妊娠初期の運転はOK?いつまで運転できるのか、気をつけるポイントを解説!

妊娠中でも、様々な理由で車の運転が欠かせないという方はいるのではないでしょうか。また、妊娠初期はお腹が大きくなっていないため、普段と同じように運転をしても大丈夫だと思っている方は多いかもしれませんね。本記事では、妊娠初期に運転するときの注意点やいつまで運転できるのかなど、詳しく解説していきます。

妊婦の運転は法的な制限はない

法的には妊婦さんが車を運転することについては、何ヶ月までなどというルールはありません。そのため、妊婦さんが運転するときは、かかりつけの医師や体調によって自分で判断する必要があります。

妊娠中に運転を控えるべきと言われる理由とは

妊娠中の運転については、法的な制限はないとはいえ、できるだけ運転を控えたほうが良いと言われています。その理由について、以下に詳しくご紹介します。

妊娠初期はつわりによる影響があるから

妊娠初期はつわりで体調不良になりやすい時期です。つわりの症状は人によって異なりますが、吐き気のほかに急にめまいを起こす場合があります。また、体調は日によって変化し、時間によっても変わることがあるのです。

車の運転をする前は調子が良かったとしても、運転中に急に体調が悪くなることがあるため、妊娠中の運転は控えたほうが良いと言われています。

妊娠初期は寝不足になりがちだから

妊娠するとホルモンバランスの変化により、からだも心も急激に変わっていきます。妊娠初期は、つわりによって睡眠不足になったり、睡眠を十分に取っていても眠かったりすることがあります。

寝不足のまま運転するのは、妊婦でなくても危険ですが、妊娠中は特に体調の変化が起きやすいため、運転を控えたほうが良いのです。

妊娠中は集中力が鈍りやすいから

妊娠中はホルモンの影響で、妊娠前よりも集中力が鈍りやすくなることや、つわりが原因で注意力に欠けることがあります。集中力や注意力が低下しているときに車の運転をするのは大変危険ですから、妊娠初期の体調が安定しない時期は運転を控えるように言われるのですね。

妊娠初期に長距離運転は控えたほうが良い理由とは

妊娠中は車の運転を控えるように言われる理由を挙げました。次に、妊娠初期に長距離運転を控えたほうが良い理由をご紹介します。

緊張でストレスを抱えお腹のハリにつながるおそれがある

長距離運転は、妊娠していない人でも疲れるものです。車の運転は常に気を張って、周囲に注意を払わなければなりません。妊娠初期のからだは体調不良になりがちで、今までと変わっていくからだに戸惑いや不安を抱えてしまうため、ストレスを感じることも多いでしょう。

ただでさえ、ストレスを抱えてしまう時期なので、さらに長距離運転で緊張してストレスを感じてしまうとからだに影響を及ぼすおそれがあります。ですから、妊娠初期には長距離運転を控えたほうが良いのです。

長時間同じ姿勢でいることでエコノミークラス症候群になるおそれがある

長距離運転は、同じ姿勢でいる時間が長くなることから、「エコノミークラス症候群」が心配です。エコノミークラス症候群とは、同じ姿勢で座っていることが原因で、足の血流が悪くなることによって血栓ができ、その血栓が血流に乗り肺の血管に詰まってしまう病気です。

エコノミークラス症候群は、血栓が肺動脈に詰まることで、呼吸困難や胸の痛みなどが引き起こされ、重症になると命に関わることがある怖い病気です。妊娠中はお腹の赤ちゃんのためにからだの水分が増えるためむくみやすく、エコノミークラス症候群になりやすい傾向があります。このリスクを避けるため、妊娠初期の長距離運転は控えるべきだとされています。

妊娠初期に運転するとき気をつける9つのポイント

妊娠中は、運転しないほうが良いとはいえ、住んでいる環境や様々な要因で運転しなければならないことがあるかもしれませんよね。妊娠は、医師に相談して体調が良ければ運転しても構いません。しかし、妊娠初期に運転するにはいくつか気をつけなければならないポイントがあります。

つわりがひどいときは運転しない

妊娠初期は、体調の変化が大きく、朝は調子が良くても昼過ぎから急につわりがひどくなることがあります。

運転中はつわりで具合が悪くなっても、状況によっては車を停めることができない場合があります。また、人によっては、つわりでめまいを起こす場合があるため、事故を引き起こさないためにもつわりがひどいときは運転を控えましょう。

寝不足のときは運転しない

妊娠初期のからだは、お腹の赤ちゃんを守るために思った以上に疲れやすくなっているため、だるさや眠気に襲われることが増えます。

つわりで睡眠不足になっている場合や、眠気を感じることが多い場合は運転に集中できなくなる可能性が高くなります。寝不足気味のときや、少しでも眠気を感じたらその日は運転を控えましょう。

いつも以上に注意する

妊娠初期に運転するときは、普段以上に注意が必要です。なぜなら、ホルモンバランスの変化により、眠気を感じたり、つわりが出たりするため、妊娠前に比べると判断力が低下するためです。

