【助産師監修】こむら返りが妊娠中に起こりやすい原因って?足のつりを防ぐ5つの方法も伝授

こむら返り 妊娠中

ほり まや

ふくらはぎがつる症状を「こむら返り」と呼びます。今回は、こむら返りが妊娠中に起こりやすい原因と、その対処法についてお伝えしましょう。

こむら返りとは

こむら返り 妊娠中

「こむら返り」という言葉を聞いたことがある人は多いでしょう。しかし、こむら返りとはどのようなものなのでしょうか?詳しくお話しします。

「こむら」ってどういう意味?

「こむら」とは漢字で「腓」と書き、ふくらはぎのことを指します。平安時代頃から使われている言葉であることがわかっており、ふくらはぎの筋肉が痙攣している姿が、「ふくらはぎがひっくり返ったようだ」というところから、こむら返りといわれるようになりました。

どのような痛み?どのくらい続くの?

こむら返りは、ふくらはぎにある「腓腹筋(ひふくきん)」と呼ばれる筋肉が、自分の意思と反して異常な収縮をし、痙攣することで起こります。

こむら返りが起こると、鋭い痛みと併せて筋肉が突っ張って盛り上がったような感覚がします。痛みは眠っていても急に目が覚めてしまうような強さで、筋肉が収縮している間はずっと続きます。なお、強い痙攣が起こったときは、翌日まで痛みが残ったり数日もの間、違和感が残ったりする場合もあります。

妊娠中にこむら返りや足がつりやすい原因とは?

こむら返り 妊娠中

激しい運動などしていないにも関わらず妊娠中にこむら返りや足がつりやすいのは、以下の4つが原因と考えられています。

体中の水分やビタミン、ミネラル不足

妊娠中の母体は、水分・ビタミン・ミネラルを優先的にお腹の中の赤ちゃんに送るため、水分や栄養が不足しやすい状態となります。

水分が不足すると電解質のバランスが悪くなり、血中のカルシウムやマグネシウムなどのミネラルが不足すると、神経や筋肉が興奮して異常な収縮を起こしやすくなるのです。

また、ビタミンB1や鉄分が不足しても、こむら返りを起こしやすくなります。

足の血流

妊娠中期を過ぎると、赤ちゃんが急に大きくなるのに伴って子宮も急激に大きくなります。これにより、足の付け根部分の血管が圧迫されて、下半身の血流が悪くなっていきます

血流が悪くなると、ビタミンやミネラルが下半身に行き渡らなくなるため、こむら返りを起こしやすくなるのです。また、さらに血流が悪くなると、体が冷えて足の筋肉自体が硬くなりやすくなるため、異常な収縮を起こしやすくなります

筋肉の疲労

子宮が大きくなっていくにつれて、大きなお腹を支えるために姿勢が変化します。それに伴い背中や足の筋肉の使い方が変わるため、今まで使ってなかった筋肉を使うようになり、筋肉の疲労を感じやすい状態となります。

また、妊娠中は妊娠前よりも体重が増えるため、足への負担も大きくなります。筋肉の疲労によって、こむら返りを起こしやすくなるのです。

骨盤の緩み

妊娠中は、出産に向けて骨盤が広がりやすくなるように、「リラキシン」と呼ばれるホルモンが分泌されます。このリラキシンによって骨盤が緩むと、足の筋肉が引っ張られます。この足の筋肉の動きに反して、ふくらはぎの筋肉が元に戻ろうと急激に収縮するため、こむら返りを起こしてしまうのです。

こむら返りが起こったら

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こむら返りや足がつったときの治し方4つ

急にこむら返りが起こったり、足がつったりしたときに役立つ治し方をお伝えしましょう。

筋を伸ばす

こむら返りは、筋を伸ばすことで治りやすくなります。つま先を足の甲側にそらすと、足の筋を伸ばすことができますよ。自分で伸ばすのが難しい場合は、家族や周りの人に手伝ってもらうと良いでしょう。

歩く

こむら返りや足がつったとき、痛みで動けなくなってしまうことが多いですが、歩くことで筋が自然に伸びて、痙攣を和らげることにつながります。しかし、激しい痛みがある場合は転んでしまうリスクもあるため、痛みが少し落ち着いてから歩くことをおすすめします。

痛い部位を温める

筋肉自体が炎症を起こしている場合は冷やす方が良いですが、こむら返りは筋肉が冷えて血液循環が悪くなったために起こる場合が多いものです。

お風呂に入って下半身を温められたらベストですが、痛みが強い場合は、入浴はなかなか難しいでしょう。そんなときは温湿布などで温めると、痛みを緩和することができますよ。

痛い部位をマッサージ

痛い部位をやさしくマッサージすることで、痙攣を緩和させます。なお、マッサージは、筋肉を緩めて血流を促すようなイメージで行いましょう

ふくらはぎの他につりやすい部位は?

