転職・就職・アルバイトなど、仕事探しの際に避けて通れないものの一つが面接です。面接では話す内容だけではなく、その伝え方が重要視されるため、苦手意識を持つ人も少なくないのではないでしょうか。そこで今回は、話し方にフォーカスを当て、面接のポイントをご紹介します。好印象な話し方であなたの魅力をしっかりと伝え、面接を成功させましょう。
面接で好印象な話し方をする7つのコツ
面接では、自分のことを分かりやすく魅力的に話すことが求められます。まずは面接全般を通して基本となる、好印象な話し方をする7つのコツを押さえましょう。
姿勢を正し笑顔で話す
面接官にきちんとした印象を与えることは、言うまでもなく大切です。いくら話している内容が素晴らしく、話し方も好印象だとしても、姿勢が悪く見た目から自信が感じられなくては、あなたの魅力が半減してしまいます。背筋を伸ばし、目線を前に向けることを常に心がけましょう。少し胸を張る意識を持つと、自然と背筋が伸びるでしょう。
また、笑顔で話すことも心がけていたいことの一つです。笑顔で話すことは、好印象を与えるだけでなく、相手に自分の好意を伝える手段でもあります。緊張して笑顔で話すことが難しいと感じる人は、口角を上げる意識を持つことだけでも、表情の印象が大きく変わります。
結論から話す
面接官に質問された際に、まずは結論を答えるよう心がけましょう。結論を後回しにしてしまうと、結論に辿り着く間に話が広がってしまい、質問の回答から逸れてしまうケースが多々あります。結論から答えることで、面接官が質問したかった内容にきちんと答えることができるのです。
そして結論を話した後に、その理由や背景を話すことが大切なポイントです。結論だけの回答は、淡白な印象を与えてしまう傾向にあります。回答の理由や背景から、あなたの人柄や考えが相手に伝わるのです。
ゆっくり・はっきりと話す
面接の場では緊張から、多くの人が早口になることがあるでしょう。早口は落ち着きのない印象を与えてしまうだけでなく、せっかく話した内容を聞き取ってもらえないこともあります。
また、早口になってしまうと、滑舌も悪くなってしまいます。滑舌が悪いと聞き取りづらく、自信のない印象を与えてしまうこともあります。ひとつの回答ごとに一呼吸置き、普段よりもゆっくり・はっきりと話すことを心がけると良いでしょう。
敬語・語尾に気を付ける
正しい言葉遣いができることは、社会人として大切なスキルの一つです。自然にそれができると、信頼にも繋がります。普段は言い慣れない表現もあるかもしれませんが、面接中は正しい言葉遣いを心がけましょう。間違い敬語には、下記のようなものが挙げられます。
- 知る
誤)知りませんでした
正)存じ上げませんでした
- 聞く
誤)ひとつ聞いてもよろしいでしょうか?
正)ひとつお伺いしてもよろしいでしょうか?
- 了解する
誤)了解しました
正)かしこまりました / 承知しました
敬語が苦手だと感じる人は、本を一冊読んでおくなど勉強をすれば、就職後の自信にも繋がるでしょう。
また、質問への回答の際は、語尾にも気を付けましょう。意見を問われた際などは特に、「~と思います」と答えてしまいますが、あまり多用しすぎると自信のない印象を与えてしまいます。時には、「~です」「~と考えます」と言い切ることも、メリハリをつけるポイントです。”終わり良ければ全て良し”とまで言いませんが、会話において語尾が与える印象が大きいことを、心にとめておきましょう。
抑揚のある話し方を心がける
抑揚のない棒読みな話し方では、面接官を惹きつけることはできません。どんなに魅力的な言葉も、平坦に聞こえてしまい、相手の心に届かないのです。しかし、大袈裟な表現をする必要はありません。あなたが伝えたいと思うポイントにおいては、少し声を大きくしゆっくりした口調で話すことをまずは試してみてください。そして、一文話し終えたら一呼吸おき、次を話し始めましょう。これらを意識するだけで、メリハリと抑揚ある話し方ができます。
子どもっぽい話し方は控える
子どもっぽい話し方は、プライベートではチャームポイントの一つになりますが、面接の場面では控えるのが無難でしょう。頼りない印象や、仕事を任せる上で不安を持たれてしまう可能性があるのです。話し方が子どもっぽい印象を持たれる人には、下記のような特徴があります。
- 語尾が伸びる
- 感嘆詞を多用する
- 敬語が使えない
