赤ちゃんの抱き方はどうやるの?抱き方のコツや注意点を解説

待ちに待った初めての赤ちゃん。嬉しい気持ちの一方でお世話について悩んだり戸惑ったりすることもあるでしょう。赤ちゃんが生まれてすぐにすることといえば「抱っこ」ですよね。今回の記事では、赤ちゃんの抱っこの仕方について解説します。赤ちゃんが心地良い抱っこの仕方を覚えて、育児を楽しんでくださいね。

赤ちゃんにとって抱っことは

赤ちゃんにとって、抱っことはお父さんやお母さんとの大切なスキンシップのひとつです。抱っこしてもらうことで、まわりの人たちの愛を感じ、優しい温もりによって安心します。また、不安になったときに抱っこされると、お父さんやお母さんの心臓の音を聞くと不安が解消されるという説もあります。

昔の人は、赤ちゃんが泣くたびに抱っこしていると抱き癖がつくと考えました。しかし、現在は抱っこされることで赤ちゃんの心が落ち着いて情緒の発達に良い影響を与えるため、抱っこをしてあげたほうが良いとされています。

赤ちゃんの抱き方の基本

早速ですが、赤ちゃんの抱き方には、いくつかの基本があります。これを意識して赤ちゃん抱くようにしましょう。以下にその基本について詳しく解説します。

抱っこは赤ちゃんが楽な姿勢を意識する

赤ちゃんはお母さんのお腹の中で、体を丸めていました。そのため、生まれたばかりの赤ちゃんの背骨は、Cのような形になっています。赤ちゃんを抱くときは、背中がCの形になるような姿勢を保ってあげると、赤ちゃんが心地良くいられます。

また、赤ちゃんの足は大人のようにまっすぐ伸びていません。よく観察してみるとお分かりになると思いますが、赤ちゃんの足はMの形のように開脚した形です。そのため、赤ちゃんを抱くとき、足をまっすぐにする抱き方をすると股関節脱臼を起こしてしまうので注意しなければなりません。赤ちゃんを抱くときは、足の形がM字になっているか確認してあげましょう。

抱っこのときは体を密着させる

赤ちゃんが心地良く感じる抱き方は、お母さんの体を密着させる抱き方です。できるだけ自分の体に赤ちゃんをくっつけて抱っこしてあげてください。赤ちゃんは、お母さんに密着することで、お母さんの匂いや体温を感じて安心するのです。そして、抱きながら優しく語りかけると、赤ちゃんがより安心しますよ。

抱っこする人がリラックスする

初めての子どもの場合、お父さんもお母さんも赤ちゃんの抱き方に慣れていないため、緊張してしまいますよね。お母さんたちが緊張していると、顔が真剣になって体に力が入ってしまいます。その緊張が赤ちゃんに伝わり、抱っこされても赤ちゃんはリラックスできません。

赤ちゃんに安心してもらうためには、お母さんたちがリラックスすることです。肩の力を抜いて、脇をしめて赤ちゃんと体を密着させた抱き方をしてあげると赤ちゃんは安心しますよ。

赤ちゃんの抱き方の種類

赤ちゃんを抱くときは、以下のようにいくつかの抱き方があります。赤ちゃんを抱くとき、お母さんと赤ちゃんが疲れにくい方法を見つけてくださいね。

横抱きにする浮き輪抱っこ

この抱き方は、赤ちゃんを抱くときの一般的な方法です。横向きで赤ちゃんを包み込むようにして、背中を丸めた体勢で抱くことができるため、首がすわる前の子に適した抱き方と言えます。

浮き輪抱っこをするときは、次のような手順でゆったりした動作で行ないましょう。

1.寝ている赤ちゃんに、お母さんの体を密着させるようにして首とお尻の下に手を差し込んで支えながら抱き上げます。
2.お母さんが腕で浮き輪を作るようにし、赤ちゃんの頭をお母さんの二の腕くらいの場所に来るように抱きます。そして、赤ちゃんの体をお母さんが腕で作った輪の中にすっぽりはまるように入れて支えます。
3.このとき、赤ちゃんの背中が丸まるようにし、足をM字にしたままの抱き方をすると、赤ちゃんが安心します。

