赤ちゃんが人見知りするのはなぜ?その原因と5つの対策

ニコニコと笑顔でいる子、そばに近づくだけで泣き出してしまう子、うつむき加減でママの後ろに隠れてしまう子。様々な表情を見せてくれる子どもたち。十人十色とはまさにこのことですね。ところで、どうして一人ひとり見せる様子が違うのでしょう。不思議ですね。このような不安定な時期を一般的に「人見知り」といいます。では、その人見知り。どんなものかをひも解いてみましょう。

赤ちゃんの人見知りって?

見知らぬ人に抱かれると泣き出してしまう、嫌がって暴れだしてしまう。それも昨日まではニコニコと笑顔を浮かべ大丈夫だったのに、急に始まってしまう。このような様子が見られることを人見知りといいます。

「人見知り」からわかる赤ちゃんの心と5つの大切なこと

人見知りの理由は何?

赤ちゃんは、生まれてからいつも傍に居てくれるママやパパ、兄弟・姉妹を認識していると言われていました。しかし、最近の研究によると、赤ちゃんは生まれて間もないころからママを自分の母親だと認識しているということがわかってきました。そのママではないその他の人のことを「いつも居る人と違う」と認識し、不安になって泣き出してしまうのです。

とはいえ、不安ばかりを膨らませているだけではないようで、「見慣れなくて怖いけど、近づいてみたいな」という興味も含まれているとされています。それがおじいちゃんやおばあちゃん・パパなど、たまに触れ合う人であっても、ニコニコしていたと思えば急に泣き出す、といった様子に繋がるのです。

でも、心配はご無用!「この子も心が成長しているのだな」と思ってみてはどうでしょう。「無」だった心が、泣いたり笑ったりという表情を連れてきてくれているのです。素敵なことですね!

人見知りも個性

急に泣き出したり、イヤイヤを繰り返したりする姿を見て、落ち込んでしまうママも多いことでしょう。兄弟や姉妹がいると、その子たちの元気いっぱいの姿を見て余計にネガティプ思考になってしまうものですが、それもまた心配ご無用です!同じ家に住み、同じ物を食べ、同じ物を見聞きしていても、感受性の違いで性格が形成されていきます。

つまりは、人見知りだって一種の性格の違いなのです。

周りの環境によっても違いがある

個性に加えて、生活するうえでの環境の違いも影響があるとされています。大家族で住んでいたり、近所に同い年の子どもが多ければ、人と接する機会も自然と増えるので慣れるものです。
その反面、一人っ子だったり、あまり外出しないようであると内気な子どもになることでしょう。しかし、無理強いすることもよくありません。親子共々、周りに少しずつ慣れることによって人見知りも解消していくのです。

ママの心の変化にも気づいている

赤ちゃんが急に泣き出すのには様々な理由がありますが、その一つとして傍に居るママの様子をすばやく察しているからだということが言えます。一緒にいるときに、ママが怪訝そうな顔をしたり、赤ちゃんを抱いている体を強張らせたりするのを、赤ちゃんは感じているのです。

言葉がまだ通じない赤ちゃんだからこそ、心が敏感になっているのでしょうね。つまりは、良い点として逆を考えてみると、ママがニコニコ楽しそうに話をしている人は安心できるんだ、と赤ちゃんは思うのです。

人見知りの時期を知ろう

いつから始まっていつ終わる?

早くても5~6か月ごろ、そして一般的には7か月ごろからと言われています。たまに3~4か月の赤ちゃんがパパに人見知りすることもあります。普段のパパの育児参加が少ない場合、安心できる存在に感じていないのかもしれません。積極的に赤ちゃんと触れ合うことをオススメします。

「いつまで続くのだろう?」という問いに答えはありません。一般的に1歳~2歳で終わる場合が多くと言われています。公園デビューや保育園などの交流が早い方が、人見知りも緩和するようです。大人しかったり恥ずかしがり屋さん子の場合、なかなか人見知りが治らない傾向があります。そんな時は、焦らずのんびりと様子を見つつ「おはようって言ってごらん?」など、優しく声をかけてあげると安心します。

