外交官は日本の国交を担う重要な仕事!なるための方法や外交特権・女性外交官の活躍について

外交官という言葉は、ほとんどの人が耳にしたことがあるのではないでしょうか。高学歴で高収入のエリートといったイメージを漠然と抱いている人も多いでしょう。しかし、具体的にどんな仕事をしているのかを知らない人も多いのではないでしょうか。今回は、外交官がどのような仕事内容なのか、どのくらいの給料なのかなど、徹底解説します。

外交官とは?


外交官とは、外務省に勤務し日本と他国との外交を担う仕事です。外交の一番の目的は国際社会における自国の安全・繁栄の確保と、国民の生命・財産の保護であり、外交官は国のために働くとても重要で責任のある仕事と言えます。
 

外交官の具体的な仕事内容

外交官は霞が関にある外務省本省の他、世界各国におよそ200ヶ所ある日本の在外公館に勤務します。代表的な仕事としては、海外における日本人の安全確保が挙げられます。外国に渡航する日本人のために現地の治安や災害などの情報を集めて「海外安全ホームページ」に載せたり、現地で日本人が事故や事件に巻き込まれたときに安否を確認して日本の家族に連絡したりします。

また、外国と日本の交流を深めるためのイベントを企画したり、ODA(政府開発援助)で発展途上国の開発を支援するなど、仕事内容はさまざまです。外交官は基本的に、5~6年おきに霞ヶ関の本省と海外にある在外公館での勤務を繰り返すことになります。

キャリアとノンキャリア、専門職と総合職とは?

外務省に勤務する職員のうち、一般的に外交官とよばれる仕事には「外務省総合職」「外務省専門職」の2種類があります。外務省総合職は「キャリア」とも呼ばれる仕事で、国の外交政策に直接関わる重要な仕事を任されることが多いのが特徴です。派遣先も五大国のような主要国が中心で、将来的に大使や管理職など高い役職につく可能性があります。

一方、外務省専門職はより地域や国に特化した仕事をします。話者の少ないマイナーな言語や地域の文化・情勢など、知識を生かして二国間外交に携わります。具体的な仕事内容は、日本と担当国の文化交流を促進することや発展途上国の支援などです。また、ある言語や地域のスペシャリストとして国際会議や会見の通訳を任されることもあります。

外務省職員の中には「外務省一般職」とよばれる職種も存在します。会計や庶務のような一般的な事務仕事を行なって、総合職員や専門職員を補佐する仕事です。直に外交に携わる仕事ではないので一般的に外交官とは呼ばれることはありませんが、海外勤務の頻度は外交官と同じです。

高所得なイメージの外交官の気になる年収は?

外交官というと、エリートで高所得といったイメージがある人も多いでしょう。外交官は国家公務員であるため、給与は政府によって規定されています。人事院の調べによると、国家公務員の給料は平均約33万円です。初任給は約20万円で、年齢を重ね等級が上がるごとに給料も上がります。外交官の場合、この給料に加えて海外勤務の際に在外勤務手当が支給されます。この在外手当がかなり大きく、一番低い場合でも1ヶ月20万円ほどです。

また、総合職の方が専門職に比べ高い役職につくことが多いため年収も高くなる傾向があり、一番高位の「大使」になると年収は2,000万円に上ります。一般的に外交官の年収は、最終的に600万円から800万円ほどになるようです。

外交官の生活!海外赴任はどれくらいある?

外交官として外務省に入ると、まずは研修として2~3年ほど自分の専門となる言語を身に着けるために留学します。研修が終わった後も、5~6年おきに在外勤務があり、外交官は一生の半分を海外で過ごすと言われています。在外勤務の場合、基本的に勤務時間は朝から夕方までですが、なにか事件や事故が発生した場合は現地の日本人の安否確認や日本の家族への情報提供は一刻を争うため、徹夜で作業をすることもあります。

また、赴任先の国と親交を深めるため、パーティやレセプションに出席するといった仕事もあります。本省勤務でも、時差の影響で深夜・早朝の作業があったり、残業や休日出勤をしたりするので勤務時間は一定とは言えません。

外交官特権とは何のこと?

海外で国家間の重要な仕事に従事する外交官には、赴任先の国で安全に生活し仕事を行うために「外交官特権」と呼ばれる特別な権利が与えられています。この権利は1961年に国際法として定められたもので、外交官の抑留や拘禁の禁止、住居の不可侵や税金の免除などがあります。これらの特権は、あくまで外交官が任務を遂行するためにあるものなので、この権利を濫用すると大きな問題になります。

外交官になるにはどうすればいい?

外務省で働くための試験は3種類

外務省で働くための試験は主に次の3種類です。

  • 国家公務員採用総合職試験
  • キャリアと呼ばれる総合職員になるためには、国家公務員総合職採用試験に合格し、さらに外務省に官庁訪問を行ない内定をもらう必要があります。国家公務員総合職採用試験は各省共通の採用試験で、一次試験と二次試験からなります。

    受験者は政治・国際、法律、経済、人間科学、工学、教養など11の区分から1つを選んで受験しますが、選んだ区分の知識だけでなく文章理解能力や人柄・対人能力など幅広い素質を試されることになります。この試験は大変な難関とされ、その倍率はなんと20倍ほどにもなります。そしてこの難関を潜り抜けたあと、外務省に官庁訪問を行ない内定を受ければようやく入省が決まるのです。

  • 外務省専門職員採用試験
  • 一方、専門職として入省したい場合は、外務省専門職員採用試験を受験します。これは外務省が独自に行う試験で、一次試験と二次試験からなります。一次試験では憲法、国際法、経済学に関する記述式試験と選択式の基礎能力試験、時事論文試験、そして記述式の外国語試験が行われ、合格したら二次試験で面接による外国語会話の試験と面接やグループ討議による人物試験、そして身体検査を受けることになります。

