履歴書には、資格を記載する欄があります。書ける内容として思い浮かぶのは、取得した資格や合格した検定試験。さて、資格と検定の違いをご存知でしょうか。
この記事では、資格や検定の種類を確認しながら、その違いを説明します。履歴書に記載する際に注意しておきたいポイントや、女性に人気の資格・検定もご紹介しますので、ご参考ください。
資格と検定は別物!?違いはどこにある?
「資格を取得する」というとき、どんな資格の種類が思い浮かびますか? 何らかの検定試験が浮かぶ方も多いでしょう。「資格」を大義で捉えれば、間違いではないかもしれません。しかし、資格と検定を分けると、それぞれの定義は異なります。
「資格」は、従事することが認められているか、否かを示すものです。資格を取得していればOKで、取得していなければNGとなります。運転免許がわかりやすい例です。
「検定」は、OKかNGかではなく、専門的な知識や技能レベル(程度)が認定されます。1級、2級など等級区分が設けられたものも多いです。
資格は、大きく3つのカテゴリに分類できます。
- 国家資格
- 公的資格
- 民間資格
それぞれに、検定が含まれることをご確認ください。
参考:国家資格の概要について|文部科学省
国家資格
国家資格は、国の法律で定められた資格です。したがって、認定をするのも国です。取得難易度が高く、取得するまでに数年を要するのが特徴です。
国家資格は、さらに4つに分類できます。
- 業務独占資格
- 名称独占資格
- 設置義務資格
- 技能検定
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業務独占資格
業務独占資格は、資格なしでは、その仕事をすることはできません。たとえば、医師、弁護士、税理士、薬剤師、看護師、建築士、美容師、教員などです。
名称独占資格
名称独占資格は、資格なしでその仕事をしても罰則規定はありません。しかし、そのときに、その資格名称を使って仕事をすることが認められていない資格です。たとえば、資格がないのに保育士と名乗って保育業務をする、資格がないのに理学療法士と名乗って就職や自営業を営む、などができないのです。
専門知識や技能を有していることを証明になる資格ともいえます。
設置義務資格
特定の事業を行う事業所に、必ず有資格者を設置しなければならない資格のことです。上記2つのカテゴリと重複するものもあります。たとえば、宅地建物取引士、保育士、旅行業務取扱管理者、通関士、学芸員などが一例です。
技能検定
技能検定は国家検定とも呼ばれます。国が認定する検定試験の種類は、130種類と幅広いです。たとえば、ウェブデザイン、キャリアコンサルティング、ファイナンシャルプランニング、機械加工、左官、建築大工などが挙げられます。
「検定」とは、仕事に従事することができるかではなく、その分野の技能の習得レベルを認定するものです。
参考:技能検定制度について(180723時点版)(PDF)|厚生労働省
公的資格(検定)
公的資格とは、国家資格に準ずる資格です。認定は該当省庁や大臣が認定をします。試験の実施は、商工会議所や地方自治体、民間団体が携わります。
公的資格の場合は、すべて知識や技能レベルを測り、認定する「検定」の意味合いを持つものが多くなります。法規定はないものの、知名度が高いものは、スキルの証明としての信用度も高いです。国家資格より難易度は下がり、誰もが受験できるものが多くなります。
- 日商簿記検定
- 実用英語技能検定(英検)
- ケアマネジャー
- CADトレース技能審査(建築・機械)
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民間資格(検定)
民間資格は、企業や民間団体が、独自の審査基準で認定する資格(検定)です。同じ名称でも、その難易度レベルに差がありますが、公的資格と変わらない知名度と信頼性を持つものもあります。また、社内社員のスキルの標準化を目的に実施している企業もあります。低難易度で、短期間で突破できるものが多いのも特徴です。
- TOEIC
- 臨床心理士
- ネイリスト技能検定
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履歴書に書くときの注意点
資格や検定を履歴書に書くときは、正確に書く必要があります。国家資格だけが有効で、簡単な民間資格は無効というわけでもありません。
