記者になるにはどうすればいい?記者クラブの仕組みと仕事内容の詳細について

たくさんある職業の中で、記者に憧れているという人もいることでしょう。記者といえば、常に最新の情報を入手すべく、いつも忙しく活動しているイメージがあります。実は記者の中にも仕事の種類はいくつかあり、その業務内容はとても大変です。記者の仕事内容から記者になるために必要なことまで、詳しく解説します。

記者ってどんな仕事?

記者という仕事はどんな内容なのでしょうか?記者の仕事には種類があり、その種類によって業務内容は少しずつ異なります。

毎日的確な情報を提供する新聞記者

新聞記者は、毎日家に届く新聞を作っている人たちのことをいいます。新聞には政治や経済の欄から国際問題、社会問題、生活や教育、文化など、あらゆる分野の情報が掲載されています。そのすべてを一人で把握するのは難しいので、分野ごとに分担をして新聞を作ります。

それぞれ受け持った担当の分野について、常に新しい情報を集めるために取材をします。事件が起きた場に駆けつけることもあれば、海外に支局を持っている場合にはそちらに向かうという場合もあります。グローバルかついろんなことをこなさないといけないのが、新聞記者なのです。記者と呼ばれる職業の中でも、この新聞記者は業務内容も多く大変な仕事と言えます。

新聞には朝刊と夕刊があるので、その都度最新の情報を載せる必要があります。間違った情報を載せるわけにはいかず、常に正しい情報を整理して記事にしないといけません。新聞記者は、責任重大な仕事とも言えるでしょう。

トレンドに敏感な雑誌記者

雑誌記者は出版社に所属しており、雑誌に載せるための記事を作成します。担当になったテーマに合う人物や出来事を調べて、雑誌に掲載する記事を作っていくというのが大まかな流れです。雑誌記者には専門的な知識も必要とされており、より多くの人の目に止まるような記事を作るために、いつも情報に敏感になっておかなければいけません。

そして、いつでも取材に駆けつけられるような体勢も整えておかないといけないのです。雑誌記者は体力勝負とも言える仕事です。雑誌に関しては発売日が決まっています。発売日までに雑誌が完成していないといけないので、締め切りに厳しく、ハードな仕事となっています。短い期間で記事を作り上げなければならない雑誌記者は、いつも忙しく働いているのです。

最新の情報を届ける放送記者

記者の中には、放送記者と呼ばれる仕事もあります。放送記者は各テレビ局の報道部門に所属して、世界中で起きているニュースを取材して視聴者に伝えるのが主な仕事内容となっています。この放送記者には大きく2種類あり、現場に向かって取材をする取材記者と、その取材からニュース番組を作る編集記者とあります。

取材記者は事件が起きた現場にいつでも向かえられるように準備をしておく必要があり、フットワークの軽さと臨機応変さが求められる仕事になります。いろんな現場に遭遇することもありますが、その中で現状をしっかり把握することが求められるのです。

一方、編集記者はテレビ局で仕事を行なっており、集まったニュースや取材の内容からどんなニュース番組にするのかを考えます。そして、ニュース番組に間に合うように構成や記事の編集などをしなければいけません。徹夜で仕事をしないと間に合わないという激務も、この編集記者には多いと言われています。

記者クラブとは?

新聞記者や放送記者が関係する記者クラブとは、政治の取材に関わる記者が利用する団体となっています。ドラマで耳にしたことのある人も多いと思いますが、この記者クラブでは官庁の関係者から情報を集めているので、確かな情報を得ることができます。この情報を得るために設けられているのが記者会見場であり、記者クラブに所属している人しか入ることはできません。
有益かつ確かな情報を得るためには、記者クラブに所属して情報を集めるというケースが多いです。

記者の仕事の流れについて

記者の中にもいろんな仕事内容があり、それぞれの分野で日々多くの記者が活動していることがわかります。では、実際に記者の仕事の流れはどんな内容になっているのでしょうか?

どの情報を伝えるのかを決定するプレスリリース

プレスリリースはどの情報を伝えるかを決定する時なので、とても大事になります。報道関係に向けて、情報を発表するのがプレスリリースです。このプレスリリースでどの取材に行くのか、記者にするのかが決まります。プレスリリースの方法は、メールやウェブページ上で発表されるケースが多いです。大きな事件が起きた際には、記者クラブによる記者会見の場で記事にすべきかどうか決定します。

どのニュースを人々に伝えるのかという選定は非常に大変です。常に最新の情報に耳を傾けながら、どのニュースを伝えるべきか選びます。このプレスリリースにおいて記事にする内容が決定したら、次の記者会見に進めます。

1つのテーマに向き合う記者会見

プレスリリースによってどの内容を記事にするか決定したら、次はその1つのテーマに向き合う必要があります。どの内容を記事にしようと思っているのかを、記者会見の場で発表します。同時に、これから作成する記事に関する情報を集める場でもあります。直接関係者と会える場でもあるので、質疑応答もできます。ここで、できるだけ情報を集めておくと、この後の記事作成の際に有益な情報を盛り込むことができます。

入手した情報を整理する編集

多くの取材や記者会見を通してたくさんの情報が集まったら、最後に編集作業が待っています。今までに集めた情報を記事としてまとめるのが、最後の仕事です。文字数や文章のテイストを意識したり、記事が仕上がったら編集長に記事のチェックをしてもらいます。
事実と異なる内容が載っていないか、言葉は正しく使用できているかなど、細かなチェックを受けて修正を繰り返し、メディアで発表できるような記事に仕上げるのです。

記者になるにはどうすればいい?