妊娠中に一番起こりやすいのはこむら返りですが、それ以外にも、足の裏や甲、足の指の付け根などもつりやすくなります。なお、その理由としては、子宮が大きくなるにつれて、体を支えている足そのものに負荷がかかりやすい状態になる、ということが挙げられます。

こむら返りの予防法5つ

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こむら返りは、痛みを伴う辛いものです。そのため、こむら返りを起こさないよう予防することが、実は一番大切なのです。こむら返りを予防できる5つの方法を紹介しましょう。

マッサージやストレッチを行う

足のマッサージやストレッチを行うことで血流を良くすれば、こむら返り防止につながります。軽いマッサージやストレッチなら、いつどこでも簡単に行うことができるため、習慣にすると良いでしょう。

また、ウォーキングなどの軽い運動でも、血流を良くする効果が期待できます。ただし、運動のしすぎは筋肉の疲労を招いて逆にこむら返りを起こしやすくしてしまうため、疲れすぎない程度に行うようにしましょう。

ビタミン・ミネラルの多い食べ物を食べる

特に、ビタミンBやカルシウム、マグネシウムの多い食べ物を摂取すると良いでしょう。ビタミンB1を摂ることで、疲労回復を助けることにつながります。なお、ビタミンB1の多い食材には、豚肉やうなぎ、玄米などがありますよ。

また、カルシウムやマグネシウムなどミネラルの多い食事は電解質のバランスを整えてくれるため、こむら返りを予防することができます。

なお、カルシウムの多い食材には、牛乳やチーズ、ヨーグルトなどの乳製品の他に、小松菜やかぶの葉、豆類、いりこなどの乾燥した魚介類があり、マグネシウムの多い食材には、納豆や木綿豆腐等の大豆製品、あさり、しらす干し、わかめやヒジキなどの海藻類、ナッツ類があります。

水分をこまめにとる

妊娠中は、ミネラルなどの栄養素に加えて水分も不足しやすい状態になるため、こまめに補うことが大切です。

運動や入浴の前後はもちろんですが、人は寝ているときにも汗をかきます。睡眠中に失われる水分を補うために、夜寝る前や朝起きてから、200㏄ほどの水を飲むことをおすすめします。

なお、一度に多量の水を飲むと、かえって足が浮腫みやすくなるため、こまめに摂るということも気を付けてくださいね。また、冷たい飲み物を摂ることで体が冷えてしまうため、常温か温かいものの方が良いでしょう。

メディキュットのような弾性ストッキングを活用する

弾性ストッキングを履くことで、足に圧力がかかり、血流を促す効果が期待できます。また、レッグウォーマー代わりにもなるため、足の冷えから守ることにもつながります。

しかし、圧力が強すぎると血流の妨げとなり、血行障害を起こしてしまいます。圧力の強さを表すhPa(ヘクトパスカル)が大きいほど、かかる圧力は強くなります。きちんと自分の足のサイズに合ったものを選ぶようにしましょう。

なお、必ず正しい使用方法で使うようにしましょう。正しい方法を守らず1日中ずっと使用してしまうと、足本来が持つ血液を循環させる力を弱めてしまうことにもなりかねません。寝ている間だけだったり、この時間だけと時間を決めて活用することをおすすめします。

横向きに寝る

子宮が大きくなってくると、仰向けで寝ることによってお腹が足の血流を圧迫してしまい、血流を悪くしてしまいます。そのため、横向きに寝ることを意識しましょう。

こむら返りが続く場合はかかりつけの産婦人科に相談しよう

こむら返り 妊娠中

様々な予防法を試しても、なかにはこむら返りが頻回に起こる人もいます。そんなときは、かかりつけの産婦人科医に相談することをおすすめします。

必要に応じて、妊娠中でも服用することができる「芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)」という漢方を処方してくれるでしょう。この芍薬甘草湯は、硬くなった筋肉を緩ませる働きがあるため、こむら返りに効果が期待できますよ。

ただし、場合によってはむくみや脱力感、血圧上昇というような副作用が起きるおそれもあるため、用量、用法は医師の指示通りに守って服用しましょう。

妊娠中はこむら返りと上手く付き合おう

妊娠中は、いつも以上にこむら返りが起こりやすい状態にあります。生活の中で予防しながら、こむら返りを起こしたときは少しでも痛みが軽減するよう対処し、こむら返りと上手く付き合っていきましょう。

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