声優の仕事に就きたい!オーディション・給料相場・求人情報など徹底解説

「小さい頃はよくアニメを見ていた」という人は多いのではないでしょうか?また、最近ではアニメ文化が進んで、大人も子どももアニメを見る人が増えています。アニメから影響を受け、声優を目指す人も多くいるでしょう。では、声優の仕事とはいったいどのようなことをしているのでしょうか?今回は、声優についてお話します。

声優とはどんな仕事?

声優はどのような仕事内容なのでしょうか?また、どんな時にやりがいや大変さを感じるのかをお話します。

アニメや映画のキャラクターに声を吹き込む

声優といえば、アニメですよね。声優は主にアニメのキャラクターに声を吹き込みます。(この作業を「アフレコ」といいます。)声優が担当するキャラクターは様々で、子どもや異性のキャラクター、動物などたくさんの役を演じます。「声だけ」と思われがちですが、声だけでも印象は大きく変わるので、演じるキャラクターをよく理解し、魅力を引き出さないといけません。

洋画の吹き替えも、声優の仕事の一つです。吹き替えでは、俳優の演技や口の動きに合わせて声をあてます。(吹き替えの場合、この作業は「アテレコ」といいます。)外国語に声をあてることや、外国語だと口の動きや発音も変わってくるので、求められる技術は高めといえるでしょう。

この他にも、ゲームキャラクターやテレビ番組のナレーターなどの仕事もあります。声優として人気がでると、ラジオパーソナリティとして自分のラジオ番組を持てたり、ライブやCDをリリースする歌手活動もすることができ、仕事の幅は広がっていきます。

声優の1日の仕事内容とは?

声優の勤務時間や仕事内容はその仕事によって違うため、スケジュールはほぼ毎日バラバラです。例として、ある声優の1日を表にまとめてみました。30分アニメの収録日の1日を紹介します。

時間1日の仕事内容
10:00スタジオ入り
打ち合わせ
11:00本番収録
13:00休憩
14:00本番収録の続き
17:00本番収録終了

上記が声優の1日の仕事内容ですが、収録の進み具合によって勤務時間は大きく変わり、進み具合が悪いと収録は長時間になります。
声優は基本的に、午前10時が最も早い出勤時間ですので、他の業種に比べると朝はゆっくりといえます。しかし、新人のうちは30分前行動が必須であることや、スタジオ内の声優やスタッフみんなに「〇〇プロダクションの△△です。本日はよろしくお願いします」と挨拶回りをしなくてはいけないなど、声優界のルールは数多くあります。挨拶回りをすることを考えると、30分以上前にスタジオに着かないといけないこともあるでしょう。

本番収録中は、セリフ以外の声や音を出してはいけません。スタジオのマイクは良く音を拾うので、ひそひそ話はもちろんですが、くしゃみや咳払い、台本をめくる音、足音、服がこすれる音も「ノイズ」として入ってしまうのです。当然、ノイズが入ると撮り直しになるので、本番中は声優は足音も立てず、台本も静かにめくるなど、たくさんの配慮をしないといけません。

声優のやりがい・大変さはどんな時に感じる?

声優のやりがいは、いろんな役になりきって演じることでしょう。ときには、自分とは全く違う性格や考え方を持つキャラクター、外国人役や少年・少女役なども担当することもあります。最初はどのように演じたらいいか分からないと思うこともありますが、台本をよく読み、キャラクターの気持ちなどを理解し、なりきって演じることが声優にとって最もおもしろいことといえます。また、自分のファンからファンレターをもらったり、スタッフに「よかったよ」とほめてもらえることも、やりがいの一つになるでしょう。

やりがいを感じられる「演技」ですが、ときには、つまずき大変だと感じることもあります。思うように演技ができず、悩んだり悔しい思いをする声優も多いそうです。しかし、このような苦い経験が、声優として技術を高めたり自分にとって成長できたと感じられる時もあるそうです。

声優は声が出ないと仕事にならないので、常に喉のケアや体調を整える必要があります。鼻声やガラガラ声では仕事ができないため、花粉症対策や風邪対策が欠かせないのです。人が多いところではマスクをしたり、乾燥や湿度にも気をつけないといけません。

声優になるにはどうすればいい?

