洋裁技術検定とは?資格を取得すればアパレル業界の即戦力に!

「洋裁技術検定」は、被服・服飾に必要な技術・知識の習得を証明するための資格です。ここでは、洋裁技術検定受験に必要な知識・受験資格・費用や受験時期や難易度、また資格取得後の就職先についても解説します。

洋裁技術検定とは

洋裁技術検定

アパレル業界への就職を目指す専門学生や大学生が、基礎知識と実技を取得したことを証明するための検定です。試験は洋裁についての理論試験と、実技試験の2部門から構成されています。

アパレル業界への就職は実務経験が重視されますので、洋裁検定を持っているから就職できるということではありませんが、「専門知識を勉強し、習得したことが証明されている」という観点から、就職試験で優遇されることがあります。

洋裁技術検定の受験資格・難易度

洋裁技術検定を受けるには認定校に通う必要がある

洋裁技術検定は、「日本ファッション教育振興協会」により認定された学校に通う学生のみに受験資格があります。なお、認定校は全国の服飾の専門学校や短期大学です。認定校でない洋裁教室やスクール、通信講座では受験することができないのでご注意下さい。

初級・中級・上級それぞれの難易度

初級

服飾・用材道具・素材の種類や名称、特徴などの知識、用布の見積もりや裁断、補正、縫製の知識と技術が求められ、実技試験は主に婦人、子供服の平常着の制作です。難易度はあまり高いものではなく、協会認定の学校に通いきちんと勉強していれば、問題なく合格できる程度です。

中級

筆記試験では、洋裁用語・用具・素材の知識、服装の社会性やマナー、流行・色彩の知識、スタイルの技術、その他専門知識が求められ、実技試験は、一般的なデザインの作品を制作します。

上級

筆記試験は中級と同様の項目があり、専門知識、服装史、流行と社会生活について出題されます。また、実技試験に必要な技術と知識も求められます。上級ともなるとレベルはかなり高くなり、認定校卒業後に、さらに勉強をして取得する人が多くいます。

受験するまでには何年かかる?

多くの学校では、1年次に初級、2年次に中級、3年次に上級の受験ができるようになっています。また、認定校を卒業していれば、在学中に資格を取得できなかったとしても、卒業後に受験し、資格取得できる学校もあるようです。確実な資格取得を目指す方は、入学前に卒業後も受験資格があるのか確認しておくと良いでしょう。

受験費用と受験時期は?

受験の出願期間は、毎年10月1日から10月30日で、試験日は1月下旬頃です。受験はそれぞれの認定校で実施されます。受験料は1回3,000円(税込)で、合格した場合はさらに2,500円の認定料がかかります

受験時期になると、それぞれの学校で案内があるはずですので、それに従えば問題なく受験できるでしょう。

洋裁技術検定に受かったらどのようなところで活躍できる?

洋裁技術検定

洋裁技術検定を取得すると、どのような職業に就くことができるのでしょうか。洋裁技術検定を取得しているということは、認定校で服飾の専門教育を受けているということでもあります。服飾の学校を卒業した学生は、どのような卒業後の人生を過ごしているのでしょうか。

デザイナー・パタンナーとして活躍

洋裁技術検定を取得し、認定校を卒業したあとの進路のひとつとして、洋服を「作る」側の仕事に就くことができます。アパレル企業に就職し、「デザイナー」や「パタンナー」として活躍をしたり、デザインの好きな方は、生地のデザインをする「テキスタイルデザイナー」になったりする人もいます。

なお、洋服を「作る」仕事でも、ひたすらとミシンで、与えられたものを縫い続けていく縫製のスタッフは、洋服技術検定の資格まで求められません。しかし、何もないところから、新たな製品を作り出すことを求められる仕事に就きたい場合は、洋裁技術検定を取得しておく方が良いでしょう。

また、作り出す製品は、大手量販店で取り扱う衣服から有名ブランドの衣服や結婚式のウェディングドレスの制作まで、就職先の企業により、同じ衣服でも全く異なります。在学中に、将来どのようなものを作りたいのかを見極め、企業研究をしておくと良いでしょう。

