【助産師監修】着床時期はいつごろ?体調の変化でわかる症状と気をつけること6つ

【助産師監修】着床時期はいつごろ?体調の変化でわかる症状と気をつけること6つ

ほり まや

妊娠を望む人にとっても、望まない人にとっても、受精や着床などのプロセスを知ることはとても大切です。受精卵が子宮内に着床することで妊娠が成立しますが、その過程は奇跡の連続で、時にはうまくいかないこともあります。今回は着床についての情報をまとめましたので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

着床とは?

「着床」の定義

着床とは、受精をした卵子が細胞分裂を繰り返しながら子宮内に移動し、子宮内膜にもぐりこんで根を下ろすことです。哺乳類独特の現象で、種類によって多少の違いはあるものの、子宮内に胚(細胞分裂が進んだ受精卵)を定着させ、育てることは共通しています。

受精から着床までの流れ

左右どちらかの卵巣で大きく成熟した卵胞が、卵巣の表面に突出して破裂し、その中にある卵子が腹腔内に飛び出すことを排卵といいます。その後、卵子は卵管采にとらえられて卵管膨大部まで送られ、精子の到着を待ちます。

精子は射精後、卵子から発せられる匂いのようなものに導かれ、子宮から卵管を目指します。射精後に精子の99%は死滅し、無事卵子のもとまでたどり着けるのはほんの数百匹です。生き残った精子が卵子に到達し、その中のたった1匹が受精に成功すると、他の精子は入り込むことができなくなります。これを受精といいます。

受精した受精卵はゆっくりと細胞分裂を行い、2分割→4分割→8分割→桑実胚→胚盤胞へと成長しながら、卵管上皮の繊毛運動によって約5日かけて子宮まで送られます。受精卵のベッドとなる子宮内膜は、排卵時の黄体ホルモンによって厚みが増し、ふかふかの状態になっています。やがて受精卵が殻を破り、ふかふかの子宮内膜に潜り込むようにして定着します。これを着床といいます。

精子の寿命は膣内に入ってから48~72時間、卵子の寿命は排卵後12~24時間であり、タイミングが合わなければ受精することができません。また、受精卵がうまく機能しないなどのケースもあり、排卵日に性交した場合の受精率は80%でも、着床する確率は20~30%と決して高くはありません。誰にとっても、無事妊娠に至ることは簡単ではないのです。

妊娠した日=着床した日

受精した日が妊娠1日目だと勘違いする人もいるようですが、医学的には着床したかどうかによって妊娠が判定されます。ただし、妊娠の週数は最終生理開始日からカウントされるため、生理周期が28日であれば、着床の時点ですでに妊娠3週目くらいになっています。この時期に何らかの薬を服用していたとしても、着床が完了する前であれば受精卵への影響はほとんどありませんので、あまり気にする必要はありません。

着床するとどんな症状が出る?

妊娠初期症状は着床後から現れる

胎盤の形成とともに出産に向けて身体がどんどん変化していくため、早い人は妊娠初期から身体に違和感を覚え始めます(症状がほとんど出ない場合もあります)。つわりも始まりますが、この時点では妊娠に気がついていない場合も多く、だるさや熱っぽさなどを風邪と勘違いする人もいます。

安易に強い薬を服用して、後で不安にならないためにも、まずは自分に妊娠の可能性があるかを考えてみましょう。自分の生理周期や性交日を正しく把握しておくことも、妊娠に早く気がつく大切なポイントです。

代表的な体調変化まとめ

  1. 基礎体温の変化
  2. 女性の身体は、生理から排卵までは低温期(比較的体温が低い時期)、排卵から2週間ほどは高温期(低温期の体温より0.3℃以上高い時期)を繰り返しています。低温期から高温期に移り変わる前後の約4日間に排卵が起こると言われていますが、排卵のサイクルにはかなり個人差があるため、まずは数ヶ月にわたって基礎体温をチェックしておきましょう。通常生理が始まると体温は下がりますが、2週間の高温期が3週間以上持続して生理が来ないようであれば妊娠している可能性があります。

  3. 着床出血
  4. 着床時にわずかに起こる出血のことで、だいたい生理予定日にピンク色か茶色のおりものが出ることがあります。着床出血の段階では妊娠検査薬に反応しづらく、生理と間違えやすいこともあるため、他の症状やおりものの変化などと併せて妊娠の可能性を考えましょう。出血の量があまりに多い場合は何らかの異常が疑われますので、すみやかに産婦人科医師の診察を受けてください。