このような癖がある人は、面接の際は控えるよう心がけましょう。
面接官の話をしっかりと聞く
「とにかく自分を伝えなければ」と思ってしまいますが、面接官の話をしっかりと聞くことも、とても大切です。面接官の質問意図と回答が食い違ってしまっては、いくら回答内容が素晴らしくても、良い評価は得られないでしょう。面接官の話をしっかりと聞き、良好なコミュニケーションを取ることが面接において大切なポイントです。
万が一、話を聞き取りきれず質問の内容が理解できなかった際は、正直にその旨を伝え、丁寧に会話をすることを心がけましょう。しっかりと話を聞こうとする姿勢が、好印象に繋がるはずです。
質問項目ごとの話し方のポイントと対策
面接では予想外の質問をされることも少なくありませんが、逆に必ずと言っていいほど聞かれる質問も存在します。代表的な3つの質問項目について、話し方のポイントと対策をご紹介します。
志望動機を話す場合
志望動機は、企業への思いや考えを、率直に伝えることができる一番のチャンスです。素直に熱意を伝えることも大切ですが、ただの感想文になってはいけません。最低限のポイントを押さえて、論理的に話す場面も用意すること大切です。ポイントは下記のとおりです。
- なぜ御社なのか、明確な理由の提示
- 自分がやりたいことを、会社のビジョンと結びつける
面接官が聞きたがる話のキーワードとして、”なぜ”が存在します。数多くある同業の中で、なぜこの企業なのか、なぜ働きたいのか。不特定多数の企業で実現できる内容ではなく、その企業だからこそ持った志望動機を、具体的に話せると良いでしょう。
また、自分がやりたいと思っていることと、会社のビジョンを結びつけて話すことも好印象を与えることができます。同じ作業がこなせる人が二人いたとすれば、企業が採用したいと思うのは、ビジョンやミッションに共感してくれる人材です。ただ「採用してほしい」と熱意だけ示すよりも、明確な理由が提示できる方が、好印象と言えるでしょう。
職務経歴を話す場合
面接官はこの質問を通して、あなたがどのような経験を積み、どのようなスキルを保有し、どのような思いで働いてきたかを見ています。大抵の場合、履歴書と一緒に職務経歴書も提出しているはずです。そのため、面接官もある程度の情報は、職務経歴書で知ることができます。面接の場では、経歴を淡々と述べるのではなく、アピールポイントを中心に話せるよう準備しておきましょう。その際に、応募した企業のビジョンや業務内容と結びつく内容にフォーカスできれば、より好印象となるでしょう。
自己PRを話す場合
一問一答の質問と違い、話せる範囲が広いからこそ、戸惑ってしまう人も多いのではないでしょうか。しかし、あなたの魅力や力量が面接官に測られる、大切な質問項目です。下記のポイントを押さえておきましょう。
- 具体的な根拠を提示する
- 企業に貢献できる理由を話す
- とにかく自信を持って話す
ただ「~が得意です」「~が長所です」と言うだけでは、説得力に欠けてしまいます。具体的な根拠を提示することで、あなたの自己PRに説得力が生まれるのです。そして、自分自身の長所やスキルのPRだけでなく、そのことで企業にどう貢献できるかも、理由とともに話しましょう。
例えば、”前職で○○を担当し、○○という実績を残した”という具体的な事例を元に、企業に貢献できる内容を話せると良いでしょう。職務的な具体例が提示できない場合は、仕事をする際に心がけていることからも自己PRができます。心がけていることとその理由、さらにそれが企業にどのようなメリットをもたらすかが話せると良いでしょう。
自己PRにおいて大切なことは、とにかく自信を持って話すことです。今一度姿勢を正し、面接官の目を見てハキハキと話してみてください。
面接シーンごとの話し方のポイントと対策
バイト、就職、転職と、面接を受けるシーンごとに、伝えるべきポイントや話し方の注意点も異なります。
バイト面接の場合
バイト面接の場合、社員雇用の面接と比較して、ラフな雰囲気の面接であるケースが多いです。最低限のマナーを押さえた上で、リラックスして会話を楽しむよう心がけましょう。リラックスしたやり取りの中で、志望動機や仕事への責任感など、しっかりとした一面を見せられると好印象です。しかし、”バイトだから”と甘く見るような発言はNGです。しっかりと挨拶をすること、ハキハキと答えること、敬語を使うことなど、基本的な話し方を意識し、面接に臨みましょう。
