音響の仕事内容は女性や未経験もこなしていける?気になる給料と取得しておきたい資格について

裏方のイメージがある音響の仕事ですが、コンサート会場やテレビなどではとても重要な役割を担っています。最近は機器もデジタル化しており、音響の可能性がどんどん広がってきているのです。それでは具体的にどのような仕事があるのでしょうか?その内容や、どんな場所で活躍することができるのか、また音響の仕事に就くための方法などをご紹介します。

音響の仕事ってどんなことをするの?

音響の仕事内容とは

音響スタッフは、コンサートや舞台、テレビなどで、マイクの設置場所や種類を決めたり、音響機器のセッティングを行なったりするなど、音に関するサポート全般を担う仕事をしています。必要な音は強調し不要な音は削除するなど、仕事内容は多岐に渡ります。ホールやライブハウスなど、活躍できる場はさまざまです。PAミキサーとも呼ばれています。

給料はどれくらいなの?

音響スタッフの給料は、どこに所属しているかによって大きく違います。正社員として大手の放送局などに勤務している場合は、年収600万円を超えるようです。音響を請け負っている会社で働いている場合は年収300万円くらいが多く、アルバイトだと時給1,000円前後になります。

雇用形態はどのようなものがあるの?

正社員で働くには、テレビの制作会社や音楽制作のレコード会社、コンサートなどの音響を請け負っている会社に応募をする方法が一般的です。業界全体としては、派遣社員やアルバイトなどの非正規雇用が多い傾向があります。雇用形態や待遇は、事前にしっかりチェックしておきましょう。

音響の仕事のやりがいとは

音響は、照明や映像など、さまざまな人達と連携をして仕事を作り上げていくので大変なこともあります。しかし、お客様の笑顔を見ることができたり、出演者の方にお礼を言ってもらえたりする時は、とても大きなやりがいを感じることができるでしょう。

音響の仕事にはどんな種類があるの?

結婚式での音響の仕事

結婚式での音響の仕事をするにあたり、専門的な知識は必要ありません。ミキサーと呼ばれる音を調整する機材で音量を調節したり、CDやDVDを操作することが主な仕事です。場所によっては照明も同時に操作をすることもあります。また、余興で楽器を演奏する場合などは、そのお手伝いをすることもあるのでその仕事内容はさまざまです。
結婚式での音響スタッフになるには、専門学校を卒業したあとに、音響の会社やウエディング会場に就職をするという方法があります。ブライダルの専門学校に行って就職をする方法をとることもあるようです。

仕事をする時間は、5時間程度です。披露宴自体の時間は2~3時間なので、集中して仕事をする時間は短いといえるでしょう。ただし、披露宴はリハーサルがないことが多いので、本番で間違えないように集中する必要があります。
結婚式で流れる曲は、新郎新婦にとっては一生思い出に残る大切な曲になります。その曲によって、新郎新婦やゲストの方々が感動の涙を流されることもあります。そんな場面に立ち会えることが、一番のやりがいではないでしょうか。

コンサート会場での音響の仕事

コンサート会場での音響の仕事は、音響の設備を用いて音の調整をするのが主な仕事です。PAエンジニアとも呼ばれています。アーティストやスタッフの人たちと打ち合わせをしながら機材の配置を考えたり、アーティストが出す音の調整を行ないます。コンサートが終わったあとも機材の搬出や撤去作業などがあり、一連の仕事を担当しています。

雇用形態はさまざまであり、コンサート会場に就職をして正社員として働く方法や、契約社員、アルバイトで働いている人もいます。また、特定のアーティストに帯同してさまざまな場所で働くという方法もあります。
勤務時間は、おおまかに基本的な時間が決められていますが、公演スケジュールに合わせて変動になることが多いです。また、休日や勤務時間外に仕事が集中することが多いので、不規則な生活になってしまうことがあるかもしれません。しかし、その経験を乗り越えて実績を積むことで、昇給したり将来に繋げることができるでしょう。

音響スタッフに向いている人

色々な人と関わるため、コミュニケーション能力が高い人が向いているといえます。また、重い機材の運搬作業があるため、力仕事ができる人がよいでしょう。音響によってコンサート自体の完成度が関わってくることもあるため、とても重要な仕事です。音楽が好きな人であれば、やりがいや達成感を得ることができるでしょう。

テレビでの音響の仕事

テレビでの音響の仕事は、映像を編集する時に効果音をつけたり、音の大きさを調整したりしています。「音効さん」や「音声さん」とも呼ばれています。その仕事内容は大きく二つに分かれます。一つはロケなどで音声の収録をする仕事です。長いマイクや、ピンマイクを使って出演者の音を収録します。出演者はそれぞれ声の大きさが違うので、ミキサーという機械を使いながら音のレベルを統一していきます。

