あん摩マッサージ指圧師とは?なるために必須の資格や試験内容・専門学校

「あん摩マッサージ指圧師」という職業があるのをご存知ですか?マッサージを仕事としている職業は他にもありますが、あん摩マッサージ指圧師になるためにはどのようにしたらいいのでしょうか。資格は必要なのでしょうか。また、詳しい仕事内容についても解説していきます。

あん摩マッサージ指圧師とは

あん摩マッサージ指圧師の仕事内容

あん摩マッサージ指圧師の仕事は東洋医学に基づいて行う施術で、基本的に器械を使わないで手だけで施術を行います。「あん摩」「マッサージ」「指圧」の3つから成り立っている治療で、自然治癒力や免疫力を高める目的で行います。

「按摩(あんま)」は、按=おさえる、摩=撫でるを意味し、東洋医学の考え方を取り入れ体の中心から手足に向かい施術していきます。「マッサージ」は血液やリンパ液の流れをよくするために、手足から体の中心に向かって皮膚を直接刺激していきます。「指圧」は、指や手のひらで服の上から体の一定部位を押します。特定の疾病治療や健康維持を図るために行います。この3つを組み合わせた施術を行うのが、あん摩マッサージ指圧師なのです。

あん摩マッサージ指圧師の給与・平均年収

あん摩マッサージ指圧師の収入は勤務先や経験年数によって異なりますが、初任給の平均は治療院だと約16万円程、病院勤務の場合は約20万円程です。平均年収は約300万円~400万円程度です。勤務先によっては勤務年数が上がり、能力給がつくところもあります。

マッサージ店や治療院では指名制のところだと、指名人数によって収入が増えていく制度を取り入れているところもあります。就職の際には国家資格を持っていると優遇され、資格手当がもらえる職場もあるようです。アルバイトとして働く場合、時給は1,000円~1,200円程度のところが多く、一般的なアルバイトより少し高収入です。

あん摩マッサージ指圧師に向いている人

  • コミュニケーション能力がある人
  • あん摩マッサージ指圧師は、患者さんに触れ合う仕事です。患者さんに体のどこが不調なのかを聞き出して治療しなければならないため、コミュニケーション能力が必須です。治療にあたりながら、患者さんと会話しながら痛いところを察知して対応する能力も必要です。

    指名制の治療院の場合、施術の技術はもちろんコミュニケーション能力に長けた人ほど人気が出ます。収入アップのためにもコミュニケーション能力は重要なのです。

  • 患者さんがリラックスできる空間を作ることができる
  • 痛みを抱えて治療に来る患者さんは、日常生活に支障をきたしているなど、不便を感じてやってきています。あん摩マッサージ指圧師は、コミュニケーションを取りながら、患者さんが少しでも痛みを忘れられるように、癒しの空間を提供するのも仕事のひとつといえます。

  • 体力がある人
  • あん摩マッサージ指圧師は治療する時に器械を使わず、自分の指や腕を使って治療をします。立ち仕事で足腰を使って治療するので、体力がないと仕事になりません。仕事をしていくうちに自然に筋力がつくこともありますが、体力が資本なので日常生活の中でそれを意識できる人でなければなりません。

あん摩マッサージと柔道整復師の違い

あん摩マッサージは、人の自然治癒力を高めながら行う治療で、「あん摩」「マッサージ」「指圧」の3種類の技法を使って人の健康を維持させる仕事です。医師の指示なしで患者さんにマッサージを行えるのは、あん摩マッサージ指圧師だけに認められています。
柔道整復師は肩こりなどの日常生活からくるものに対してマッサージを行うことは認められていません。あん摩マッサージ指圧師は、日常の生活の中からくる肩こりや腰痛などを改善させるのが目的です。

一方、柔道整復師は、外科の手術を行わないで人間が本来持っている自然治癒力を利用して、骨折・捻挫・打撲・脱臼・挫傷などの症状を治療する仕事です。「接骨師」や「ほねつぎ」と呼ばれることもあります。接骨院や整骨院が主な職場で、損傷を負った箇所を回復させるのが目的です。

どちらも国家資格で、外科的な治療や投薬を行わずに治療する東洋医学に基づく治療法という面では共通しています。そして、どちらも「開業権」があるので、経験を積んで独立開業することが可能です。

あん摩マッサージ指圧師になるには

あん摩マッサージ国家資格の受験資格を取得するための学校に通う

  • あん摩マッサージ指圧師の養成課程がある大学
  • あん摩マッサージ指圧師になるためにはあん摩マッサージ指圧師の養成過程がある学校で学ばなければなりません。その勉強ができる学校は少なく、全国で20校ほどです。現在は大学は1校しかなく、入学できるのは視覚障害者だけです。

  • あん摩マッサージ指圧師の養成課程がある専門学校
  • あん摩マッサージ指圧師の勉強ができる大学は視覚障害者の人のみの入学なので、それ意外の人は専門学校に入学します。

    あん摩マッサージ指圧師の仕事は、もともと視覚に障害を抱える人向けの仕事とされていたので、それ以外の有資格者が増えすぎないようにしたことが養成学校が少ない理由です。あん摩マッサージ指圧師になるための学校に入学するためには、倍率が高い場合が多いのでしっかり受験勉強をすることが大切です。

