赤ちゃんの「ハイハイ」はいつから?ハイハイの時期や練習法について解説

赤ちゃんは首がすわり、寝返りができるようになるとあっという間にハイハイを始めます。ハイハイが始まると、自分の意思で移動できるため、赤ちゃんは楽しくて部屋中を動き回るでしょう。この記事では、赤ちゃんがハイハイを始めるのはいつ頃からか、その平均的な時期やハイハイをしない赤ちゃんの練習法について詳しく解説していきます。

赤ちゃんが「ハイハイ」をするのはいつ頃から?

赤ちゃんの成長には個人差があります。首がすわるのも生後3ヶ月が目安ですが、早い子では生後2ヶ月頃から首がすわってきますし、のんびり成長する子は生後4ヶ月ですわる場合もあります。

このように、赤ちゃんによって成長のペースが異なりますが、ハイハイをするようになるのはいつ頃からなのでしょうか。

ハイハイするまでの成長過程

ハイハイをする時期を知る前に、赤ちゃんが誕生し、首がすわってからハイハイをするまでの成長過程を見てみましょう。

首がすわる(生後3~4ヶ月頃から)

生まれたばかりの赤ちゃんは、首がぐらぐらしていて安定していません。それが生後3ヶ月頃になると、首の筋肉が発達してきて自分で頭を支えられるようになります。

寝返りができるようになる(生後4~6ヶ月頃から)

生後4ヶ月頃から赤ちゃんは、仰向けに寝かせた状態からうつ伏せになる「寝返り」ができるようになります。寝返りは、腰の筋肉が発達するとできるようになるため、寝返りできるようになる時期には個人差があります。

ずりばいをする(生後6~8ヶ月頃から)

「ずりばい」とは、ハイハイをする前の段階の動きで、お腹を床につけて手足の力でほふく前進のように移動する動作です。ずりばいのスタイルは様々で、ほふく前進のような動きをする子以外には、肘だけを使って移動する子や、おすわりをしたままお尻と手足を使って移動する子もいます。

おすわりができる(生後7~8ヶ月頃から)

おすわりができるようになるのは、腰まわりの筋肉が発達して背筋を伸ばすことができるようになってからです。はじめのうちは背中を丸めて、後ろや前に倒れることがありますが、だんだん上手にすわれるようになってきます。

以上のような成長過程を経て、赤ちゃんはハイハイをするようになります。この成長過程を見てみると、赤ちゃんがハイハイをするためには、首がしっかりすわって、腰の筋肉が発達していることが条件に挙げられることが分かりますね。ただし、赤ちゃんの成長には個人差があるため、この順番通りでない場合もあります。

ハイハイを始める目安は生後7~8ヶ月ころ

赤ちゃんがハイハイを始めるのは、生後7~8ヶ月頃からです。先程も述べたように、赤ちゃんの成長には個人差があるため、生後6ヶ月頃からハイハイを始める子もいますし、生後9ヶ月になってからハイハイを始める子もいます。

平均的な目安の月齢になっても、ハイハイを始めないと心配されるお母さんもいるでしょう。しかし、ハイハイがまだでもその子なりに成長していきますから、焦らず見守ってあげてくださいね。

ハイハイをしない子もいる

赤ちゃんは自分のペースでできることがどんどん増えていきます。多くの赤ちゃんがハイハイをして好きな場所に移動するようになりますが、なかにはハイハイをしない子もいます。

赤ちゃんは、寝返りができるようになってから「ずりばい」を始めるようになります。たいていの赤ちゃんは、ずりばいの次にハイハイをするようになるのですが、ずりばいからハイハイをしないでつかまり立ちする子もいるのです。

赤ちゃんがハイハイするときに必要なのは?

赤ちゃんがハイハイできるようになるためには、自分で体を持ち上げて手足を前に動かす必要があります。また、前を見るために首を持ち上げていなければなりません。ハイハイをするために必要なのは、「手足や腰、首の筋肉が発達」です。

また、ハイハイをするときは、赤ちゃんの「意欲」が必要です。気になるものを触ってみたい、大好きなお母さんの後をついていきたいなどの気持ちが、成長に繋がるのです。

ハイハイが赤ちゃんに与える役割

ハイハイは赤ちゃんの心身の発達に様々な影響を与えます。それを以下に詳しく解説します。

ハイハイは体の発達を促す

ハイハイは、四つん這いになって頭を上げて進む動作ですが、この動きは全身の筋肉を使います。人間の頭はとても重いため、ハイハイの体勢で首を上げて頭を支えるためには、首や背中、肩、腹筋などの筋肉が必要です。ハイハイは、これら全身の筋肉が発達させ、その後の成長過程であるつかまり立ちやひとり歩きための体づくりになるのです。

バランス感覚や反射神経を養うことができる

ハイハイをするときは、足の指に力を入れて床を蹴って前に進みます。このハイハイはこれからの成に必要な足の力をつけるためには、大変良い動きと言えます。

私たちは立っているとき、無意識に足の指に力を入れてバランスを取っています。赤ちゃんはハイハイをすることで、立って歩くようになったときに必要な足の指の筋肉を鍛えているのです。

