助産師が教える!母乳育児を成功させる秘訣とは?メリット・デメリットも詳しく解説

助産師が教える!母乳育児を成功させる秘訣とは?メリット・デメリットも詳しく解説

ほり まや

赤ちゃんが生まれて、あなたは母乳で育てたいですか?それともミルクで育てたいですか?赤ちゃんにとって母乳育児が良いことであることは誰もが知っていることでしょう。しかし、母乳育児がうまくいかずに困っているお母さんはたくさんいます。そこで今回は母乳育児を成功させるコツについてお伝えします。

記事の目次

[1]母乳育児について

母乳育児を成功させるコツは、まず正しい知識・情報を知っていることです。そこで、お母さん達に母乳育児を行う上で知っておいてほしいことをお話します。

母乳が出るしくみ

妊娠するとお母さんの体の中では、女性ホルモンのエストロゲンが増加します。このエストロゲンにより乳腺が発達して、母乳を作る工場の準備を始めます。しかし、妊娠中からこの工場が動き出して母乳が出るわけではありません。エストロゲンは母乳を作る工場が作動しないようにするストッパーの役割を果たすのです。

赤ちゃんが生まれた後、赤ちゃんに栄養を与えていた胎盤も必要なくなるため、排出されます。この胎盤にエストロゲンがたくさん入っているため、胎盤の排出とともに多くのエストロゲンも排出されます。エストロゲンがお母さんの体から少なくなることで母乳工場の作動を止めていたストッパーが外れるのです。

また、赤ちゃんがお母さんの乳首を吸うと、プロラクチンオキシトシンという二つのホルモンがお母さんの脳の中で分泌されます。このプロラクチンが母乳を作って、オキシトシンの作用によって母乳が出るようになります。そして、このプロラクチンとオキシトシンの二つのホルモンはお母さんが赤ちゃんを『かわいい』『守ってあげたい』と思う気持ちを作り出すホルモンでもあります。

赤ちゃんはお弁当と水筒を持ってくる

ただ、赤ちゃんが生まれてすぐから赤ちゃんに必要な分だけ母乳が出るわけではありません。生まれて2~3日はお母さんの体も準備をしている時期で、母乳の分泌はほんの少量です。中にはじわっと母乳がにじむくらいにしか出ない人もたくさんいます。そもそも生まれてすぐの赤ちゃんの胃の容量は5mlほどと言われています。産まれて3日目で25ml、1週間で50mlほどに徐々に大きくなっていくのです。そのため、赤ちゃん自身も母乳を飲める量は少なく、すぐに消化されてお腹がすきます。

また、10ヶ月までお腹の中で育った赤ちゃんは生まれて2~3日くらいはわずかなおっぱいでも生きていけるようにお弁当と水筒を蓄えてくると言われています。その蓄えていたお弁当と水筒を使うため、生まれて2~3日すると体重が減ってしまいます。しかし、4~5日目から母乳の分泌が増え、母乳を飲む量が増えてくるために、体重が増えていきます。10ヶ月より早く生まれた赤ちゃんはこのお弁当と水筒を蓄えることができないために、生まれてすぐから医学的にミルクや点滴などで栄養が必要になります。

母乳育児の授乳間隔と授乳時間

先ほどお話ししたように赤ちゃんの胃の容量は徐々に大きくなっていきます。生まれて1ヶ月で80~150mlほどになります。

また、母乳はミルクより消化吸収が早いのです。消化に必要な時間がミルクは3時間ほどかかるのに対して、母乳は90分で消化すると言われています。それはミルクと同じ量の母乳を飲んでいても母乳のほうが早くお腹が空いて泣き出すということです。そして赤ちゃん自身が吸った分だけ母乳が出るため、ミルクのように毎回同じ量を飲むわけではありません。

そのため、母乳育児の場合3時間ごとに授乳という決まった授乳間隔があるわけでなく、赤ちゃんが泣いたり、口をパクパクしたりして飲みたそうにしたときは、いつでも授乳してよいのです。生まれて1ヶ月くらいまでの赤ちゃんは1日15回以上の授乳回数でも問題ありません。赤ちゃんの体重が増え、体力がついてくると、1回に母乳を飲む量がふえてくるため、授乳回数減ってきて、赤ちゃん自身のペースが出来てきます。