就職面接の場合
新卒での面接の場合、職務経歴がないため、学生時代の活動やアルバイト経験を元に話すケースが多くなります。その際にポイントとなってくるのは、仕事に対するビジョンや姿勢です。今までの経験をどのように仕事に活かし企業に貢献するのか、共感したビジョンは何だったのか、具体的に話せると良いでしょう。
仕事においての実績を数字で提示できない分、自分自身と企業の考察を深めることが、重要とも言えます。また、アルバイトも立派な社会経験の一つです。それを通して得たものを話せるよう、準備しておきましょう。
転職面接の場合
転職面接において、多くの場合重要視されるのが、即戦力になれるかという点です。社会人として基本的なマナーやスキルがあるか、経験がある分厳しく判断されることも理解しておきましょう。職務経歴や自己PRは、企業に貢献できることを具体的に述べると良いでしょう。しかし、それがただの”自慢”にならないよう注意が必要です。謙虚な姿勢を常に心がけ、面接官の話をよく聞き、いつも以上に丁寧に話すことを意識しましょう。
面接で好印象を与える話し方の練習方法
面接当日に好印象な話し方をするためには、準備と練習が必要です。ひとつずつ丁寧に確認していきましょう。
自分の経歴や強みを整理する
人に自分のことを話すためには、自分自身を知ることから始まります。まずは学歴と、職務経歴を書き出してみましょう。次に、その中で得たものや実績、得意だと感じたことを、箇条書きにします。そこから特記すべき経歴や、自分の強みを抽出しておきましょう。
定番の質問は回答を準備する
面接には、定番の質問が存在します。志望動機、自己PR、長所・短所、職務経歴、希望の職種、最近気になっているニュースについて、などです。これらの定番の質問は、ある程度回答を準備しておきましょう。そうすることで、当日も少し余裕が持てるはずです。
面接当日を想定してロールプレイング・録音をする
自己分析や回答の準備が終わったら、面接当日を想定してロールプレイングをします。ロールプレイングとは疑似体験のことを言い、本番を想定して行うリハーサルのようなものです。面接官役をやってくれる家族や友人がいれば手伝ってもらいましょう。もちろん一人でも練習はできます。質問をいくつか準備し、実際に答えてみましょう。そして、その様子を録音しておきましょう。
自分の癖を知り改善する
ロールプレイングの録音を聞き返し、話し方の改善を図ります。下記のポイントを確認できると良いでしょう。
- 話している内容が分かりづらくないか
- 話す速度は適切か
- 聞き取れる声量か
- 声色が暗くないか
また、「あー」や「えっと」で話を繋ぐ癖がある人も多いです。多少なら気にすることはありませんが、録音を聞き返して多いなと思う場合は、意識的に控えるよう心がけることが大切です。
苦手意識がある人は話し方教室へ通うこともひとつの方法
人と話すことや面接に苦手意識がある人は、専門の教室に通うことも一つの方法です。最近では、プレゼン専門の講座や、日常的な滑舌を改善する講座など、多様な講座があります。苦手意識を克服することで、今後の自信にも繋がるでしょう。
面接の話し方対策におすすめの本BEST3
面接の話し方に関するおすすめの本を、厳選して3冊ご紹介します。ぜひ、面接対策の参考にしてみてくださいね。
アナウンサーが教えるなぜか「面接に受かる人」の話し方
好印象を持たれる話し方にフォーカスして、紹介された一冊です。各ジャンルごとに分けられているので、苦手だと思うジャンルから取り組めるのもおすすめのポイントです。
面接突破法 人の気持ちを動かす話し方
実際に一万人以上を指導された著者が記す、実用的な一冊です。面接の基礎から、よくある質問への回答まで、面接全般の対策として役立ちます。
受かる! 面接力養成シート
自分の回答を書き込む形式になっています。回答事例も掲載されているので、参考を元に回答を考えることができます。面接の基本からシミュレーションまで網羅できる一冊です。
好印象を与える話し方であなたの魅力を伝えよう
面接官はあなたの粗を探そうとしているわけではなく、自社にあった人材を見極めています。しっかり準備をした上で面接に臨めば、その熱意がきっと伝わるはずです。好印象な話し方を収得し、あなたの魅力を存分に伝え、「この人を採用したい」と思わせることが面接成功の秘訣と言えるでしょう。