警察官は国民の安心と安全を守ってくれる仕事!なるために受ける試験内容とその気になる階級分けとは

警察官というと、交番で働いているおまわりさんを思い浮かべる人が多いでしょう。DJポリスとして注目を集めたように、交通整理をしたり、白バイにまたがり交通違反を取り締まったりする警察官もいます。その他には、どんな仕事をしているのか徹底解説していきます。

警察官の仕事について知ろう

警察官の組織はどうなっているの?

  • 警視庁
  • 警察の組織は「警察庁」「都道府県警察」の2つに分けられます。警視庁は国の行政機関です。採用は、国家公務員採用試験の合格者からとなります。国家に関わる公安、警察組織全体の舵取り、各都道府県警を監督します。

  • 都道府県県警
  • 都道府県警は、各都道府県が管理する警察組織のことです。その地域で起こった事件を担当するのが、都道府県警です。交番勤務をしている警察官は、都道府県警に所属しています。

警視庁の仕事内容とは

警視庁は都道府県警と同じで、東京都にある警察庁をまとめる組織のことです。例えば、神奈川県の警察は「神奈川県警」ですが、東京都の場合は「東京都警」とは言わず「警視庁」と呼びます。

他の都道府県警と違うところは、呼び名を◯◯警と言わないところと、トップに警察組織の最高階級である「警視総監」が配置されているところです。

都道府県警の6つの仕事内容とは

  • 地域警察部門
  • 私たち、一般の市民に馴染みがある交番や駐在所のおまわりさんは、この地域警察部門に所属しています。地域に密着していて、市民からの110番の対応、パトロール、職務質問や任意同行などの任務を行ないます。凶悪事件が起きた時、管轄の刑事とともに張り込みなどを行なうこともあります。

  • 生活安全部門
  • 生活安全部門の仕事は、市民の生活を守ることです。防犯活動や少年の非行防止活動、ストーカー犯罪や振り込め詐欺など、犯罪に取り組んでいます。市民からの相談に乗ることもあり、犯罪を未然に防ぐ活動もやっています。事件が起こってから動くのではなく、犯罪を防ぐために働けるという特徴がある部署です。

  • 刑事警察部門
  • 警察組織の中では花形と言われている部署で、殺人、強盗、誘拐、放火などの凶悪犯罪を扱っています。また、詐欺、汚職事件、暴力団による犯罪など、重大な犯罪を取り扱います。事件が発生したら現場へ行き、解決のために周辺の聞き込みや被害者から話を聞いたりします。

    犯人が特定するまで、地道な捜査をすることもあり、時には張り込みや尾行をすることもあります。犯人を逮捕したら取り調べを行ないます。

  • 交通部門
  • 交通部門の仕事は、交通事故を未然に防ぐために白バイで街頭に出て、スピード違反などの交通違反を取り締まります。交通事故が起こった場合は捜査をし、交通安全の指導や暴走族の対策に関する仕事もします。白バイ隊員には高い運転技術と、瞬時に状況判断ができる観察力と能力が求められます。

  • 警備部門
  • 警備部門には、機動隊が所属しています。テロ行為やゲリラ活動といったものを未然に防ぐため、国会や官庁、駅や空港を警備する仕事をします。また、要人の警護をして安全確保をすることも大切な仕事です。市民が集まる花火大会やお祭りなど、大きなイベントで大勢の人が集まる場所での警備や、災害時の救助活動も警備部門の仕事です。

  • 総務・警備部門
  • 警察組織の円滑や運営を、あらゆる面からサポートする仕事をします。総務部は警察官の活動を円滑に進めるため、福利厚生や会計などの労働環境を整えます。警務部は警察職員の採用など、人事や組織運営のために働きます。また、犯罪者被害者支援を行うこともあります。

警察官の給料・休日について詳しく知ろう

  • 警察官の給料
  • 警察官の給料は階級によって変わりますが、平均年収は約800万円です。初任給は一般の会社員より高めの額で、警察庁の総合職試験で採用された大学卒の初任給は21万8千円程です。警視庁以外で都道府県警の大卒初任給は、19~21万円程度でこの他に扶養手当や通勤手当など、勤務に応じた特殊勤務手当などが支給となります。

