子供のお小遣いはいつからあげる?家庭内ルールやお小遣い帳アプリも使ってお金の大切さを学ばせよう

家庭の方針によって、お小遣いのスタート時期や金額はかなり違うと思います。お金の問題は難しく、いくらあげるのが適切なのか、悩んでいる人も多いのではないでしょうか。今回は、そんな子供へのお小遣いについてご説明します。

お小遣いの始まり

お小遣いデビューする平均年齢

子供のお小遣いはいつから?適正な金額は?

お小遣いは、小学校入学とともにスタートする家庭が最も一般的です。幼稚園や保育園の送り迎えなど、行動の全てに保護者が付き添っていたころに比べて、小学校に入学すると、子供だけでの行動範囲はぐっと広がります。

地域や学校によっては、通学にバスや電車移動が必要なこともあります。通学にかかる分は定期券を買ったり、必要な金額をPASMOやSuicaなどにチャージしたりしておけば良いですが、万が一のときのために、少額であっても現金を持たせておきたいと思うようです。

子供のお小遣いの相場

  • 小学生平均500円~1,000円
  • 中学生平均1,000円~3,000円
  • 高校生平均3,000円~5,000円

こちらが1ヶ月のお小遣いの平均です。やはり、成長するにつれて行動範囲もどんどん広がり、子供同士の交流でもお金を使う場面が増えていく、ということですね。なかには月のお小遣いはなく、年に一度のお年玉や親族、祖父母から不定期にもらうお小遣いのみでやりくりするよう指示をする家庭もあるようです。 

子供にお小遣いは必要?

子供の生活や教育にかかるお金は親が払っているのに、さらにお小遣いは必要なのか、と問う声もあります。確かに普通に暮していくだけなら、子供にお小遣いは必要ではないかもしれませんが、一方、お金を持つことによって得るものあります。ここでは、お小遣いのメリット・デメリットを紹介していきます。

お小遣いのメリット

子供のお小遣いはいつから?適正な金額は?

お金に対する感覚を身に付けられる

金銭感覚は、お小遣いによって鍛えることができる大きなメリットです。少額であっても実際にお金と物を交換することで、親に買い与えられているときには漠然としていた、お金がどれほどの価値を持つものなのか、ということを実感できます。

例えば100円でどんなものが買えるのか、と考えること、同じ100円の物であってもより良いものはどちらか、高い・安いと感じるかなど、色々と比較することは、将来に向けて大いに役立つトレーニングですよね。

子供同士のコミュニケーション

子供同士であっても、大人と同じようにお金を使うことがあります。例えばお菓子やジュースなどを購入したり、どこかの施設に遊びに行けば入場料がかかる場合もあります。

買い食いなどは本来あまり良いものではないとされていますが、子供の頃に駄菓子屋などで遊んだ経験のあるお母さんも多いのではないでしょうか?駄菓子屋は、子供同士のとても楽しい交流の場です。お小遣いがあることによって、こうした思い出も増えることでしょう。

計画性を身につけられる

月にいくら、と決めてあるお小遣いをやりくりすることは、子供の計画性を育てるためにも大切なことです。例えば欲しいものがあったとして、お小遣いでは足りない場合、お小遣いを貯めて購入する必要があります。このような計画性は、大人になっても節約や貯蓄のために必要なスキルですよね。また、何かを我慢する、ということを覚えることもできます。

お小遣いのデメリット

子供のお小遣いはいつから?適正な金額は?

安易に貰えるものと思ってしまう

お小遣いを設けることによって、お金は「貰えるもの」と思わせてしまうリスクがあることは否定できません。お金について上手に伝えることも、親の大切な役割ですね。

危険な目に遭うこともある

子供がお金を持つことによって、行動範囲が広がり、ときには思いもよらない危険なことに巻き込まれる可能性があります。遠くへ出かけて迷子になってしまったり、繁華街のゲームセンターに出入りして恐喝に遭ってしまったりするなど、心配ごとがたくさん出てくるかもしれません。行ってはいけない場所やお金を使うルールを、きちんと決めておくことも大切です。

お小遣いのスタート時期や金額など、最終的な決定権は親にあります。周りがみんなあげているから何となく、と周りに合わせる必要はありません。お小遣いについてのメリット・デメリットを踏まえ、自分の教育方針を良く考えて判断しましょう。

家庭の経済状況にも影響を及ぼすものですのでそこは真剣に考えましょう。子供がよその家庭と比べて「○○ちゃんはいくら貰ってるよ」と訴えてくる場合も、「よそはよそ、うちはうち!」と毅然と対応しましょう。

お金というものを理解するようになると、子供であっても経済的に裕福であるか、そうでないかの違いが漠然と分かるようになります。子供は正直だからこそ、ときとして残酷だったりします。「○○ちゃんのお家は貧乏」など、親としては悲しくなるようなことを口に出してしまうことも良くあることです。

