5ヶ月の赤ちゃんの成長・発育状況は?特徴や育児の悩み・不安をあわせて紹介!

生後5ヶ月になると、赤ちゃんは身体がしっかりしてきて生活リズムが整い始めるため、お母さんは少し楽になってくるでしょう。しかし、この頃からだんだん離乳食の練習が始まるため、新たな悩みが増えてくる時期でもあります。本記事では、生後5ヶ月の赤ちゃんの成長や生活のリズム、育児の悩みなどをまとめて解説します。

赤ちゃんの身体的な特徴・何ができるようになるの

5ヶ月になった赤ちゃんの身長と体重はどれくらいになり、この頃にはどのようなことができるようになるのでしょうか。以下に平均的な成長について、詳しくご説明していきます。

5ヶ月の赤ちゃんの身長・体重

生後5ヶ月になると、赤ちゃんを抱っこしていると重さを感じるようになるでしょう。この頃の赤ちゃんはどのくらい成長しているのでしょうか。厚生労働省の成長曲線を元に以下に5ヶ月の赤ちゃんの身長と体重を表にします。

性別 身長 体重
男の子 61.9~70.4cm 6.10~9.20kg
女の子 60.1~68.7cm 5.74~8.67kg

この頃になると、体重は生まれたときの3倍以上になります。重いと感じるはずですね。また、生後5ヶ月になると、体重の増えが落ち着いてきますが、これは赤ちゃんが寝返りできるようになって、運動量が増えたことが理由として考えられます。

この頃に体重の増えが少なくなっても、機嫌が良くしっかりうんちが出ていれば心配することはありませんよ。もしも、あまり食欲がなく体重が増えないようなことがあったら、かかりつけの医師に相談するようにしましょう。

厚生労働省「平成22年乳幼児身体発育調査の概況について」:https://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-11901000-Koyoukintoujidoukateikyoku-Soumuka/kekkagaiyou.pdf

寝返りできるようになる

生後4ヶ月頃から寝返りするようになる子も出てきますが、5ヶ月になると寝返りできる子が増えてきます。はじめの頃は、自分で元に戻ることができず泣き出す子もいますが、だんだん元に戻れるようになってきますよ。

寝返りできるようになると、仰向けに寝かしていたはずなのに、気づくとうつ伏せになっていることがあります。うつぶせ寝は、窒息の危険と乳幼児突然死症候群(SIDS)を引き起こすおそれがあるため、赤ちゃんが寝返りを始めたら注意が必要です。

事故を防ぐためには、赤ちゃんを寝かせるときは目を離さず、柔らかい布団の上で寝かせるのはやめるなど、十分に注意しましょう。

喃語が出てくるようになる

赤ちゃんは、生後2ヵ月頃に「あー」や「うー」などと単音で声を出す練習である「クーイング」と呼ばれる行動をします。

そして、生後4ヶ月頃からは奇声を発するようになります。これは、赤ちゃんの聴覚が発達してきた証拠で、自分がどんな声を出せるのか練習している行動です。この頃の赤ちゃんは、「きゃー」や「ぎゃー」などと声を出すのが楽しい時期なのです。

さらに、赤ちゃんは生後5ヶ月になると、だんだんと「喃語(なんご)」が出てくるようになってきます。喃語とは、赤ちゃんが発する意味のない言葉のことを言います。

クーイングは自分が声を出せることを覚え、声の出し方を練習している段階ですが、生後5ヶ月になると「だだだ」や「あう」などの多音節からなる音を発するようになっていきます。はじめのうちは、同じ音を続けて「ばばばばば」などと言っていますが、だんだんおしゃべりが上手になって、「んまんま」などと、違う音を組み合わせて話せるようになっていきますよ。

こうして赤ちゃんは喃語を発声することで、口の動かし方や声帯の使い方などを練習しています。お母さんは、赤ちゃんが喃語を話すようになったら、返事をするようにしてあげましょう。そうすることで、赤ちゃんは嬉しくなってさらにたくさんおしゃべりするようになるのです。

このように、赤ちゃんの言葉に返してあげることで、赤ちゃんの言語能力を高め、さらにコミュニケーション能力の向上にも繋がります。赤ちゃんがおしゃべりできるようになるためには、この喃語はとても大切な役割を持っているのです。

お母さんと他の人の区別がつくようになる

これまでは、自分のそばにいるお母さんのことを認識して、そばに行くと笑顔を見せるようになっていました。それが、生後5ヶ月になると、お母さんと他の人との区別がついてくるようになります。

そのため、機嫌が悪いとき、他の人に抱っこされても泣き止まないのに、お母さんが抱っこしたら泣き止むなど、明らかに違う反応を見せる子がいます。また、お母さんの表情をよく見るようになり、お母さんが怒った顔をしていると不安そうな表情をすることもあります。

こうして、赤ちゃんにとってはいつもそばにいてくれるお母さんが特別な存在になっていくのです。お母さんは赤ちゃんが安心するように、笑顔で接するように心がけたいですよね。