声優になるためには、どんなことをすればいいのでしょうか?また、声優には特別な資格が必要なのでしょうか?

特別な資格は必要なく、年齢制限もない

声優になるために、特別な資格は必要ないので誰でも声優になることは可能です。また、年齢制限も特にないので、何歳からでも声優を目指してなることができます。

専門学校で声優養成コースや養成所に入る

声優に資格は必要ありませんが、ほとんどの人は高校卒業後に声優養成コースのある専門学校や養成所に入ります。養成所で声優になるために必要な知識を身につけたり、声優にとって重要な発声や滑舌、表現力などの技術を磨きます。

このように、声優に必要なことを学ぶのはもちろんですが、声優プロダクションの求人情報のほとんどは養成所や声優コースのある専門学校に来ます。求人が集まるのは、専門学校やスクールの卒業生を採用することがほとんどだからです。

養成所卒業後、声優プロダクションに所属する

養成所で必要な技術や知識を学んだあと、声優プロダクションの採用試験に合格すると、最初は「仮所属」「ジュニア」などというような形で、プロダクションに所属します。実績を作ったり下積みとしてさまざまな経験を積むと「正所属」となり、ここでやっと声優になれるのです。仮所属中も苦労が多いのですが、征所属の声優になっても仕事がなかったりお給料が少なかったりと不安定です。声優として活躍できる人は少なく、ほんの一握りの人といえるでしょう。

  • 仕事しながらでも声優になれる?
  • 仕事をしながらでも声優になることもできます。活躍する声優さんの中にも、日中は仕事をして夜は夜間の声優の専門学校に通っていたという方もいます。夜間通える養成所や専門学校が多いことや週末に授業を受けられる所もあるそうなので、チェックしてみてください。

声優にはどんな人が向いてる?

声優にはどんな人が向いているのでしょうか?大きく3つに分けてご紹介します。

演技力、表現力が豊かな人

声優は声だけで演じる仕事ですので、演技が好きな人や表現力が豊かな人が向いているでしょう。台本に書いてあるセリフを見て、「このキャラクターはどんな気持ちなんだろう」とキャラクターの気持ちや性格などをイメージして、演技することが大切です。

人と話すことが好きな人

収録にはたくさんの人が関わります。同じ声優や監督、スタッフなど多くの人達が関わって、アニメや映画が出来上がります。たくさんの人達とうまく関わるためには、コミュニケーションをとるのが上手な人や話すことが好きな人も声優に向いているでしょう。スタッフや監督とコミュニケーションを取ることはとても大切で、作品を作り上げていくまでには協力が必要不可欠なのです。また、積極的に挨拶をしたりお礼を言える人は好印象を与えることもできます。

声優に対して熱意がある人

声優の世界はとても厳しく、声優の養成所を卒業できたとしても皆が声優になれるとは限りません。声優になれたとしても、新人のうちは仕事は少なく不安定です。その不安定さや厳しさから心が折れてしまう人も少なくありません。「声優になりたい!」「ライブができるぐらい有名な声優になる」と強い気持ちやポジティブさ、情熱がある人が声優に向いているでしょう。

声優の大変なこと大きく4つ

どんな仕事にも大変なことはありますが、声優はどんなことが大変なのでしょうか?

