キャリアコンサルタントの仕事とはどんな役割があるの?国家資格の合格率や受験難易度など徹底解説

最近は就職や転職をするときに、相談に乗ってくれる場所があります。その場所は、就職支援センターや再就職相談窓口などを指します。そこで、相談者の話を聞いて適切なアドバイスをしてくれる人が「キャリアコンサルタント」という職業です。今回は、このキャリアコンサルタントについて、どのようにしたらなれるのか、資格は必要なのかなどを解説していきます。

キャリアコンサルタントの仕事について

キャリアコンサルタントの仕事内容

キャリアコンサルタントは、就職や転職、キャリアアップを考えている人へどのような仕事をしたらいいのか、希望の職業に就くためにはどのようなことをしたらよいのかをアドバイスする仕事です。相談者と面談をして、その人の適性や希望により、今後のスキルアップやキャリアを手助けします。相談者が望むキャリアに向けて、必要であれば研修や勉強会を紹介したり、履歴書や職務経歴書の書き方についてアドバイスすることもあります。

キャリアコンサルタントは、相談者の希望だけを聞くだけではなく、相談者の適性を見抜いて転職や就職する時にどんな仕事が向いているのか提案する場合もあります。そのためには、どのような人がどんな仕事に向いているのかを見極める目も必要です。

キャリアコンサルタントの役割とは

  • 相談者を支援すること
  • キャリアコンサルタントは相談者が望むキャリアに向けて、手助けをする仕事をします。相談にはキャリアコンサルタント自身の考えや感情を交えないで、あくまでも相談者の希望を聞きます。相談者がどうしたらいいのか悩んでいる場合は、相談者の適性や向いているものを見抜いてアドバイスします。

  • 相談者の状態を見極める
  • 相談者は自分にはどのような仕事が合っているのか、どのように働こうとしているのか、悩みを抱えている場合も多くあります。仕事に対して悩む時は、思い悩み精神的に不安定になっている人もいます。キャリアコンサルタントは、相談者の状態をしっかり見極めましょう。もしも精神的な病気を抱えているようでしたら、医師などの専門家に連絡することも必要です。キャリアコンサルタントは自分の感情を交えないで、冷静に判断をしなければなりません。

キャリアコンサルタントになるには

キャリアコンサルタントの勉強をするために養成講座に通う

キャリアコンサルタントになるためには、国家資格が必要になりました。2016年4月以降にキャリアコンサルタントになろうとする人は、受験資格を取得するためにキャリアコンサルタント養成講座を受講して修了することが必要です。

キャリアコンサルタントの国家試験を受験する

キャリアコンサルタントと名乗れるのは、国家資格の有資格者だけです。国家試験では実技試験と学科試験の両方に合格すると、キャリアコンサルタントとして仕事をすることができます。カウンセリング自体は国家資格を持っていなくてもできますが、キャリアコンサルタントは就職や転職の相談を受けるだけではなく、相談者の悩みを一緒に解決する方法を考えることもあります。

就職や転職は人生を左右する重要な出来事ですので、その相談に乗るためには、専門的な知識が必要です。相談する側としたら、「国家資格を持っている」という安心感もあり、心地よく頼ることができます。また、職場によっては国家資格を持っている人しか相談業務ができない場合もありますので、キャリアコンサルタントを仕事にしたい場合は国家資格を取っておいた方がいいでしょう。キャリアコンサルタントの国家資格は、更新制度が設けられていますので、5年ごとに更新講習を受講しなければなりません。

キャリアコンサルタントの国家試験受験資格とは

キャリアコンサルタントの国家資格を受験するためには、以下のどれかを満たすことが必要です。

  • 厚生労働大臣が認定した講習を受けて修了した人
  • 労働者の職業の選択、職業生活設計または職業能力開発及び向上のどれかに関する相談に関して3年以上の経験を持っている人
  • 技能検定キャリアコンサルティング職種の学科試験または実技試験に合格した人
  • 平成28年3月までに実施されていたキャリアコンサルタント能力評価試験の受験資格となっている養成講座を終えた人

一番最初に挙げた厚生労働大臣が認定した講習とは、民間団体や民間企業が複数実施しているので探して講習を受けるのが一番の近道です。

キャリアコンサルタントの国家試験難易は高い?気になる合格率

キャリアコンサルタントの国家試験の難易度はどのくらいなのでしょうか。試験は実技と学科がありますが、今までの合格率は実技と学科ともに平均40~50%ほどです。この結果を見ると、誰でも簡単に合格できる試験ではないことが分かります。

キャリアコンサルタントとして働く

キャリアコンサルタントが活躍する場所はどんなところ?