人見知りが始まる子もいる

この頃に、お母さんと他の人との区別がつくようになると、知らない人に抱っこされると不安な気持ちから泣き出してしまう子がいます。これを、いわゆる「人見知り」と言いますが、人見知りはする子としない子がいます。

人見知りは、赤ちゃんの視覚や聴覚が発達してきている証拠です。外で知らない人にあやしてもらったときに赤ちゃんが泣き出したら申し訳ない気持ちになってしまうと思いますが、これは赤ちゃんの成長のひとつですから、神経質になることはありませんよ。

5ヶ月の赤ちゃんの育児方法や注意点・ポイント

次に生後5ヶ月の赤ちゃんの育児についてご紹介します。この頃の授乳回数や睡眠時間、気になる離乳食についても解説しますので、参考にしてみてくださいね。

5ヶ月の赤ちゃんの授乳について

生後5ヶ月の赤ちゃんの授乳回数は、母乳の場合は約4時間おきに1日5~6回程度です。完全母乳の場合は赤ちゃんが欲しがるだけ飲ませてあげて構いません。また、ミルクの場合は1回180~200mlを4時間おきに1日5回ほどあげましょう。

この頃になると、1回の授乳量が増えてまとまった量が飲めるようになるため、夜は5~6時間続けて寝るようになる子もいます。夜中の授乳が減ってお母さんも少し楽になってくるでしょう。

また、生後4ヶ月頃から始まる「遊び飲み」がまだ続いている子もいるでしょう。この頃の赤ちゃんは吸う力がついているため、短時間で授乳が終えられます。もし、授乳に30分以上もかかっている場合、遊び飲みをしている可能性があります。その場合は、授乳を終えてしまいましょう。

身体の成長と同じように、授乳に関しても個人差があるため、この時期にまだ夜中におっぱいを欲しがる赤ちゃんもいます。その子なりのペースがあるため、3時間おきにおっぱいを欲しがる場合は欲しがるだけ飲ませてあげてくださいね。

5ヶ月の赤ちゃんの離乳食の進め方

赤ちゃんが5~6ヶ月になった頃は、離乳食をスタートする時期です。離乳食を始める時期は、以下の目安を参考に赤ちゃんの成長に合わせて開始時期を見極めましょう。

離乳食をスタートする目安となる項目

・首が完全に座っている
・腰を支えてあげれば座ることができる
・ある程度、授乳リズムが整ってきている
・家族が食事をしていると興味を示す
・よだれの量が増えている
・口にスプーンを入れても嫌がらない

赤ちゃんの成長には個人差があり、5ヶ月になっても食事に興味を示さない子もいます。しかし、徐々に興味を示すようになるので、慌てず待ってあげてくださいね。

5ヶ月の赤ちゃんの睡眠時間

この頃になると、赤ちゃんの睡眠時間は1日15時間程度になります。そして、生活リズムが整ってきて、寝かせる前に授乳すれば朝まで寝るようになる子もいます。

もし、まだ生活リズムが安定していない場合は、授乳の時間や寝かせる時間を決め、そのサイクルで生活するように心がけましょう。朝も、決めた時間にカーテンを開けて部屋を明るくするようにするとだんだんリズムが整ってくるでしょう。

スキンシップをとって遊んであげよう

赤ちゃんはお父さんやお母さんとのスキンシップが大好きです。スキンシップは幸せホルモンや愛情ホルモンと呼ばれる「オキシトシン」というホルモンを分泌させ、赤ちゃんの心を成長させます。

生後5ヶ月の赤ちゃんは、いつもそばにいてくれるお父さんやお母さんにかまってほしくて喃語で話しかけることがあります。そんなときは、家事の手を止めて赤ちゃんとのスキンシップを楽しんでくださいね。

5ヶ月の赤ちゃんの育児の悩み・不安について

赤ちゃんが5ヶ月になると、夜まとめて寝てくれるようになる子もいて、お母さんはお世話が少し楽になってくるでしょう。しかし、この頃には夜泣きや離乳食についての悩みを抱える方も多くなってきます。

夜泣きが始まったときはどうしたらいいの?

生後5ヶ月になると、赤ちゃんは情緒面が発達して著しく成長していきます。寝返りができるようになったり、お母さんと他の人の区別がつくようになり人見知りが始まったりと、赤ちゃんにとってはたくさんの刺激がある時期です。

この頃、夜泣きする赤ちゃんが多くなります。なぜ夜泣きが始まるのか、原因ははっきりしたことは分かっていませんが、昼間の刺激によって脳が興奮しているのが原因のひとつかもしれません。

夜泣きは、数ヶ月で終わる子がいれば1歳過ぎまで続く子もいます。その一方で、全く夜泣きをしないという子もいるので、夜泣きにも個人差があるのですね。

夜泣きが始まると、お母さんは大変ですが、これも赤ちゃんの成長のひとつです。泣き出したときに、お腹がすいているわけではなく、おむつも汚れていなければ、ある程度したら落ち着いてきます。

夜泣きが始まった時期は、生活リズムを変えることなく、普段通りにすることでだんだん夜泣きしなくなってくるので、頑張って乗り切ってくださいね。

離乳食を食べない!どうしたらいい?

