【医師監修】子供の髄膜炎、処置が遅れると後遺症のリスクあり!症状や原因・予防法について

髄膜炎

児玉華子 先生

髄膜炎は生命にかかわる恐ろしい病気です。
早く処置をしてもらわないと、生命を取り留めても長く後遺症と戦わなければならなくなります。そのために、髄膜炎の症状や対処法をご紹介します。
ただし、髄膜炎の兆候があったら自分だけで対処しようとはせず、迷わず病院へ行くようにしましょう。

髄膜炎って何?どんな状態?

髄膜という、脳や脊髄を保護している膜に炎症がおきた状態です。
脳膜炎、脳脊髄膜炎とも区別なく扱われます。脳実質まで炎症がおよぶと脳炎となります。
髄膜炎はすぐに処置をしなければ生命にかかわり、処置が遅れると重い後遺症が残ってしまう病気のため、もしこのような病気が疑われたら、すぐに救急車を呼んで病院に搬送し、適切な処置をしてもらう必要があります。

髄膜の構造を知ろう

髄膜の3つの層

髄膜は、脳や脊髄を保護する膜のことを言います。
外側から、硬膜・クモ膜・軟膜と呼ばれる3つの層で成り立っています。
この中で一番有名なのは、クモ膜ではないでしょうか。
脳の大きな病気の一つに「クモ膜下出血」という名前が出てくることがあると思います。
ここに出てくる「クモ膜」と髄膜の層の真ん中にある「クモ膜」は同じところをさしています。
髄膜の3つの層についてご説明します。

硬膜

硬膜は髄膜の一番外側にあります。
脳や脊髄を外傷や感染から守る働きをしています。
お城の門番みたいな役割です。
脳の部分の硬膜だけをさす場合は「脳硬膜」、脊椎の部分の硬膜だけをさす場合は「脊髄硬膜」と使い分けることがあるようですが、守っている部分が変わるだけで、働きは一緒です。

クモ膜

クモ膜は硬膜と軟膜の間にあります。
軟膜とクモ膜は密着しているわけではなく、線維の束で結ばれていて、この空間がクモ膜下腔です。そして、この線維の束の見た目が、くもの巣に似ていることからこの名前がつけられたといわれています。
クモ膜下腔には脳脊髄液という液体があるので、スカスカなわけではありません。
先ほど例に挙げた「クモ膜下出血」は脳の血管が破れて、脳脊髄液の中に血液が侵食してきた状態です。

軟膜

軟膜は髄膜の一番内側にあります。
硬膜のように硬いものが直接、脳や脊髄を覆ってしまうと、衝撃を受けたときに中にまで強い衝撃を与えてしまいます。
そうならないように、脳のでこぼこにあわせてクッションのようにしっかりと脳の表面を覆って保護する役割をしているのです。
荷物を送るときに、硬いダンボールの中でガタガタとゆれてしまうと中のものが壊れてしまうため、隙間に新聞紙を入れたり、プチプチのエアクッションでくるんでから入れたりするようなイメージです。

髄膜炎の原因や種類ってあるの?

髄膜炎の主な5つの原因

髄膜炎の原因になるものはたくさんあります。
主には、ウイルス、細菌、結核菌、真菌、寄生虫などに感染してしまった場合ですが、その他にも、感染以外が原因となることがあります。
たくさんある原因の中でも、有名なものを説明していきます。

ウイルスが原因のもの

まずはウイルスが原因のものです。
この中には子供がかかりやすいことで有名な「水疱瘡」や「おたふくかぜ」も含まれています。それではひとつひとつ説明していきます。

エンテロウイルス

エンテロウイルスはピコルナウイルス科の腸管内で増殖するウイルスです。
髄膜炎や脳炎のほか、かぜ症候群や手足口病、心筋炎の原因になることもあります。
ワクチンはまだ開発段階で存在していません。
酸やアルカリで死なずに消化器官の中で増殖するウイルスなので、手洗いをしっかりと行い、お肉などはよく火を通して食べるなど、体の中に入れないようにする工夫が必要です。

