英語教育の強化を目指し、小学校では2020年度には小学校3年生から授業に英語が加わることが決まりました。そこで注目されているのが、子どもたちに英語を教える「児童英語教師」です。「児童英語教師」とはどんな仕事内容で、なるために必要な資格があるのかなど、詳しくお話します。
児童英語教師とはどんな仕事？
2020年度から、小学3～6年生の授業に英語が加わることになりました。3・4年生では「外国語活動」として英語にふれ、5・6年生からは英語が「教科」となり成績がつくことになりました。小学生ももちろんですが、「小さいうちから英語を習わせたい」と考えるお母さんたちも多くいます。小学生以下の小さな子も英会話教室などに通い、英語にふれる機会が増えてきました。
そこで注目されているのが「児童英語教師」です。「児童英語教師」とはどんな仕事なのでしょうか？
子どもに英語を教える
児童英語教師は、英語を子どもに教えるのはもちろん、英語を覚えて話したり学んだりする楽しさを教えることが仕事です。子どもたちが飽きずに学べるように、音楽や絵など子どもが好きなものを使って心をつかみ、「楽しい」と思えるように英語を教えていきます。英語は子どもの年齢によって教え方を変えていく必要がありますが、一番は、子どもたちが英語に苦手意識を持たず、親しみを持って学べるように環境を整えたり教材を使ったりと、児童英語教師の教え方に工夫が大切です。
上記でお話したように、グローバル化が進んでいたり小学校でも英語教育が始まったりなど、小さいうちから英語にふれさせたいと考える保護者も増えています。児童英語教師は、子どもたちの持つ力を伸ばし、英語への親しみを持たせることや外国に興味を持たせることが役割といえるでしょう。
児童英語教師がやりがいを感じるとき
やりがいを感じるときは、何より子どもたちが英語を楽しんで学んでる姿を見たときでしょう。子どもが「もっと英語を勉強したい！」と意欲的になってくれることや、英語を学ぶことを楽しみにしていると、児童英語教師として頑張ろうとやる気も沸いてきますし、やりがいを感じることができます。教えている子どもの将来の夢が英語に関わることであれば、これほど嬉しいことはないはずです。
また、この仕事は、自分が今まで学んできた英語や外国の知識など積み重ねてきたことを活かしていけることも特徴です。
児童英語教師に向いてる人
英語を楽しく教える「児童英語教師」にはどんな人が向いてるのでしょうか？大きく3つに分けて紹介します。
英語が好きな人
この仕事は、英語が好きな人に向いているでしょう。英語を教える仕事なので、英語が好きでないといけません。子どもたちは、児童英語教師からどんどん知識やスキルを吸収していき日々成長してくので、児童英語教師も一緒に日々成長していく必要があります。そのため、常に向上心があることや教えることが好きだと、より児童英語教師に向いているといえるでしょう。
子どもが好きな人
子どもと関わることが好きな人も向いているでしょう。また、子育て経験のある主婦の方もその経験を活かして働くことができる職業です。子どもも英語も好きな人には、天職といってもいいような仕事です。
児童英語教師は音楽や絵、ゲームなどを通して楽しく英語を教えていくので、「どんなことなら楽しんでくれるのか？」と子ども目線で考える力が求められます。苦手意識を持たせず、子どもが楽しんで英語の勉強を続けられるように常に工夫をこらすことが大切です。
コミュニケーション能力が高く体力のある人
子どもと関わる仕事なので、毎日元気いっぱいの子どもを相手にするには体力が必要です。そして、子どもなのでトラブルがよく起こります。そんなトラブルにも慌てずに落ち着いて対応できるような能力や、コミュニケーション能力も求められます。子どもたちとのコミュニケーションをとることはもちろん、その保護者ともコミュニケーションをしっかりと取らないといけません。人と話すことや関わることが好きな方には向いている仕事でしょう。
児童英語教師の働き方は大きく4つ！
需要が高まりつつある児童英語教師はどんなところで働くのでしょうか？大きく4つに分けて働き方と求人、お給料をお話します。
小学校で英語を教える
小学校の英語の授業で子どもたちに英語を教えます。学校なので個別指導が難しかったり目が届きにくいといったデメリットもありますが、クラスメイト同士で間違いや分からないところを教え合うことで、理解が深まることもあります。
小学校で英語を教えることが、児童英語教師として働く一番の近道です。そのため、求人は多くの人が応募します。下記で紹介するJ-SHINEが認定する「小学校英語指導者資格」を持っていると就活で有利です。
フランチャイズの英語教室を開く
フランチャイズとは、フランチャイズの本部に加盟金を支払って名前を借りて営業するビジネスです。フランチャイズだと研修があるので未経験者でも安心して働けたり、生徒集めやレッスンにかかる費用を負担してくれます。しかし、必ず一定の加盟金を納めないといけません。加盟金は数万円～数百万とさまざまです。
経営が安定するまでに時間がかかりますが、働きかたが比較的自由なので、副業や扶養内で働きたい主婦の方に人気です。
自分で英語教室を開く
自分で英語教室を開く方法もあります。教え方は自分の好きなように自由に決めることができます。個別に教えやすいことや、教材も自分の教え方に合うものを選ぶことができます。自由にできることと収入は全て自分のものになるのが、自分で英語教室を開くメリットです。
しかし、フランチャイズのようなブランド名がないので、生徒集めや開業準備も自分ですべて行います。人脈が多いと生徒を集めやすいでしょう。また、経営が安定するのに時間がかかります。
英語サークルをつくる
