産後の体型・ぽっこりお腹はどう戻す?産後の引き締め方法について解説

産後に気になるのは体型を戻すことだというママは多いのではないでしょうか。大きくなったお腹は産後もぽっこり!そんなお腹を引き締めたい方へぽっこりお腹の戻し方と、産後の引き締め方法について詳しく解説していきます。ぜひ参考にしてみてくださいね。

産後に気になる身体の悩み

多くのママは、産後の自分の身体について様々な悩みを抱えています。妊娠中に大きくなったお腹や運動不足による体型の変化など、人によって悩みはそれぞれです。

ぽっこりしたお腹

妊娠中に少しずつ大きくなったお腹は、赤ちゃんを育てるために皮膚や皮下組織がゆっくり伸びていきます。産後、赤ちゃんが生まれたからといって時間をかけて伸びていった皮膚はすぐに戻るものではありません。

妊娠線ができた人は産後に妊娠線が消えるものではなく、しぼんだお腹にショックを受ける人もいるようです。

さらに、妊娠中はお腹の赤ちゃんを守るために、腰やお腹周りには脂肪がつきます。この脂肪は産後すぐ戻るものではないため、「赤ちゃんを産んだら体型が戻るのではなかったの?」と思ってしまう人も多いのです。

大きくなったお尻

妊娠中は、出産に向けて分泌されるホルモンの作用によって、骨盤周りの筋肉やじん帯が柔らかくなります。それによって、骨盤が開き腰回りが大きくなっていきます。

また、赤ちゃんを守るために子宮周りに脂肪がつくのもお尻が大きくなったと感じる原因のひとつです。

二の腕についたお肉

二の腕についたお肉はなかなか落ちないものですよね。産後でなくても、落としにくいお肉の代表的な部分と言えるのが二の腕ではないでしょうか。

お腹周りなどは体操や食事の見直しなどを行うことで、比較的効果を感じられるものです。しかし、産後は赤ちゃんの抱っこなどで腕に筋肉がつき、たくましくなっていくばかり。二の腕のお肉が落ちないと悩みを持つママは多いでしょう。

たくましくなった太もも

妊娠すると、女性の身体は出産に向けてだんだん変化していきます。そのひとつに、骨盤周りの変化があります。妊娠により、骨盤周りの関節やじん帯を柔らかくするホルモンが分泌され、お産に向けて骨盤が開いていきます。そして、骨盤周りの関節が緩み、骨盤の位置が変わってくることで、普段と変わった筋肉の使い方をするようになります。

また、大きくなるお腹を守ろうと反り腰になるなど、妊娠前に比べると骨盤へ負担をかけることが多くなってしまいます。骨盤周りの筋肉が凝り固まることで、血液やリンパの流れが悪くなりむくんでしまうことで太ももがたくましくなったと感じることもあるでしょう。

お尻が大きくなったと感じると同時に太もももたくましくなったと悩んでしまうのです。

産後のお腹がぽっこりしている原因

産後に大きくなったお腹がなかなか戻らず、ぽっこりお腹になったままなのはいくつかの原因があるからです。その原因について以下に解説します。

妊娠中に子宮が大きくなったため

産後にお腹がぽっこりしたままなのは、大きくなった子宮が戻っていないことが原因のひとつです。妊娠前の子宮は鶏の卵ほどの大きさをしていますが、妊娠すると少しずつ大きくなります。

筋肉でできている子宮は臨月になると赤ちゃんの成長とともに約5倍の大きさになり、重さは妊娠していないときの約15倍にまで大きくなります。

妊娠中に10ヶ月かけて徐々に大きくなったお腹は、出産してもすぐ元に戻るものではありません。産後の子宮は、オキシトシンというホルモンの働きにより約1~2ヶ月かけてゆっくり収縮し、元に戻っていくため、出産してもすぐにお腹がへこむわけではないのです。

出産に向けて骨盤周りの関節やじん帯が緩んだため

妊娠中も産後も感じる身体の悩みのひとつに、お尻が大きくなったことがあります。妊娠すると、「リラキシン」というホルモンが分泌され、出産に向けて骨盤周りの筋肉やじん帯が柔らかくなってきます。

そして、出産のときは骨盤が最大に開き、赤ちゃんが産道を通りやすくします。女性の骨盤は、元々赤ちゃんを育てるように男性に比べると横に広くなっていますが、妊娠・出産を経て骨盤はさらに広くなります。

子宮を守るために脂肪がついた腰、さらに骨盤が広がることでお尻が大きくなったと悩むママは多いものです。出産で開いた骨盤はゆっくりと3ヶ月ほどかけて元に戻りますが、戻りには個人差があって6ヶ月かかる人もいます。