単純ヘルペスウイルス

ヘルペスウイルスによる感染症です。脳炎全体の約20%と脳炎の原因としては最多です。
ヘルペスウイルスの一番厄介なところは再発を繰り返すところ。
根絶やしにするのが難しいので、治ったと思っても、免疫力が低下しているときなどに再発してしまうことが多いのです。
予防ワクチンは、海外でも臨床段階、日本では動物実験による予防実験に成功している段階です。
かかってしまったら治療薬で、できるだけ悪化したり、広がったりしないよう対処する必要があります。

水痘・帯状疱疹ウイルス

このウイルス、実は水疱瘡(みずぼうそう)の原因になるウイルスです。
赤いぶつぶつができて、体中に広がっていくので、症状が出たら病院にいくと思います。
その段階で髄膜炎などになっていなければ、髄膜炎そのものの心配をする必要はありませんが、
感染力が高く、保育園や幼稚園では、同じ園内に発症した子供が出ると流行につながることが多いです。
水疱瘡と診断されたら通園できませんので、医師の許可が下りるまで、定期的に病院に通う必要があります。

ムンプスウイルス

こちらは「おたふくかぜ」こと「流行性耳下腺炎」の原因になるウイルスです。
早いうちに予防接種をしておくと流行してかかったときに軽い、もしくはかからなくてすむと言われています。
髄膜炎に至るのは1~10%ですが、髄膜炎に至らなければ、後遺症などもほとんどなく治る病気です。
まれに高度感音性難聴や、男性の不妊症につながるケースが報告されていますが、きちんと治療を行えば予後のよい病気です。
水疱瘡と同じで、かかってしまったら幼稚園や保育園に通園することはできませんので、きちんと病院で診察してもらうようにしてください。

ヒト免疫不全ウイルス

HIVウイルスという名前で有名になりました。
日本での正式名称は「ヒト免疫不全ウイルス」です。
感染すると最終的に後天性免疫不全症候群 (AIDS/エイズ) を発症させるウイルスです。
潜伏期間が長く、10年以上感染していることに気がつかず、発症に至らないこともあります。感染源が限られていて、「性交による感染」「血液感染」「母子感染」の3つと言われています。
子供で注意したいのは血液感染と母子感染です。
血液感染は、輸血や血液製剤からの感染でニュースになったことがありましたが、現在は輸血前に血液の検査が行われているので、そのようなことは減りました。
しかし、子供は注射をする機会が多いので、注射器の針などからの感染の可能性はあります。注射針は使い回しをしていないところがほとんどですが、お医者さんや看護師さんが処置をした注射器に、子供が手を伸ばしてしまって、刺さってしまった、なども含めて注意する必要があります。
母親HIVに感染していなければ母子感染はあまり考える必要がありません。
現在は保健所などで血液検査を行うとわかるようになったので、気になったら定期的に検診を受けてもいいかもしれません。
ヒト免疫不全ウイルスに感染すると、脳血管疾患や、髄膜炎のリスクも増えると考えられています。

細菌が原因のもの

続いて細菌が原因のものを見ていきます。
バクテリアとも呼ばれるものですね。ここで取り上げるのは、髄膜炎の原因になる可能性がある細菌です。

B群レンサ球菌

レンサ球菌という名前は、光学顕微鏡で見ると、丸いものがつながっているような、真珠のネックレスみたいなつながり方をして見えるからそのように呼ばれるようです。
漢字では「連鎖球菌」と書きます。新生児の細菌性髄膜炎の50-60%、1~3ヶ月児の細菌性髄膜炎の40-50%を起こすことで知られています。
他にも、妊婦、高齢者など、免疫力が低下した人や、薬をあまり使えない人、糖尿病・肝臓疾患などの病気を持っている人はリスクが高いといわれています。
新生児への感染は、破水後、または、分娩の時に母親に抗生物質を投与することで予防できます。新生児がかかってしまうと、髄膜炎以外にも、敗血症や肺炎の原因になります。
また、後遺症が残ったり、命にもかかわったりします。
妊婦の場合は、死産を引き起こすこともありますので、早めの対応が必要です。
一番の治療、予防は抗生物質の投与です。

