マタニティブルーはいつからいつまで?セルフチェックや原因と対策

待ちに待った赤ちゃんの妊娠や誕生。でも、なんだか不安でイライラする…自分の気持ちをコントロールできずに戸惑っていませんか?もしかしたらそれ、マタニティブルーかもしれません。マタニティブルーの症状や原因、時期、対策についてみていくことにしましょう。

マタニティブルー(マタ二ティブルーズ)とは

マタニティブルーとは、正式にはマタニティブルーズといい、出産後に起こるママの気分の落ち込みを指します。最近では妊娠中の気分の落ち込みに対しても使うようになり、妊娠中から産後にかけての気分の落ち込みを指すことが多くなっています。

症状には個人差がありますが、突然悲しい気持ちになる、漠然とした不安、わけもなく涙が出る、夫や周囲の人にイライラするなどの症状があり、泣いていたかと思うとすぐ笑顔になるなどの情緒不安定な状態になるのが特徴です。マタニティブルーは特別な状態ではなく、妊娠中や産後であれば誰でもかかりやすい症状の1つです。決してママの心が弱いわけではありませんので自分を責めないようにしましょう。

マタニティブルーの原因は?

マタニティブルーの原因は大きく分けて2つ考えられます。

1つ目は妊娠、出産によるホルモンバランスの変化です。赤ちゃんを妊娠するとエストロゲン、プロゲステロンなどの女性ホルモンの分泌が増えていきます。しかし、出産を機にこれらのホルモンの分泌がなくなり、次は母乳を出すためのプロラクチンというホルモンが分泌されます。このような急激なホルモン変化によってママはホルモンバランスを崩し、脳の神経伝達にも影響が出ることで、不安な気持ちや孤独感を感じるようになります。

2つ目は子育てへの不安や孤独感です。無事出産できるだろうか、ちゃんと子育てできるだろうかなど今までとの急激な環境の変化やプレッシャー、また睡眠不足などママ自身の身体的なストレスが要因となりマタニティーブルーを引き起こします。また、核家族の増加や、パパの帰宅が遅いなど、子育てをするママの環境は以前と比べ孤独を感じることが多く、そのこともマタニティブルーに拍車をかけているともいえます。

マタニティブルーはいつからいつまで?産後うつと産後クライシスとの違い

マタニティブルーは本来、産後のママの精神状態を指します。分娩直後から産後7~10日以内にみられ、2日~4日が発症のピークとされていますが、妊娠中の精神状態も含めると、早い人では妊娠初期から始まる方もいるようです。妊娠中だけの人や産後だけ、1人目だけの場合などいつ症状が出るのかは人それぞれで個人差があります。

時期には個人差があるもののマタニティブルーは、短期間で症状が出て良くなる一過性のもので、そのほとんどは1週間から10日間くらいで快方するといわれています。産後、マタニティブルーが2週間以上たっても改善しない場合は、産後うつの可能性があります。産後うつは、マタニティーブルーのように一過性のものではなく、数年続くこともある列記とした病気です。産後うつの場合には、精神科などでの治療が必要で精神療法や薬による治療、ストレスを軽減するための入院治療などが必要となります。

また、産後クライシスとは、出産後2年以内に夫婦の愛情が急速に冷え込む状態のことを指します。なんと産後2年以内に離婚する夫婦の割合は全体の35%といわれています。女性は妊娠、出産を経て妻から母親へとすぐに気持ちが変化していきますが、男性の生活にはあまり変化がなく父親としての自覚もママに比べて遅くなりがちです。しかしママは自分と同等の働きをパパにも期待してしまい、うまくこなせない夫に対してのイライラが溜まってしまいます。しかし、これもホルモンバランスの変化や環境変化、身体へのストレスが原因として考えられるため周囲の理解が必要です。

もしかしてマタニティブルー?セルフチェックしてみよう

マタニティブルーの症状には個人差がありますが代表的な例として以下のようなものがあげられます。セルフチェックしてみましょう。

  • わけもなく突然涙があふれたり、泣きたくなる
  • 理由もなく気分が落ち込む
  • 漠然と不安や焦りを感じる
  • 不安で眠れない
  • 緊張する
  • やる気が出ず体の疲れを感じる
  • ソワソワして物事に集中できない
  • 感情の起伏が激しい
  • 周囲の人に八つ当たりしてしまう
  • 食欲が出ない
  • 他の人に会ったり、外に出るのが億劫になる
  • 自己嫌悪に陥る
  • 頭痛など体調不良を感じる

 
また以下のような性格や環境の変化からもマタニティブルーになりやすいといわれています。

  • 責任感が強い
  • 真面目
  • 几帳面
  • 心配症
  • 想定外の妊娠
  • 妊娠、出産が順調ではなかった
  • 妊娠や出産を機に結婚や退職など人生の転機を経験した
  • パパなどの身内が育児に積極的ではない

