歯科助手は未経験でもできるって本当?その仕事内容や資格について徹底解説

みなさんは『歯科助手』という仕事をご存知でしょうか。一度は聞いたことがあるかもしれませんが、具体的な仕事内容までは知らないという方が多いはず。そこで、歯科助手の仕事がどのようなものなのか。資格などは必要なのか。疑問を分かりやすく徹底解説していきたいと思います。就職活動中の方や転職を考えている方、ぜひ参考にしてみてください。

未経験でもできる?歯科助手とはどんな仕事なのか

ここではまず、歯科助手の仕事がどのようなものなのかを詳しく説明していきたいと思います。

主な歯科助手の仕事内容

歯科助手の仕事は主に以下のものに分けられます。

  • 受付・会計
  • 電話対応
  • 歯科医師のサポート
  • カウンセリング

このように、歯科助手の仕事はとても幅広いものになっています。そして、どれもが責任を持って取り組まなくてはならないものばかり。では、これらの仕事内容がどのようにして行われているか、詳しく見ていきましょう。

受付・会計

来院された方の受付や会計をします。歯科医院にかかったことのある方はお分かりかと思いますが、最初にまず保険証と診察券を受付に出すところから始まります。歯科助手は速やかにそれを確認し、その患者さんのカルテを探します。

初診の方は、その歯科医院にかかる時に受付で初めて顔を合わせるのが、歯科助手になることもあります。つまり、歯科助手の対応でその医院の印象が決まることにもなりかねません。つまり、歯科助手は医院の顔とも言える存在でしょう。歯科医院の印象を悪くし、信用を落とすようなことは対応は絶対にタブーです。

会計の時には、治療内容に応じて決められている診療報酬点数をもとにして、診療代を計算して患者さんに請求するという流れです。そして、引き続き治療が必要な場合には、次回の治療の日時を伝え、患者さんの都合が合えば予約を取ります。

電話対応

患者さんからの予約や問い合わせの電話に対応します。予約の電話の場合、医院のスケジュールと患者さんのスケジュールを確認しながら日程を合わせ、予約を取ります。問い合わせの電話には、必要なことは歯科医師にも確認を取りながら対応します。

しかし、歯科医師の手を煩わせないためのも、患者さんの質問にはある程度答えられる専門知識が必要です。電話口では患者さんの顔は見えませんが、患者さんの立場からすると多少なりとも緊張しながら問い合わせをしたはずです。電話越しでも気持ちのいい対応が、医院の信用にもつながります。

歯科医師のサポート

歯科助手の仕事は“助手”と言うだけあって、歯科医師がさまざまな場面で動きやすいように診療のサポートをします。患者さんの治療に合わせてあらかじめ器具などをセッティングし、患者さんを診療室に通します。患者さんを椅子に座らせたらエプロンをし、歯科医師が診療しやすいように椅子の高さや角度の調整をします。患者さんに不快を与えず、また、歯科医師も診療しやすいようにライトの調整をするのも歯科助手の仕事です。

治療中のサポートは、患者さんの歯形を取る印象材というものを練る作業であったり、歯を削った後に詰める『詰め物』や『かぶせ』を接着するためのセメントを練る作業などが上げられます。あとは、治療中のライトの調整や削った歯や詰め物のカスなどを吸い込むバキューム作業もあります。

子どもの患者さんの場合、声をかけて安心させてあげたり、手を握っていてあげたりなど、患者さんへのケアも歯科医師が治療しやすい環境を作るための仕事のひとつです。

カウンセリング

初診の患者さんには、今一体どのような症状があるのか、いつ頃から始まったのか、普段どのような食生活を送っているのかなど、歯科助手がカウンセリングを行います。歯科医師が患者さんの問題点を正しく把握し、適切な治療を行えるように患者さんの基礎情報を把握する必要があるのです。

歯科助手の仕事は未経験でもできる?資格は必要なのか

では、歯科助手になるためにはどうしたらいいのでしょうか?また、資格は必要なのでしょうか?