あん摩マッサージ指圧師の国家試験を受験する

あん摩マッサージ指圧師は国家資格です。試験は年に一度、例年2月上旬に行われています。国家資格試験に合格すると、独立・開業が認められます

あん摩マッサージ指圧師以外に、「はり師」「きゅう師」の資格を同時に取得すると「鍼灸マッサージ師」と呼ばれます。これらの資格を同時に持っていると就職や開業する時に有利になる場合があります。

あん摩マッサージ指圧師国家試験の難易度・合格率

あん摩マッサージ指圧師の国家試験の受験者は年々減少傾向にあります。平成28年の受験者数は1,601名でしたが、平成30年の受験者数は1,584名でした。合格率は例年85%前後を推移していて、平成30年の合格率は83.0%でした。

あん摩マッサージ指圧師として働く

あん摩マッサージ指圧師の勤務先

  • 治療院・各種マッサージ店
  • あん摩マッサージ指圧師の就職先で多いのは、治療院やマッサージ店です。治療院へ来た患者さんの治療に加え、患者さんの自宅や宿泊しているホテルへ出向いてマッサージを行うところもあります。マッサージ店は、ボディーケアマッサージ店や温泉施設などに併設されているリラクゼーションや美容関連のサロンで働く人もいます。

    あん摩マッサージ指圧師は国家資格を持っていないとできない仕事なので、資格を持っている人は優遇されることが多いようです。

  • 病院・介護施設
  • 病院の整形外科やリハビリテーション科、理学療法科で働く人もいます。病院では理学療法士とともに患者さんの手助けをします。脳神経外科で、肩こりや頭痛を和らげるためにあん摩マッサージ指圧師に施術をしてもらう病院もあり、病院でのあん摩マッサージ指圧師の活躍の場は広がってきています。

    最近では、デイサービスや介護福祉施設などで「機能訓練指導員」として施術を行うことが増えています。近年の高齢化に伴い、高齢者の機能維持や体調を整えるための役割を担うことが多くなってきています。

  • スポーツトレーナー
  • 最近では、スポーツ選手のケガ予防や試合の後のマッサージを行うために、スポーツトレーナーを専属で雇うチームが増えています。試合があると同行して、試合の前後にマッサージを施します。他には、視覚障害者の施設や学校で技術を教えるための指導者として働く人もいます。

あん摩マッサージ指圧師の求人状況

あん摩マッサージ指圧師の求人は、治療院が多く募集しています。また、最近では社会人になってからあん摩マッサージ指圧師の資格を取る人も増えてきています。

国家資格であるあん摩マッサージ指圧師は、独立・開業ができる職業だということもあり、働きながら専門学校へ通い資格取得を目指す人もいます。高齢化社会に先立って、高齢者のリハビリなどにあん摩マッサージ指圧師の需要は高まってきています。

あん摩マッサージ指圧師のやりがいと苦労

マッサージ指圧師のやりがい

  • 人から感謝される
  • あん摩マッサージ指圧師の大きなやりがいは、自分が身につけた知識や技術で多くの人を助けることができることでしょう。痛みや違和感を抱えている人は日常生活に不便を感じていることも多く、それが取り除けて患者さんが笑顔になってくれたとき、自身の喜びにもなります。治療を始めた頃はつらそうで、暗い顔をしていた人が治療を終えて「ありがとう。」と元気に言ってくれるのは、やりがいになるのです。

  • 手に職がつく
  • あん摩マッサージ指圧師の仕事は国家資格なので、知識と技術があれば自分の腕だけで働ける職業です。また、この資格は独立・開業が認められているため、自分で開業すれば年齢は関係なく自分ができる限り働くことができます。

あん摩マッサージ指圧師の苦労

  • 無資格のマッサージ店との競争
  • 治療目的で人の体を揉むことは医師以外では、あん摩マッサージ指圧師にしか許されていないことです。しかし、最近はいたるところに「ソフト整体」や「ボディケア」などの看板をよく見かけます。そこでは無資格のスタッフが在籍し、施術を行なっているところもあり、料金が安いとか、雰囲気がいいとの理由で選んでしまいがちです。そのため、あん摩マッサージ指圧師の置かれている状況は厳しくなってきています。

  • 患者さんとのコミュニケーション
  • 経験を積んだあん摩マッサージ指圧師は、患者さんの治療に関して体の様子や話を少し聞いただけで分かってくるものですが、それははじめからできるものではありません。色々な人がいて一人ひとり対応も異なってきます。人と話すのが苦手で痛みの度合いや場所を上手く伝えられない人や、丁寧に教えてくれない人もいます。全ての患者さんがすぐに心を開いてくれるわけではないため、患者さんとのコミュニケーションが難しいと感じることもあるでしょう。

あん摩マッサージ指圧師の将来性

現代社会では、スマートフォンやパソコン、ゲーム機器の普及で頭痛や肩こりに悩む人が増えてきています。そして人間関係や仕事から感じるストレスを抱え、そのストレスを解消するためにマッサージをしてもらう人も増えています。
また、高齢化社会の今、自分の足でいつまでも歩けるように、日常生活を不自由なく送りたいと願う高齢者が増えてきています。あん摩マッサージ指圧師は、介護福祉施設などで高齢者の方たちの健康維持や身体機能の低下を防ぐお手伝いをするため、需要が高まってきています。
このようなことから、あん摩マッサージ指圧師は今後も必要とされ、今後もさまざまなところで活躍する職業であるといえます。

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