードな仕事なので、タフじゃないと勤まりません。足腰を鍛え、しっかり体力もつけておかないと、仕事が成り立たないでしょう。

鋭敏な味覚と嗅覚、清潔感

和菓子は人が食するお菓子なので、おいしさはもちろん、安全で衛生的な商品でなければなりません。味覚や嗅覚が劣っていては、万が一、材料が腐敗していたという場合にも気づかないということも起こりうるでしょう。また、和菓子に触れる手だけではなく、身なりも清潔にしておかなければいけません。和菓子を購入し召し上がっていただいた、大切なお客様の身体を害しては大変です。繊細な味覚と嗅覚を鍛え、いつも清潔でいることを心がけましょう。

芸術的センス

和菓子は四季折々のうつろいを表現する繊細なお菓子ですので、その美しさを表現する芸術的センスが求められます。普段から、日本の文化や伝統に興味を持ち、優美な和の知識を深めることができれば、和菓子の創作も奥深いものになることでしょう。伝統を大切にする感性や、オリジナリティあふれる創作アイディア、美しい色や方に仕上げる芸術センスも必要となります。

和菓子職人になるにはどうすればいい?

和菓子職人は、特に学歴は必要としない職種です。しかし、和菓子づくりの基礎、知識、技術は勉強しなければいけません。和菓子は繊細で知識や技術ががないと作れないお菓子です。そのため、簡単に技術が磨けるというあまいものではありません。どの道で知識や腕を磨いて、一人前の和菓子職人になるのか、自分に合う和菓子職人への進むべき道を探りましょう。

和菓子職人になるには3つの方法がある!

  • 和菓子製造を学べる学校へ通う
  • 和菓子製造を学べる専門学校などへ入学すると、和菓子の基礎、知識、技術を専門の先生から学び、しっかり身につけることができます。学校によっては、和菓子店や業界とのつながりが深く、就職のあっせん支援などが整っているところもあります。

    実際に実践授業で、学生たちが和菓子店を開き、和菓子の製造、販売、店舗の運営などを自らが行い、必要な実践的な応用力が身につく授業をしている学校もあるようです。また、必要な国家資格も習得できるコースもあったりしますので、和菓子店や企業に就職する際にも、自信がもてますよね。

  • 和菓子職人のもとへ弟子入りする
  • 早く就職をして、現場で職人さんから和菓子の技術を教わりたい人は、下働きできる和菓子職人さんのもとで、弟子として働きながら学び腕を磨いていくのもいいでしょう。勤務経験を積むことで、国家資格を受験できる資格も得られます。ただし、働きながら基礎などを学ぶことになるので、自ら勉強し、学習する必要があります。

  • 昼は職人のもとで働き、夜間の学校へ通う
  • 現場で働きながら和菓子職人のもとで学びたいけれど、しっかり基礎も勉強したいという人は、昼は和菓子職人のもとで働き、夜は専門学校の夜間コースで学ぶとう選択もいいでしょう。夜間のコースでも、国家資格の受験資格を得ることは可能です。

和菓子製造の資格は主に3つ?

  • 製菓衛生師
  • 製菓衛生師の資格は、厚生労働省が認める国家資格です。菓子作りの技術や知識、衛生学、より安全なお菓子をつくる専門知識がある証明ともなる資格になっています。製菓衛生師の資格の取得には受験資格があり、次の2つのうちどちらかを満たしている必要があります。

    ■都道府県知事が指定する専門学校などに入学し必要な技術や知識を得ること
    ■中学校卒業以上の学歴があり製菓製造業で2年以上の実務経験を積むこと

    食に関する一定の知識を持っていると判断される資格なので、菓子作りの世界でも注目を集めている、取得しておくべき資格といえます。

  • 製菓製造技能士
  • 製菓製造技能士の資格は、国が認定する技能検定の一種です。ある一定レベル以上の知識と技能を有することを証明できる資格です。製菓製造技能士の資格をもつことで、他の資格を取得する際に有利となります。

    例えば、資格にもよりますが、実技試験が免除されて学科試験のみで受験が可能となるものもあります。製菓製造技能士の資格を取得するには、筆記試験は100点満点中65点以上実技試験は60点以上取らなければいけないので、簡単な試験ではありません。計画的に勉強や訓練を行い、難易度の高い資格を取得すれば、菓子職人としての実力を認められた証ともなり、自信に繋がることでしょう。

  • 選・和菓子職
  • 選・和菓子職とは、全国和菓子協会が認定した、優れた和菓子の技術を持つ優秀な和菓子職人を権威をもって選出・認定する制度です。選・和菓子職には2つの部門があります。

    ■伝統和菓子職部門
    伝統的な和菓子製法を守り、秀でる技術を有する技術者を認定する制度

    ■優秀和菓子職部門
    誰もが認める和菓子職人で、創作的な和菓子が手作りできる技術を有する証明

    和菓子製造に携わる者にとって、最高の名誉ある勲章を受けることに等しいほどの証となるようです。この認証を受けるまでになると、和菓子職人の達人と言っても過言ではないしょう。

和菓子職人に女性はいるの?

