ペットセラピストとはどんな職業?具体的な仕事内容や必要な資格・お給料について

今回はペットセラピストの仕事についてです。ペットを飼っている人は毎日ペットに癒やされているでしょう。そばに居てくれるだけで幸せになれる大切な存在ですよね。そんなペットですが、動物でも色々なことにストレスを感じています。ペットを癒やすペットセラピストの仕事内容とはどんなものなのでしょうか。

ペットセラピストとは

ペットセラピストの仕事内容

ペットセラピストの仕事は、さまざまなストレスを抱えたペットのストレスの原因を探り、改善することでペットに健康でいてもらう仕事です。

ペットは少しの環境の変化でもストレスが溜まったり、食欲が落ちたり元気がなくなったりします。また、人間のライフスタイルに合わせて生活をすることで、生活習慣病や肥満など人間と同じ病気に悩まされているペットが増えてきているのです。そんなペットのために、食事や精神面などあらやる分野で健康を管理するのがペットセラピストです。
具体的にはツボ押しやマッサージ、ハーブでストレスを軽減させてあげたり、そのペットに合わせた食事内容や健康管理法を飼い主に指導、カウンセリングを行ったりもします。さらに、ペットセラピストはトレーナーとしての役割をこなす場合もあります。そのため、動物の身体のことや行動、しつけについての知識も必要です。

ペットセラピストの給料

ペットセラピストの給料は月給16万円から18万円程です。就職先にもよりますが、ペットサロンなどで正社員として働いている場合は、安定した収入を得ることができます。福利厚生や賞与は職場の規定により異なります。

ペットセラピストになるにはどうしたらいい?

ペットセラピストになるには資格が必要?

ペットセラピストとして働くために必要な国家資格は存在しません。しかし、ペット関連の民間資格として、一般財団法人、日本能力開発推進協会の「ペットセラピスト」があります。犬、猫に関しての基礎的な知識やしつけ、グルーミング、マッサージなどの知識を有している証明になるため、就職する時に資格を持っていると有利になる可能性があります。

また、しつけに特化した「ドッグトレーナー」やトリミングとグルーミングの知識と技術を身につけた者が取得できる「トリマー」などもあって、ペットを癒やすという意味では役に立つため、勉強をして資格取得しておくのもいいでしょう。

専門学校で学ぶ

ペットセラピストになりたい人が専門学校で学んで資格取得を目指す方法があります。専門学校には動物看護師やトリマー、ドッグトレーナー、ペットセラピストなどの学科があります。専門学校の特徴は、就職を目指して専門的な知識や技術を身につけられるところです。また、実習が充実しているので実際に動物を相手にして実践で学ぶことができます。インターンシップでは、ペットサロンなどで実際に働きながらプロの指導を仰ぐことができます。

通信講座で学ぶ

通信講座で学ぶ方法もあります。仕事をしながら資格を取りたい人など、学校へ通う時間がない人は通信講座も資格取得の一つの方法です。通信講座は空いた時間で自分のペースでできることがメリットであり、デメリットでもあります。地道にコツコツと勉強に集中できる人でしたら通信講座に向いているといえますが、一人で机に向かって勉強するのが苦手な人は向かない勉強方法かもしれません。

ペットセラピストは独学でなれる?

ペットセラピストの仕事はペットの身体の仕組みや行動の特徴、しつけなどの知識がないとできない仕事です。犬と猫では身体の仕組みも行動も違います。しつけの仕方も変わってきます。それらを独学で学ぶのは難しいことです。独学で資格取得が不可能なことはありませんが、専門学校で実習やインターンシップを経験することで得られることもあります。もし可能であれば学校で学ぶことをおすすめします。

ペットセラピストが活躍する場所

ペットセラピストはどんなところで働くの?

  • ペットサロン
  • ペットサロンは色々なタイプがありますが、ペットホテル、トリミング、グルーミングを提供しているところが多いです。
    ペットの健康を第一に考えた対応をしているサロンが多く、ペットホテルで犬や猫を預かる時には飼い主さんにペットの性格や預かる際の注意点をよく聞きます。1頭ずつ、きめ細やかな対応が求められるため、ペットセラピストは預かったペットに合った接し方をします。初めて飼い主さんと離れてホテルに預けられるペットは不安でいっぱいです。ご飯を食べなくなったり、トイレをしなくなったりするペットもいます。ペットセラピストは、そんな心細いペットに寄り添い、お世話をします。

  • ペットショップ
  • 犬や猫の健康を維持するためのストレスケア、シャンプーやマッサージなどのグルーミングの知識・技術を有しているペットセラピストはペットショップでも活躍しています。ペットショップではトリミングサロンを併設しているところも多く、トリミングやグルーミングを提供しています。ペットセラピストはペットに対してマッサージや爪切りなどをするとともに、ペットショップで販売されているペットの世話をしながら、ストレスケアも行います。