  5. 下腹部痛
  6. 着床すると、子宮のあたりにチクッと針を刺されるような痛みや、排卵痛・生理痛に似た症状を感じることがあります。痛みの程度は人によってさまざまです。

  7. 貧血
  8. 妊娠したママの身体は、血中の水分量が増えて血液が薄まった状態になっています。さらに胎盤を作ったり赤ちゃんに栄養を届けたりと、通常よりも鉄分が多く必要なため貧血症状が起きやすく、めまいやふらつき、だるさなどを感じることがあります。目の前が暗くなるなどの場合は転倒の危険もありますので、症状が起きたら身体を横にして静かに過ごしましょう。

    つわり等で満足に栄養が摂れないと、胎児に十分な酸素や鉄分が与えられないこともありますが、軽い貧血であればあまり心配はありません。通常の食事で鉄分を多く摂るように心がけましょう。血液検査の結果から必要と判断されれば、産婦人科医師から鉄剤の処方を受けることもあります。

  9. つわり(吐き気・下痢・腹痛・頭痛)
  10. 一般的につわりの症状として挙げられるのは、吐き気、体がだるい、眠い、匂いに敏感になる、つばがたくさん出る、下痢(または便秘)、腹痛(胃のむかつきや下腹部の違和感)、頭痛、腰痛、食欲や味覚の変化などです。着床したころからつわりが始まり、多くの場合は妊娠3ヶ月あたりで症状のピークを迎えます。胎盤が完成する妊娠4か月末頃には落ち着くことが多いですが、人によっては出産直前までつわりが続いたというケースもあります。

    症状の出方や程度にはかなりの個人差があり、経産婦であっても毎回同じではありません。つわりの原因ははっきりわかっておらず、明確な治療法もないため、自分なりに乗り越えるしかないようです。つわりがひどくて食事が難しい時は、食べたいものを食べて、しっかり水分補給を行うようにしましょう。

    「つわりがあるのは赤ちゃんが元気な証拠」とも言われますが、つわりがほとんどない場合でもあまり心配する必要はありません。ただし、急につわりが消えたなどの違和感を感じた場合は産婦人科の診察を受けましょう。

  11. 胸の張りや痛み
  12. 妊娠すると乳腺が急激に発達することから、胸の張りや痛み、かゆみなどを感じやすくなります。胸が大きくなり、形が変化して乳頭部分から分泌物が出るようになります。清潔に保つ必要はありますが、妊娠初期に胸を刺激しすぎると子宮を収縮させてしまうおそれがあるため、やさしくケアをするようにしましょう。乾燥するとよりかゆみを感じやすくなるため、皮膚に合うボディクリームでの保湿もおすすめです。

  13. 情緒不安定
  14. 妊娠中は急激なホルモンの変化や生活の変化の影響で情緒不安定になりがちです。涙もろくなることもあれば、些細なことが妙に気になったり、怒りっぽくなったりすることもあります。自分でも制御不能になることから戸惑うママも多いですが、「妊娠中はこういうことが起こりやすい」という知識をあらかじめ持っておくと「今だけだ」という気持ちで乗り越えられます。パパや周りの人ともよく話し合い、不安なときはサポートを受けましょう。

妊娠検査薬とは?

妊娠したかも?と思ったら、まずは妊娠検査薬を使いましょう。妊娠検査薬は絶対ではありませんが、99%以上の高確率で妊娠を判定することができます。早めの検査は妊娠を望む人だけでなく、望まぬ妊娠をした人にとっても大切なことです。検査薬は薬局で簡単に手に入りますので、あらかじめ家にストックしておくとよいでしょう。

着床後から妊娠ホルモン(hCG)が分泌される

妊娠検査薬では、尿中のhCG(human Chorionic Gonadotropin:ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン)の有無を判定します。これは着床後から分泌される妊娠期独特のホルモンで、生理予定日(妊娠4週目)頃から尿中に出てきます。

妊娠検査薬の使い方は簡単で、ろ紙部分に尿をかけるだけで判定が可能です。妊娠していれば、陽性の部分に印(ライン)が出てきます。ただし、子宮外妊娠などの異常までは分からないため、陽性反応が出たら早めに産婦人科を受診しましょう。

前回の生理日+生理周期+1週間で検査が可能に

いくら早くに妊娠を知りたくても、一般的な検査薬の性能には限界があります。早くても検査可能なのはだいたい妊娠4~5週目からで、それ以前に検査しても正しい判定が出ない場合があります。妊娠検査薬で陽性が出たら産婦人科へ、陰性であってもしばらく生理がこなければもう一度検査薬を試してみましょう。

  • 【第2類医薬品】チェックワン

■Amazon価格:640円(税込)