    また期末・勤勉手当という手当があり、年間を通じて給料の月額4.2ヶ月分が支給となります。雪国では「寒冷地手当」などという特殊な手当もあります。前述した「特殊勤務手当」とは、鑑識や刑事など、専門的な知識や技術を要する場合に支払われる手当です。他にも「銃器犯罪捜査従事手当」や「爆発物処理作業手当」などの手当があります。寮は独身寮、家族寮があり、各種手当や福利厚生は充実しています。

  • 警察官の休日はどんな感じ?
  • 警察官の休日は勤務体制によって異なります。交番勤務の警察官は交代勤務制で、24時間を3交替で勤務します。休日は4週間のうち8日です。年次有給休暇や育児休業、年末年始などの休みがあります。デスクワークの警察官は月曜日から金曜日までの勤務で、土日が休みです。

    働いている部署によっては、休みの日でも大きな事件があれば呼び出されることもあり、事件解決まで家に帰れないという場合もあります。

気になる警察官の階級の仕組みを知ろう

巡査警察官の一番下の階級
巡査長巡査で成績が優秀であり、経験が豊富な者
巡査部長新任の巡査の教育係もする。主任
警部補キャリアはここからスタート。警察署では係長・警視庁では主任クラス
警部警察署の課長・警視庁の課長補佐
警視警察署の署長・警視庁の課長
警視正大規模な警察署の署長・警視庁の部長
警視長県警本部長・管区警察局長
警視監道府県本部長
警視総監日本の警察の中でたった一人最高級の階級。内閣総理大臣の承認を得て任免される警視庁の本部長
警視庁長官警察官ではありませんが実質的に全ての警察官の上に立つ役職

「キャリア」と「ノンキャリア」の違いって一体どんなもの?

  • 「キャリア組」とは
  • 「キャリア組」とは国家公務員のことを言います。国家公務員採用試験を受けて警察官になった人のことを言います。警察庁に採用されていわゆる「警察官僚」としてステップアップしていく人達のことを警察官の中で「キャリア組」と呼ばれています。

    キャリアの警察官は全国の警察本部や警察署で管理者として働き、外務省などに出向することもあります。

  • 「ノンキャリア組」とはどういう意味?
  • 都道府県の警察官採用試験を受けて警察官になった人のことを「ノンキャリア組」と言います。「ノンキャリア組」と呼ばれる警察官は地方公務員です。交番勤務や県警などで働く警察官のほうが多いため、警察官のほとんどが「ノンキャリア組」です。

    「キャリア組」のほうは警察官組織の管理者という仕事で、デスクワークを中心に仕事をしています。白バイ隊員や鑑識などは「ノンキャリア組」です。また、第一線で活躍しているのは「ノンキャリア組」です。自分が警察官としてどのように働きたいかを考えて「キャリア組」を目指すか「ノンキャリア組」を目指すかを選ぶことが必要です。

警察官になるにはどうしたらいいの?

警察官になるために必要な学歴は?

警察官になるためには、有名大学を出ていなければいけないということはありません。採用試験では一般的に、高卒・短大卒・大卒という形での区分があります。この区分により試験のレベルや受験資格が異なります。初任給の違いはありますが、学歴によって仕事が大きく制限されるということはありません。

採用試験を受けると警察官へ近づける!

  • 警察庁
  • 警察庁勤務は国家公務員なので、国家公務員試験採用試験を受けます。そして、合格したら警察官として採用されることが必要です。国家公務員の採用試験はとても難易度が高く、警察庁の総合職での採用者数は毎年10名程ですので、上位の成績ではないと警察庁での採用は難しいでしょう。

  • 皇宮警察本部
  • 皇居や御用邸の警備をする、国家公務員として働く警察官がいます。皇宮警察本部所属の皇宮自衛官は、天皇皇后両陛下や皇族の護衛をします。その護衛官になるためには、人事院が実施する試験を受験します。

  • 都道府県警
  • 警察官のほとんどが、地方公務員として働く都道府県警です。試験は、各都道府県警察本部が実施する警察官採用試験です。受験するときには身長・体重の条件があります。(警視庁の場合は男性160cm、体重48kg以上、女性は154cm、体重45kg以上)しかし、身長が足りないからといって不合格になるというものでもないようです。

警察官の志望動機はどのようなものがいい?

