美術スタッフの仕事内容とは?大学や求人状況・収入について

美術スタッフとは、テレビや映画、舞台の世界を目に見える形にする仕事です。テレビ局なら何もないスタジオにバラエティ番組、歌番組、ドラマ現場など様々な空間にしなければなりません。そのため作品を制作する上で居なくてはならない存在です。ここでは美術スタッフという仕事についてまとめています。仕事内容や年収、将来性など見ていきましょう。

映画や舞台を支える美術スタッフの具体的な仕事内容とは

現場の規模によって違いはありますが、美術スタッフと言っても美術監督、装飾や小道具、大道具などいくつかに分かれて作品の美術を担当しています。美術に関する物だけではなく、決められた予算内に抑えることも重要です。

美術監督

海外ではプロダクションデザイナーとも呼ばれ、セット設計の総責任者として扱われています。素晴らしい出演者が演じていても、リアリティがない世界では観る方も惹き込まれません。江戸時代の作品にペットボトルが配置されていたり、設定上の時代以降に誕生した物が置かれていると興ざめですよね。物語の世界を再現するのはとても大切なため、監督の次に重要な仕事とされています。

装飾

出演者が身につける物であったり、現場の飾り付けを担当しています。小道具と区別されない場合も多いです。小道具も装飾も使用した物は全て管理します。たとえ高価な物でなくても、撮り直しがあった時にこれまで使っていた物と違うと違和感が出ます。そうならないために使ったもの全て管理、保管しておく必要があるのです。

小道具

椅子やカップなど出演者が使用するもの、消え物と呼ばれる食べ物などを調達、管理します。小道具は現場で制作するものもあれば外注やレンタルすることもあります。それを組み立て、配置するのも小道具の仕事です。

大道具

大道具は外注か現場かによって変わります。外注だと工場で制作します。現場であれば現場スタッフです。背景や家屋など大きなものを作るため材木の加工技術や画力が必要です。「セットを作る」というと、ほとんどが大道具の仕事になります。大道具とは関係ないようですが、紙吹雪を吹かせるなどの仕事も大道具が担当します。

美術スタッフになるには?

美術スタッフになる方法は調べてみないと見当がつきませんね。どうすれば美術スタッフという仕事に就けるのかを見ていきましょう。

美術スタッフに資格は必要?

美術スタッフは資格がなくても仕事ができます。また、これといって取得しておく必要がある資格もありません。資格がないからこそ、経験や技術で勝負しなければならない世界です。そのためフリーの美術監督に弟子入りして経験を積むという方法も取ることができますが、誰でも弟子入りすることはできないので狭き門になります。

美術スタッフになるには美術系の大学や専門学校に通う

作品で使う物をいきなり作れと言われても作るのは難しいと思います。現場にいきなり入っても一から教育してくれる余裕があるところの方が少ないので、美術系の大学や専門学校でデザインや造形、制作などの技術を学んでから就職を目指す方法が一般的です。学校に通いながらアルバイトを続けて正社員になるという道もあります。

美術スタッフの働き方と求人先

美術スタッフの収入や休日は?

収入はそれほど高くなく300万~600万円の範囲内です。アルバイトだと時給1000円前後。美術監督になれば500万~1000万になります。ハードなわりには収入が多くないという印象ですが、どこに就職するかによっても違いがあります。
休日も就職先によって違いがあり、納期に追われて休めない職場もあれば、週1日は必ず休みを確保してくれる会社もあります。求人に応募する際はしっかり確認しておきましょう。

美術スタッフの雇用形態は正社員またはアルバイト

辞める人も多いため人手不足の業界と言われています。そのため正社員の求人であっても比較的簡単に見つけることができ、正社員以外にもアルバイトや契約社員の雇用も多いです。現場を知るためにアルバイトをしていたら声がかかって正社員になった、という話も美術スタッフではよくあります。卒業するタイミングで正社員に、学校在学中であればアルバイトとして働くことが一般的です。

美術スタッフの就職先はテレビ局や子会社

バラエティー番組やドラマ、スポーツ、ニュース番組、CMやPVなどテレビ局が制作する様々な番組に携わることができます。社員なら給料もいいですが、求人が少なく、大卒が1つの条件になっているところが多いようです。大手のテレビ局に就職したいなら狭い枠を勝ち取るしかありません。

美術スタッフの就職先は舞台技術専門会社

映画や舞台で使うセットや小道具を制作する会社です。様々な会社があるので労働条件などは会社によって異なります。短期でアルバイトを募集しているところが多く、求人が見つけやすいです。

美術スタッフに向いている人

制作が好き

何より制作することが好きな人。美術監督でも小道具でも大道具でも、デザインや造形など作ることが仕事です。制作が好きでなければ務まりません。どんな仕事でも楽しいと思えないと苦痛になりますよね。

責任感が強い

納期が必ずあるため期限を守ることは大前提です。また、クライアントの要望を聞いて細部まで精密に制作に取り組むことや情報収集も大切なので、難しくても最後まで投げ出さない責任感が必要です。

創造力がある

クライアントの指示や意見が大まかなことも多く、台本などを読み込んで世界を作り上げなければいけません。そのため高い創造性が求められます。ファンタジーでは特に、創造性は必要ですが、リアリティがないと世界が破綻してしまうためバランス感覚も大切です。

体力に自信がある

現場によっては長時間労働になり、大道具なら特に力を使う作業が多く、体力が必要な仕事です。健康でないと続けられません。

美術スタッフの将来性

クリエイティブな仕事は機械にはできない

物語の世界を創造する仕事は機械が取って代わることはできません。それらしくすることはできても、細部はやはり人の手が必要でしょう。そのため、これからもなくなる可能性がなく、今後も需要はなくならない仕事だと言えます。

何歳になっても続けられる

会社に勤めていれば定年がありますが、フリーランスなら何歳になっても美術スタッフを続けることができます。求められるだけ現場に携わることができるのでやりがいもあります。

女性の美術スタッフとしての活躍

  • 体力仕事のため現場はほぼ男性
  • 美術スタッフは体力が必要なため働く人の多くは男性です。そのため対等に仕事をするとなるととても大変ですが、女性の視点も必要とされています。

  • やりがいがありすぎて婚期が遅れることも
  • 制作が好きなら仕事が楽しすぎて恋愛が疎かになりがちです。その結果、婚期が遅れることも。女性の幸せは結婚だけではないので、仕事にやりがいを求める女性にとっては嬉しいかもしれません。

  • フリーランスという働き方もある
  • 結婚、出産を経験した後の正社員勤務は難しい場合があります。短時間でも、子どもが熱を出したら毎回早退するのは厳しいかもしれません。結婚や出産までに経験を積んでおきフリーランスに転向しておくと、必要な時だけ仕事を請けることも可能です。家事や育児をしながらでも無理なく働くことができると思います。

美術スタッフはハードな分だけやりがいがある仕事

いかがでしたか?美術スタッフについて見ていきました。美術スタッフという仕事は美術監督や小道具、大道具などいくつかに分かれていて、仕事内容や大変さも違いがあるのが分かりました。
1つの作品を作り上げるという仕事はやりがいも大きいですが、いろんな人の手が加わる分とても大変で精神的にも肉体的にもハードになりがちです。でも、それだけやりがいは大きいです。悩んでいるなら、どんな世界か知るためにアルバイトをしてみるといいですよ。

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