記者の仕事は段階を踏みながら、さまざまな業務内容があります。じっとデスクに向かっているのではなく、情報を集めるために日々走り回っているという印象も受けるでしょう。そんな記者になるには、どうすればいいのでしょうか?

記者になるために必要な資格とは

記者になるために、特別な資格は必要ありません。しかし、4年制の大学または大学院を卒業していることが最低条件となっています。よって、記者を目指すのなら短大や専門学校ではなく、4年制の大学または大学院を選ぶ必要があります。

記者になるにあたって特別な資格はないものの、日頃から記者がしている仕事内容に関心を持ってチェックしておくことは参考になります。資格こそないものの、日常生活にまつわるあらゆる内容が記者にも通ずるので、毎日いろんなことにアンテナを張り巡らせておく必要があると言えるでしょう。

論文や作文に強くなろう

記者になる際、一般常識問題の他に論文や作文の試験があります。よって、文を作ることに慣れておかなければいけません。記者になりたいという段階で文章を作ることが苦ではない人が多いと思いますが、改めて文章の書き方を見直しておくと安心です。

また、記者になる際に受ける論文や作文は、まず自分の意見や結論を述べてから、その後に理由や経緯などをまとめていくという形になっています。そのため、自分の言葉で伝えたいことが伝えられるかという点が重要になり、自分らしさを表現できる場にもなっています。

記者になるために有利な学部はある?

記者になるためには4年制の大学または大学院を卒業しておくべきであるという条件がありましたが、有利な学部はあるのでしょうか?記者になっても仕事を続けやすいと感じられる人の多くは、学生時代に政治学部や経済学部、社会学部などで学んできた人たちでしょう。

ただ、最近では専門分野を極めた人材も求められており、工学部や外国語学部の人たちも記者として選ばれています。このように、記者になる際に有利な学部というのは1つに限らず、いろんな分野を極めている人たちが活躍できるような仕事にもなっているのです。

幅広い知識が必要

記者になるには、より幅広い知識が必要です。一般常識の試験においては、さまざまな分野から問題が出題されます。日頃のニュースに敏感になっているだけでなく、世界情勢や歴史などの背景も把握しておきたいです。主に時事問題を中心に、難しい問題をこなせるよう勉強をしておきましょう。
記者の試験は倍率も難易度も高いとされています。そんな難関に挑戦するために、幅広い知識を身につけておかないといけないのです。

記者の収入っていくらくらい?

記者の仕事は幅広く、記事を書くだけではない、体力と忍耐力が必要となる仕事です。そんな記者の年収はいくらくらいなのでしょうか?

収入はやや高めの職業

ハードかつ高い能力が求められる記者の仕事、収入はやや高めの職業となっています。記者の収入はどの新聞社に所属するかによって異なります。会社が大きければ、その分収入も高くなる傾向にあるので求人を見る際はチェックしてみましょう。平均年収は40歳の場合800万円台となっています。毎月の給与で見ると、50万円くらいでしょう。これにボーナスがプラスされます。

一般的なサラリーマンの年収が400万円ほどとなっているので、記者はその倍くらいの年収であることがわかるでしょう。一般的な仕事に比べると仕事内容がハードで、勤務時間も長いため、収入も高くなっています。平均12時間前後と言われている勤務時間をしっかりこなし、記事を作成しているため、仕事内容に見合った給与とも言えるでしょう。

記者の将来性

現在、記者の仕事に携わっている人はたくさんいますが、その一方で新聞を読む人の数は減少傾向にあります。インターネット上のニュースの方が気軽でいつでも読める、新聞のようにかさばらないといった面から、新聞離れが起きているのも事実です。そんな中で、今後の記者のありかたとして、将来性が心配されています。

新しい記者のありかたとして、インターネットやテレビとの連携を図りながら新聞でしか伝えられないことに力を入れていくという点が重要とされています。より1つの分野を詳しく紹介していく中で、インターネット上ではわからなかった情報が新聞を読めばわかるという状態になると、新聞の発行も続いていくでしょう。

また、記事を書くだけでなく、それぞれの分野に精通した記者がメディアに登場して解説するという方法も一つの方法です。記者は記事を書くという仕事内容だけでなく、いろんな業務に進出していくことで記者の仕事はより求められるようになるでしょう。

現実をありのままに伝える記者は素晴らしい仕事!

現実をスピーディーかつ的確に伝える記者は素晴らしい仕事です。記者になるためには難しい試験を乗り越えなければいけませんが、その分やりがいがたくさんあるでしょう。勤務時間が長くハードな業務が続く仕事とはいえ、多くの人に確かな情報を届けるという使命を持ってやり続けられる立派な職業の一つです。

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