産後は赤ちゃんの授乳で前かがみになるなどの日常の姿勢が骨盤の戻りに影響することもあるため、骨盤へ負担がかかることもお腹がぽっこりしてしまう原因です。

骨盤が開き内臓が下がっているため

リラキシンの作用によって骨盤周りの関節やじん帯が緩むと、骨盤がだんだん開いてきます。骨盤は子宮を支える働きのほかに、内臓を守る働きも持っています。

骨盤が開いてくると、内臓が正しい位置よりも下がってくるためお腹がぽっこりして見えるようになります。産後もすぐに骨盤が戻ることがないため、ぽっこりお腹が気になってしまうのです。

骨盤周りの筋肉バランスが崩れているため

出産に向けて、骨盤周りの関節やじん帯が緩むと骨盤がだんだん開いてきます。さらに大きくなってくるお腹を支えなければならないことなどから、骨盤周りの筋肉のバランスが崩れてしまいます。

また、大きなお腹をかばうために腰が反ってしまうことも、骨盤周りの筋肉が伸びてしまう原因です。こうして伸びてしまった筋肉は、産後すぐに戻ってくれないため、お腹のぽっこりもすぐ戻らないのです。

運動量が減るため

妊娠してからは激しい運動を控え、産後も赤ちゃんが生まれてお世話が中心です。さらに、産後1ヶ月は身体を休める時期なので、なかなか思うように運動することもできないでしょう。

運動量が減ると、代謝が悪くなってしまうためぽっこりお腹がなかなか元に戻りません。

食欲が増すため

妊娠中は、体重管理のため食生活に気を付ける人が多いのですが、産後に母乳をあげている人はつい食べ過ぎてしまうものです。

妊娠後期になるとお腹が大きくなって胃が圧迫され、食欲がなくなります。産後はその不快な症状から解放されて食欲が増す場合があります。

さらに、産後は慣れない育児によってストレスを抱えることがあり、そのストレスから食べ過ぎてしまうことも原因のひとつです。

産後の引き締めはいつから始めればいい?

様々な原因によって、産後にお腹がぽっこりしたままになってしまうことが分かりました。しかし、できるだけ早くお腹を引き締めたいですよね。では、産後の身体の引き締めはいつから始めればよいのでしょうか。

引き締めは産後2ヶ月から始めよう

産後、ぽっこりお腹を引き締め始めるのは、1ヶ月健診が済んでからにしましょう。産後1ヶ月までは、出産で疲れた身体を回復させるための産褥期になります。

出産の会陰切開の痛みがある、悪露が続いている場合、無理に運動を始めると体調を崩す原因になってしまいます。

産後は引き締めに最適な時期

産後、開いた骨盤は長くても産後6ヶ月までには自然に元に戻ります。言い換えれば、妊娠中に緩んだ関節やじん帯は産後6ヶ月までは柔らかくなっているということです。そのため、産後1ヶ月健診で問題がなかった場合に、産後2ヶ月からお腹の引き締めを始めると良いでしょう。

産後のぽっこりお腹を引き締めて体型を戻すおすすめの方法

次に、産後のぽっこりお腹を引き締めるおすすめの方法をご紹介します。

骨盤ベルト・ガードルを使う

産後にお手軽にできる方法は、骨盤矯正ベルトやガードルを使うことです。矯正ベルトやガードルは基本的に産後すぐ使えるとされています。しかし、体調によっては控えたほうが良い場合があるため、出産後に医師に相談してから使うようにしてくださいね。

骨盤ベルトは、妊娠中にお腹が大きくなってきたときに腰と骨盤を安定させるために使うことができます。そして、産後も緩んだ骨盤を支えるために使えます。
かぶれにくい配慮がされている素材の商品や、医療用のシリコン素材のものなど、様々なものがあるので、自分に合ったものを探してみると良いですね。

一方、骨盤ガードルには骨盤を正しい位置にキープし、姿勢を正すことで骨盤の戻りをサポートする目的があります。ガードルタイプなので、太ももやお尻の引き締めにも効果が期待できることで、多くのママに人気です。

ベルトもガードルも、正しく着用しないとかえって骨盤を歪めてしまいます。そのため、着用するときは着用方法を確認し、正しく身に着けるようにしましょう。

産褥体操をする

産後すぐに激しい体操をするのは控えなければなりませんが、産褥体操は産後すぐに行える体操です。産褥体操は、血行を良くし筋肉を引き締めて産後の身体の回復を早めることを目的にしています。

この体操は、横になったまま足首を回す、お尻の穴を引き締めるなど、簡単にできるメニューばかりです。

また、産褥体操は、「分娩で伸びた骨盤底筋を引き締める」「血行を良くして子宮収縮を早めることで悪露の排出を促す」「血流を良くして母乳の出を良くする」「尿漏れや便秘などのトラブル改善」などの効果が期待できます。

産後すぐ始められることで、ぽっこりお腹の原因である骨盤周りの伸びた筋肉に刺激を与えることができますよ。

以下に、簡単にできる産褥体操をご紹介します。ご紹介する体操は産後すぐ行えるメニューです。入院中のベッドの上でもできますので、無理のないように行ってみてください。

産後3日目からできるウエストひねり体操

1.背中を伸ばして椅子に座る。
2.右足を左足の膝に乗せるように足を交差する。
3.右足を左足の外側に乗せ、足と反対のほうに身体をひねる。
4.ウエストが伸びているのを感じたら、その状態で5~10秒キープする。
5.2~4を2~3回行う。

