週休3日制の導入で給料や働き方はどうなる?休みが増えることで見えてくるメリット・デメリット

働く会社が週休3日制だったらどうですか?休みが増えてうれしいと感じる人が多いでしょう。しかし、果たして本当に週休3日制になった場合、うれしいことばかりなのでしょうか。どこかにしわ寄せはこないものなのでしょうか。今回は週休3日制について考えてみましょう。

週休3日制の働き方

労働時間を1日10時間にするパターン

週休3日制にするためには「時間配分変更」をする働き方があります。1週間の総労働時間は変えず1日10時間にする方法です。1日8時間を週5日で総労働時間が40時間だったのを、1日10時間にして週4日で総労働時間40時間にするのです。
こうすることで、労働時間を減らさずに育児や家族と過ごす時間が増えること、趣味などの時間に充てられるとのことで労働者のモチベーションアップに繋がることが期待されます。また、会社としては求人への応募者が増えることが予想されます。

労働時間は8時間で基本給が減るパターン

こちらの働き方は、週休3日にして1日の労働時間を変えないケースです。そのかわり基本給や賞与が出勤日数に合わせて減るというケースです。

週休3日についてのアンケート結果

マイナビニュースで週休3日制についてのアンケートを行なった結果、週休3日制に賛成と答えた人は53.6%、反対の人は46.4%でした。

賛成と答えた人は、「休みが増えたら疲れが取れる」「もっと休みが欲しい」と考える人や、休みが増えることで「旅行ができる」「プライベートを充実させられる」とプライベートの充実を考えて賛成する人が多くいました。休みが増えることで、普段の仕事を集中して今まで以上に効率的に取り組めると考える人もいます。そして、「資格取得のための勉強ができる」などスキルアップの時間が取れるという答えをした人もいました。

一方で、反対派の人達は、「休みが増えると給料が減る」という風に考える人が多くいました。「休みが増えると週就労日に忙しくなる」「仕事量が増えて負担が増える」と休みが増えることでの仕事量のしわ寄せを懸念する声が上がりました。また、「休みを増やすのではなく、自由に休みの日を決めてよいほうがいい」などの意見もありました。
このように、賛成反対の意見を見ても単純に休みが増えて嬉しいということにはならないようです。

週休3日制を導入している企業例

ヤフー

ヤフーが導入した週休3日制は、育児や介護を行う一定の基準を満たす人に対して「選べる勤務制度」というものです。1日あたりの所定労働時間を変えずに働き、給料はその分減るというパターンです。そして制度の利用申請は月毎と決められています。

佐川急便

佐川急便では一部地域でセールスドライバーを対象として、週休3日制を導入しています。この場合は週4日で、1日の労働時間を10時間とするものです。1週間の総労働時間は変えずに1日の労働時間を増やす方法です。また、変形労働時間制をとっていて、月や年単位で就労時間を設定しています。そのため、1日の労働時間が8時間を超えても残業代は支払われません。

ユニクロ

ユニクロが週休3日制を導入したのには、高い離職率に歯止めをかけるという目的もあります。2009年に入社した新卒の社員は3年以内に5割が退職し、2012年入社の社員は3割が辞めています。人を増やすための採用コストや教育にかけるコストはかなり負担になっているのです。ブラック会社との悪いイメージを払拭するための秘策とも言われています。
ユニクロの場合、週休3日制の働き方は労働時間を1日単位ではなく、週や月単位で設定する「変形労働時間制」がベースとなります。週4日の勤務の場合は1日の労働時間が10時間になります。

日本IBM

日本IBMは全社員を対象に「短時間勤務制度」を導入しています。①週3日勤務②週4日勤務③週5日勤務(労働時間はフルタイムの6割)④週5日勤務(労働時間はフルタイムの8割)の、4つの中から勤務時間を選択できます。給与は労働時間に応じて減額されます。

週休3日制のメリットとデメリットはどのようなものがあるの?

週休3日制のメリット

離職者が減る

業種によっては人手不足が深刻な問題になっています。せっかく採用しても仕事内容や拘束時間の長さで人が辞めていってしまうということもあります。人手不足を解消するために、週休3日制を導入して人を増やそうという会社や、休みを増やすことで辞めていく人を減らすという会社もあるでしょう。

生産性の向上が見込める

大分県の「アキ工作社」という会社は、2013年6月から週休3日制を導入しています。週休2日制の頃は1日8時間だった労働時間を、1日10時間にして週40時間を維持し、給料は変えませんでした。たくさん作ればたくさん売れて売上は上がるが、従業員のモチベーションは下がると考えた社長は「たくさん働かない」ということを思いつきました。従業員に休みを増やし、その時間を自分のスキルアップなどに使ってほしい。と考えました。
それが仕事の効率化や従業員のモチベーションアップになり、生産性が向上したとのことです。残業は減る、業績が上がってきたということで、この会社は週休3日制を導入して成果を出しています。