    なお、外国語は英語のほか、ロシア語・ポルトガル語・フランス語・アラビア語・ドイツ語・ペルシャ語・スペイン語・イタリア語・ベトナム語・ミャンマー語・インドネシア語・タイ語・朝鮮語・中国語から選ぶことができます。

    このように、専門職員採用試験は外国語能力に重きをおいた試験で、採用予定人数は毎年50名程度です。総合職試験に比べれば受かりやすいとも言われますが、かなりの難関であるのは間違いありません。

  • 国家公務員採用一般職試験
  • 国家公務員採用一般職試験に合格した後、外務省に官庁訪問をして内定をもらえれば、外務省で外交官の補佐の仕事をすることになります。この一般職試験は全国で受けることができます。試験内容は以下のとおりです。

  • 一次試験
  • 選択式:基礎能力試験、専門試験
    記述式:一般論文試験、専門試験

  • 二次試験
  • 面接による人物試験

    一般職試験の倍率は総合職・専門職試験ほど高くはないため、比較的敷居は低いと言えるでしょう。

英語力はどのくらい必要なの?

外国との交渉が外交官の仕事ですから、当然業務の中で英語を使う機会が多くなります。外交官になるためにはどの程度の英語力が必要なのでしょうか。
河野外務大臣は、2016年度から入省する職員にTOEFLで100点以上、またはIELTSで7.0以上の獲得を目標とすることを発表しました。英語圏の大学へ留学する際、授業を受けるのに必要な英語力があるかどうかの基準になる試験がTOEFL、IELTSです。

TOEFLは北米の大学、IELTSはヨーロッパの大学で主に利用されています。TOEIC100点はハーバード大学やスタンフォード大学、イェール大学のようなアメリカの超有名大学へ入学する際に求められるスコアです。IELTS7.0以上は、オックスフォード大学やケンブリッジ大学など、イギリスの名門大学に留学する際に求められるスコアです。

総合職員として外務省に入省する場合、官庁訪問の際にTOEFLもしくはIELTSのスコアを提出することが推奨される一方で、英語力のみで合否が決まることはありません。語学力が多少低くても他の部分で評価されて入省し、後に語学力を身に着けて活躍するというケースもあります。

このように、外交官は基本的に極めて高い英語力が求められますが、英語力が基準を満たしていなくても入省が認められる可能性はあるでしょう。また、外交官は英語圏以外にもさまざまな国との交渉を行うため、英語以外に得意言語があればその語学の公的な語学試験を受けてスコアを提出することで評価の材料となります。

外交官になるには大学に通った方が良いの?

外交官というと、高学歴のエリートというイメージのある方も多いでしょう。実際、外交官になるためには大学に通うことは必須なのでしょうか。
まず、総合職員として入省するために受験が必要な国家公務員採用総合職試験に関しては、大卒程度試験と院卒者試験があります。そのため、外務省の総合職員となるためには、大卒以上の学歴が必要です。

次に、専門職員として入省する場合、外務省専門職員採用試験の受験資格が必要になります。受験年度の4月1日時点で21歳未満の者に関しては4年制大学・短期大学もしくは高等専門学校を卒業見込みの者、21歳以上30歳未満の者に関しては学歴は問わないとされています。
専門職員になるためには、必ず大卒の資格が必要というわけではありません。しかし、試験に通るためには極めて高い学力が要求されるため、実際に専門職員になる人は大卒以上の人がほとんどです。

一方で、国家公務員採用一般職試験の合格者のうち外務省が採用を行うのは、事務の職種に関しては高卒者試験合格者のみとなっています。大卒ではないけれど外務省で働きたいという方には、一般職員としての採用を目指す道もあるのです。

外交官の出身大学はどこが多いの?

外交官の出身大学の傾向は、総合職と専門職で異なります。総合職の場合は、東京大学、京都大学、早稲田大学、慶應義塾大学出身者が多いです。専門職の場合は語学力が専門職以上に重視されるため、東京外国語大学や大阪大学外国語学部、上智大学の出身者も多くいます。
 

外交官は女性の活躍も多い!


外務省は、女性職員の割合が全体の約三割と他の省庁と比べても高いほうです。男女によって仕事を区別することもないと公言しており、女性が活躍している職場と言えるでしょう。

出産や育児と外交官の仕事は両立できる?

外務省では、男女によって仕事が区別されることはありません。しかしそれは、女性にも男性と同じ激務をこなすことが求められるということです。出産や育児と仕事の両立は可能なのでしょうか。

女性外交官は昔、結婚したら退職する場合が多かったようですが、現在では産休や育休を利用して職場復帰する人が増えています。しかし、職場復帰した後も保育園の送り迎えなどによりどうしても育児による時間的制約があるため、早出制度を利用したり、休日出勤して終わらなかった仕事を片づけたりと、時間のやりくりに苦労する面もあります。

外務省で働く女性が、出産や育児と仕事を両立するのは大変ではありますが決して仕事もこなすことは不可能ではなく、制度や雰囲気の面でも両立しやすくなってきています。

外交官は日本と他国をつなぐ重要な仕事


外交官は日本のと他国の架け橋となる、国家にとって必要不可欠な仕事です。外交官になるためには相当な努力が必要で、在外勤務も多く激務ですが、人生をかける価値のある素晴らしい仕事と言えます。女性の活躍も求められているので、やりがいのある仕事をしたいという人は挑戦してみてはいかがでしょうか。

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