  • 企業で資格を生かす
  • キャリアコンサルタントの資格を生かすために、人材派遣会社などに就職をして人材コーディネーターとして働いている人がいます。転職を考えている人へのアドバイスをする再就職支援会社などでも知識を生かして活躍できます。

  • 企業の人事部で活躍する
  • キャリアコンサルタントの仕事は、相談者のスキルアップやキャリアアップを後押しする仕事です。この仕事は企業の中でも生かすことができます。社内でキャリアプランニングを作り、社員のスキルアップをサポートしたり、スキルアップのために何をしたらいいのか、支援する仕事もできるのです。

  • 独立する
  • キャリアコンサルタントの国家資格を取得し、経験を積んでから独立するという働き方もあります。自分で会社を作る人もいますし、企業から委託されて仕事をしながらセミナーなどの講師をする人もいます。企業では自己啓発を目的に、社員に社外研修に参加させるところもあり、この研修で講習を行うキャリアコンサルタントもいます。

    独立するとき、キャリアコンサルタント以外に他の資格を取得するダブルライセンスが有利になる場合があります。ファイナンシャルプランナーや中小企業診断士、社会保険労務士などの資格を持っていると活躍の場が広がるでしょう。

キャリアコンサルタントの収入

キャリアコンサルタントの年収平均は300万円~400万円程です。キャリアコンサルタントの資格を取って、業務委託やパートタイマーで働く人もいるため、平均年収は少し低めになっています。その一方、人材紹介企業で活躍したり、独立して成功しているキャリアコンサルタントの中には年収を1,000万円を超えているひともいるのです。

キャリアコンサルタントとしてのやりがいと苦労とは

キャリアコンサルタントとしてのやりがい

  • 人の役に立てる
  • キャリアコンサルタントの仕事は、悩みを抱える人の相談になることです。就職や転職、キャリアに関してどうしたらいいのか悩みを持った人を相手にするので、時には一緒に悩むこともありますし、人の人生の方向性を決める手助けをするため責任は重大です。

    相談者と一緒に道を模索し、どうしたら良い方向へ行けるのかを考えて進む道を定めていきます。悩みを抱えて暗い顔をしていた相談者が、自分の道を見つけて明るい表情になっていくとき、キャリアコンサルタントとしてのやりがいが感じられる瞬間です。

  • 自己の成長につながる
  • キャリアコンサルタントの仕事の目的は「就職や転職、キャリアアップを目指す相談者の力になること」ですが、相談内容はさまざまで一人ひとり性格や考え方も違うため、同じ対応をすることはありません。カウンセリングを何回も行うことで、この人にはどのような対応でどのようなアドバイスが適切なのかを考えていきます。

    常に良いアドバイスができるように、自分自身も色々な業界の仕事について勉強していなければなりませんし、アンテナを張って情報を得ることが必要です。日々の勉強や人と接する中で、自分自身も成長できるのはやりがいにつながるのではないでしょうか。

  • 色々な価値観を持った人に出会える
  • 人間は誰一人同じ人はいません。考え方や感じ方はそれぞれ違いますし、生活環境や仕事への意識もそれぞれです。キャリアコンサルタントをしながら、色々な価値観を持った人に出会えるのは楽しいことでもあり、時には悩みを抱えることもあります。色々な人と接してさまざまな価値観に出会えるのは自分の視野が広がることにもつながります。

キャリアコンサルタントとしての苦労

  • 難しいケースに
  • 相談者は色々な悩みを抱えています。その悩みは一人ひとり違いますし、価値観や立場なども異なります。キャリアコンサルタントは人のためになりたいと強い意志を持った人が多いため、相談者の抱える悩みを一緒に考え、悩んでしまうこともあるでしょう。キャリアコンサルタントとして適切な仕事をするためには、冷静さを失わず客観的に物事を見られるようにすることが大切です。

  • 仕事とプライベートの切り替えが難しい
  • キャリアコンサルタントの仕事は人と話をして、その人に合ったキャリアアップの方法を考えて提案します。仕事熱心であればあるほど、相談者にはどのような方法がいいのだろうか、と仕事が終わってからも考え込んでしまうこともあります。家に居てもあの人にはあの方法で合っているのだろうか、などと思い悩んでしまうこともあるでしょう。しかし、良い仕事をしていくためにはオンとオフの切り替えをして、気持ちをリフレッシュさせることが重要です。

  • 常に勉強が大切
  • キャリアコンサルタントの仕事は常に勉強が必要です。カウンセリングのスキルだけではなく、雇用管理についてや社会保険制度、各業種についての業務内容なども勉強が必要です。毎日新聞やニュースで必要な情報を得ることは仕事の一つでもあり、学ぶことに終わりはありません。相談者の精神的なことにも敏感でいなければなりませんので、メンタルヘルスに関わることも学んでおく必要があります。相談者のスキルアップのみならず、自身が常にスキルアップをしていかなければなりません。

キャリアコンサルタントは常にスキルアップが必要!

人のキャリアについて相談を受け仕事をするキャリアコンサルタントですが、重要なのは自身のスキルアップです。相談に来る人は色々なパターンの悩みを抱えています。他人のスキルアップを手助けするためには、まず自身が常に勉強を怠らず、スキルアップを目指して努力していることが大切です。自分のスキルアップを通して見えてくることがたくさんあります。その経験を仕事に生かすことは重要です。

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