プライベートの時間が確保できる

週休3日制になったら、育児や介護などの時間が確保できるとともに、家族と過ごす時間を増やせます。子育てに参加して子どもの成長を感じることができるのは大きな喜びとなります。また、増えた休みを利用して資格取得のための勉強にあてたり、趣味の時間を過ごしたりとプライベートを充実させられます。休みが増えることでリフレッシュになり、気分転換をして仕事に取り組めます。

キャリアを中断せずにすむ

女性は結婚や出産が仕事に影響を与える場合があります。出産の前後は休まなければなりませんし、保育園などの関係ですぐに仕事に戻ることができないこともあります。そうなると、退職せざるをえないことがあるのです。子どもとの時間を確保したい、もっとそばにいてあげたいと仕事と子育ての間で悩む人も多い中、週休3日制になれば子どもとの時間も確保できます。今まで築いてきたキャリアを中断せずに仕事と子育てができるのは、週休3日制のメリットです。

通勤などのストレスが減る

通勤の際に電車を使っている場合、通勤時間の電車の混雑のストレスは相当なものです。総務省統計局が行なった日本全国で通勤時間の統計をとった結果、全国の中で一番通勤時間が長いのは神奈川県の1時間40分でした。全国平均は1時間14分です。
その時間全て電車の中にいるわけではありませんが、2時間近くの通勤時間はかなりのストレスです。週休3日制になったら、そのストレスが1日でも減るわけですから、だいぶ楽になるでしょう。

参考サイト:総務省統計局

週休3日制のデメリット

他社とのコミュニケーションが取りづらくなる

週休3日制になった場合、平日のどこか1日が休みになるわけですが、週休2日制の会社が多いので他の企業とのズレが出てきてしまう可能性があります。例えば、製品の発注をしてもらったのにメールの返事が遅くなるなどのことが起こります。企業間のコミュニケーションが円滑に取れないことが起きてしまうのはデメリットとしてあげられます。

1日の労働時間が増える

週休3日制になったということで、1日の労働時間が増えます。3日休みにするために就労日に仕事を終わらせなければならず、残業をすることが増えるのではないかとの声が上がっています。また、週休3日制にしても就労日の労働時間が増えると体力的に厳しいのではないかという心配の声があります。

基本給などの給料が減る

週休3日で、1日の労働時間が週休2日の時と変わらない場合は、基本給が減る場合があります。休みがあっても給料が減らされたら、出かけることや趣味に費やせるお金も減るため、充実した休日を過ごせない可能性があります。

週休3日制を導入している国

オランダのワークシェアリング

オランダでは、ワークシェアリングという形をとっていることで週休3日制を実現させています。ワークシェアリングとは、仕事を分け合う働き方です。1人あたりの労働時間を短縮することで、社会全体の雇用者数を増やすという考え方です。1人あたりの賃金が下がってしまいますが、その分の保障を政府が行なっています。また、仕事を分けることで失業者を減らすこともできます。オランダはこのワークシェアリングを取り入れ、大きな実績をあげています。

パートタイム制で働くオランダ

オランダの人達の働き方は独特です。正社員ではなく、パートタイムで働くことが浸透していて週休3日や週休4日で働く人がいます。なんと、オランダの警察官の3分の2がパートタイムなのだそうです。さらに、学校の先生もパートタイムで働いている人が多いのです。
もちろん、パートタイムとして働くため、1日の労働時間は短いのが特徴です。オランダの人達がパートタイムで働くのは、正社員と賃金が同じことや社会保険などの条件が同じだということが大きな理由なのでしょう。さらに、オランダは失業した時の給付制度が充実しているということが、柔軟な働き方を支えている要因なのです。

週休3日制の世の中になるの?

週休3日制はこれから増えていくのでしょうか。アンケート結果にあったように、世間の人達は賛否両論で、どちらの意見も頷けるものばかりでした。週休3日制になったからといって決して生産性が落ちるわけでもなく、かえってせっかく休みが増えたのだから休日出勤したくないと、就労日には集中して仕事に取り組んで生産性があがったという会社もあります。

1日8時間を1日に10時間にして週4日勤務にし、給料は変化なしという働き方なのか、1日8時間で週4日、給料は何割か減るという働き方なのか、これから週休3日制を導入していこうとするなら、どのように導入していけばいいのかを試験的にでも試してみる価値はあるのかもしれません。労働者が休みが増えることでリフレッシュでき、仕事に意欲的に取り組むことができるのだったら週休3日制を導入してみてもいいのかもしれませんが、課題はまだまだありそうです。

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