また、1回の授乳時間についてですが、お産した病院によっては片方5~10分ずつ、トータル30分以内に授乳を終えましょうと言われたお母さんもたくさんいると思います。しかし、それは大体の目安です。赤ちゃんによってはもっと早く母乳を飲んでお腹いっぱいになる子もいれば、逆に時間がかかる子もいます。必ず毎回両方飲ませないといけないわけでもありません。お母さんのおっぱいが次の授乳時間まで張ってどうしようもなく痛くなるなどの問題がなければ片方で授乳が終わった場合、次は逆から飲ませてあげればよいのです。1日通してだいたい両方同じくらい飲んでくれればいいかなくらいの気持ちで授乳しましょう。

ただ、1回の授乳時間が30~40分以上かかる赤ちゃんは遊び飲みをしている場合もあります。授乳中赤ちゃんの飲み方をみて、明らかに飲んでいるより遊んでいるなと思う時は、授乳をやめて抱っこして赤ちゃんに声掛けをしたり、遊んであげたりすることも一つの方法です。母乳育児を行っていく上で一番大切なことは赤ちゃんがほしがる時にほしがるだけ授乳を行うことです。

母乳育児はいつまで続けるの

母乳育児を続ける時期はお母さんとその赤ちゃんによって違い、決まりはありません。離乳食が開始し、自然と母乳を飲まなくなる赤ちゃんもいれば、お母さんの仕事や様々な理由で母乳育児を中止してミルクに変える場合もあります。平均的には離乳が完了する1歳~1歳半を過ぎたあたりで母乳育児を終了する人が多いですが、世界的には2歳以上まで母乳育児を続けることを勧められています。時期が来たから無理に母乳育児をやめるのではなく、3~4歳まで母乳を飲ませても問題ないのです。また次の子どもを妊娠した時でも、お腹が張る切迫早産になっていなければ、母乳育児は続けていいと言われています。母乳育児をやめる一番ベストな時期は赤ちゃんが自然に母乳から離れる時期です。

母乳育児をやめたいときは

お母さんの中には母乳育児にストレスや負担を感じ、やめたいと思っている人もいらっしゃいます。日本のミルクは世界で一番安全で高品質と言われています。母乳で育てられることは理想ですが、母乳育児をやめたから母親失格と自分を責める必要はありません。母乳育児のストレスでお母さん自身が追い詰められ、育児をしたくないと感じてしまうことの方が赤ちゃんにとってもストレスを与えてしまいます。お母さん自身が育児を楽しいと思える方法が一番です。

ミルクをオススメするケースもある

大半の病気では問題ないのですが、以下の場合には母乳育児を中止してミルクをオススメしています。

  • 成人T細胞白血病(ATL)やエイズに感染している
  • 成人T細胞白血病(ATL)やエイズに感染している場合、母乳を通して赤ちゃんにも感染するため、母乳育児を中止しています。

  • お母さんが特別な病気を患っている
  • お母さんががんを患っており、抗がん剤治療や放射線の治療を行っていたり、精神的な病気により、強い向精神薬を飲んでいたりする場合も母乳育児を中止することがあります。

どちらの場合も、勝手に母乳育児をやめるのではなく、医師と相談することが大切です。

[2]母乳育児のメリット(赤ちゃん編)

母乳育児のメリットとはなんでしょうか?逆にデメリットは本当にデメリットでしょうか?一緒に考えてみましょう。まずは赤ちゃんにとってのメリットについて説明します。

赤ちゃんが安心できる

母乳を与える時、お母さんと赤ちゃんの肌は自然と触れ合います。肌が触れ合うことにより、赤ちゃんはお母さんの匂いや肌のぬくもりを感じることができ、安心感を得ることができます。

病気から赤ちゃんを守る

赤ちゃんが生まれて最初の2~3日は黄色い初乳という母乳が出ます。この初乳には赤ちゃんを病気から守るための免疫物質がたくさん入っています。また、口や鼻、胃や腸、そして肺など体中の粘膜にバリアを作り、ウイルスや細菌が入ってくるのを防ぎます。そのため、病気にかかりにくく、治りも早いと言われています。また、アレルギーの予防にも効果的です。

パーフェクトでオーダーメイドな栄養

母乳には赤ちゃんに必要なタンパク質、脂肪、乳糖、ビタミン、ミネラル、ホルモン、酵素が入っています。また、消化、吸収も早いため、赤ちゃんの体に負担をかけません。それに加え母乳には、小さく生まれた赤ちゃんにはその子に必要な栄養、逆に大きく生まれた赤ちゃんにはその子に必要な分だけの栄養が取れるように、その赤ちゃんとお母さんの状態に見合ったオーダーメイドな成分になっています。