  • 4~6ヶ月
  • 視力は0.1ほどしかありませんが、人の顔に注目できるようになります。カラフルな絵本にも釘づけ。表情も豊かになるので、ママやパパがくすぐるとケラケラと声を上げて笑うこともあります。音楽に合わせて体を動かす様子も見せるようになります。

    ねんねの頃とは違い、周囲への好奇心が増えてきます

  • 7か月
  • 表情の違いが出るようになります。泣いたり嫌がったり笑顔になったり。コロコロと表情を変えて感情を表現しようとします。
    それと同時に、ママや家族と他の人の区別がつくようになってきます。知らない人と会うと表情が硬くなったりじっと見つめたりします。ママへの執着が強くなり、それまで大丈夫だったおじいちゃんやおばあちゃんが抱っこしようとしても、嫌がって泣き出してしまったりもします。人見知りが始まる時期です。

  • 8か月~
  • 怒りの表情に対して敏感になり、嫌がるようになります。見知ら人への嫌悪感も高まり、イヤイヤが激しくなる時期です。

どうすれば人見知りを改善できる?

では、どうすれば人見知りをしないようになるでしょうか。赤ちゃんと接する上でのポイントを見ていきましょう。

「人見知り」からわかる赤ちゃんの心と5つの大切なこと

ゆっくりと優しい声で話しかける

おじいちゃん・おばあちゃん、知り合いに会わせてあげた時、泣き出してしまうことがあります。そんな時は赤ちゃんに「みんな優しいねぇ。ニコニコしてるねぇ」「いい子だねぇ。一緒に遊ぼうねぇ」と、優しく声をかけてあげるといいでしょう。ママがニコニコ楽しく話すことで不安を取り除いてあげるのです。

そうすることで、赤ちゃんもとても安心し、笑顔を見せてくれるようになります。

相手や物に興味を持たせるようにする

赤ちゃんは目新しいものに惹かれる習性があるようです。加えて、赤ちゃんの視力は弱いせいもあり、形のはっきりしたものや複雑な模様に注目することもわかっています。
そして、男性よりも女性の顔を好む傾向があるというのもわかってきました。もし写真を撮りたいときなどに泣き出してしまったら、新しいおもちゃや絵本を見せて興味を持たせるのが効果的。ガサガサという音やヒンヤリといった感触などにも赤ちゃんは敏感に感じます。例えば、洗濯物を干すときのバサバサという音は、赤ちゃんがお腹の中にいるときに聞いていた音に似ているので、落ち着いて泣き止んでくれます

また、急に音楽をかけて音を流すといったことをすると、同じように泣きやむのです。これは嫌なことも次の瞬間には忘れてしまう、不思議な意識のすり替えが起こっているようなのです。例えば、けがをして泣いている子どもに対して「痛いの、痛いの、飛んで行けー!」などと歌うと、その痛みがどこかへ行ってしまう、といった現象に似ているのかもしれません。

公園や保育園、児童館などで交流する

赤ちゃんと同じくらいか少し上の年齢の子どもと接することもよい方法です。自分や他のママが話している言葉や表情を赤ちゃんは見ています。そしてそれらを真似しようとしたり、一緒に何かをしようとします。保育園や公園でたくさんのママや子どもたちと触れ合うことで、人見知りもだんだんなくなっていきます。 笑顔が増えるコツでもありますね。

何度も会って慣れるようにしよう

公園や保育園、おじいちゃんおばあちゃんと、なるべく多く接する時間を持ちようにしましょう。そうすることで、赤ちゃんも安心し慣れてきます。何度も会うことで、視力が弱い中でもだんだんと相手の顔や声を覚えていきます。優しい口調で耳にする声は、ママの次に信頼を得る材料として十分なのです。
 

ママと相手が仲良しアピール

赤ちゃんはママが1番信頼できる人なので、ママと仲が良い状況を見せると安心するのです。そのため、ママとケンカをしたり話をしなかったりすれば、赤ちゃんの不安材料になり、それらの人を対象に人見知りするという可能性もあります。

「人見知り」なんて怖くない!

人見知りの子を抱えるママやパパはとても不安な毎日を過ごしているかと思います。でも心配しないでくださいね。人見知りは一時的なものです。「終わりはないのかな」なんて心配しなくて大丈夫。安心してくださいね。

参考元:JST 科学技術振興機構
参考元:オーディションなび

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