向けられた言葉が自分にであっても、他人にであっても、こうしたことは口に出してはいけないこと、ということを根気強く伝えなくてはいけません。貧富の差で他人を見下すような人間に我が子を育てたいと思う親はいませんよね。頭ごなしに叱るのではなくきちんと向き合って諭しましょう。

また子は親の背中を見て育つ、という言葉があるように親のことをよく見ていますし、親が思うよりも大人の言葉を理解しています。不用意な発言や、他人への配慮に欠ける発言をしていないか、親も気をつけなくてはいけませんね。お金に関すること以外でも、我が子が他人への思いやりを持った子に育つように、親はお手本になれる振る舞いを心がけてくださいね。

どう伝えればお金の大切さが伝わる?上手なお小遣いの渡し方

子供のお小遣いはいつから?適正な金額は?

お手伝いの対価として

お手伝いの報酬としてお小遣いを渡す、という方法があります。本来であれば、お金は労働の対価として得られるものですので、子供のうちからこの感覚を身に付けさせることができます。

しかし一方で、報酬目当てにお手伝いをするようになってしまう、という可能性もあります。感覚として間違っているわけではありませんが、「純粋な善意からお手伝いをしてほしい」と思うお母さんもいるのではないでしょうか?

家庭の方針や子供の性格にもよるので、、慎重に見極めて最適な方法を決めましょう。

何かのご褒美として

例えば、「テストの点数によって金額が変わる」などは、勉強を頑張るモチベーションアップも期待できます。ただ、子供を褒めることとお金が、安易に結びついてしまうのは少し寂しい気もしますね。

子供にとって大切なのは、結果のみではなく頑張る姿勢であることも多いので、そこを踏まえて上手に渡すようにしましょう。

親がどんな苦労をして稼いだお金か伝える

子供にお金の話をするのは良くない、という人もいますが、家族を養っていくために働くことはとても大変なことです。お金を稼ぐためにどんなに大変なことがあるのか落ち着いて説明することで、親の詳細な苦労までは理解できなくとも、お金は大切なもの、と認識させることができます。

一度では理解できない可能性は大いにあるので、親子で根気よく話し合ってみましょう。早いうちから、親に感謝の気持ちを持てる子供になるでしょう。

子供にお小遣い帳を書かせよう

子供のお小遣いはいつから?適正な金額は?

お小遣い帳を使う3つのメリット

何に使ったか記録することで、今後の使い方を考える目安になる

子供は時として、大人からすると一見無駄使いに思えるようなものを欲しがったりします。しかし、成長のためにはあえて失敗させて、そこから学ばせることも必要です。失敗も子供の成長の糧になりますよ。

家庭で決めたルールを守っているならば、子供が何にお金を使っても否定せずに見守りましょう。子供の自主性や個性を伸ばすことに繋がるかもしれません。ただし、お小遣いが足りなくなったと言われても、簡単に追加であげてしまってはいけません。心を鬼にして断りましょうね。

成功体験が記録として残る

何を我慢して、何を買うのかなど、自分で目標を決めて計画し、それを達成できたことは、子供にとって大きな成功体験と言えます。これを積み重ねていくことによって、お金に対する付き合い方は上達しますし、生活の自信にも繋がるでしょう。

貰ったことを記録すれば感謝の気持ちを持つことができる

誰にいくら貰ったのか記録しておくことで、そのお金でどんなものを買ったのか、どんなことができたのか思い出すことができるので、感謝の気持ちを忘れずにいることができます。こうした感謝を、お小遣いをくれた相手に素直に伝えることが、将来的にとても大切なことです。

お小遣いをくれた人に後日お礼の手紙を書かせるなど、感謝を伝える習慣付けさせるのも良いでしょう。

お小遣い帳の正しい書き方とは?子供に教えたいポイント2つ

子供のお小遣いはいつから?適正な金額は?

いつ誰が見ても詳細が分かるように書く

子供のお小遣い帳は、単純で分かりやすく書くことが、長続きさせるポイントです。あまり複雑になりすぎてしまうと、書くのを面倒に感じて、嫌がる子供もいます。

まずは、「いつ」「誰に」「いくら貰った」か、「何に」使って「残金」はどれだけあるかの5つの項目が簡単に書ける、シンプルなものをえらびましょう。

お小遣い帳を書く習慣が身に付いたら、項目を増やす

ごくシンプルなお小遣い帳から始めて、習慣が身に付いたら、貰ったとき何に使おうと考えたのか、実際使ったものについての感想、反省点など、そのときの思いも記録に残してみましょう。