大腸菌

大腸菌グラム陰性の桿菌で通性嫌気性菌に属しているバクテリアのひとつです。
「病原性大腸菌O157」という病原菌が、食中毒で有名になりました。
大腸菌は体の中で毒素を出すので、その毒素が体の細胞に悪い影響を与えて下痢や下血を認めるようになります。時には、血液の中に入って全身に回ってしまうこともあります。
ほとんどの大腸菌は無害ですが、病気を引き起こすものには強い力を持っているものがたくさんあるのです。
基本的には加熱に弱いとされていますので、食べ物をよく加熱することで予防につながります。

ブドウ球菌

ブドウ球菌は皮膚、鼻の中や消化器の中にいる菌の一つで、ヒトのほとんどが持っている常在菌です。
レンサ球菌は数珠繋ぎでしたが、こちらは光学顕微鏡で見ると、ブドウの房がたくさんあるように見えるのでこのような名前になったとされています。
普段から皮膚などにいて共存しているので、あまり発病につながることはないのですが、傷ができてしまった場合は、傷口から入り込むことで感染症につながることがあります。
体の中に入ってしまうと体の組織を壊してしまったり、血液の中に入って全身に回ってしまったりすることがあります。
ほとんどが抗生物質で治療できていましたが、ブドウ球菌のうち、黄色ブドウ球菌は耐性菌になってしまったものも多く、発症が急性で放置すれば致死的なので、早期診断・早期治療が必要です。

リステリア菌

グラム陽性桿菌のリステリア属に属する細菌です。
その中でも「リステリア・モノサイトゲネス」という菌に感染すると、髄膜炎を発症することが多いとされています。
食べ物からの感染が多いにもかかわらず、食中毒のような症状が一切出ないので、感染してもわかりにくいのが特徴です。
通常は発病することは少ないのですが、新生児、乳児、妊婦、高齢者、免疫力の低下した人で発病すると、腸から血液に入って全身に回ります。その中でも特に髄膜を侵食することが多く、髄膜炎にかかりやすくなります。
初期の症状は風邪に似ていて、判別も難しいとされています。
ワクチンが実用化されていないので予防接種などで防ぐことはできません。
食べ物をよく加熱したり、野菜などを加熱しない場合はよく洗ったりするなどすることが、数少ない予防法です。

インフルエンザ菌

インフルエンザ菌は、パスツレラ科ヘモフィルス属のグラム陰性短桿菌です。
インフルエンザという名前がついていますが、実は一般的なインフルエンザとは関係ないです。菌の形はいろいろで、特にこういう形ですという形態はありません。
そのため、見た目で判断されることはなく、菌を取り出し培養して診断をするようです。
インフルエンザ菌は、一般的には抗生物質で治療が可能です。
近年耐性菌は出てきているので、その場合は違う薬を探す必要があります。
また、b型菌はHib(ヒブ)と呼ばれていて、Hibワクチンという予防ワクチンが世界中で使われています。
予防接種が可能なので、医療機関に足を運んで予防接種を受けるのがいいのではないでしょうか。

肺炎球菌

乳幼児の肺炎や急性中耳炎の原因になるのは、この菌が多いです。
肺炎や急性中耳炎のような部分的な感染の場合の治療と、全身に感染してしまった場合の治療は大きく異なります。
特に全身に感染してしまった場合は、生命にかかわったり、後遺症が残ったりするようなこともあります。
そのため、できるだけ予後がよいように治療を進めていく必要があるのです。
現在は成人用と小児用の2種類のワクチンがあります。
予防のためのワクチンを接種することで、感染するリスクを減らすことができます。
ちなみに高齢者の対象年齢の人は補助がありますが、小児用ワクチンの摂取には補助がないので、実費で摂取を受ける必要があります。