あごの発達を促すことにより脳に刺激を与える

赤ちゃんにとって母乳を飲むことは、哺乳瓶でミルクを吸うよりも顔全体の筋肉を使い、強い力が必要になります。このことにより、あごの発達を促します。あごの発達を促すことにより、脳に刺激を与え、脳の発達を促すことにつながります。また母乳にはドコサヘキサエン酸(DHA)を多く含んでいるため、母乳を飲んでいる子は頭のいい子に育つというデータもあります。

太りすぎて生活習慣病になることを防ぐ

母乳は飲み始めから飲み終わりまでの間に濃度が変化していきます。飲み始めはタンパク質やミネラルが多いですが、飲み終わる頃には脂肪分が多くなっていきます。その成分濃度の違いによって飲みすぎをコントロールします。このコントロールにより、太りすぎて将来生活習慣病になることを防ぎます。

乳幼児突然死症候群の予防になる

理由は分かっていませんが母乳育児を行うことで、乳幼児突然死症候群の予防になると言われています。

[3]母乳育児のメリット(お母さん編)

母乳育児は赤ちゃんだけでなく、お母さんにとってのメリットもたくさんあります。続いてそのお母さんにとってのメリットについて説明します。

お産後の回復が早くなる

赤ちゃんがお母さんの乳首を吸うとオキシトシンが分泌されます。このオキシトシンには子宮収縮を促し、大きくなった子宮を妊娠前の大きさに戻す働きがあります。このことによりお産後のお母さんの体の回復が早くなります。

産後のダイエットに

母乳育児は産後のダイエットに効果的です。妊娠中にお母さんの体に蓄えられた脂肪は母乳の成分に変化します。そのため母乳育児を行っていると、お母さんの体から無理なく脂肪が落ちて体重が減っていくのです。

子宮体がんや乳がん、卵巣がんの予防になる

母乳育児を行っている間お母さんのエストロゲン値が低くなり、子宮体がんや乳がん、卵巣がんになるリスクが低くなるというデータもあります。

いつでもどこでも新鮮な母乳を与えられる

ミルクは作らないと与えることができません。ミルクを作るためには消毒したきれいな哺乳瓶や70℃以上のお湯、そしてそのお湯で作ったミルクと冷やす時間が必要です。しかし、母乳の場合はお母さんがいれば、いつでもどこでも新鮮な母乳を赤ちゃんに与えることができます。

お金がかからない

離乳食が始まる前くらいの一番赤ちゃんがミルクを飲む時期で、ミルク代は月々平均7000円ほどかかります。また、哺乳瓶の消毒液や哺乳瓶代、お湯を沸かす電気代もかかります。母乳育児は、それらの費用がいらないため、お金がかからず経済的なのです。

避妊ができる

母乳育児を行っていると、ミルクだけで育てているお母さんよりも月経が再開する時期が遅くなります。それは、お母さんの乳首を赤ちゃんが吸うことで分泌されるプロラクチンにより、排卵を抑制するからです。排卵を抑制するということは自然な避妊ができるということです。

[4]母乳育児のデメリット

母乳育児にもデメリットがあります。そのデメリットについて説明します。

ビタミンKが少ない

母乳にはビタミンKが少なく、赤ちゃんにとってビタミンKが不足してビタミンK欠乏性出血症という病気にかかりやすくなります。そのため、日本では生まれてすぐと退院前、1ヶ月健診の時に赤ちゃんにK2シロップというビタミンKを補う薬を飲ませています。

お酒が飲めない

母乳はお母さんの血液から作られます。お母さんがお酒を飲むと血液中のアルコール濃度が上がります。そのアルコールは母乳に移行するため、母乳育児中のお母さんはお酒が飲めません。お酒が好きなお母さんにとって、お酒が飲めないことはストレスでしょう。しかし、その母乳育児の期間が一生続くわけではありません。長くても2~3年です。その間だけでもお酒を控えてみてはいかがですか。

食事に気を使う

お母さんが食べたものが母乳を通して赤ちゃんに移行することを考えると、添加物の多いインスタント食品を控えたり、カフェインをとらないようにしたりと食事に気を使う方もいらっしゃるでしょう。しかし、本当にこれはデメリットでしょうか。食事に気を使うということは母乳育児をしているからというわけではなく、お母さん自身の健康を守る上でとても大切なことです。この機会を上手く利用して、お母さん自身の健康を手に入れましょう。

薬が飲めない

薬局や産婦人科以外の病院で薬をもらう場合、授乳をやめるように言われることがあります。しかし、大半の薬では母乳を飲ませても問題ありません。薬局や産婦人科以外の病院で薬をもらった場合は、お産した産婦人科の医師に相談して薬を飲むことをオススメします。