あまり収入に結びつかない方法ですが、英語サークルをつくって英語を教える方法もあります。生徒との距離が近く、安価で英語にふれることができます。気軽に参加できること・始められることがサークルの大きな魅力のひとつです。
一方で、収入が少ないというデメリットがあります。また、気軽なゆえに辞めてしまう子や休む子も多いので継続的に指導ができず、物足りなさを感じてしまうこともあります。
求人は結構あるの？
求人は豊富で、フランチャイズの英会話教室や小学校で英語指導者の募集があります。しかし、応募資格には、「英検2級以上」「TOEIC750点以上」「海外留学を経験した方」などの条件があります。英語に関わった経験や、英語が得意と証明できる資格があったほうが、就活で有利です。
雇用形態は正社員よりも、パートやアルバイト、契約社員の募集が多くあります。安定した収入を求める人は物足りなさを感じると思いますが、全く正社員の募集がないわけではないので、求人情報をよくチェックしてみてくださいね。
お給料はどのくらい？
気になるお給料ですが、正社員の児童英語教師は、約16万円～約50万円と幅があります。また、就労時間や業務の内容でお給料が変わります。正社員になるとクラスの業務以外にカリキュラムを作成したり、部下の指導などの仕事を任されます。人気の児童英語教師になれば、お給料はどんどん上がっていきます。
契約社員の場合、フルタイムだと約16～25万円程度が相場です。パートの場合は、時給1200円～1500円程度が相場になっています。働く時間帯としては、平日の17時以降や土日の日中が中心で、その時間の勤務が多いです。
児童英語教師になるために学校に通おう
児童英語教師になるには、学校に通い勉強することが必要です。
4年生大学・短期大学に通う
児童英語教師には、学校の先生と同じぐらいの知識が求められています。教育心理学、発達心理学、児童心理学、教育理論、教育制度論などの教職に必要な知識はもちろん、英語学、音声学、言語学、言語教育学、英文学、英会話など英語に関することの知識が必要です。また、在学中に留学や海外研修などに参加できるため、本場の英語にふれる機会もあります。
実習なども経験し、理論と経験を重ねることによって、児童英語教師に必要な知識が身につきます。
専門学校で英語を専門的に学ぶ
専門学校に通い、児童英語教師になるためのコースで専門的に英語を学ぶことで児童英語教師になることがきます。大学・短大と同様に実習に行ったり、海外研修や留学をすることもできます。
通信講座で英語を学ぶ
仕事をしていて学校に通う時間がない・子育てで忙しい方には、通信講座で英語を学ぶことをおすすめします。児童英語教師になる人は、「通信講座を受講して英語教室の講師になる」というパターンが最も多いのです。自分のペースで勉強できるのが大きな特徴です。
児童英語教師に必要な資格は3つ！
児童英語教師になるために、何か特別な資格は必要なのでしょうか？資格についてお話します。
特別な資格を持っていなくても働ける
児童英語教師になるために、実は特別な資格は必要ないのです。そのため、資格がなくても児童英語教師として働くこともできますが、下記の3つの資格があると採用で有利になります。
【J-SHINE】小学校の英語教師にはこちらがおすすめ！
J-SHINEとは、「Japan Shogakko Instructors of English」を略したもので、NPO 小学校英語指導者認定協議会が認定していて、小学生に英語を教えることができる資格です。
児童英語教師として働く一番の近道が、このJ-SHINEを取得することです。J-SHINEを取得するには、「J-SHINEコース」を選び、2週間の実習を含めた6～8週間の認定コースを卒業する必要があります。 小学校で子どもたちに英語を教えたい方におすすめの資格です。
⇒特定非営利活動法人 小学校英語指導者認定協議会 J-SHINE 公式ホームページはこちら
【児童英語インストラクター資格】本格化する英語教育に対応できる資格
児童英語インストラクターは幼児から小学生を対象とし、子どもたちに英語を教えるための知識を身につけ、児童英語教師・小学校英語教師としての豊富な知識と技術を持っていることを証明できる資格です。通信講座で学ぶことや在宅で試験を受けることができるため、社会人や子育て中の方でも取得しやすいのが特徴です。
児童英語教師を目指す方は取得しておきたい資格のひとつといえるでしょう。
【TECSOL】は世界に通用する資格
J-SHINE、児童英語インストラクターの他に、「TECSOL」という資格もあります。TECSOL は他の2つの資格と同様に、幼児から小学生までを対象に英語を教えるために必要な資格ですが、「英語で子どもに英語を教える」ところが違います。J-SHINE、児童英語インストラクターは「日本語で英語」を教えます。そのため、TECSOLを取得するコースの授業はすべて英語で行われます。小学校で働くことはできませんが、世界に通用する資格なので、多くの英語教室で働くことが可能です。
児童英語教師の需要
2020年度から始まる英語教育ですが、小学5・6年生は成績が着くことになり英語を習わせたいと思う保護者が増えています。また、幼児のうちから英語に親しみを持ってほしいと考える保護者も多く、児童英語教師の需要は高まっています。
子どもたちにとって、初めて英語を教えてあげるのが児童英語教師であることが多く、そんな子どもたちに正しい英語を指導する責任はありますが、英語が上達している姿を見ればやりがいを感じたり自分に自信もつくはずです。
何歳からでも始められたり、副業としても始めやすい職業なので、今後さらにニーズは高まっていくでしょう。