縦に抱くコアラ抱っこ

赤ちゃんを縦に抱くときは「コアラ抱っこ」と呼ばれる抱き方をすると、お母さんの腰への負担が軽くなります。

1.赤ちゃんに体を密着させて抱き上げます。赤ちゃんお尻がお母さんのおへそよりも上にくるようにして、お母さんの腰をまたがせるような体勢で抱きましょう。
2.赤ちゃんの脚が自然なM字になっているか、腰からお尻にかけて丸くなっているかを確認してください。
3.こうすることで、赤ちゃんがお母さんにもたれかかってきますので、お尻の下に片方の腕を入れて支えます。支える腕の手のひらを下向きにすると、お母さんの手首への負担を減らすことができ、腱鞘炎に予防になりますよ。

授乳中の抱き方

次にご紹介するのは、授乳中におすすめの赤ちゃんの抱き方です。赤ちゃんに授乳するときは、お母さんが前かがみにならないように注意しましょう。特に新生児期は授乳に時間がっかりますから、前かがみになった状態ですと腰を痛める原因になります。

授乳するときは、椅子やソファーに座り、背中に枕やクッションを置くと楽ですよ。また、赤ちゃんの下にも枕やクッションを置くと前かがみにならず、赤ちゃんとお母さんの腕を乗せることができるためおすすです。

横抱き(ゆりかご抱き)

ゆりかごの中に赤ちゃんを寝かせるように、横向きに抱っこする方法です。赤ちゃんとお母さんのお腹を密着させ、赤ちゃんがお母さんの胸のあたりにくるように抱きます。片方の腕に赤ちゃんの頭を乗せ、空いている腕で赤ちゃんのお尻を支えましょう。

交差横抱き(交差ゆりかご抱き)

交差横抱きの場合は、通常の横抱きのときと腕の使い方が変わります。横抱きのときは、飲ませる側の腕を使って赤ちゃんの頭から肩を支えますが、交差横抱きの場合は飲ませるほうとは反対の腕で赤ちゃんを支えましょう。そして、おっぱい側の手はおっぱいを下から支えます。

交差横抱きのときは、赤ちゃんの体全体を支えるようなイメージです。この抱き方ですと、赤ちゃんの体がお母さんの体に密着するため、赤ちゃんが安心します。この抱き方は首がすわる前の小さな赤ちゃんにおすすめの抱き方です。

交差横抱きはお母さんが前かがみにならず、赤ちゃんを抱き上げなくても授乳できるため、お母さんの腕や腰の負担が軽減されますよ。

脇抱き(フットボール抱き)

赤ちゃんを脇に抱えるような抱き方で授乳する方法です。赤ちゃんを仰向けにして枕やクッションの上に体を乗せます。そして、赤ちゃんの頭をお母さんの前腕に乗せて抱えるように抱きます。そして、空いている方の手でおっぱいを下から支えましょう。

この抱き方は、赤ちゃんの体重がお腹にかかることがないため、帝王切開で出産した方におすすめです。

縦抱き

お母さんの太ももに赤ちゃんをまたがせるようにして座らせて抱く方法です。この抱き方は生後6ヶ月までの小さな赤ちゃんにおすすめの方法です。

お母さんは前かがみにならないようにゆったり座り、赤ちゃんとお母さんが向かい合うようにします。授乳するほうのおっぱい側のふとももに赤ちゃんをまたがせ、飲ませるおっぱいのほうの腕で赤ちゃんのお尻から腰のあたりを支え、もう片方の手で赤ちゃんの首を支えましょう。このとき、赤ちゃんのあごを少し上げてあげると飲みやすい体勢になりますよ。

月齢別に見る抱き方のコツ

赤ちゃんの抱き方は、月齢によってコツや注意するポイントが異なります。早速、以下に月齢別に見る赤ちゃんの抱き方について解説します。

新生児期から首がすわるまでの生後3ヶ月頃までの抱き方のコツ

首がすわっていない赤ちゃんを初めて抱くときは緊張しますよね。でも、正しい抱き方さえマスターすれば、怖がらなくても大丈夫です。以下に首がすわっていない時期の赤ちゃんを抱くときのコツをご紹介します。