結核菌が原因のもの

主に、他の結核病巣からの血行性播種(粟粒結核)によって生じる髄膜炎で、未治療では亜急性に進行します。高齢者や免疫不全状態の人で増加しており、小児の場合は5ヶ月~5歳に好発します。早期の治療開始が肝要であり、疑う場合は直ちに治療を開始します。神経学的な合併症も多く、乳幼児の場合、抗結核薬を用いないと発症後約3週間で死亡することが多いとされています。

真菌性髄膜炎

カビが原因になっているもので、鳥の糞に多く含まれるクリプトコッカスが原因になることが多いです。鳥の糞に触れたり、糞が混入したほこりなどを吸い込むことで感染します。

寄生虫が原因のもの

あまり多くはありませんが、広東住血線虫や顎口虫、住血吸虫といった寄生虫が原因となって発症することがあります。
(※感染症を専門にやっていても寄生虫によるものはほぼ診たことがなく、他にもっと知っておくべきことがあるので、可能であれば、寄生虫による髄膜炎がある、程度でよいように思います。)
感染を予防するためには、菌を持っているようなお魚やお肉を生で食べないよう気をつけることが必要です。特に海外での生の食事で、虫を持っている可能性のある動物が出てくるようであれば注意しましょう。また、犬や猫が感染している場合もあるので、その糞などに触った場合にはよく手を洗うようにしましょう。

感染以外が原因のもの

次は感染以外が原因のものについて説明します。
髄膜炎の原因がウイルスや細菌、寄生虫のようなものではなく、違う病気や薬の副作用が原因とされるものです。それではひとつずつご説明します。

血管壁の炎症

自己の臓器に炎症が起こって機能障害を起こす膠原病や、自己免疫疾患の一種で、血管に炎症が起こる血管炎症候群にかかった場合の血管の異常が引き金となって起こったものをさします。
もともと髄膜に影響がなかった場合でも病状が悪化することで、脳の血管に異常をきたし、髄膜炎になることがあります。

髄膜に広がる癌

癌が髄膜に発症、もしくは転移することで起こります。
その場合は、腫瘍性髄膜炎と呼ばれることがあります。

医薬品の副作用

抗生物質などの副作用が原因になることがあります。
感染症の対策によく使われる抗生物質ですが、乱用したり、体に合わないものを使ったりすると、髄膜炎につながることがあります。

髄膜炎の種類5つ

髄膜炎を病名で細かく分類すると以下の5つになります。
ほとんどが細菌によるものですが、他にも膠原病が原因になったりすることもあるので、幅広く確認していきます。

  • 細菌性髄膜炎
  • ウイルス性髄膜炎
  • 結核性髄膜炎
  • 真菌性髄膜炎
  • 寄生虫性髄膜炎
  • 非感染性髄膜炎

原因になる要素が多い上、病名も細かく分類されるので、医療機関で適切な診断をしてもらい、治療することが大切です。

髄膜炎の症状は?

次は髄膜炎の症状についてです。
これらはばらばらに出てきたり、すべて同時に出てきたりします。

症状別に見られる特徴

頭痛

最初は鈍痛やめまいから始まることがあります。
症状が悪化するにつれて、脳圧亢進症状として痛みがひどくなり、悪心、嘔吐を伴うことがあります。

発熱

微熱から徐々に高熱になる場合もありますが、いきなり高熱が出る人もいます。
発熱に伴い頭痛などもひどくなることが多いようです。

首やうなじの硬直

肩こりのようなものが急に強くなる、突っ張った感じになるなどの症状が出ます。
普段から肩こりなどがある大人だと気がつきにくい症状ですが、子供はあまり肩こりなどがないので、この症状は見つけるサインとしてはわかりやすいでしょう。