マタニティブルーにならないための対策とは

マタニティブルーは誰しも起こりうる症状です。日頃からママのストレスを解消してあげることがとても大切です。具体的にマタニティブルーにならないための対策についてみていくことにしましょう。

相談できる人を探す

夫に相談してもなかなか理解してもらえないことや、自分の親であっても世代が違うといった理由で、かえってストレスを感じることも少なくありません。同じ女性でなんでも話せる人がいるといいですね。出産経験がある人や同じ時期に出産、育児をしている人がおすすめです。

また、マタニティブルーの症状が出ている場合には、気分が落ち込んだり、涙もろくなったりすることがあるためそのことも周囲に伝えておくと安心ですよ。しかし、出産後には、親戚や友人が御祝いにかけつけて訪問者も多く、かえってママのストレスになることもあります。無理はせず、気持ちが回復するまで待ってもらいましょう。

専門家、専門機関に相談する

不安が強い時には、かかりつけ医子育て支援センターなどの専門機関を利用しましょう。子育て支援センターとは、子どもを遊ばせることができる施設の中に、何でも相談できる保育士や保健師などの専門スタッフがいるところです。上手に活用しましょうね。

パパと将来について話してみる

子育てはパパとの協力が必須です。初めての妊娠、育児を1人で頑張ろうと抱え込むことこそがストレスの要因となります。そこで、パパと子どもの将来について話し合ってみましょう。パパの意外な一面がみれたり、パパが真剣に考えてくれていることに夫婦の信頼関係が深まることもありますよ。ただし、それぞれの意見が納得できなくても反論などしないように注意してくださいね。ケンカになってしまっては、ますますストレスが溜まってしまいます。

その時に考える

妊娠期間中は、陣痛は痛いのかな、無事に元気な子が産まれるだろうか、ちゃんと子育てできるだろうかとまだ先のことに不安を持ってしまいます。不確かなことを心配しても答えは出てきませんし、考えるだけで漠然と不安な気持ちになります。先のことには神経質にならないように心がけましょう。

家族に頼る

責任感が強い人や真面目な人は、人に頼ることなく自分の力で何とかしようとします。でもそれは大きな間違い。ママは赤ちゃんのこと以外に家事もしなくてはいけません。それには家族の協力がつきものです。特に産後1ヶ月は、産褥期(さんじょくき)といわれ、ママはゆっくり過ごさなくてはならない時期です。家事などは家族に頼んでゆったりと過ごすように心がけましょう。里帰りせず家事をしなければならない場合にもこのときくらいは手抜きしてゆっくり過ごしましょう。

焦らずに体調を整える

イライラの原因は体調がすぐれないことが根底にある場合もあります。例えば、寝不足で物事に集中できずイライラしがちでも、休息をとりたくさん寝ると体調も気分も改善することがありますよね。このように体調を整えることは精神の安定にもつながります。無理をせず、体調がすぐれない時には休息の時間を確保しましょう。

1人の時間を作る

特に産後は赤ちゃんにつきっきりでママもストレスを感じます。そんなときは1人の時間を設けるようにしましょう。赤ちゃんにおっぱいをあげる以外はパパでもできます。少しパパにお願いして赤ちゃんから離れましょう。できれば視界に入らない方が良いでしょう。30分だけでも驚くほどリフレッシュできますよ。

現状を受け止め割り切る

マタニティブルーは、ホルモンバランスや生活環境の変化によって起こるものです。これは仕方がないことです。ですから、今までの自分との変化に落ち込むのではなく、気分が落ち込むのはホルモンバランスのせいなんだと割り切って受け止めることも大切です。

ストレスを避ける

ストレスになる原因が分かっている場合には極力避けるようにすることも大切です。ストレスを感じ続けることでマタニティブルーが長引き、結果、産後うつが起こりうる場合もあります。育児の場合にはストレスの原因を避けることは難しいかもしれませんが、頼れるところは思い切って家族に頼ったり、ストレスに感じていることを話したりしましょう。

身体を動かす

軽く体を動かすことで気分転換になります。自宅で簡単なストレッチやウォーキングなどもおすすめです。また、マタニティヨガや産後ヨガなど赤ちゃんと一緒に参加できるものもありますので近くで開催していないか調べてみるのもいいですね。しかし無理は禁物です。自分の体調に合わせて行いましょう。

思いっきり泣く

マタニティブルーは、わけもなく涙がでたり、泣きたくなったりするという症状があります。そんな時は我慢せずに思いっきり泣きましょう。実は涙には脳のストレスを軽減する効果があります。最近では「涙活」といって妊娠や産後に関わらず、わざと感動する映画や本を読んでデトックスするという活動も注目されています。思いっきり泣いてスッキリすると案外気持ちが良いですよ。

1人で抱え込まずに相談を

マタニティブルーは誰でも起こりうる一過性のものです。マタニティブルーになってしまうことは仕方のないことです。日頃から上手にストレスを発散し、事前に知識を備えマタニティブルーになっても慌てずどんと構えるようにしましょう。そして我慢せず、周りの人たちに助けを求めてくださいね。

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