新生児期の抱っこで注意するポイント

新生児期の赤ちゃんの抱き方で注意しなければならないのは、「首をしっかり支える」ことです。

そして、次に「背中を丸めて手足を無理に伸ばさないように抱く」のが大切です。赤ちゃんを抱くときは、背中を丸めると良いと説明しましたが、新生児の頃は特にこの点に注意が必要です。生まれたばかりの赤ちゃんは背骨がCの形になっていて背中が丸まっていて、手足を曲げた状態が自然な体勢です。

そして、最後に「お母さんの体に密着させて抱く」と安心してくれますよ。そして、新生児期の赤ちゃんはとても小さいため、抱いている時に自分のおっぱいで呼吸を邪魔していないかなど、常に注意しましょう。

首がすわっていない赤ちゃんを横抱きのするときのコツ

首がすわっていない赤ちゃんは、しっかり頭を支えてあげないといけません。寝ている赤ちゃんを抱き上げるときは、必ず首の下に手のひらを入れて支えましょう。そして、もう片方の手のひらで赤ちゃんのお尻を支えます。

抱き上げながら首に置いていた手を背中へ移動させ、自分の肘のあたりに赤ちゃんの頭を乗せましょう。そのとき、肘を固定して赤ちゃんの首がグラグラしないように注意してくださいね。

首がすわっていない赤ちゃんを縦抱きするときのコツ

首がすわっていない赤ちゃんでも、授乳後にゲップをさせるときに縦抱きします。首がすわっていない赤ちゃんを縦抱きするときは、横抱き同様に首をしっかり支えてあげましょう。

赤ちゃんを縦に抱くときは、横抱きのときと同じように赤ちゃんの首とお尻に手のひらを差し入れてゆっくり抱き上げます。そして、赤ちゃんの首を支えたまま、縦に抱いて自分の胸や肩のあたりに赤ちゃんの頭がくるようにしましょう。

片方の腕で赤ちゃんのお尻を支えながら、赤ちゃんの体全体を支えます。そして、縦抱きにするときは必ずお母さんの手で赤ちゃんの首と後頭部を支えていてあげてください。新生児期の赤ちゃんの首はグラグラしているため、首を支える手は離さないように注意しましょう。

首がすわっていない赤ちゃんでも、横抱きより縦抱きが好きな子がいます。新生児期は横抱きではいけないというルールはありません。赤ちゃんの様子を見て縦抱きをしてあげても良いですよ。

首がすわった赤ちゃんの抱き方のコツ

赤ちゃんは生後3ヶ月から生後4ヶ月くらいになると首がすわってきます。それと同時にだんだん体もしっかりしてきて、抱くのが楽になってきます。

首が完全にすわると赤ちゃんを抱くのが楽になってきますが、完全に首が座るまでは抱く時に首を支えるように注意しましょう。そして、首がすわったばかりの赤ちゃんの首はまだ不安定なので、抱き上げるときは新生児期のときと同じように首を支えて抱き上げるようにしてくださいね。

完全に首がすわった赤ちゃんを抱くときは、お母さんの手を赤ちゃんの両脇に差し入れて指で赤ちゃんの後頭部を支えるようにして抱き上げます。そして、赤ちゃんの体をお母さんの両手で抱えるようにして赤ちゃんを安定させましょう。

抱っこで寝たときに布団に置くときのコツ

赤ちゃんの抱き方のコツを知ったところで、抱っこで寝た赤ちゃんを布団におろすときのコツも伝授しますね。

赤ちゃんのなかには、抱っこしないと寝ないという子もいますよね。熟睡していると見計らって布団におろした瞬間、目を覚まして泣き出すということもあるでしょう。寝ている赤ちゃんを起こさずころすコツは、おろしたときも赤ちゃんが背中を丸めた姿勢を少しの間キープすることです。

赤ちゃんが寝たら、抱いたままゆっくり布団におろします。しかし、おろしたときにすぐに赤ちゃんを布団の上に置いてはダメです。赤ちゃんを抱っこした腕をすぐに離さず、お母さんが赤ちゃんに覆いかぶさるようにお腹を密着させたままの状態をキープします。赤ちゃんはお母さんと密着している安心するため、すぐに離れないでくださいね。