けいれん

脳炎を合併するなどの重症例では、けいれんや意識障害を伴うことがあります。

髄膜炎の検査方法

髄膜炎にはいくつかの検査方法があります。
検査方法は病状によって医師が判断します。
医療機関によっても、使用可能な検査機器が異なる場合があります。
それでは検査方法を見ていきましょう。

身体所見

頭痛など、髄膜炎の症状がどのように出ているかを確認します。
ほかにも、意識レベルや、体を動かしたときの反応などを見て診察します。

画像検査

頭部の画像をレントゲンで撮影し確認します。
CTやMRIを利用します。

  • CT
  • X線検査で脳内を検査する方法です。
    短時間で終わり、占拠性病変や出血の有無、骨などの状態を撮影するのに使われます。

  • MRI
  • 強力な磁力で脳内の画像を撮影する方法です。脳炎の評価ができます。
    検査に1時間くらいかかるものの、放射線のリスクが低いので子供や妊婦でも検査ができます。

髄液検査

専用の器具を腰椎間に刺して髄液を採取し、検査を行います。
すごく痛いので、局所麻酔をして行われます。
髄膜炎の場合は、白くにごった状態になっています。

髄膜炎の治療はどんなものがあるの?

髄膜炎の治療についてです。
髄膜炎そのものの治療法というのはありませんが、どのように改善するのかをご説明します。

治療方法

髄膜炎の治療は原因にあわせて治療をすることになるので、まず原因の特定を行います。
その後特定された病原菌、もしくは病気に対して治療を行います。
細菌やウイルスが原因であれば抗生物質や抗ウィルス薬投与を行うのが一般的です。

治療期間

ウイルス性の場合は1週間から2週間くらい、細菌が原因であれば、抗生物質の投与期間は2週間から3週間くらいが目安です。
その他が原因の場合には、病状によって変わります。

髄膜炎の予防対策はどうする?

髄膜炎にさまざまな要因があることは見てきたとおりですが、これらのいくつかの原因は予防対策をすることができます。
ここでは予防対策についてご説明します。

ワクチン

有効な予防手段として代表的なのはワクチンの摂取です。
予防接種を行うことで、症状が軽減されたり、感染を予防したりすることが可能です。
髄膜炎予防に有効とされるワクチンには「Hibワクチン」と「肺炎球菌ワクチン」の二つがあります。それぞれについて説明していきます。

Hibワクチン(ヒブワクチン)

Hibワクチンは、インフルエンザ桿菌ウイルスによって起こる「Hib髄膜炎」と呼ばれる細菌性髄膜炎の予防に効果があります。
5才未満の子供の2,000人に1人がかかると言われています。
また、かかってしまった人のうち、5%が亡くなり、25%の子供に後遺症が残るといわれていますので、かかってしまうと重症化してしまうことが多い病気です。
ワクチンは保険適用外のため、一般的に1回6000~8000円、摂取は生後2ヶ月から可能です。
摂取の回数などは摂取を開始した時期によって異なりますので医療機関で最適な摂取回数と、タイミングを確認する必要があります。
摂取開始のタイミングや年齢によっては、風疹、おたふくかぜ、水疱瘡、BCGの四種混合ワクチンと同時接種ができることもありますので、
四種混合ワクチンの予防接種を受ける予定がある場合は、摂取予定の医療機関などに事前に相談しておくといいでしょう。

肺炎球菌ワクチン

肺炎球菌ワクチンには成人用と小児用があります。
ここでは、小児用ワクチンについて説明します。
利用されるワクチンは、肺炎球菌に予防効果があるワクチンです。
そう言ってしまえば簡単そうに聞こえますが、実は、肺炎球菌にはいくつもの種類があります。
主に使われているワクチンは7種類の肺炎球菌に効果のあるものや、13種類の肺炎球菌に効果のあるものになります。
最近は13種類の肺炎球菌に効果のあるPCV13(13価ワクチン)というのが主流に変わりつつあります。
こちらもワクチンの摂取は保険適用外のため、一般的に1回8000円~10000円かかります。
摂取は生後2ヶ月から可能で、Hibワクチン同様、摂取の回数などは開始した時期によって異なりますので医療機関で確認する必要があります。
また、Hibワクチンやほかの予防接種とともに同時摂取が可能なワクチンもありますので、希望する場合は医療機関に事前に相談しましょう。