生後5ヶ月になったので、離乳食を始めたいが赤ちゃんが食べてくれないという悩みを抱えたお母さんもいるでしょう。口にスプーンを入れても嫌がって口を閉じてしまう、口に入れても吐き出してしまうこともあるでしょう。そのような場合はどうしたら良いのでしょうか。

離乳食は赤ちゃんの様子を見て始めるようにしなければなりません。生後5ヶ月になったからといって、どの赤ちゃんも同じように離乳食を始めなければならないわけではないのです。離乳食は赤ちゃんのペースで始めれば大丈夫ですよ。

離乳食の進め方が分からない

そろそろ離乳食を始めたいが、どのように始めたら良いのか悩んでいるお母さんもいるでしょう。離乳食は、赤ちゃんの様子を見てスタートしましょう。

離乳食を始めるときは、1日1回、10倍粥を1週間程度続けてみて、喜んで食べるようになったらスープなどを取り入れていきます。

お粥に慣れてきたら、次に野菜、豆腐などと少しずつ食べさせるものを増やしていきましょう。食べさせる量は1食が小さじ10杯くらいになるようにします。

食べ物に関しては、アレルギーのことを考えて、初めて食べさせるものは1口にしてくださいね。翌日に湿疹などの異常がなければ、2口、次回は3口と少しずつ増やしていくようにしましょう。

生後5ヶ月のときは、離乳食は栄養を摂る目的ではなく、食べる練習をする段階です。栄養は母乳やミルクで摂れますから、まずは食べ物の味や食感に慣れてもらうよう意識で始めてみましょう。

離乳食を始めたらうんちが変わった!

離乳食を始めると、母乳やミルクだけを飲んできたときとうんちが変わってきます。それまでと違ったうんちが出ると、はじめは慌ててしまうかもしれませんね。

離乳食を始めたら、うんちが硬くなることがありますが、これは、赤ちゃんの腸が未熟で安定していない可能性が考えられます。しかし、これは離乳食を続けていくことで腸が対応するようになるので心配いりません。

また、水分不足のときにも便が硬くなることがあるため注意してあげましょう。また、便がゆるくなった場合も腸が未成熟だからです。そして、母乳やミルクだけのときに比べると、臭くなって回数も増えることもありますよ。

生活のリズムを整えるにはどうしたらいい?

この頃の赤ちゃんは、夜泣きが始まって夜中に起きることで、朝起きるのが遅くなることがあります。また、寝るときにぐずって泣く子もいますが、無理に布団に入れて寝かせようとせず、赤ちゃんが抱っこで安心して寝るなら抱っこしてあげましょう。

生活リズムを整えるためには、意識して早寝早起きを心がけるのが大切です。夜泣きが始まっても朝はいつも通りに起きて、カーテンを開けて部屋を明るくします。赤ちゃんが起きなかったら、決まった時間に起こすようにしましょう。朝早く起きれば、昼寝も早くなって就寝時間も早くなりますよ。

昼間は赤ちゃんと一緒に散歩したり、おもちゃで遊んだりして、昼寝は1時間から1時間半で起こすようにします。外に出ることは、赤ちゃんにとっては新しい発見がたくさんあり、良い刺激になり、お母さんにとっても気分転換になるためおすすめです。

そして、夜は興奮させないようにし、同じ時間に寝かせるようにすることで、だんだん生活リズムが整ってくるでしょう。

5ヶ月の赤ちゃんのイベント

生後5ヶ月の赤ちゃんは、予防接種を受ける時期です。自治体によって多少のずれはありますが、だいたいこの時期に受けることが多いため、予防接種について解説します。

予防接種

生後5ヶ月頃は、BCGの予防接種の推奨時期になります。BCGは、生後5~7ヶ月から1歳半までが接種の範囲内の時期です。このワクチンは結核に対するもので、厚生省は生後5ヶ月になったらできるだけ早めに受けるように勧めています。

赤ちゃんによってはBCGを接種したあとに赤くなることや、湿疹が出ることがあります。気になる場合は病院で診てもらうことをおすすめします。予防接種は赤ちゃんの体調が悪いときは受けられないため、スケジュールを立てたら体調管理に努めましょう。

生後2ヶ月頃から始まった色々な予防接種もこの時期で一段落します。次に受けるのは1歳になる頃なので、この時期までに任意予防接種を受けていない場合は、接種を検討してみると良いのではないでしょうか。接種に関してはかかりつけの病院に相談してスケジュールを立てるようにしましょう。

離乳食は焦らずに!

離乳食の開始は焦る必要はありません。まわりが開始していているのを耳にすると、うちも始めなければ、と思ってしまいますよね。しかし、赤ちゃん自身の準備が整っていないのに始めてしまうと、赤ちゃんは食べることが嫌いになってしまうおそれがあります。お母さんは、しっかり赤ちゃんの様子を観察して、スタートのタイミングがきたら始めれば大丈夫です。

夜泣きや離乳食が始まると、お母さんは新たな悩みを抱えることになりますが、まわりの人たちに協力してもらい、一人で頑張りすぎないようにしてくださいね。

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