もう一つはスタジオで音を調整したり、音響効果を加えたりする仕事です。文字につける音や、車の音につける現実音など、映像をよりわかりやすく迫力のあるものにしていきます。またドラマなどでは、作品のどこにどんな音楽を入れるとよいかという選曲をしたり、構成を考えて音楽を編集したりする仕事もあります。監督やディレクターからの指示に、迅速に対応する能力も求められます。これらを極めたときは、音声に関するスペシャリストといえるでしょう。

特別な資格は必要ありませんが、最近は使われる機器がデジタル化しており、基礎的な技術や専門知識を学んでいる理系出身者を採用することが多い傾向にあります。また、番組制作会社に入社すれば、音声のスタッフとして働ける近道となるでしょう。
何もない映像に音響効果が加わることで、全く違うものに生まれかわります。とても奥の深い仕事です。

音響の仕事は女性にもできる?

音響の仕事は力仕事があるため、男性のイメージが強いかもしれません。しかし、女性でも活躍している人はたくさんいます。アーティストやスタッフなどと協力をして行なう作業が多いため、コミュニケーション能力が必要です。女性の視点でコミュニケーションを円滑に行ない、いい空気を作ることができれば、女性も活躍することができるのです。

どうすれば音響の仕事に就けるの?

音響の仕事に就くにはどうすればよい?

電気系や音響系のコースがある専門学校や工学部の大学を卒業後、音響会社やコンサートホールなどに就職をし、助手から始めるのが一般的な方法です。また、レコード会社や番組制作会社でも音響の仕事に携わることができます。

音響の仕事は未経験でもできる

必ずしも専門学校や大学に通わなくてはならないということはありません。アルバイトでの募集もあるので、まずはアルバイトで経験を積んでおき、その後就職活動をすればプラス評価になるでしょう。

どんなスキルが必要?

  • コミュニケーション能力
  • 音響は、出演者以外にも照明や映像など、たくさんの人たちと協力して行なう仕事です。そのため円滑に仕事が進むためには、周りへの気遣いなどコミュニケーション能力が必要でしょう。

  • 操作をする技術
  • 音響で使われる機器は日々進化しているので、それらを操作する技術を最低限身に付けておくことが必要です。マイクの結線やミキサーの操作方法は知っておくとよいでしょう。電子工学の知識もあればなおよいと言えます。これらの技術は経験で積んでいくことも大事です。
    また、音楽に関する知識も必要になります。普段から幅広くさまざまな音楽を聴くようにすることで、より良い音を出すことができるでしょう。

  • 体力
  • 音響の仕事は、重い機材を運ぶことがあったり、走りっぱなしであったり、体力をつけることが大事になってきます。イベントによっては、長期間に及ぶこともあります。休暇も不定期なことが多いです。また、本番中は何が起こるかわからないので、常に気を張って集中しなければなりません。このように、ハードな仕事をこなすための体力が必要です。

音響の仕事に関する資格ってどんなものがあるの?

音響の仕事に就くために必ず必要な資格というものはありませんが、取得しておくと役に立つ資格がいくつかあります。
例えば、「映像音響処理技術者」と呼ばれる資格です。この資格は、主にテレビ番組で仕事をする時に役に立ちます。基本的な機材の役割やテレビ放送についての基礎、著作権についてなどの知識が必要です。この資格は、一般社団法人日本ポストプロダクション協会が運営をしている民間の資格になります。

また、「舞台機構調整技能士」というものがあります。これはコンサート会場やライブハウスなどの音響設備の調整や操作をする人のことを指します。厚生労働省が管轄する国家試験で、3級から1級まであります。音響関連の学校を卒業したあとに実務経験を積み、その後資格を取るのが一般的なルートです。

サウンドレコーディング技術認定試験」という試験もあります。これは、スタジオでのレコーディングの専門性を認定するもので、民間資格になります。音楽録音の流れや歴史、最近登場したデジタル技術など、現場で必要になるレコーディングの知識について出題されます。
音響関連の資格ではありませんが、大きな機材などを運ぶことが多いので、自動車の運転免許は持っておいた方がよいでしょう。

音響の仕事はやりがいのある仕事

音響の仕事は裏方の仕事なので、わからないことや見えないことが多いかもしれません。しかし、テレビやコンサートでは必要な仕事です。力仕事が多いイメージはありますが、女性だからこそできることもたくさんあるので、女性スタッフも増えてきています。
将来どのような業務をしたいか、どうすれば関わる業界を発展させることができるかを考えながら、経験を積んでいくとよいでしょう。

最近は、パソコンのようなデジタル機器を使用することが多くなっており、設備の機能や性能が良くなってきているので、仕事の面白さもどんどん広がってきています。デジタル機器に慣れ親しんでいる人も増えてきているので、新しい音響の可能性にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

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