赤ちゃんを抱いたままの体勢を少しの時間キープします。そして、ゆっくり片方の腕を赤ちゃんの背中から引き出しましょう。赤ちゃんの様子を見ながらもう片方の腕もそっと離します。このときもまだ赤ちゃんとお母さんは密着したままです。赤ちゃんが熟睡しているのを確認したら、ゆっくり体を離しましょう。

もうひとつの方法として、布団の上にクッションなどで背中が丸くなるような形を作って、そこに寝かせるというやり方もあります。赤ちゃんが寝たらそっとクッションを外してあげましょう。

赤ちゃんの抱き方の注意点

 

赤ちゃんを抱くときに注意してほしいポイントを下記にご紹介します。赤ちゃんの安全のためにも覚えておいてくださいね。

赤ちゃんを包むように抱く

赤ちゃんを抱くときは、赤ちゃんの体全体を包み込むように抱きましょう。腕全体を使って、赤ちゃんの後頭部と背中、お尻を支えて安定させます。手首だけを使った抱き方をすると、赤ちゃんの体が不安定になり、さらにお母さんの腕に赤ちゃんの体重全体がのしかかってくるため腱鞘炎になってしまいます。

片手で抱っこしない

赤ちゃんの首が完全にすわっているからといって、片手で抱くのは大変危険です。赤ちゃんの行動は先が読めず、抱っこされていても、急にのけぞることがあります。そうなったとき、片手で抱いていると支えきれず赤ちゃんが落下してしまうおそれがあります。

後追いの時期などは特に、赤ちゃんをおろすと泣き出してしまうため、抱きながら用事をすることもあるでしょう。この時期は赤ちゃんが落ち着くまで抱っこしてあげるか、おんぶひもを活用して家事をするなどして工夫しましょう。

お父さんが赤ちゃんを抱くときはニオイに注意!

生まれたばかりの赤ちゃんは、お母さんのことを匂いで認識します。お父さんが赤ちゃんを抱くときは、匂いに注意が必要です。匂いに敏感な赤ちゃんは、嫌な匂いがすると泣き出してしまうこともあります。

お父さんが赤ちゃんを抱くときは、授乳のときに使うガーゼなど赤ちゃんが慣れた匂いがするものを腕にかけるなどすると、赤ちゃんが安心します。

また、抱くときに赤ちゃんの頭が左側にくるようにし、お父さんの心臓の音を効かせてあげると赤ちゃんが落ち着きます。

NGな抱っこはあるの?

赤ちゃんの抱き方について、コツや注意点をご紹介しましたが、やってはいけない抱っこもあるので知っておきましょう。

体から離して宙に浮かせる抱っこ

自分の腕を伸ばして赤ちゃんを宙に浮かせるようにする抱き方はNGです。赤ちゃんは抱っこされるときに体を密着させると安心するので、腕だけで抱っこされると不安で仕方ありません。また、この抱き方をするとお母さんの腕に負担がかかってしまうため腱鞘炎の原因になります。

両手のひらだけで持つような抱っこ

初めての赤ちゃんを抱くとき、どのような抱き方をしたら良いのかわからず、神様に捧げものをするように両手のひらに赤ちゃんを乗せた抱っこをしていませんか?手のひらだけで持ち上げられた抱っこは、赤ちゃんにとって大変不安で怖いものです。

また、手のひらだけで持つような抱き方は不安定ですから、赤ちゃんが動いたときに落としてしまうかもしれません。

赤ちゃんの抱き方のコツをつかんで抱っこできる期間を楽しんで!

赤ちゃんにとってもお母さんにとっても、抱っこは愛情を感じることができる大切なスキンシップです。はじめのうちは、慣れない抱っこでもコツをつかめば難しいことではありません。

赤ちゃんはお父さんやお母さんに抱っこしてもらうことで、愛されていることを感じて情緒を安定させていきます。そして、赤ちゃんの成長はあっという間で、歩きだすと抱っこされるのを嫌がるようになる子もいます。抱っこできる時期は本当に短い期間なので、この時期をぜひ楽しんでくださいね。

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