また、ハイハイをするときに四つん這いになり進む動作は、バランスを取りながら体勢を維持するバランス感覚が必要です。そして、バランスを崩したときに倒れないように体勢を立て直すには反射神経がなければできません。

このようにハイハイは、バランス感覚や反射神経を養うために役立つ動作だと言えるのです。

体の体幹を鍛えることができる

ハイハイは、四つん這いの体勢から手足を左右順番に持ち上げて移動します。バランスを取りながら、手足を上げて進むためには手足や背筋、腹筋などの全身の筋肉を使わなければなりません。そして、この動作を繰り返すことで自然に体幹が鍛えられていきます。

体幹を鍛えることで、つかまり立ちをするようになったとき、バランスを取って立つことができるようになり、転びにくくなるのです。また、歩くときも体幹が必要になるため、このハイハイの時期で体幹を養うのは重要と言えます。

協応動作の基礎づくりになる

「協応動作」とは、2つ動きを同時にすることです。例えば、手で縄を回しながら足でジャンプする縄跳びや、出てきたもぐらを目で見て、手を動かして叩くもぐらたたきなどがこの協応動作です。

ハイハイは、手と足という違う部位を連動して動かすため、この協応動作の基礎づくりとなります。協応動作の基礎をつくっておくことで、つかまり立ちやひとり歩きのときにスムーズな動作ができるようになるのです。

ハイハイは体の機能の発達を促す

全身の筋肉を使うハイハイは、体全体の血液の流れを促して心肺機能を高めるのに役立ちます。また、ハイハイは自分の体を支えるため、骨や関節に負荷がかかりますが、これが骨の発達に良い影響を与えるのです。

さらに、ハイハイをすることによって、運動量が増え食欲が出てきて離乳食をしっかり食べるようになります。そして、運動量が増えることで質の良い睡眠が取れるようになり、生活リズムが整ってくるという面でも、ハイハイは赤ちゃんに良い影響を与えると言えます。

ハイハイは赤ちゃんの心の発達を促す

赤ちゃんはハイハイができるようになると、自分の意思で動けるより気になるものを見つけると気になって触りに行こうとします。そして、様々なものに興味を持って、好奇心を満たそうとしてハイハイで移動することで、たくさんの刺激を受けることができるのです。

このように、ハイハイは赤ちゃんの好奇心を刺激して、心の発達を促す役割も担っています。

赤ちゃんとのハイハイの練習をしよう

赤ちゃんの成長過程には個人差があり、全くハイハイをしない赤ちゃんもいます。しかし、ハイハイは体幹を鍛える、骨の発達を促す、情緒を育てるなど、たくさんのメリットがあるので、できることならハイハイをしてもらえたら良いですよね。

ハイハイしたくない赤ちゃんに無理やり練習させる必要はありませんが、赤ちゃんがハイハイしたくなるような環境づくりをするのは大切です。そして、お母さんと楽しく練習すれば、赤ちゃんは遊びのような感覚で練習してくれるでしょう。以下に、ハイハイを楽しく練習できる方法をご紹介します。

ずりばいをたくさんさせる

ハイハイするためには、全身の筋力が必要です。そのため、まだずりばいをしている赤ちゃんには、ずりばいをたくさんさせて筋力を養うのが良いでしょう。ずりばいで体を動かすことで、徐々に筋肉が発達してハイハイができるようになりますよ。

手押し車で腕の力をつけよう

ハイハイは、自分の腕で体を支える必要があるため、筋力が弱いうちは難しい動作です。赤ちゃんが自分の力で体を持ち上げられないうちは、お母さんが赤ちゃんの腰を持ち上げて支えてあげましょう。

赤ちゃんをうつ伏せにして、腰のあたりを持ち上げると、赤ちゃんは自分の両手で体を支えようとします。そして、赤ちゃんの筋力がついてくると、手を前についてハイハイの動作をするようになります。この動作は赤ちゃんにとってはかなりの筋力を使う動きですから、はじめのうちはハイハイの手の動きに慣れさせる程度にして、短時間の練習にしましょう。

赤ちゃんの腕の力がついてきたら、お母さんが赤ちゃんの腰を持ち上げて手押し車のように進みます。嫌がらないようでしたら、支えるところを腰から太もものあたり、足と変えて練習してみてくださいね。

お母さんがお手本を見せる

赤ちゃんはお父さんやお母さんの真似をするのが大好きです。ハイハイができるようになる時期は、バイバイやお手々パチパチなどの動作を教えるとすぐに覚えてできるようになります。

お父さんやお母さんが赤ちゃんの横で四つん這いになって、ハイハイのお手本を見せてあげましょう。お母さんたちが楽しそうにやって見せると、赤ちゃんも「やってみたい」という意欲が湧いてくるのではないでしょうか。