警察官を目指す人は、面接の時に「なぜ警察官になりたいのか」と聞かれたら、明確な答えができないといけません。都道府県警を受験する場合は「なぜその土地で働きたいのか」ということも問われます。

警察官の採用試験は、人物を重視したものです。警察官になるにふさわしい正義感があるのか、人柄を含めて見られます。警察官の仕事内容を把握しているのか聞かれる場合もありますので、細かく答えられるようにしておきましょう。

警察官に向いている人はどんな人?

  • 正義感が強く理性的である人
  • 警察官には「正義感」はもちろん、理性をバランス良く持っていることが大切です。自分の正義感が犯人に向けて怒りになり、感情的になっては事件が解決しない場合があるからです。また、倫理的であることも大事です。警察官の不祥事などがニュースになりますが、自分の立場をしっかりわきまえ、倫理感を持つことはとても重要です。

  • 心身がタフで忍耐強い人
  • 警察官には体力だけでなく、精神力が必要です。厳しい現場に向き合わなければならないこともありますし、事件解決のために何日も何年も歩きまわって捜査をすることもあります。真冬の寒空の下や、真夏の太陽の下で1日中外に立っていなければならないこともあります。

    犯人から供述を引き出すために、時間をかけて話を聞き出すこともあり、忍耐強く待たなければならないこともあるのです。

  • 協調性がある人
  • 警察官の仕事は一人ではできません。組織の中で他の警察官と協力して捜査します。警察学校に入った時には集団で行動をすることが多く、授業や食事・入浴も常に集団で動きます。警察学校で協調性を大切にすることを学ばせるからなのでしょう。

警察官のやりがい・大変さとはどのようなものがあるの?

警察官のやりがいが知りたい!

  • 社会に必要だと感じられる
  • 警察官の仕事は、市民の命・安全を守ることです。社会の秩序や安全のために、日々努力しています。もしも警察官がいなかったら、世の中は安全ではなくなってしまいます。警察官がいてくれるからこそ、私たちは安心して暮らせるのです。警察官は自分の仕事が市民の安全を確保しているのだ、社会に必要な仕事だ、ということにやりがいを感じるでしょう。

  • 事件が解決したとき
  • 難しい事件を担当した時、警察官は自分の知識や経験を生かして対応します。同僚や上司、部下などと協力し、全力で事件に立ち向かい解決に至った時に達成感を味わい、やりがいとなっていきます。

  • 幅広い仕事ができる
  • 警察官の仕事は多岐に渡っています。交通事故を未然に防ぐために取り締まりをしたり、凶悪事件を取り扱ったり、現場に出ないで裏方で事務作業をして警察組織を支える仕事もあります。警察官は異動があるので、色々な部署で様々な現場を経験してスキルを磨くことができるのはやりがいを感じられるのです。

警察官の大変さはどんなとき?

  • 危険な目に遭うこともある
  • 警察官の仕事は決して安全なものではありません。市民の命や安全を守るため、時には危険な目に遭うこともあります。

  • 家族の理解が必要である
  • 警察官の仕事は、心身共にハードな仕事です。配属されている部署によっては危険と隣り合わせであり、家族に心配をかけることが多いでしょう。事故や事件が起こったら、休みでも現場へ行かなければならないこともあります。

    せっかくの家族旅行が中止になってしまうことがあったり、休みの日に仕事へ行くこともあったりするため、家族の理解が必要です。ハードな仕事だけに、そばにいる家族が一番の理解者でいてくれることは大切なことです。

  • 異動のたびに仕事を覚えなければならない
  • 警察官は異動がある仕事です。やりがいを感じて取り組んでいた仕事から、他の部署に異動になることもあります。新しい部署に変われば、一から仕事を覚えなければなりません。また、転勤もありますので新しい土地で新しい生活に慣れなければなりません。これらをスキルアップの為だと思える人ではないと難しいかもしれません。

  • 常に勉強や訓練が必要
  • 警察官は常に勉強と訓練が必要です。世の中の動きについて、いつもアンテナを張っておく必要がありますし、体を鍛えておかなければなりません。心身共にタフでなければならない警察官は、厳しい訓練をこなしながら仕事をしていかなければならないのです。

警察官の役割とはどのようなものでしょう

すべての警察官は国民の命や財産を守り、平和な社会のために犯罪を未然に防ぐことを目的に働いています。警察の職員は30万人近くの非常に大きな組織です。それぞれが様々な部署で、私たちの暮らしや国の安全のために働いてくれています。警察官がいてくれるからこそ、私たちは安心して暮らしていくことができるのです。

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