この商品の詳細を見る

妊娠前から、着床しやすい環境を整えよう

妊娠を望むなら、「着床しやすくなるように」と性交してから試行錯誤するよりも、普段から体調を整えて子宮内膜を厚くしておくほうが効果的です。日頃から受精卵が定着しやすいように子宮内膜のベッドをふかふかにして、より着床しやすい環境を整えておきましょう。

規則正しい生活とバランスのとれた食事

睡眠をきちんと取ること、規則正しい生活を送ることは自律神経の乱れを防いでくれます。また食事の面では、身体を温める食品を多く取るようにしましょう。身体を温める食品は、一般的に色や味が濃く水分が少ないもので、寒い地域で食べられるものが多いです(生姜や人参、ゴボウ、ネギ、かぼちゃなど)。野菜だけでなく魚介類や加工食品などの中にも身体を温めるものがありますので、献立の参考に調べてみるとよいでしょう。

適度な運動

体内の血流を良くしたいなら、有酸素運動もおすすめです。ヨガやウォーキングなど、自分に合ったものを毎日少しずつでも続けると、生殖器にも血液が行きわたって、きちんと栄養を届けてくれます。筋トレなどの無酸素運動も、筋肉のポンプ機能を向上させる効果があると言われています。日頃から適度に筋力や体力をつけることは妊娠・出産時の体力維持の面からも大切ですが、妊娠中はねじり動作などお腹に負担が掛かる動作は控えましょう。

タバコやアルコールを控える

妊活中でも妊娠中でも、喫煙は非常にリスクの高い行為です。生殖器の血流が悪くなり、着床が困難になるばかりか、妊娠時の喫煙は赤ちゃんを酸欠状態にさせます。男女ともに不妊の原因になったり、赤ちゃんの呼吸器障害を引き起こしたりとさまざまなリスクが考えられますので、妊娠を意識した時点で思い切って禁煙しましょう。

アルコールの摂取量と妊娠のしやすさの関係性ははっきり分かっていませんが、妊娠に気がつかないうちに大量摂取したアルコールが胎児に影響を及ぼすことがあります。妊娠を望むなら、いつ赤ちゃんがお腹に宿ってもいいように飲酒を控えることも大切です。しかし、飲酒を控えすぎることが逆にストレスとなっては意味がありません。妊娠前の飲酒は、週に1~2日ほどのビール1杯程度では問題ないと言われています。

身体を冷やさない

身体を冷やさないために睡眠と食事に気を使うことは先ほど述べましたが、血流をさまたげないということも大切です。姿勢が悪いなどで身体が歪んだままだと、生殖器に十分な血液が送られずに機能が低下してしまうこともあります。座りっぱなしの生活や足を組むなどの癖、歯並びの悪さなどが歪みのもとになりますので、自分の生活を見つめなおして改善する努力をしましょう。

普段の服装でも、下半身を冷やすものは避けた方が無難です。薄手のものやスカートなどを着用する時には、インナーを工夫したりレッグウォーマーや腹巻を巻いたりするなどの対策をしておくだけで冷え方が全然違ってきます。また、入浴はシャワーで済ませるのではなく、浴槽につかるようにしましょう。

ストレスを溜めない

強いストレスを受け続けると、生殖器の活動を低下させてしまい、女性ホルモンのバランスを崩してしまいます。生理周期の乱れや妊娠のしにくさにも関わってきますので、ストレスを溜めない・ストレスの原因を取り除くことが大切です。とはいっても、現代社会でストレスから逃れるのは簡単ではありません。「ストレスを感じているな…」と思ったら、時々下腹部を労るように意識してみましょう。意識を向けるだけでも、血流は改善します。

葉酸を摂取する

葉酸は女性ホルモンのバランスを整えて、子宮内膜のベッドをふかふかにしてくれます。葉酸は赤ちゃんの健康な発育を助けるための重要な栄養素ですから、妊娠を希望している人は妊娠前から不足しないようにしたいものです。食事で摂ることもできますが、最近ではサプリメントも一般的になっています。

気になることがあったら、早めに産婦人科を受診しよう

妊娠を望む人も、望まぬ妊娠に戸惑う人も、妊娠してから異常を感じる人も、何か気になることがあれば躊躇せずに早めに産婦人科を受診しましょう。早めの診察で問題が見つかれば、早めに対処することができます。これは赤ちゃんのためだけでなく、母体を守るためにも大切なことです。妊娠・出産には不安がつきものですが、ひとりで抱え込む必要はありません。まずは正しい知識を持ち、落ち着いて周囲のサポートを受けるようにしましょう。

3+