赤ちゃんを預けるときに大変

お母さんだけ外出する時は搾乳を行って冷凍保存をしておくと、ミルクを足さずに母乳育児を続けることができます。しかし、母乳だけで育児を行っている場合、赤ちゃんが哺乳瓶の乳首を吸ってくれないことがあるため、赤ちゃんを預けるときに大変と言われます。哺乳瓶の乳首を吸ってくれない場合でも、赤ちゃんはスプーンで飲ませると飲んでくれます。母乳育児を行うことで、必ずしも赤ちゃんを預けられなくなるわけではないのです。

お母さんが休めずしんどい

母乳育児を行っていると、なかなかまとまった睡眠時間をとることができずにしんどいと感じてしまうことがあります。特に赤ちゃんの授乳ペースができるまでの1~2ヶ月は母乳育児がとてもしんどく感じてしまいます。しかし、実は母乳育児を行うことで分泌されるオキシトシンは寝つきを良くし、短時間で深い睡眠パターンを作ってくれたり、お母さんの気持ちを穏やかにしたりする働きがあるのです。そのため、授乳をしながらいつの間にかお母さん自身がうとうとと寝ていたなんてこともあります。授乳はお母さんの仕事ですが、同時に心と体を休憩させる時間でもあるのです。

お母さんの体への負担

母乳育児を行っているとおっぱいのトラブルを起こすことがあります。

乳腺炎

赤ちゃんが授乳を終えても、おっぱいに岩のように硬いところや痛いところ、熱をもっているところがあるときは乳腺炎になっている可能性があります。そのような時は搾乳を行ってみましょう。しかし、搾乳を行っても良くならない時、または、どうしてよいのかわからない時は早めにかかりつけの産婦人科へ相談することをオススメします。

乳首の亀裂や痛み

乳首の吸われ方が浅いと乳首が切れて出血したり水泡が出来て、痛みが出ることがあります。そのような乳首のトラブルを起こさないようにするには乳首をできるだけ深く吸わせることです。どのような抱き方でも、赤ちゃんの口が朝顔のように上下しっかり開いた形で吸わせましょう。また、乳首のトラブルがある時、母乳や保湿をするためのクリームや馬油をその傷の部分につけると治りが早いです。成分100%の馬油であれば拭き取らずに赤ちゃんに授乳しても問題はありません。他にも産婦人科や薬局には赤ちゃんの口に入っても問題ないクリームを販売しています。

骨粗鬆症になりやすいのは本当?

母乳育児を行うことでお母さんのカルシウムを母乳にとられるため骨粗鬆症になりやすいと言われていますが、そういうわけではありません。むしろ最近の研究では母乳を長く行ったほうが、授乳を終えてからカルシウムが補充されることで骨粗鬆症になるリスクが低くなると言われています。

煙草を吸うお母さんは注意が必要

煙草に含まれているニコチンは母乳を通して赤ちゃんに移行してしまいます。このニコチンを多量に与えられた赤ちゃんは嘔吐や下痢などの症状がでたり、将来多動になるリスクが高くなるというデータがあります。母乳育児を行っている間、煙草を吸わないにこしたことはありません。

しかし、どうしても煙草をやめられないお母さんもいるでしょう。煙草をやめられないから、母乳育児をやめるのではなく、その場合でも、母乳育児を続けてください。それは、母乳育児により煙草の煙が原因で起こる、肺炎や気管支炎、喘息などの呼吸器の病気のリスクを低くするためです。

また、両親が煙草を吸っている場合、乳幼児突然死症候群のリスクが高くなると言われますが、母乳はそのリスクを減らすこともできます。母乳育児を続けることで煙草の害から赤ちゃんを守ることにつながるのです。もちろん煙草を吸う時は赤ちゃんのいる部屋では吸わないようにして、煙草の本数も少なければ少ないほうがいいに決まってます。また、お母さんの体内に入ったニコチンは1~2時間で減り始めるため、煙草を吸ってすぐは直接母乳を与えるのではなく、煙草を吸う2時間ほど前に搾乳をしていた分を与えるというのも赤ちゃんにニコチンを与えない一つの方法です。

[5]母乳育児を成功させるためのコツとは

直接母乳を飲ませていると、ミルクや搾乳のように赤ちゃんがどのくらい母乳を飲んでいるかはっきりした量がわかりません。そのため、母乳を飲ませても赤ちゃんが泣きやまないと母乳が足りていないのではないかと不安になります。そこで、母乳のが足りているサインを知り、本当に足りていなくて泣いているのか考えてみましょう。