無資格、未経験でもできる

歯科助手として働くために、必須といえる国家試験は存在しません。しかし、持っていれば基本的な専門知識やスキルをもっている証明になる民間資格なら存在します。持っていない人に比べれば、歯科助手になりたいという本気をアピールすることにもつながりますし、就職の際には有利になる可能性があります。

主な資格は以下の通りです。

▽日本歯科医師会 歯科助手資格認定制度
歯科医師会公式HP

▽歯科助手検定試験
医療福祉教育振興グループHP

▽その他の民間資格

  • 歯科医療事務管理士(R)技能認定試験(技能認定振興協会認定)
  • 認定歯科助手(医療福祉情報実務能力協会認定)
  • 歯科医療事務認定(日本医療事務検定協会認定)

募集要項に無資格、未経験でもOKという記載がある歯科院もあります。その場合は、採用されたとしても全く知識がないところからのスタートになります。専門用語が飛び交う中で、いちから全て覚えていく覚悟と勤勉さが必要になってくるのは間違いないでしょう。

歯科助手になりたい人の主な志望動機

では、歯科助手になりたいと思った方は、歯科助手のどのような所に魅力を感じているのでしょうか?その理由を探ってみました。

敷居の高さを感じさせない

歯科助手の仕事は前にも述べたように、無資格・未経験でも就くことのできる職業です。未経験可の求人さえ見つけることができれば、明日からでも働くことのできる職業なので、そういった敷居の高さを感じさせないところも歯科助手の魅力のひとつのようです。

しかし、スムーズに仕事をこなすにあたって、歯科の専門知識やスキルを身につけることは必須となってきます。未経験からのスタートであれば、日々の業務をしっかりと身につけ、知識を定着させるための勉強も欠かせないものになってきます。最初は、聞いたことのないような専門用語などに戸惑うかもしれませんが、きちんとした研修を行ってくれる医院も多いので、やる気さえあればスキルアップが可能です。

そして、一度覚えてしまえば、どの歯科医院でも通用するスキルになりますので、医院を移ってもすぐに仕事が始められるというのは嬉しいところです。

働きやすい

歯科助手には正社員やアルバイト、パートなどさまざまな雇用形態があります。自分の生活スタイルに合った働き方ができるというのは、結婚や出産を控えた女性にはとても心強い安心要素になります。また、出産後、子育てがひと段落してから仕事を始めたい場合も、比較的再就職しやすいと言われています。

通勤しやすい

通勤の利便性の高さも魅力のひとつに挙げられます。歯科医院は、患者さんが通いやすそうな駅前であったり駅ビルの中であったり、比較的通勤のしやすい場所にあります。もちろん例外もありますが、長い目で見ても通勤が楽に越したことはありませんよね。

残業が少ない

歯科医院は比較的予約制の所が多いです。そのため、診療時間や休診日がしっかりと決まっているので残業が少ない傾向にあります。家事や育児との両立をしたい女性にとって安心して働ける職種でしょう。

やりがいのある仕事

歯科助手は、子どもからお年寄りまでさまざまな年代の患者さんの対応を行います。そのため、コミュニケーション能力が必要になってきますが、そういったさまざまな患者さんのお話を聞いて励ましたり、雰囲気作りをしたりするのも歯科助手の仕事のひとつです。

患者さんの話を親身になって聞くことで、患者さんと歯科医師の間のかけ橋となり、医療に貢献できます。人の役に立ちたい方や人と接することが好きな方にはとてもやりがいのある仕事です。

歯科助手の仕事が合う人、合わない人とその適性

歯科助手はどのような仕事をするのか[1]で説明させていただきました。それを踏まえて、どのような人に歯科助手の仕事が合うのかを検証してみました。

歯科助手の仕事が合う人

歯科助手の仕事が合う人には次のような特徴があげられます。

  • コミュニケーション能力のある人
  • 要領良く仕事をこなせる人
  • 保険の基礎知識のある人

コミュニケーション能力のある人

患者さんは歯科医院に来院する際、不安を抱えて訪れます。少しでもその不安を和らげるため、受付や治療のサポートをする時に優しく言葉をかけてあげることが大切です。そのため、気配り上手でコミュニケーション能力の高い人が適していると言えるでしょう。

要領良く仕事をこなせる人

歯科助手の仕事は実にさまざまです。時には作業をしている最中に患者さんが受付に来たり、歯科医師から急に呼ばれたりというのは日常茶飯事です。そのため、どの仕事を優先すべきかを正確に判断し、迅速に動き対応するという臨機応変さが求められます。