年収はフルタイム勤務で280万円程度から、有名ブランドのデザイナー・パタンナーともなると、年収800万円を超えることもあるようです。最初は大きな報酬を望めなくても、経験や知識を積むうちに、大きな報酬を得られるようになる可能性があります。

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デパートで専門知識のある販売員になる

もうひとつの就職先は「売る・買う」側の仕事です。服飾の専門知識を活かし、デパートなどで、ファッションアドバイザーとして商品のディスプレイから販売、在庫管理の仕事をしたり、アパレル商社や店舗で仕入れ活動を行なったりする「バイヤー」の仕事に就く人もいます。

また、ファッションアドバイザーのように個人に対して販売をするのではなく、企業に対して、自社ブランドの商品を売る「営業」の仕事に就く人もいますよ。

自宅で受注生産

卒業後、一旦就職したものの家庭の事情などで仕事を辞め、自宅での制作をする人もいます。受注生産の場合は、制作したものをECサイトに出品したり、オーダーメイドの製品を作り直接顧客に納品したりします。

企業の方針などに従う必要がなく、オリジナルのものを制作できるので、自由度は高くなりますが、仕入れから販売まで、全て一人で行なう必要があります。一度企業に就職し、より実践的な技術を学んだ後のほうが、独立したあともスムーズに製作・販売を進めることができるため、おすすめです。

また、技術や知識を活かして、自宅で洋裁教室を開催することもできますよ。

上級資格を取得して自分のブランドを立ち上げる人も

自分のブランドを立ち上げるためには、より熟練した知識と技術、発想力が必要になります。洋裁技術検定の上級まで資格を取得して、自身のブランドを立ち上げる人も中にはいます。初めは小さな一歩ですが、将来のイッセイミヤケやケンゾーを目指すのも素敵ですね。

しかしブランドを立ち上げるためには、洋裁技術だけでなく、経営についても勉強する必要があります。ブランドを立ち上げたいと考える方は、学校選びの際に経営・マーチャンダイズについても学べる学校を選ぶと良いでしょう。

検定に合格するためにはどんな学校に行けば良い?

洋裁技術検定

検定の受験資格を得るためには、服飾・被服科のある専門学校や大学(短大)で学ぶ必要があります。国内の多くの服飾・被服科は日本ファッション教育振興協会の認定校でありますが、入学志願の前に必ず、志望校のHPなど、取得可能な資格を確認しておくようにしましょう。

また、服飾・被服科のある専門学校、大学は私立に多く、学費は年間で100万円ほどかかります。必要であれば、事前に奨学金の制度についても確認しておくと良いでしょう。

服飾・被服科ではデザインから作り方まで

専門学校の服飾・被服科(ファッション科)では、洋服を作るための縫製の技術、デザイン画、パターンメイキング(洋服の型紙)、ドレーピング(立体裁断)、PhotoshopやCADの使い方、材料についてや、服飾の文化・歴史についてなど、被服に関する技術・知識を総合的に学びます。

これらを学ぶことで、洋服を作る際に必要な、デザインを描き、材料を選んで型紙をおこして生地を裁断し、縫製をするという一連の作業を自分ひとりでできるようになります。一連の技術を勉強するなかで、どの作業が一番ご自身に向いているのかを見極め、将来の就職先の選定に役立てると良いでしょう。

洋裁技術検定は仕事や家庭で活かせる被服の資格

洋裁技術検定は、専門学校や大学で勉強した被服に関する一連の知識や技術が習得できていることを証明するための検定です。

アパレル業界への就職にも活かすことができますし、仕事にとどまらず、自身でデザインをしてオリジナルの洋服を作ったり、子供がいる家庭では、どんどん成長していく子供の体型に合わせた洋服を作ってあげたりすることもできます。また、インテリアの工夫に技術を活かすこともできるでしょう。

デザインや手先を使うことが好きな方に、おすすめの資格ですよ。

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