母乳が足りているサインを見逃さない

母乳が足りているサインは主に3つあります。まず、体重が増えていることです。3ヶ月までの体重増加は1日平均25~30gです。世界保健機構(WHO)では生後6ヶ月までの赤ちゃんで1日の体重増加が18~30g以上あればしっかり母乳が足りていると言われています。

次に、赤ちゃんのおしっこ、うんちが毎日しっかり出ていることです。母乳が足りている赤ちゃんは授乳のたびにおしっこをしたり、うんちの量も多いです。おしっこが1日6回未満だったり、明らかに毎回おしっこの量が少なく色が濃い場合、また、うんちが2~3日出てなくて、出たとしても少量の場合は母乳が足りていない可能性があります。

そして母乳を飲んで生き生きと元気にしていれば足りています。逆に母乳を飲んだ後も機嫌が悪く、ぐったりした様子だと足りていないというサインです。これらのことがあり、母乳が足りていないと感じた時は、まず医療者と相談しましょう。1ヶ月健診が終わる前であれば出産した産婦人科で、それ以降であればかかりつけの小児科やお住まいの地域の子育てサポートセンターで相談することをオススメします。

母乳の飲ませすぎにも注意する

逆に母乳を飲ませすぎて、授乳の後にも泣き止まないケースもあります。私たちもごはんを食べすぎると苦しくてきつい時がありますよね。赤ちゃんも母乳を飲みすぎて胃が苦しい時は機嫌が悪くなるのです。飲ませすぎのサインについても説明します。まず、赤ちゃんの体重が1日50g以上増えているときは飲ませすぎの可能性が高いです。また、よく吐く、のどがゼコゼコ鳴っている、鼻づまりがある、お腹が張っている、よくいきんだりうなっているなどの様子があるときは飲みすぎています。母乳を飲ませすぎている時は、泣いたらすぐ授乳をするのではなく、抱っこや赤ちゃんと遊んで気をそらしてみましょう。

[6]母乳育児がうまくいかないときの対処法

母乳育児を行っていてうまくいかないなと感じたりくじけそうになることは誰にでもあります。そのようなときの対処法をお伝えします。

心と体の休憩をとりましょう

眠れていなくて体が疲れていると、母乳が出なくなります。そして、母乳が出ないことでさらにストレスを感じ、母乳の分泌を減らしてしまうという悪循環をまねきます。赤ちゃんが眠っている間はお母さんにとっても休憩の時間です。赤ちゃんと一緒に体を休めることで、心もすっきりすることにつながります。この心と体の休憩により母乳の分泌が復活することも多いのです。

バランスのとれた食事が大切です

母乳育児を行っているからといって特別な食事をしなければいけないわけではありません。食べてはいけないものがあるわけではないのです。大切なことはバランスのとれた食事をすることです。バランスのとれた食事と言われてもなかなか難しいでしょう。母子手帳の中には妊娠中と産後の食事の目安というページがあり、そのページを参考にすることをオススメします。

また、脂肪分の多い食事やお菓子などの糖質を取りすぎることで乳腺炎になりやすいため、食べ過ぎないようにしましょうと言われることがあります。しかし、どんなに食べても乳腺炎にならない人もいれば、逆に注意をしていても乳腺炎になってしまう人もいます。おっぱいの状態と相談しながら食べることが大切なのです。

体をほぐして温める

母乳は血液からできているため、肩回しや背伸びをして体をほぐしたり下半身を温めて血流を良くすることで母乳が出やすくなります。また、温かい飲み物を飲むこともオススメです。

ミルクを上手く利用する

母乳育児がすべてではありません。何が何でも母乳で育てる必要はないのです。本当に足りない分をミルクで補うことで育児がしやすくなるのであればそれでよいのです。ただ、ミルクを足しすぎることで母乳を飲む量が減ると母乳の分泌自体が減ってしまうことがあります。そうなってしまっては元も子もありません。ミルクを足す量は医療者と相談しましょう。

[7]母乳育児を成功させるには

本当に母乳が出なかったり、赤ちゃんに母乳をあげられなかったりするお母さんは100人に2~5人と言われています。ほとんどの場合、赤ちゃんを産むと自然に母乳が出るようになります。しかし、周りのサポートや間違った知識のために母乳育児が成功しないお母さんがたくさんいらっしゃるのも事実です。母乳育児を成功させるためには、正しい知識、情報をお母さん自身とそのお母さんを支える家族が知っていること、そして、母乳育児を行っているお母さんを支える周囲の温かい励ましがあることです。また、母乳育児を行えない場合でも、お母さんは赤ちゃんにとって一番大好きな存在です。抱っこして、目を見つめて、語りかけることで母子の絆は強くなります。それは育児にとって一番大切なことなのです。

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