向上心のある人

歯科助手は歯科医師をサポートするのも仕事のひとつですから、歯科治療に関するさまざまな知識を身につけていく必要があります。それだけではなく、患者さんの会計の時には保険の基礎知識も必要です。そういった専門知識を学びたいと思う向上心と勤勉さが必要になってきます。

歯科助手の仕事が合わない人

逆に、こういったものを持ち合わせていない方や、不平不満ばかりを述べて自分のことばかり考えている方、他力本願な方は歯科助手の仕事は適していないように思います。でもこれは、どのような職種であっても言えることかもしれません。

歯科助手の仕事の気になる収入面

では次に、歯科助手の気になる収入面を見ていきましょう。

歯科助手の給料と年収~正規雇用の場合~

正規雇用で働く場合の歯科助手の平均月収は約17万円~22万円です。年収は、賞与が年に2回それぞれの月収の1ヶ月~2ヶ月程度が相場だとして、年収にすると約250万円~300万円程度になります。一般事務の平均月収より高めに設定されているようです。

歯科助手の給料と年収~アルバイト・パートの場合~

アルバイトやパートに関しては、一般的に約900円~2000円程度で求人が出ています。比較的1000円以上の所が多い印象です。

歯科助手の気になる待遇面

限られた時間で働きたい主婦の方などにとっては、休日や労働時間がしっかりと決められたところがいいですよね。では、歯科助手の仕事はどうなのでしょか?

労働時間

一般的な歯科医院だと、診療は朝9時にスタートし、夜の7時ごろに終了します。このような歯科医院の場合、診療前の準備のために診療開始時間の30分~1時間前に出勤します。診療時間後は30分程度で片づけや会計の確認、次の日の準備などを行います。休憩時間は2時間程度。実働時間は1日8時間ですが、診療時間に準備や片づけの時間を含めると、歯科助手の拘束される時間は11時間程度と言えるでしょう。

休日

歯科助手の休日は、歯科医院の休診日に合わせたものになります。つまり、日曜祝日は休日になります。医院によって異なりますが、水曜日か木曜日のどちらかが午後のみ休診だったり、一日休診だったりしますので確認してみてくださいね。

歯科助手の仕事の現状と将来性は?歯科助手の未来

これから歯科助手の専門的な知識を身につけたり、就職や転職を考えているのなら、歯科助手の仕事の現状や将来性は知っておきたいものですよね。歯科助手の現状と将来性を以下にあげてみましたので、ぜひ参考にしてください。

歯科助手の仕事の現状と将来性

  • 自費診療への関心の高まり
  • 歯科医院と言えば従来、“虫歯など口の中に不具合が生じた際に行くもの”という認識が強いと思います。ですが昨今、歯の美容のために通う人が増えています。芸能人などを見ても「あれ?この人こんなに歯が綺麗だったっけ?」と思うことがよくありますよね。そういった方は、歯を白くするホワイトニングをしたりしています。

    また、最近では年齢性別問わず、インプラントの人気が高まってきています。これらは、自費診療という扱いになりますので保険は適用されません。

    こういった審美歯科の需要に対応するために、近年開業する歯科医院が多くなってきている現状にあるようです。審美歯科やインプラントはまだまだ新しい分野のようですが、今後需要が伸びていくことが期待されています。治療ではない理由で歯科医院に通う人が増えれば、それだけ歯科助手の需要も高まってくると予想されるのです。

  • 高齢者の増加
  • ニュースなどでも取り上げられている日本の高齢化社会。高齢者の割合が増えれば、それだけ歯科の需要が高まると予想されています。高齢者が増えると、歯科医院に通院できないような要介護者も増えていくことになるので、自宅や病院に訪れて治療を行う訪問歯科の需要が高まっていきます。そうなれば必然的に歯科助手の需要も高まっていくのです。

このように、時代の流れとともに、歯科も発展を遂げています。新しい取り組みが増えれば増えるほど、歯科助手の必要性も高まりますので、歯科助手の活躍する場は今後も増加の一途をたどるでしょう。

歯科助手の求人情報を見てみよう!

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女性にも嬉しい安定と働きやすさが魅力の歯科助手

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