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喉のケアや体調管理をしっかりしないといけない

声優は声が命と言っても過言ではありません。ガラガラ声や鼻声、かすれた声では仕事にならないので、喉を守るために様々な工夫をしているのです。人が多い所や電車内で風邪予防のためにマスクをしたり、乾燥や湿度に気をつけたりする必要があります。

また、風邪やインフルエンザにも気をつけないといけません。収録日に体調を崩して仕事を休んでしまうと、監督やスタッフ、他の声優の方などその仕事に関わる全ての人に迷惑がかかってしまうのです。何度も体調を崩すと仕事が来なくなってしまうため、体調はしっかり管理しないといけません。

仕事依頼がないことがある

声優は「声優になってから」が大変だと言われています。なぜなら新人のうちは、仕事が少なく安定しないからです。仕事がなければ当然収入もないので、声優はオーディションをいくつも受け仕事を得ないといけないのです。プロとして活躍している声優の中にも、新人時代は一ヶ月、長い人で1~2年間仕事がなかった方もいるそうです。

オーディションが必須でライバルが多い

声優として仕事をするためには、オーディションに合格して役をもらわないといけません。オーディションはライバルが多く役をもらえる可能性は低いです。合格して役をもらえたと思ったら、突然のキャスト変更で別の人に役をとられてしまうこともあるそうです。また、何度も何度もオーディションを受けるうちに自信がなくなってしまうこともあるそうで、声優になるには強いメンタルが必要かもしれません。

売れるまで副業することが多い

ほとんどの声優の方は、新人時代にアルバイトと掛け持ちをして生計をたてていまです。声優の仕事は不安定で仕事が少なく、アルバイトの稼ぎを頼りに生活を送ることがほとんどなのです。

しかし、突然仕事が入ったり無くなったりする声優の仕事は、アルバイト出勤する日に突然「仕事が決まったから、〇〇スタジオにきて」と言われることもあります。そうなるとアルバイトを断り、声優のほうの仕事に向かわないといけません。しかし、このような欠勤が続いたことが原因で、アルバイトがクビになってしまう時もあります。アルバイト先にも迷惑をかけずに声優の仕事をするには、

  • 1日だけのアルバイトをする
  • 事情を知っている信頼できる人のもとでアルバイトをする
  • 早朝に働く(声優は早くても10時から仕事なので、朝6~9時まで働く)

などの方法があり、自分にあったやり方で声優業とアルバイトを掛け持ちしています。

声優のお給料や休日・求人は?

声優の求人や休日、気になるお給料についてもお話します。

声優の多くはお給料は完全歩合制である

30分アニメのギャラは約15,000~45,000円程度といわれており、これを毎週一本こなしたとしても、プロダクションにいくらか引かれるため、手取りは月30,000円~60,000円ほどといえるでしょう。

声優のほとんどは完全歩合制です。そのため、収入がない月もあります。また、ボーナスや交通費、退職金などもありません。声優だけの仕事で生計を立てていくことは難しく副業をしないといけません。

休日は仕事次第で変わることが多い

声優の仕事は、勤務時間も休日もバラバラです。突然仕事が入ったり無くなったりすることもあれば、毎日お休みなんて人もいます。人気声優になると日々、収録や稽古などに追われて休みがないこともあります。そうなるとゴールデンウイークやお盆休みなど長期休暇は存在しないと言えるでしょう。しかし、いつ仕事がくるか分からない不安定さやお給料の低さから、声優は仕事に追われるほうがいいのかもしれません。

求人情報はほとんど養成所に送られてくる

声優プロダクションは求人情報のほとんどを声優の養成所や専門学校に送り、学校・養成所の卒業生を採用します。声優の求人情報はあまり外部に送られないので、声優になる近道は養成所や専門学校に通うことといえるでしょう。

声優の将来性

最近はアニメに注目が集まり、大人も子どももアニメを見る人が増えてきました。「アニメが好きだから声優になりたい」と声優に憧れを抱く人も同様に増えています。それに伴い、アニメの制作数も増えていて、地上波だけでなくCS放送・BS放送、インターネットのアニメ放送などもありますが、アニメ関連だけでなく海外のドラマの吹き替えや司会業、ナレーター、ラジオパーソナリティも声優の仕事のうちに含まれるため、声優が活躍できる場は多いですし急激に減ることもないでしょう。

プロの声優として活躍できる人はほんの一握りですし、不安を感じると思いますが、声優になりたい強い思いや努力が大切だと言えます。少しずつでも仕事をこなしていき演技力を身につけたり、努力を続けることが成功につながっていくでしょう。

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