新卒の転職率はどのくらい?その理由と2回目の就活で失敗しないためのポイント

新卒で就職した会社がどうしても合わず、転職したいと考える人は少なからずいるのではないでしょうか。新卒の離職率はどのくらいの割合なのか、また、どのような理由で辞めるのか。そして、転職をする場合に気をつけたほうがいいことなどをしっかりと理解して転職について考えてみましょう。

新卒社員の平均離職率はどのくらい?

厚生労働省の「新規学卒者の離職状況」を参考に、新卒で就職した人が3年以内にどれくらいの割合で離職しているかを見てみましょう。この資料の中で、平成26年度に大学卒業した新卒就職者が1年~3年以内に何割の人が離職しているかに注目してみます。

企業規模別のデータが出ていますが、全体の平均は1年以内で離職した人の割合12.2%、2年以内に離職した人の割合は22.8%、3年以内に離職した人の割合は32.2%でした。企業規模別に表にしてみると、以下のような結果が出ています。

<平成26年度 大学卒の新入社員の離職率>
1年以内の離職率:12.2%
2年以内の離職率:22.8%
3年以内の離職率:32.2%

<企業規模別の3年以内の離職率>
5人未満:59.1%
5~29人:50.2%
30~99人:38.8%
100~499人:31.9%
500~999人:29.8%
1000人以上:24.3%

企業別に見てみると、従業員が少ない企業の方が離職率が高いことが分かります。29人未満だと半数もの人が3年以内に辞めているのです。人数が多いほうが人間関係の悩みも仕事の悩みも相談できる人が多かったりするのかもしれません。

出典:厚生労働省 新規学卒者の離職状況
出典:厚生労働省 新規大卒就職者の事業所規模別離職状況

新卒社員が転職する理由とは

人間関係のトラブル

新卒社員が転職する理由の多くは人間関係が原因です。新卒社員は特にまわりの人に相談できないという悩みを抱えている人が多いのではないかと推測されます。先輩に相談するのがいいのか、上司に話すべきことなのか、「甘い」と言われるのではないか、と思い悩んでしまうのではないでしょうか。

給与の不満・不安

新卒社員で入って、これからという人が給与に不満を持つというのは少しまだ早い気がしますが、実際に給与に不満を感じて辞める人がいるのは事実です。また、2年目、3年目になっても全く給与が上がらなかった、または賞与が思ったよりも少なかった、場合に今後の不安を感じて辞める決断をする人もいます。

仕事が自分に合わなかった

就職したものの、仕事が自分に合わなかったという人もいるでしょう。大学を卒業して自分が何をやりたいか、どんな仕事がしたいのか明確に決めて就職活動する人がいる中で、自分が何をしたいのか分からないまま就職活動をする人もいます。
そして中には就職活動を早く終わらせたいために、一番最初に内定をもらった会社に決めて就職活動を終える人もいます。そんな人が実際に仕事を始めたら、仕事が自分に合わなかったというケースもあるのです。

忙しすぎてプライベートの時間が取れない

仕事が忙しすぎて自分の時間が取れない、プライベートが充実していないというケースもあります。就職をして、最初の頃は覚えることがいっぱいで余裕がないという人もいるでしょう。業種によっては何年たっても常に覚えることがたくさんあり、資格を取るために日々勉強が必要な仕事もあります。
家に帰ってからは仕事で必要なことを覚えたり勉強しなければならず、休日も勉強に追われるなんてこともあるでしょう。学ぶことが好き、新しいことに挑戦することが楽しいと思える人は苦に思わなくても、こんなはずではなかったと思う人もいるでしょう。

仕事ぶりの評価がない・やりがいがない

就職したばかりの頃は、仕事ができなくて当たり前です。しかし、時間がたっても仕事を任せてもらえない、評価が低いなどという場合はモチベーションが下がってしまいます。やりがいを感じる仕事ではない場合、自分が活躍できる場所は他にあるのではないかと思い、転職を考えるようです。