  • 動物病院
  • 最近の動物病院はペットホテルやトリミング・グルーミングができるサロンが併設されていて、ペットの健康を管理するサービスを提供している病院が多くなっています。ペットホテルに預ける時も、もしも何かあったときには動物病院があるので、すぐに対応ができるということで人気があります。ペットセラピストは動物病院でグルーミングや入院しているペットのお世話などをしています。

  • 独立して働く
  • ペットセラピストとして独立して働く人もいます。ペットはさまざまな原因でストレスを抱えてしまうことがあるので、マッサージを施すなどしてストレスを緩和します。しかし、マッサージするだけでは独立してもそれで生計を立てるの難しいでしょう。トリマーやペットシッターの資格を取得して、セラピーとトリミングができるサロンとして独立することでニーズが望めます。

ペットセラピストの求人

「ペットセラピスト」としての求人を探すのは難しく、ペットショップや動物病院では職員を募集していたとしても、ペットセラピストだけの仕事をする人は募集していない場合が多いのです。
ですから、ペットセラピストの資格を持っていることを武器に、ペットショップや動物病院に応募するといいでしょう。動物病院で採用されたら、セラピーだけではなくグルーミングや入院している動物の世話もします。ペットショップでは、動物の世話だけではなく接客や品出しをすることもあります。

ペットセラピストのやりがいと大変さ

ペットセラピストのやりがい

  • ペットを元気にさせることができたとき
  • ペットは自分のストレスの原因を人に伝えることができません。ですから、ペットセラピストは飼い主さんの話を聞いて、そのペットがどのようなストレスを抱えているのか突き止めなければなりません。
    原因がすぐに分からない場合は、ペットと過ごしながら原因を探します。はじめのうちは心を開いてくれなかったペットが、少しずつ心を開いてくれて心身共に健康を取り戻していく姿を見ることができた時は、ペットセラピストとしてのやりがいを感じることができます。

  • 飼い主さんに寄り添えたとき
  • 愛するペットが無駄吠えや噛み癖などで困った行動をしているとき、飼い主さんはなぜこんなことをするのだろうと悩みます。ペットセラピストは落ち込んでいる飼い主さんの気持ちに寄り添って、どうしたらペットが問題行動をしなくなるか一緒に考えて改善点を見つけ出します。ペットが少しずつ問題行動を起こさなくなって、飼い主さん自身もペットへの接し方を勉強できたとき、飼い主さんが喜んでくれます。
    また、ペットセラピストは飼い主さんの心を癒やす仕事もします。ペットを亡くして悲しんでいる飼い主さんの心に寄り添って、悲しみを乗り越えるヒントを与えます。はじめは毎日泣いていた飼い主さんが、少しずつ悲しみが癒えてペットとの思い出が悲しみから楽しかった思い出として心に浮かべることができるようになったとき、ペットセラピスト担ってよかったと思えるでしょう。

ペットセラピストの大変さ

  • 飼い主とのコミュニケーションが難しい
  • 何かの理由でストレスを抱え、無駄吠えや噛みつきなどの問題行動を起こしてしまっているペットがどうしてそのような行動をするのか原因を探らなければなりません。原因を突き止めても、飼い主さんの協力がなければ解決の方向に導くことができません。
    中には、自分のペットへの接し方は間違っていないと、なかなか協力が得られなかったりすることもあります。ペットのストレスを取り除く前に、飼い主さんとのコミュニケーションが難しいこともあり、そんな時は大変だと感じることもあるでしょう。

  • 飼い主さんの先入観をなくす作業が大変
  • ペットを飼っている人の中には、自分のペットに対して先入観を持っている人もいます。例えば、猫は勝手気ままで好きなように行動しているので、飼い主が構ってやらなくてもいい。留守番も寂しくないはず。と思っている人もいるでしょう。しかし、すべての猫が気ままなわけではありません。猫にも性格があって、放っておいてもらいたい性格の猫もいれば、人に甘えるのが好きで飼い主さんのそばを離れない猫もいます。このように、ペットへの先入観を取り除くことから始めることもあるので、難しいこともあります。

  • ペットが心を開いてくれないことも
  • 何らかのストレスを受けて心を閉ざしてしまっているペットは、知らない人が来たと最初はものすごく警戒するでしょう。すぐには心を開いてくれないほうが多いのです。人間に虐待された経験があるペットなどは、人が近づくことさえできないほど威嚇して吠えてきたり、反対にケージの隅にうずくまって全く出てこないなどの行動をします。ですから、人間が行動や仕草で心の中を読み取ってあげなければなりません。そういったことでセラピーが思うように進まないこともあります。

ペットセラピストに求められること

日本ではペットを飼う人が増えてきました。しかし、しつけや飼い方を知らずに飼い始めてしまって、ペットの問題行動をどうしたらいいのか悩んでしまう人もいます。また、最近は共働きの家庭が増えていて、長時間の留守番がストレスの原因になっています。そんなペットのストレスを取り除くペットセラピストは、これからもペットと飼い主を救うために必要な職業といえるでしょう。

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