近場でもこまめに休憩をとる

運転中は意識を集中しなければならないため、常に緊張しています。その緊張が続くとストレスを感じ、お腹が張る原因になることがあります。お腹の張りは個人差がありますが、緊張が長く続くとからだによくありませんので、短時間の運転でもこまめに休憩をとってからだを休めるように意識しましょう。

知らない道や高速道路を避ける

妊娠中は、ホルモンバランスの変化に疲れやすく、妊娠前と比べると判断力が低下してしまうことがあります。そのため、走り慣れていない道を使うのは控えたほうが良いでしょう。

車の運転は、道の状況や標識、歩行者など注意するべきところが多く、非常に気を遣います。知らない道を通るときは、普段以上に気を張り詰めて運転することになるため、心身ともに非常に疲れてしまいます。

また、知っている道を走っているときは、急に具合が悪くなったときに、車を停めて休める場所を知っているでしょう。しかし、知らない道は休憩場所があるかわかりません。また、高速道路のように、休みたいときに車をすぐに停めることができない道を走るのも避けたほうが良いですね。

時間に余裕を持って行動する

妊娠初期に運転するときは、時間に余裕を持って行動するようにしましょう。慌てて出かけると、体調が悪くなっても休憩を取らないなど、無理してしまう可能性があります。

気持ちに余裕を持って行動できるようにするために、早めに家を出るなどして慌てないですむように心がけましょう。

母子手帳・保険証を常に持参する

妊娠中に運転をするときは、母子手帳と保険証を携帯しましょう。車の運転に限らず、出かけるときは万が一のときのために、この2つは必ず持ち歩くようにしてくださいね。

運転中に具合が悪くなってしまったときや、出先で病院へ行くことになった場合、母子手帳があるとそれまでの経過が分かるため、適切な対応をしてもらえます。また、妊娠初期はお腹が大きくなっていないので、妊婦だとすぐに気づいてもらえない可能性があります。お腹に赤ちゃんがいることを示すためにも、母子手帳は忘れないようにしましょう。

シートベルトを着用する

妊婦はシートベルトをシなくても良い、と勘違いしている人がいるかもしれませんが、安全のためにシートベルトはしなければなりません。道路交通法で、座席ベルトをしなくても良いとされる場合は、療養上または健康保持上、適当でない者が自動車を運転するとき、と示されています。

これは、出血がひどいときや陣痛が始まって緊急を要するなど、特別な場合を指します。普段の運転のときは、お腹の赤ちゃんを守るためにもシートベルトは必要です。妊娠初期はお腹が大きくなっていないため、ベルトでお腹を圧迫することも少ないのですが、お腹が大きくなったら専用のシートベルトを活用すると良いでしょう。また、腰ベルトはお腹に食い込まないように、腰骨の低い位置でしめるようにしましょう。

妊娠中はいつまで運転できるの?

妊娠初期に車を運転するときの注意点について、ご紹介してきましたが、妊娠中はいつまで車の運転ができるのでしょうか。

妊娠初期から中期は体調を見て判断する

妊娠初期は上述したように、つわりが始まり体調が安定しない時期です。また、妊娠中期になるとだんだんお腹が大きくなり、いつものようにからだをひねることが難しくなってくるでしょう。

妊娠初期から中期にかけての運転は、体調を見て判断することが大切です。少しでも不安を感じる要素があったら、その日の運転は控えましょう。

妊娠後期はできるだけ運転を控える

妊娠後期になると、ますますお腹が大きくなってハンドル操作が遅れたり、足元が見えづらくなることがあるかもしれません。普段は機敏に行えていた車線変更も、からだをねじるのが難しくなるため、咄嗟の判断ができなくなってきます。

このようなことから、危険性が高まることが予想される妊娠後期は運転を控えたほうが良いでしょう。どうしても運転しなければならない場合は、1人で乗るのを避けて誰かに同乗してもらうようにしてくださいね。

臨月に入ったら運転は控える

臨月に入ると、赤ちゃんがいつ生まれてもおかしくないため、運転はやめておきましょう。陣痛はいつくるか予想できません。もしも運転中に破水したり陣痛が起きたりしたら、冷静に運転することはできないでしょう。

また、臨月になるとお腹の大きさで胃が圧迫されて、寝苦しくなるため寝不足になる妊婦さんもいます。寝不足の状態で車を運転するのは非常に危険です。

臨月に入ったら、お腹の赤ちゃんの安全のためにも運転を控えましょう。

妊娠初期の車の運転はできるだけ避けましょう

妊娠初期に車を運転しないほうが良い理由と、どうしても運転しなければならないときに気をつけることをご紹介しました。妊娠初期はホルモンバランスの変化により、からだが大きく変わる時期です。自分では大丈夫だと思っていても、急に眠気に襲われたり、つわりがひどくなったりすることがあります。

できる限りリスクを減らし、順調な毎日を送るためにも、少しでも不安があるときは運転を控えて、公共の交通機関を使うなどしてくださいね。

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