産後3日目からできる腹筋

1.仰向けになって足は真っすぐ伸ばしたまま肩幅に開く。
2.お腹の上に手を置き、息をゆっくり吐きながらおへそを見るように首を起こす。
3.このとき、身体は起こさず首だけを起こす。
4.この動作を2~3回、慣れてきたら5~10回ほど行う。

産後5日目からできる骨盤体操

1.仰向けに寝て足を肩幅に広げ、両膝を立てる。
2.両手は床につけて息を吐きながらゆっくり腰を上げる。
3.腰を上げたらキープしたまま息を吸う。
4.息を吸ったら次に息を吐きながらゆっくり腰を下ろしていく。
5.この動作を5~6回、慣れてきたら10回ほど行う。

骨盤矯正体操やストレッチをする

骨盤を元に戻すサポートをするために行う骨盤体操や骨盤ストレッチは、産後2ヶ月を過ぎてから行うようにしましょう。

骨盤体操やストレッチを行うことで、少しずつ骨盤の位置が戻ってきて骨盤周りの筋肉を正しく使えるようになります。そうなると、血行が良くなり代謝が上がるためぽっこりお腹の解消が期待できます。

また、骨盤矯正すると内臓が正しい位置に戻るため、ぽっこりしたお腹が気にならなくなりますよ。

以下に簡単にできる骨盤矯正の体操とストレッチをご紹介します。特別な器具を使用せず、赤ちゃんを寝かしつけながらできるものばかりです。

膝を倒して骨盤を整える体操

1.仰向けに寝て両手は床に大きく広げておく。
2.両膝を立てて膝同士をくっつける。
3.上半身を動かさないように、立てた両膝をゆっくり右側に倒す。
4.両膝をゆっくり元に戻す。
5.この動作を5回行い、反対側も同様に行う。

腰をひねり骨盤を整える体操

1.座って両足を伸ばす。
2.左の膝を立てて、右膝の外側に置く。
3.両手を胸の前で合わせる。そのまま息を吐きながらゆっくり上半身を左へねじる。
4.身体をねじったまま腹式呼吸を5回行う。
5.ゆっくり上半身を戻し、この動作を左右1~3回ずつ行う。

骨盤のねじれを解消するストレッチ

1.仰向けになり両足を伸ばす。
2.片方の膝を両手で抱えて10秒キープする。
3.左右3回ずつ行う。
4.次に片方の膝を曲げて反対側の手で1本で支える。
5.支えた手の方向へゆっくり身体を倒してねじる。
6.身体をねじったまま5秒キープする。
7.左右3セット行う。

ぽっこりお腹を引き締める骨盤ストレッチ

1.背筋を伸ばし、真っすぐ立ってかかと同士をくっつける。
2.つま先を少し開き、両手を上に真っすぐ耳の後ろに伸ばし手のひらを重ねる。
3.息を3秒かけて吸い、息を吐きながら真上に身体を伸ばす。
4.再び3秒かけて息を吸い、つま先立ちでつま先立ちになりできる限り身体を伸ばす。
5.膝とかかとを離さないように注意しながら一気に息を吐く。
6.息を吐ききったらそのまま7秒キープする。

食事に気を付ける

妊娠後期は子宮によって胃が圧迫されることで食欲が落ちることがありますが、産後はこの症状から解放され食欲が増しやすくなります。

母乳育児をしていると特に食欲が増しますが、赤ちゃんのためにと何でも食べてしまうと太ってしまうため注意が必要です。

ただ、産後はぽっこりお腹を解消したいために、無理なダイエットをするのは控えなければなりません。母乳で赤ちゃんを育てている人は特に、食事制限をしていると母乳の出が悪くなることがあります。

また、栄養が不足すると産後の身体の回復が遅れてしまうおそれもあるため注意が必要です。産後は授乳のために夜中に起きて寝不足になりがちです。疲れていると免疫力が低下して病気にかかりやすくなってしまうため、しっかり栄養を摂る必要があります。

ぽっこりお腹が気になる人は、油や糖分や多い食事を避け、低カロリーで高たんぱくの食事を心がけると良いでしょう。母乳のためにも栄養バランスが取れた食事を摂るようにしてくださいね。

産後の引き締めは無理せずに!

産後にぽっこりお腹を引き締めて、妊娠前の体型に早く戻したいママは多いでしょう。しかし、解説したように産後は身体を回復させることをまず優先してください。

産後の引き締めは1ヶ月健診で問題がなければ、ストレス解消も兼ねて体操やストレッチを始めると良いですよ。赤ちゃんのお世話の合間に無理ない程度に行ってみてくださいね。

また体操やストレッチはすぐに効果が出るものではなく、継続して行うようにするのが大切です。焦らず、できる範囲で取り組んでみてくださいね。

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