和菓子職人は男性の職人が多いのですが、女性の和菓子職人も近年は増加しています。しかし、和菓子職人として経験を積んで一人前になるまでには年数がかかるため、女性は結婚や出産などによる環境の変化によって、和菓子職人としての道を断念する人も多いのが現状のようです。ただ、女性だからと諦めてしまうのはもったいないです。夢を諦めず、できるところまでしっかりと追いかける姿はかっこいいものです。

和菓子職人の就職先や活躍の場所は?

和菓子店で働く

和菓子職人として働く人の大半は、和菓子店で働いています。和菓子作りは高度な技術と知識が必要なため、なり手が少なく、働く先は見つけやすいでしょう。和菓子店で師匠とも呼べる職人のもとにつき、何年もかけて腕を磨いていくということが一般的なようです。

食品メーカーに勤める

最近では、スーパーやコンビニ、チェーン店のお菓子屋さんでも和菓子が販売されています。そのため、和菓子を取り扱う食品メーカーへの就職もあります。大量生産が求められることが多いので、一つひとつ丹精込めてという製造とは異なることがあるかもしれません。

和菓子店に比べ、和菓子を手作りする時間は少ないかもしれませんが、品質チェックや、素材の確認などの仕事が不可欠でしょう。大手食品メーカーの商品開発担当に就けば、全国に自分が考案した和菓子を届けられることもあるかもしれません。

海外で和菓子文化を広める

世界で、寿司や天ぷら、そばなど日本食がブームとなっており、日本食の職人やお店が注目されることも多いです。外国人観光客も近年では増えてきているので、繊細で日本美あふれる和菓子は、これからさらに海外で受け入れられていくことでしょう。将来海外で独立をしてお店を開いたり、海外に進出している食品メーカーへ勤めたりなど、世界で和菓子職人として活躍することは、日本の和菓子文化を広める第一人者となることでしょう。

和菓子職人やりがい・大変さ

どんな仕事にも、やりがいがあったり、反対に苦労を感じることはいろいろとあるものです。和菓子職人にとってのやりがいや、大変さとは一体どのようなものがあるのでしょうか?

和菓子職人がやりがいを感じるとき

  • お客様が喜ぶ笑顔
  • 和菓子は丹精込めて作り、店頭に並べて販売し、お客様に食していただくものです。店頭でお客様が和菓子を眺めて感動してくれたり、味わって喜ぶ笑顔をみたり、感謝の言葉をいただくときが、やはり一番やりがいを感じ励みになることが多いようです。

  • 「和」伝統を後世や世界へ
  • 「和」の日本の芸術が世界でも評価されており、融合ともいえる和モダンな和菓子の変化にも大変注目が集められています。古来からの変わらない味わいや美しさを持ちながら、現代や世界と調和し、若い世代や海外の方にも受け入れられながら、後世へと和菓子文化は受け継がれていっています。季節の変化や、日本の伝統の世界が、小さな和菓子に込めらた素晴らしい芸術ともいえる和菓子を後世や世界へこれからも伝えていく一翼を、和菓子職人は担っているのです。

和菓子職人が大変だと感じるとき

  • 下積みが8年以上
  • 一人前の和菓子職人になるためには、「餡炊き3年、薪焚き5年」といわれる長い下積みが必要になります。下積みの仕事には、和菓子作り以外の仕事が多く、掃除や洗い物、配達や材料の下処理など、裏方のような仕事がメインです。なので、この下積み8年でも半人前となります。仕上げの細工を10年やって、やっと一人前といわれる和菓子の世界。

    下積み期間に、和菓子の知識や基礎を磨いて努力を積み上げ、そこからさらに和菓子の作り方を長年習得したものだけが、一人前の和菓子職人となるため、中には下積み生活の間に挫折してしまう人も多いくらい、大変な苦労があるようです。

  • 朝が早く、力仕事なうえ覚えることもたくさん
  • 和菓子職人の朝は早く、繁忙期や大口の受注が多い時などは、朝3時から仕込みをはじめるということもよくあります。大量の砂糖や小豆が入った重量のある鍋を扱ったり、大量の飴をこねるなど、とても体力を使う力仕事が多いようです。一人前の和菓子職人となってからも、一日中立ったままの作業も多く、腰痛や肩こりに悩まされる人もいるようです。

    和菓子は微妙な色を表現したり、季節に合わせた商品を考えたりするので、覚えることや習得することが、とても多くあり、簡単な仕事とはいえない職業です。しかし、苦労が多い分、プロとしてお客様に和菓子を提供する立場に立ったとき、自分が作った和菓子を喜んで食べてもらえた時の笑顔を見たときの感動と喜びは、言葉では表せない嬉しさがこみ上げることでしょう。

日本文化を象徴できる和菓子職人を目指そう!

和菓子は日本の文化や、素晴らしい情景を表現したお菓子です。四季折々の出来事や、人生の節目にもなくてはならない大切な美しいものになっています。和菓子は五感で楽しむ芸術だともいわれています。見た目の美しさ(視覚)、ほのかな香り(嗅覚)、口の中で解ける(味覚)、手触りや舌触り(触感)、菓子銘(聴覚)というように五感全てで味わえるお菓子です。卓越した伝統的な技を磨き、多くの方に五感で日本の文化と伝統を感じてもらえるような和菓子づくりのプロフェッショナルな職人を目指しましょう!

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