免許・資格の欄の基本的な書き方と「資格」と「検定」の書き方を確認しましょう。
免許・資格の欄の基本的な書き方・ルール
まず、免許・資格・検定の基本的な書き方を説明します。
正式名称+等級
資格でも検定でも、通称と正式名称が異なることがあります。たとえば、「自動車免許」でも意味は通じそうですが、「普通自動車第一種運転免許」と正式名称を書きます。運転免許にもいろいろな種類があるからです。宅建(宅地建物取引士)、英検(実用英語技能検定○級)なども同様です。
また、歴史の長い資格の中には、名称が変更になっているものもあります。その場合は、取得時点での名称を記載するのが適切です。
等級のあるものについては、必ず○級まで記載しましょう。
取得、合格
正式な資格名のあとに一文字分のスペースを空け、取得と記載します。免許や合否判定されないものであれば「取得」、合否のある資格は「合格」と使い分けるとよいでしょう。
- 例:
普通自動車第一種運転免許 取得
TOEIC公開テストスコア 950 取得
秘書技能検定1級 合格
時系列
複数の資格があるときの順番は、取得した年月をもとに時系列で記載します。最後に書く資格の次の行に、右寄せで「以 上」と記載します。
取得年と月(西暦・和暦は統一)
資格や検定を取得した年と月まで記載します。取得年月は、合格証に合わせましょう。また、その際の年表記(西暦か和暦か)は、学歴や職歴と合わせます。
資格がない
資格がない場合は、空欄にせず、「特になし」と記載します。
取得を目指して勉強中
まだ、取得には至っていないものの、勉強中の資格や検定があれば、「取得」の代わりに「勉強中」「○年○月に取得予定」などと記載することも可能です。
民間資格や検定などの書き方
民間資格や検定などの書き方はどうでしょうか。
資格が多い場合は選択
民間資格であれば取りやすさもあることから、履歴書の記載欄に書ききれない数の資格を保有している人も少なくないでしょう。すべてを記載する必要はありません。応募する仕事に対して有効性の高いものを選抜して記載しましょう。
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記入しないほうがいい資格もある
民間資格の場合、複数の資格を持っていても、応募する仕事にまったく関連性がないのであれば、記入しないほうがいいケースもあります。履歴書全体の項目にある程度一貫性があるほうが、専門スキルの高さをアピールできるということも考えられるからです。
また、関連した資格や検定であっても、あまりにも低いレベルだと返ってマイナス印象を与えることがあります。たとえば、海外拠点とのやり取りが頻繁で、外国人部下も抱えるようなポジションなのに、英検3級/TOEICスコア400では書類選考を通過することも難しいでしょう。履歴書の資格欄でなく、経験を職務経歴書上でアピールするのが得策です。
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女性に人気の資格・検定
では、女性に人気の資格や検定をご紹介します。
医療事務
病院やクリニックなどでの受付業務などの仕事に役立つ資格です。働ける場所が全国に広がりますし、女性が働きやすい仕事として人気も高い職種です。
資格学習から認定までを行う民間企業が数多く存在しています。医療事務の資格の中にも、いくつかの種類がありますが、いずれも試験に参考資料を持ち込めるため難易度は低めです。
- 【医療事務資格の種類】
- 診療報酬請求事務能力認定試験(日本保険医療事務協会)
- 医療事務管理士(技能認定振興協会)
- 医療事務実務能力認定試験(全国医療福祉教育協会)
- 医療事務技能審査試験(日本医療教育財団)
- ホスピタルコンシェルジュ(技能認定振興協会)
- 医療事務認定実務者(全国医療福祉教育協会)
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ファイナンシャルプランニング技能士(1級・2級・3級(国家資格の技能検定))
CFP®(日本FP協会・グローバルライセンス)
AFP®(日本FP協会・グローバルライセンス)
※国家資格と日本FP協会の認定資格は受験資格などで連動しています。
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