おもちゃで誘ってハイハイを促す

ハイハイしたい気持ちはあるのに、思うように進まない赤ちゃんには、お気に入りのおもちゃで誘う方法がおすすめです。赤ちゃんが居る場所から少し離れたところに、赤ちゃんが好きなおもちゃを置いてみましょう。赤ちゃんはそのおもちゃで遊びたくてハイハイを始めるかもしれません。

お母さんがおもちゃを持って、赤ちゃんの名前を呼んであげるのも効果的です。大好きなお母さんに呼ばれると、赤ちゃんは嬉しくてお母さんに早く近づきたくなります。ぜひ試してみてくださいね。

赤ちゃんがハイハイをするようになったら注意するポイント

赤ちゃんとハイハイの練習を始める前には、ハイハイができる環境を整えなければなりません。また、赤ちゃんがハイハイをするようになったら、家の中を見渡して危険な場所はないか確認してみてください。

掃除をこまめにする

赤ちゃんがハイハイするようになったら、床に落ちているゴミやホコリを吸ってしまうおそれがあります。ハイハイする赤ちゃんの目線は低いので、床に落ちているものを口に入れてしまうことがあるためです。

上の子がいる家庭では、上の子どもが食べたおやつや食事の食べこぼしにも注意が必要です。また、上の子が遊ぶおもちゃに小さなパーツがあるものがないか、確認しておきましょう。片付けるとき、そのパーツが床に落ちていないかチェックしなければなりません。

さらに、ペットがいるご家庭は、ペットの抜け毛や餌の食べこぼし、トイレなどは注意しなければなりません。赤ちゃんがハイハイするようになったら、ペットのトイレが置いてある部屋には入れないようにしておくのが良いでしょう。

誤飲事故に注意する

赤ちゃんは気になったものをすぐに口に入れてしまいます。そのため、ハイハイを始めた赤ちゃんの誤飲を防ぐためには十分な注意が必要です。電池やタバコなどはもちろん、上の子がいる場合は小さなおもちゃにも注意しなければなりません。

家具の角にはガードをつける

赤ちゃんはハイハイを始めるようになると、どんどん上手になってスピードも早くなります。気になるものを見つけると、ものすごいスピードで目的に向かって突進していくため、家具の角に頭をぶつけないように対策が必要です。

赤ちゃんを危険から守るために、家具の角をカバーする柔らかいクッション性の素材でできたガードが売られています。そのようなものを取り入れて、赤ちゃんをケガから守ってあげましょう。

コンセントや電気コードに注意する

ハイハイをする赤ちゃんの目線は低いため、ハイハイするときはちょうどコンセントや電気コードが目に入る位置です。そのため、興味を持った赤ちゃんがコンセントにおもちゃや指を入れないように、コンセントカバーなどを活用して対策しましょう。

また、電気コードも赤ちゃんが舐めたりかじったりしたら危険です。こちらもカバーなどを使って危険のないようにしておきましょう。

引き出しや扉の対策をしよう

好奇心旺盛な赤ちゃんは、目についたものを触ってみたくて仕方ありません。器用に引き出しを開けて中身を出したり、テレビ台の扉を開けたりするでしょう。引き出しの中のものを赤ちゃんが口の中に入れないように、また扉の開閉でケガをしないように、引き出しや扉を開けられないようにする便利グッズを使って対策してくださいね。

ベビーゲートなどで安全対策

ハイハイを始めた赤ちゃんは、思ってもみない場所へ移動していることがあります。お母さんが少し目を離したすきに、狭い場所に入ってしまったり、お風呂場へ移動してしまったりして驚くことがあるでしょう。

かといって、お母さんはずっと赤ちゃんを監視しているわけにもいきませんよね。赤ちゃんがキッチンや階段、お風呂場などへ行かないように、ベビーゲートやベビーサークルなどを活用して対策するのがおすすめです。

床にマットを敷いてケガ防止

ハイハイをするときは、膝や手のひらを床につけるため、固いフローリングなどでは手足を痛めてしまうことがあります。また、バランスを崩して床に頭をぶつけるかもしれません。ケガ防止のため、床の上にカーペットや衝撃を吸収してくれるマットなどを敷いてあげると良いでしょう。

テーブルの上も要注意

赤ちゃんがハイハイしているとき、高い場所には手が届かないだろうと思っていてはいけません。赤ちゃんは好奇心旺盛ですから、気になったものがあると手を伸ばして触ろうとします。テーブルクロスを引っ張って、上に置いてあったものが落ちてケガをしてしまうかもしれません。

赤ちゃんの行動範囲が広がったら、テーブルクロスを使用しない、または引っ張られないように固定するなどしてしっかり対策しましょう。

赤ちゃんのハイハイを見守りましょう!

赤ちゃんがハイハイするようになると、色々なものに興味を示してどんどん動き回るようになるでしょう。目が離せなくて家事ができない、ハイハイで後追いしてトイレまでついてくる、と困った悩みも増えるかもしれませんね。

しかし、ハイハイは赤ちゃんの体や心が発達した証であり、今後の成長にも良い影響を与える成長過程のひとつです。いたずら防止グッズなどを上手に利用して、ハイハイを楽しむ赤ちゃんを見守ってあげてくださいね。

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