新卒社員が転職する時の強味

ビジネスマナーが身についている

新卒社員が転職する場合の強味は、ビジネスマナーが身についていることです。「新卒社員」という定義に決まったものはありませんが、転職する時は一度新卒で就職しているので「第二新卒」扱いになります。これは、新卒として就職して1~3年以内に転職する人のことを指します。どのくらい企業で働いていたかによりますが、初期教育でビジネスマナーの教育を受けている場合はその教育に時間を割かずに済みます。

同業種の場合は即戦力になる

同業種での転職の場合、第二新卒の転職だと即戦力になる可能性が高いので、企業側は新卒を採用するよりも第二新卒を歓迎する場合があります。しかし、あまり経験を積まない段階での転職だった場合は職務経歴書に実績などを分かりやすく記入し、正直にできる仕事を伝えるようにしましょう。

転職の志望動機がはっきりしている

新卒社員が転職をする場合、どうして転職したいのか、どうしてその会社で働きたいのか、が明確になっている場合が多いです。例えば、本当はやりたい仕事があったが採用されなかった。次にやりたいと思っていた企業に採用され、就職したもののどうしてもやりたかった仕事が諦めきれない。との理由。一度就職をしたのに、そこを辞めて転職をするという場合はそれなりの覚悟や意志があります。

入社してすぐ辞める新卒社員は甘え?転職する時の弱点

半年や1年で辞めている新卒はまたすぐに辞めてしまうと思われる

新卒社員が転職する場合、1~3年以内の転職なので、採用する側も「採用してもすぐに辞めてしまうのではないか」と危惧してしまいます。堪え性がない、仕事に対して甘い考えなのではないかと思われてしまうかもしれません。そう思われても仕方ありませんが、転職の目的を面接の際にしっかりと伝え、面接官に採用したいと思わせる志望動機を伝えられるようにしておきましょう。

新卒で転職したら出来て当たり前だと思われる

同業種への転職の場合は、特に出来て当たり前だと思われてしまいます。また、一度社会へ出て働いた経験があるということで初めて社会へ出る人よりも高いハードルで見られてしまうでしょう。期待されるのは嬉しいことですが、実力以上のことを求められても自分がきつくなるだけです。面接の時に職務経歴書や口頭で、どんな仕事をやってきたかスキルなどについても詳細が分かるように伝えておきましょう。

新卒社員の転職活動を成功させるポイント

新卒社員の履歴書の書き方のポイント

新卒社員が転職する場合、面接官は初めて社会へ出る人よりも厳しい目で履歴書を見ます。ポイントはなんといっても「職歴」。どんな仕事をしていて、どのような実績を挙げてきたかを確認するでしょう。履歴書は丁寧に書くのはもちろん、会社名を省略して書いたりしない。株式会社を、(株)と書かないなどです。
職歴は分かりやすく、資格は転職先で役立つものがあったらアピールするために書きましょう。転職の場合は、職務経歴書を提出する場合が多いと思いますが、実績を詳しく書いて提出します。

新卒で異業種へ転職をする場合の注意点

転職をする時に面接をする側が気にするポイントは、その人を採用したら即戦力になるかという点です。できれば研修などを短くしてすぐに戦力になる人を採用したいのが企業側です。
しかし、全く業種が違う場合は一から教育をしなければならないため、採用してもらうためには「志望動機」と「自己PR」が大切です。会社にとって必要なのは柔軟で会社の力になる人です。組織の中でも柔軟に対応できる、自分が持っているスキルで生かせるものをアピールすることが面接を成功させるための重要なポイントです。

新卒社員の転職は焦らずに!

新卒で就職したのに転職を考えるのにはそれなりの理由があるでしょう。どうして転職したいのかを今一度落ち着いて考え、転職のために必要な準備を始めましょう。焦っても良い結果は出ません。自分のスキルを磨き、社会人として必要なことをしっかり身につけて時間をかけて転職活動をすることをおすすめします。

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