髄膜炎は後遺症リスクが高い

髄膜炎の後遺症は非常に重いものが多いです。
特に脳やその周辺にかかわる後遺症が残ることがあります。
ここでは、主な後遺症について説明していきます。

感音性難聴

難聴には、感音性難聴と伝音性難聴があります。
その中で、髄膜炎の後遺症は感音性難聴といわれています。
内耳が損傷することでうまく音を聞き取れなくなったり、聞いた音を脳が理解できない状態になったりしてしまうものです。
聞いた音を理解できないという状態は、知らない外国の言葉を聞いたときに、それが音なのか、どこの言葉なのかわからない、騒音にしか聞こえないという状態に似ています。
その状態がずっと続いてしまうということです。
場合によっては訓練することで、改善が見込めます。

てんかん発作

てんかん発作は脳が興奮した状態になると、電気が流れたような状態になり、痙攣したり、体が異常な動きをしたり、吐き気や頭痛に襲われたり、意識を失ったりといろいろな症状が現れます。
意識のある状態では、発作を起こしていても、そのときに自分がとった行動は覚えていることが多いです。
発作の種類や、症状の重さは、発作を起こしたときに、脳のどの部分に影響したのか、もしくは脳全体に起こったのかなどによって異なります。
発作が起きたときに意識がなくなったり、短時間に何度も繰り返すようになったりするようなら必ず病院にいく必要があります。
この発作は予兆なく起こるので、てんかんがある場合は、車の運転などが制限されたりします。

水頭症

水頭症は、子供の頭が大きくなる病気としてや、大人になってから脳の病気の合併症として知られています。水頭症は、脳室に水がたまって、脳の圧力が上がった状態になる病気です。
頭蓋骨が柔らかい子供はそれに合わせて頭が大きくなったり、ある程度大きくなってからだと、常に頭痛や吐き気などが頻繁に起こるようになったりします。
治療には手術や、ドレナージという頭に穴を開けて、管を入れて、脳の中の水を抜く方法などがあります。

脳梗塞や脳萎縮

脳梗塞も脳萎縮も、脳の病気です。
脳梗塞は、脳の中の血管が詰まってしまうもので、脳萎縮は、本来詰まっているはずの脳が萎縮して隙間ができてくる状態です。
脳萎縮は年とともに少しずつ進んでいくものなのですが、子供の脳の萎縮が60歳や90歳と同じ状態では異常です。放置しておくと、認知症のような症状が出たりするようになります。

知的障害・発達遅延

知的障害や発達遅延というのは、知能指数が年齢相応の数字に届かなかったり、ほかの子供のできることができなかったりしている状態です。
障害の程度にもよりますが、大きくなるにつれ顕著に症状が出るようになります。
大人になって、小学生程度の学力が身についたり、生活ができるようになったりする場合もありますが、重度の場合は、介助なしでは生活が困難になります。

早期発見のためにまずは病院へ行こう

髄膜炎は大変恐ろしい病気です。
しかし、きちんと医療機関を受診し早く対応してもらうことで、後遺症などが残らない場合も多いです。
また、かかってしまうと恐ろしい病気のため、研究が進んでおり、予防接種で回避できるものもあります。もし、かかってしまっても、保護者が自分を責める必要はありません。
原因になる要素が大変多く、症状がわかりにくいため、素人では判断は難しい病気なのです。子供の具合が悪くなった時は、早期に正しい治療を受けるためにも、自分で対応しようとせず、病院に行くようにしましょう。

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