これを記録することによって、子供のお金に対する付き合い方の癖や反省点が明確になります。

子供におすすめのお小遣い帳3選

【婦人之友社編集部】小学生のこづかいちょう

お小遣い帳の付け方をていねいに分かりやすく説明しているので、初めてのお小遣い帳にはぴったりです。項目もひらがな表記で読みやすく、スペースも大きめにとってあるので、それぞれ一目で分かるようになっています。表紙のデザインも動物のイラストが可愛いですね。

【ショウワノート】ジャポニカ学習帳 こづかい帳

学校でもお馴染みのジャポニカシリーズのお小遣い帳は、手に取りやすいハンディサイズがポイントです。子供にとって使いやすいものが一番ですね。

【ダイソー】おこづかい帳

こちらはポップでカラフルなデザインが可愛い、通帳タイプのお小遣い帳です。使い方や項目も、大人が使う銀行の通帳の簡易版のようです。丁寧な説明はないので、はじめに使い方を教えてあげる必要はありますが、いずれ使うことになる通帳の練習にもなるのでおすすめですよ。 

子供向けのお小遣い帳アプリもある!

【Jun Sutou】簡単!こづかい帳

子供のお小遣いはいつから?適正な金額は?
出典:App Store

アプリを起動すると、学習帳のようなページが表示されます。子供のねん・くみ・なまえが入力できて、好きな写真を設定することができます。収入、収支、残高など項目の表記は大人向けですが、根気よく教えてあげれば子供でも十分に理解できます。

残高計算も自動でしてくれいちいち計算しなくても簡単に状況が把握できるので、続けていけそうですね。もちろん大人が使っても十分に満足できるものですので、親子で楽しくお金の勉強ができますよ。

【三井住友カード】ハロまね~親子で学ぶ、こどものお金管理~

子供のお小遣いはいつから?適正な金額は?
出典:App Store

こちらは、三井住友カードがリリースした小学生向けの金融教育アプリです。最大の特徴は、子供のスマホと親のスマホを紐づけすることができ、子供が何にお金を使っているのか親も把握できることです。

また「お手伝い機能」というものがついていて、子供が行ったお手伝いを親に通知してくれます。お小遣いを報酬制にしている場合、各お手伝いごとに金額を入力することもでき、目標や成果が目に見えるので、楽しんで続けていくことができます。

お小遣い、子供は何に使ってる?

子供が何にお金を使っているのか気になるところですが、意外にも、子供なりに貯金する子が増えています。しかしこれは、大人のように将来のために、と思っているわけではなく、単純に欲しいものがそれほど無い子供が多いのが理由です。

昔は本や漫画、ゲームなどの娯楽は、図書館で読むか、お金を出して購入するものでしたが、最近ではインターネット環境が充実しているため、スマホやパソコンを開けば漫画を無料で読めるコンテンツや、無料でできるゲームがたくさんあります。わざわざお金をかけなくても楽しめることが増えています。

また、お菓子やジュースといった嗜好品についても、身近にたくさん溢れており、親があらかじめ与えている家庭が多くなりました。

そして、少子化の影響もあり親族の中で子供が少ないため、たまに会う親戚や祖父母からおもちゃを貰ったり、ちょっとしたプレゼントを貰ったりする機会が多くなっていることも、物欲がなくなっている要因のひとつです。

では、そのなかでも何にお金を使うのか、というと、「お友達や家族へのプレゼント」と答える子供が増えています。なんと、自分ではなく他人のためにお金を使うのですね。これは物欲が少なくなった代わりに、誰かを喜ばせたい、感謝されたい、といった承認欲求が高まっていると言えるでしょう。時代とともに子供を取り巻く環境も変わり、お金に対する感覚は変化しています。

お金を無理に使わせる必要はありませんが、もしもお小遣いの使い道がなさそうなら、お金を使う練習としてお菓子は自分で買わせるなど、親が与えていた部分を子供のお小遣いでまかなうように誘導してみると良いかもしれませんね。当たり前に手にしていたものがどれくらいのお金がかかるのか知ることもまた、お金のありがたみを実感できる、良い機会になることでしょう。

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子供とお小遣い

子供のお小遣いはいつから?適正な金額は?

生きていくうえで必要不可欠であり、生涯付き合い続けなくてはいけないのが「お金」です。また、そのスタートであり、金銭感覚を養うための「お小遣い」は、子供にとって将来の基盤となる大切なものです。

だからこそ、親としては大いに悩むと思いますが、そのうえで大切なことは、教育方針からブレないことです。大切な我が子を守るためにも、子供のお小遣い事情はきちんと把握し、適切な金額を渡すようにしてくださいね。

子供が、将来的にお金と上手に付き合っていけるようになるために、お小遣いを通じて親子でお金と向き合っていきましょう。

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